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2005年1月28日 (金)

The Lord of the Rings BBCラジオドラマ版①

The Lord of the Rings BBCラジオドラマ版
Ian Holm J. R. R. Tolkien
Bantam Books-Audio 1999-12-01


by G-Tools
★★★★★

「The Lord of the Rins」のBBCラジオドラマ版で、CD13枚、13時間の長大なものである。多少の省略(トム・ボンバディルとか)・構成の変更はあるものの、映画よりも数倍原作に忠実である。とにかく脚本がよく練られており、映画で採用されなかった名台詞の数々もきちんと拾われているので、原作原理主義者にとっては映画よりもストレスが少ないだろう。全編通じて格調高さが感じられるのも良い。

LotR映画版は、あのクラスの超大作としてはハリウッド臭さや俗っぽさが驚くほど少ないし、芸術的ともいうべき映像美を誇る(これを格調高さといいかえてもさほど的外れではない)作品ではあるが、それでも映画である以上、良くも悪くもエンターテイメントである。PJは確かに原作愛読者ではあるのだが、彼は原作ファンである前にあくまでも映画人であり、どうしても映画らしい表現を優先させる傾向が強い。ヤマ場の作り方とか、煽り方や盛り上げ方だけとってみても、彼の映画人としての才能は本当に大したものだと思うのだが、映画的正しさや映像効果のために様々なものを犠牲にしているのもまた事実だったりする。個人的には、「映画としての面白さ」を追求するのは映画監督としてはごく当たり前のスタンスだと思うし、基本的に映画は小説とでは表現形態が違うから違うモノになるのは当然だと思っている。とはいえ、原作読みの哀しい業とでもいうべきか、LotRを見ていると「3時間に収めないといけないしね(「王の帰還」は収まってなかったけど)」「ニューラインシネマの意向もあるし」「さすがに恋愛ネタゼロって訳にはいかないし」「映画的には、“成長するヒーロー”像が必須なんだろうなぁ」などとイロイロ呪文を唱えたくなることがままあったりするのだ。

対して、BBCのラジオドラマは「とにかく原作に忠実に」ということが大前提のようで、ケレン味の無い丁寧な仕事ぶりはいかにもイギリスらしい(このwellmadeな雰囲気は、NHKで放映されていた英グラナダTVの「シャーロック・ホームズ」シリーズを彷彿とさせる)。「盛り上げなきゃ!」という気負いが無い分、微妙にダラダラしてるような気もするのだが、ラジオドラマは「ながら」で聴く(聞く)ことも多いし、これぐらいのテンションが適当なんだと思う。

ラジオドラマのレビューというよりは映画語りに近くなってしまったが、これ以上長くなるのもなんなんで以下次号。
ちなみに、LotR映画版に文句タラタラのように見えるかもしれないけど、基本的には、たとえ今後PJがどんな駄作を撮ろうが一生ついてきます!という気分。きちんと三部作で、しかも合計9時間半(劇場版)で撮れたってだけでも映画史に残る偉業なわけだし。

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