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2005年2月

2005年2月26日 (土)

[映画]ビフォア・サンセット

★★★★★、、、★★★★☆+かな。万人向けではありません。

「恋人までの距離(ディスタンス)」(1995)(原題: Before Sunrise)の続編。

「恋人までの距離(ディスタンス)」はとても優れた恋愛映画だと思う。ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を取ってるし、イーサン・ホークとジュリー・デルピー主演なのに、なんで日本ではこんなに不遇なんだろうか。カルトな恋愛映画といえば聞こえは良いけど、要はマイナーということだ。国内でDVD化されてないので、しょうがなくUS版を所有しているけど、リスニング量が膨大なんだ、この映画。。。

↓「Before Sunrise」US版DVD

Before Sunrise
Ethan Hawke,  Julie Delpy,  Richard Linklater
Castle Rock 2001-11-06


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「恋人までの距離」は、ハンガリーからパリに帰るフランス人女性セリーヌと、ウィーンから飛行機に乗って帰国予定のアメリカ人青年ジェシーが、ユーロトレインの中で出会うところから始まる。意気投合した2人は、ウィーンで1日を共に過ごす。
旅という非日常の中で恋が芽生える過程を描いた作品で、たった1日の恋愛模様ををドキュメンタリータッチで追いかけている。特殊な仕掛けもプロットも無く、極論すれば、2人の会話のみで成立している映画。だけど、恋が生まれる瞬間というのを、これほどリアルに、丁寧に、繊細に表現している作品は他に見当たらない。
セリーヌは、議論好きでだけどギスギスしてなくて、ナチュラルな魅力に溢れたパリジェンヌ。ジェシーは、ナイーブで感受性豊かな文系君(イーサン・ホークはこの手の役がホント上手い)。セリーヌもジェシーもとにかくよく喋るキャラクターで、ほぼ全編、恋愛、人生、思想、その場で見聞きしたことなどについてひたすら言葉を積み上げる。2人が話す内容は時には青く、頭でっかちかもしれないけれど、若者らしく純粋で、キラキラと輝いている。セリーヌもジェシーもともに頭が良くて感性が鋭く、何というか、相性抜群な2人なのだ。脚本の妙と、ジュリー、イーサンの演技力が生み出す類稀なケミストリーのおかげだろう、恋愛映画としての説得力はとにかく群を抜いている。

「ビフォア・サンセット」も、基本的には前作と同じスタイルを踏襲しており、主役2人の喋り倒し映画になっている。恋愛映画の舞台としてはこれ以上のものは無いであろうパリの風景ですら、2人の怒涛の会話の前には影が薄い(そういう意味では、「ロスト・イン・トランスレーション」で「東京」が重要な役割を担っていたのとはかなり趣が異なる)。とにかく脚本がよく練られていて素晴らしく、2人の演技もとても自然で、アドリブのようなテンポの良さもある。
ただし、「ビフォア・サンセット」は、普通の(ハリウッド的)恋愛映画を期待する人には勧めない。それから、この映画自体が「恋人たちの距離」のネタバレになっているので、前作のその後を想像して楽しみたい人はきっちり封印すべし、である。


以下「恋人までの距離」「ビフォア・サンセット」ネタバレ







「恋人までの距離」のラストで、セリーヌとジェシーは、半年後にウィーンで再会することを約束する。物語はそこで終わり、2人が再会したのか否かは、見る人の想像力に委ねられている。「言わぬが花」というわけで、とても余韻のあるラストシーンだった。

「ビフォア・サンセット」では、「恋人までの距離」から2人の再会叶わぬまま、9年が経過している。
ジェシーは売れっ子の小説家になり、9年前の「あの日」をモデルにした小説のキャンペーンでパリを訪れていた。書店のイベントで、記者を前に自作について語るジェシー。
「この女性は実在するのですか?」
「ここはパリで、キャンペーンの最終日だから、“イエス”と答えておきましょう」
「2人はその後再会したのですか?」
「祖父の言葉で代えれば、それを言ってしまったら全てがおじゃんになる、です」
そう答えるジェシーは、ふと、店の隅にセリーヌの姿を認めて息をのむ。ジェシーの帰国までの時間は、わずかに1時間半しかない…。

ジェシーの出発までを、81分間の上映時間の中で、ほぼ完全にリアルタイムで追いかけていく。
2人は思いがけない再会を喜ぶ一方で、9年前の「あの日」は相手にとって何だったのか、相手が約束の日にどうしていたのか、さらには「今」のお互いの気持ちを探り合う。ズバリ訊きたくても訊けなくて、ついつい当たり障りの無い話題を振ってみたりと、核心に向けてじれったくも緊張感溢れるやりとりが展開するのだが、この辺の腹の探り合い(言葉が悪いなー)の描写と、会話の背後に透けて見える心理描写は実に見事。

「ビフォア・サンセット」は2人が年を取った分、「恋人までの距離」よりもよりリアルな内容だ。恋愛映画としては、前作の方が夢があったしロマンティックだった、とも思う。ジェシーは既に結婚して子供もいるけれど、夫婦仲は冷え切っているし、セリーヌはこれまでの恋愛で傷つき、現在恋人がいるものの相手のことを切実に欲しているわけではない。30歳を過ぎて厳しい現実に直面している彼らがほんの束の間寄り添う姿から感じるのは、甘さよりも切なさや苦さだ。その切なさたるや、まるで、心臓を雑巾絞りされるような感じすらある。

大人になってしまった2人はこの後、どういう選択をするのだろうか?うーん、何とか幸せになってくれませんかね、この2人。

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Lorna Doone (Oxford Bookworms Library)

Lorna Doone (Oxford Bookworms Library)
R. D. Blackmore Tricia Hedge David Penn Jenny Bidgood
Oxford Univ Pr Childrens Books 2000-04-27


by G-Tools
総語数17,024、YL3.8
★★★★☆+

舞台は17世紀イギリス。John Riddは、父親を無法者一家Doone一族に殺される。数年後、Johnは美しい娘Lornaに出会い恋に落ちるが、LornaはDoone一族の娘だった。

クラシカルなラブ・ストーリーで、中々波乱万丈で面白かった。本国では結構メジャーらしく、映像化もされているのだが、1990年のTV版には、なんとショーン・ビーンがDoone一族の若き首領Carver Doone役で出演していると知ってビックリ(ショーンファンにとっては、「何を今更」だろうけど)。ちなみに、Johnはクライヴ・オーウェン。

↓コレ

Lorna Doone
Paramount Studio 2001-04-03

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輸入したいけど、VHSだから英語字幕無しなので悩んでます。

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The Last Quest of Gilgamesh (Gilgamesh Series)

The Last Quest of Gilgamesh (Gilgamesh Series)
Ludmila Zeman
Tundra Books 1998-05-01


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総語数1,300、YL3.6
★★★★★

ギルガメシュ三部作の完結編。前作で死への恐れを知ったギルガメシュはimmortalityを求めて困難な旅に出る。ギルガメシュは旅で何を得るのだろうか?

本作には、聖書の方舟伝説に類似するエピソードが登場する。方舟伝説の大元がギルガメシュ叙事詩にあるのか、もしくは、当時のオリエントで洪水伝説が既に一般的なものだったのか、その辺はよく分からないけれど、とても興味深い内容である。

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風邪

ちょっと寝込んでしまいました。風邪で寝込むなんて、10年ぶりぐらいかも。

木曜日、朝起きたら咽喉が乾燥してイガイガしてて、なんか嫌な感じだな、と思いつつとりあえず仕事へ行ったまでは良かった。そうこうしているうちに、体中が痛くなってきて、なんかヤバイぞ、と。同僚にも「変な顔しているから、はよ帰って病院でインフルエンザ検査してもらえ」と命令され、早退して医者に行った。幸い、インフルエンザ検査は陰性で、熱は36度9分しかないし、医者に来るほどじゃなかったなぁ、と俄然元気になる。その日は、薬飲んでひたすらゴロゴロ。

翌朝。37度6分。げ、熱上がってんじゃん。雪も積もってるし(雪中運転するのが億劫)、とりあえず休んで寝てることにする。まぁ微熱だしと思って、眠ったり、ぼちぼち本を読んだりしていたのだが。夜、目が覚めてみるとなんか変。汗だく。み、水、水…。熱を計ると39度2分。ひえぇぇぇ。体温計の数字を見ただけで、さらに気分が悪くなってくる。まさかインフルエンザじゃないだろうな。。。陰性だったのにぃ~~。ドキドキしながら、ご飯食べて水気をとって寝る。

で、今日の朝。36度5分。何なんだ、いったい…。さすがに高熱の後で疲弊はしているし多少グラグラするものの、なんか妙にスッキリである。とりあえずインフルエンザじゃなくて良かった。熱が下がってしまえば、本当、どうってこと無いんだけど、昨日の夜は「このまま熱が下がらなかったらどーしよー…」と生きた心地がしなかった(大ゲサ)。

今日は栄養のあるものを食べて、大人しくしてます。

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2005年2月22日 (火)

[映画]ハウルの動く城

★★★★☆(甘め)

原作未読なので、単純に映画としての感想しか書けないけれど。
基本的には楽しかった。少女マンガだな、これ。

本当に原作付なの?っていうぐらい、どこからどうみても宮崎アニメ的雰囲気に満ち満ちている。特に、空飛ぶモノたちが完全に宮崎作品していて、どこかで見たような飛行機がいっぱい登場して懐かしい気分になる。それに、「千と千尋」の究極の映像美(湯屋のデザインとか)には負けるけど、北ヨーロッパ風の町並や自然の風景はとても美しい。

キムタクのハウルは、予想外に良かった。キャスティングが発表になった時は「はぁ?キムタクだぁ?」と思ったのだが(原作未読なのでハウル役としてどうのこうの以前に、カツゼツとかセリフ回しが心配だった)、中々の王子様声だしセリフもヨロヨロせずにしっかりしていた。カツゼツという点だけなら、アシタカの松田洋治の方が怪しいくらいのもんだ(演技力に関しては、松田洋治を押すけど)。ただし、倍賞千恵子の17歳のソフィーは、ちょっと辛いものがあったなぁ。お婆ちゃん役だからっていうのは分かるんだけど、でも肝心の17歳の部分でコケてちゃマズイでしょ。あと、良かったのは三輪明宏。「もののけ」よりも断然合ってるし、「荒地の魔女」が後半尻すぼみ気味なのが勿体無いほど。

プロットや設定などは、整理できてない印象を受けた。明らかに消化不良で、ファンタジー作品に必須の「世界観の構築及びその提示」という点から見るとどうにもマズイ。朝一で見たから脳みそは比較的元気だったはずなんだけど、よく分からない部分だらけで、展開の必然性がイマイチ見えてこない。「何となく」が多すぎて雑然としているし、特にラストのバタバタバタっとした落とし方はいただけない。
よく分からない部分は、原作読めばクリアになるのだろうか?でも原作付といえば、「ナウシカ」のアニメ版が、原作をよく刈り込んだ非常にミニマムな作品で、原作からはきっちりと自立していた(アニメ版を理解する上で、特に原作漫画を必要としない)ことを考えると、「ハウル」の出来は少々荒っぽいといわざるを得ない。

今、パンフ見てたら「宮崎駿が描く生きる楽しさ、愛する歓び」というキャッチコピーが目に入った。ふーん、そうだったんだ。。。いや、確かに予告編でもラブストーリーだと宣伝してた記憶があるんですが。ともあれ、宮崎駿、ここにきてラブストーリー(それも少女マンガ)に真っ向勝負を挑むとはかなり果敢だ、と思う。そのチャレンジ精神は買うけど、(ネタバレ伏字→)「愛してるの!」の大絶叫や、ソフィーのキス乱発はあまりに直截すぎで芸が無いんじゃないですか、監督。某映画評論家がPJについて「オタクは戦闘は描けるけど、Loveは描けない」と評していたのを何となく思い出してしまったりして。。。
まぁ、そんな演出のヘタさ加減はさて置いても、ハウルの人物造形は(少女マンガ的ラブストーリーにおいては)大成功だったと思う。少々古典的というか、ベタ過ぎる気もするのだが、お約束はお約束で楽しいものだ。それとやはり、ヒーローがある程度ヘタれているというのは重要なポイントらしい。

どうも文句ばかりたれているようだけど、冒頭に書いたように楽しかった。腐っても宮崎アニメ(ん?腐ってるのか?)、いかに不味い点があろうが、見るべきところはいろいろある。マルクルも可愛かったしね。

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2005年2月21日 (月)

今日は映画の日

今日は(って、もう昨日だけど)3本映画を見てきた。去年の11月以来、映画館に行ってなかった欲求不満の解消である。ラインナップは下記の通り。

・ハウルの動く城
・ビフォア・サンセット
・ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 スペシャル・エクステンデッド・エディション

1日3本というのは人生初の試みで、予想通り、かなり体力勝負だった。しかも、普通の映画3本でもどーかと思うけど、「二つの塔」が3時間45分なので、実際は4本分のボリュームである。文字通り1日映画漬けで、かなりお腹いっぱい。うーん、なんだか「ハウルの動く城」を見たのが遠い昔のような気すらしてきたぞ。

ちなみに、「ハウル」はかなり空いてて、「ビフォア・サンセット」は意外とお客さんが入ってて、「二つの塔」はぎゅうぎゅうだった。「二つの塔」は3本目だし、混んでて席はすごい端っこだし、スクリーンの位置が高いしで、かなり疲弊した。3時間45分はさすがに長かったよ。。。

個々の感想は後日アップしたいと思います。

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2005年2月20日 (日)

100万語通過

本日、SSS多読を始めて約10ヶ月にして、やっとこさ当初の目標100万語を通過した。通過本は結局「Darren Shan Vampire Mountain」になった。
50万語越えたあたりからは、易しめのPBにも手を出したこともあって結構勢いがついた感じ。とりあえず、1年以内に100万語通過できて良かった、良かった。

まぁ、100万語もあくまで通過点でしかないので、今後もぼちぼち英語体力増強に努めまする。

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2005年2月16日 (水)

そんなに難しい英文じゃなかったけれど

今日は久しぶりに仕事で英語を読んだ。日本語に訳す必要があったので、いわゆる「精読」。
チマチマと辞書を引いて日本語の文章を組み立てながら、日本語と英語って本当に構造が異なる言語だなぁ、というごく当り前のことを痛感した。英文和訳となると、どうしても後ろから前に戻らざるを得ないし、日本語らしい日本語にする必要があるしで、英語を読んでるはずなのに頭の中ではひたすら日本語がぐーるぐーる。「英語脳を育てる」という観点からすれば超NGだ。
…寝る前になんか読んで口直ししよっと。

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2005年2月15日 (火)

Granny Dan

Granny Dan
Danielle Steel
Dell Pub Co 2000-07-05


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総語数56,000(推定)、YL5くらい?
★★★★☆

アメリカのVermontという町で暮らしていたロシア人女性Daninaは、90歳でその生涯を終えた。彼女の死後、祖母を愛してやまなかった孫娘に一つの箱が残された。中に入っていたのは、古いトーシューズと「白鳥の湖」のプログラム。Daninaは、皇后が臨席する公演で主役を務めるほどのバレリーナだったのだ。そして、金のロケット、リボンでくくられた手紙の束。これらは生前明かされることの無かった、彼女の秘めた過去だった。
物語は帝政ロシア末期の1902年、1人の少女がサンクトペテルブルクのバレエ学校に入学するところから始まる。才能に恵まれ、バレエに全てを捧げたDaninaは素晴らしいバレリーナに成長し、やがて運命的な出会いをする。しかし、それは容易に許される恋ではなかった。

私にとっての、初ダニエル・スティール本。大変なベストセラー作家らしいけど、とにかく英語が平易で驚いた。本当に大人用のPBなのか?と思ったほど。バレエ用語がチンプンカンプンという人もいると思うけど、個人的には「Charlie and the Chocolate Factory」よりもはるかに読みやすく、後半150ページを一気読みしてしまった。

バレエをとるか愛をとるかに苦しむヒロイン、なんて書くとまるで一昔前の少女マンガみたいなんだけど、少女マンガというにはちょっとシビアな話である。
一般にバレリーナというのは、運動選手並の身体能力を要求され(アメリカかどっかの研究だと思ったけど、色々なスポーツと比較しても、バレエの大変さ加減は1、2を争うそうだ)、場合によってはダイエットも辞さずにモデル並の体型を維持し、なおかつ芸術性にも優れなくてはならないわけで、とにかくシンドイ職業だと思う。バレリーナの過酷さというのは、パリオペラ座のドキュメンタリー映画「エトワール」あたりを見るとよく分かるのだが、本書で描かれいてる帝政ロシア期のバレエ界は、もしかしたらそれよりももっと厳しいかもしれない。「バレエのためには他の全てを犠牲にする」というのが当り前で、いわゆる「人並みの幸せ」というのは望めない。ほとんど神に仕える修道女みたいなものだ。
ヒロインDaninaのバレエへの献身、そのストイシズムは、痛ましさすら感じさせるほどなのだが、だからこそ、バレエ一筋だった彼女が恋を知った後に、バレエか愛かの二者択一を迫られて葛藤する様子がリアリティをもって迫ってくる。

なお、勝手にロマンス小説だと思って読み始めたのだが、厳密にはロマンス小説とはちょっと違う気がする。まぁ、恋愛小説といっておけば間違いはないのだが。それもかなり切なく、歴史に翻弄される系メロドラマで、白状すると後半は、ウルウルどころではなく泣きながら読んでいた。正直、ちょっと重いところもあるのだが、読後、後を引く印象的な作品だと思う。

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2005年2月12日 (土)

The Revenge of Ishtar (Epic of Gilgamesh (Paperback))

The Revenge of Ishtar (Epic of Gilgamesh (Paperback))
Ludmila Zeman
Tundra Books 1998-05-01


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総語数1,300、YL3.6
★★★★★

ギルガメシュ三部作のうちの第二作目。
ヘタに粗筋を書くと前作のネタバレになるので、さらっといきます。

ウルク王ギルガメシュは、山に住む怪物フンババに襲われ、闘いの末に勝利をおさめる。その際に助太刀をした女神イシュタルは、ギルガメシュに結婚を申し込むものの拒絶される。やがて、復讐に燃えるイシュタルがウルクの町にやってくる。

テーマは、「ギルガメシュと死」。前作で友情、信頼を知ったギルガメシュは、ここで死=永遠の喪失に直面する。そして、物語は永遠の生命を求める旅を描く「The Last Quest of Gilgamesh」に繋がっていく。

それにしても、多神教の神が理不尽というのは万国共通の認識なんだろうか。個人的には八百万の神様という考え方はとても好きなのだが、神の身勝手に振りまわされる人間の立場に立てばたまったものではないだろう。

一つ、なるほど、と思ったのは死後の世界を「the Underworld」と表現していること。「ギルガメシュ叙事詩」とは別に「イシュタルの冥界下り」という物語もあるようだけど、オリエントではあの世は「天上」ではなくて「黄泉の国」のイメージらしい。

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読書、DVDの友

カフェイン。ほとんど中毒かも。
といっても、コーヒーはほとんど飲まない。別に嫌いじゃないから出されたら飲むけど、自分から飲むことはまず無い(例外は、イタリア料理の後のエスプレッソ)。

もっぱら紅茶を飲んでいる。元々、実家が緑茶とか紅茶とかお茶がよく出てくる家だったから、日々普通にアッサムだのアールグレイだのを飲んでいたのだが、昨年ダージリンにはまってさらに拍車がかかった。

思い起こせば、全てはダージリン、グームティー農園のファーストフラッシュ(春摘み)に始まった。わりとよく行く紅茶茶葉専門店で、「新しい紅茶が入荷しました~」と出てきたお茶(試飲)だったんだけど、すっきりとした若い感じの紅茶で、それはそれは美味しかった。当時はファーストフラッシュが何たるかもよく知らなかったのだが、飲んだ瞬間、「お、お茶の旨みが広がるぅ~!」とビックリ仰天。なんとも劇的な経験だった。
しかし、こんな良いお茶を試飲でポンポン出す店もスゴイと思うんだけど(何しろ入店した人間にはもれなく声をかける。しかもウェッジウッドのカップで出てくる)、中には私みたく大ハマリする人間も出るわけだから、やっぱり効果はあるんだろうなぁ。私なんぞ、行くたびに旬の紅茶をいただき(半ば喫茶店がわり)、必ず大量の紅茶とともに帰路につくのだから、それこそお店の思う壺というものだ。
結局、昨年から今年にかけて、ダージリンだけでも5種類以上飲んでる気がするけど、今家にあるのは、ダージリン、グームティー農園のセカンドフラッシュ(夏摘み)、マーガレッツホープ農園のオータムナル(秋摘み)。幸せ。

胃痛になっても紅茶は止められない(胃痛は紅茶のせいではなくストレスのせいだけど)。人間、ニコチンかアルコールかカフェインか、どれか一つぐらい中毒があったって良いだろうと思って、日々飲みまくりである。

ところで、胃痛にはバジルのお茶が効くので、夜はバジルティーを飲んでいる。バジル=王の香草ということで(バジルはギリシャ語の「バジリコ=王」に由来するらしい)、ちょっとアセラスティーなイメージである。

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2005年2月11日 (金)

When Pigasso Met Mootisse

When Pigasso Met Mootisse
Nina Laden
Chronicle Books Llc (Juv) 1998-10-01


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総語数1,200、YL2.8
★★★★★

ブタのPigasso、牛のMootisseはともにスター画家だったが、喧騒に疲れ、静かに制作に没頭できる地を求めて引越しをする。くしくもご近所さんになった2頭は、やがてお互いを痛烈に批判しだすのだが…。

タイトルを見て、絵が好きな人は「ぴん」とくるかもしれない。そう、20世紀西洋絵画の巨匠、Picasso(ピカソ)とMatisse(マティス)をもじったもの。この2人の出会いと交流を描く、一種のパロディである。表紙があまり可愛くないので(特にブタ!)しばらく買うのを躊躇っていたのだが、買って大正解。2頭が大人気なく罵り合うシーンなぞ、おかしくてゲラゲラ笑ってしまった。

Mootisse "You paint like a two year old."「2歳児みたいな絵だ」
Pigasso "You paint like a wild beast."「ケダモノみたいな絵だ」

まぁ、実際その通りなんだけど。ちなみに、wild beastっていうのは、Fauve(仏語)と同義で、マティスが若い頃に関わった絵画運動-野獣派(フォービスム)-を踏まえている。

マティスという人は、真面目で謹厳実直な人だった。容貌もまるで学者のようだ。生涯を通じて色彩を追求し、しばしば「色彩画家」と呼ばれるが、同時に稀有な装飾センスにも恵まれた画家だった。
対するピカソは絵に描いたような天才・芸術家タイプ。その画風は急進的、時には攻撃的であり、終生、マンネリズムに陥ることなく、創造と破壊を繰り返した。
性格的にも芸術的にも対極的な2人だけれど、良きライバル、友人として約半世紀にわたって互いに影響を与え合っていた、というのは本当の話である。まぁ、たまには批判したりケンカすることもあっただろうけど。

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2005年2月 9日 (水)

LotR RotK SEE 特典ディスクの感想

UK版で特典ディスクも一応全部見てはいるんだけど、やはり日本語字幕付きは楽だ~ということで、改めて見直している。

SEEの特典映像は単なるメイキングではなく、「LotR映画化」という長い長い旅の軌跡を描くドキュメンタリーだ。毎度のことだが非常に気合の入った内容で、実に丁寧に作られている。VFXなどの最先端の映画技術を知るにはもってこいだし、それとは対極的な手仕事、職人技の数々もとても魅力的である。
今回はトリロジー最終章ということで、まさに旅の終焉という感じで感慨深いシーンが多かった。俳優それぞれの「ラストショット」ではしみじみしてしまうし、プレミア、アカデミーの映像が入ってるのも、感動再び(当時は感動というよりも「狂騒」だったけど)という感じで目頭が熱くなってしまった。エンディングのイライジャのナレーションも泣かせる。っていうか、あれはちょっと反則じゃないのか。

FotR、TTTのSEEの特典映像を見た時は、PJはじめとする全関係者がこの作品に限りない愛情と情熱を注ぎ、どこまでもだわりまくる姿にひたすら尊敬の念を抱いたものだ。それはもちろん今回も同じなんだけど、2枚目の「ポストプロダクション」に関しては、感心とか尊敬の念を通り越して、むしろ呆れてしまったという方が正しいかもしれない。
何に呆れたかって、RotK劇場公開直前2ヶ月の修羅場っぷりである。ある程度予想はしていたけれど、まさかあそこまで危ない橋を渡っていたとは。その壮絶さは、「お尻に火がついた」などという可愛いものではなく、思わずデネソールの火ダルマダッシュ(1500m:脚本陣談)をイメージしてしまったほどである。PJはある意味自業自得としても、製作陣はさぞや胃が痛かったことだろう。
編集が終わってない映像にサントラを付けなくてはいけなかったハワード・ショアも、災難としかいいようがない。それでいて、できあがった作品を見ると、俳優の動きと音楽(のテンポやリズム)がビタッビタッと合ってたりするんだからなぁ。改めて大尊敬だ。
そしてWetaスタッフの過酷さといったら、なんだか悲壮感すら漂ってて気の毒なくらいだった。申し訳ないけど笑ってしまったのが、黒門前でピピンが「鷲だ!鷲たちが来た!」と叫ぶシーンを見て「鷲?鷲なんて出るのか?」とスタッフが顔を見合わせたというところ。アカデミー賞11冠で本当に良かったよね。。。

ところで、「ポストプロダクション」見て何が収穫だったかって、これから4月末にかけて着実に修羅場化する私の仕事も大したことがないような気分にさせられることかな。いやー、まさかSEEにこんな効用があるとは思わなんだよ。

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2005年2月 8日 (火)

ついついぽちっと

Peter Jackson in Perspective: The Power Behind Cinema's the Lord of the Rings. a Look at Hollywood's Take on Tolkien's Epic Tale.
David Bruce Greg Wright
Hollywood Jesus Books


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例によって衝動的にぽちっとしてしまい、ただ今UKより取り寄せ中。LotRの原作と映画の比較分析がメインかな、と予想はしているのだが、詳細は届いてみないと不明。

SEEのメイキング映像を見てると、どうも資料的なものに興味が向くんだよね。。。

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2005年2月 6日 (日)

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション
ピーター・ジャクソン
ポニーキャニオン 2005-02-02


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★★★★★

やっと着いた!アマゾンよりも安いネットのDVD屋で注文したら、発売日に発送遅れのメールが。商品ページでも1週間入荷待ちになってた。「指輪」ファンを甘く見て、入荷数を見誤ったな。いつ見ても「通常24時間以内発送」のアマゾンを見習いなさい(アマゾンの倉庫にはSEEがうず高く積まれているに違いない…。多分ハリーポッターとかもそうなんだろうけど)。

で、とりあえず吹替え版を視聴。CE版は(これまた国内版を待ちきれずに)US版を買ってしまったので、吹替え版は劇場で1回見て以来である。よしよし、ちゃんと時代劇してて格調高い。言葉が美しいのは善きことかな。ところどころ「ん?」という部分はあるし、声優の好き嫌いはあるものの、やはり非常に出来の良い台本だと思う。
ちなみに、良いと思ったのはファラミア(宮本充)、エオメル(山寺宏一)、セオデン(佐々木勝彦)、エオウィン(本田貴子)、アルウェン(坪井木の実)。個人的にちょっと…なのはアラゴルン(大塚芳忠)。大塚アラゴルン、「渋い」と好きな人も多いみたいだけど、私としては、ヴィゴの声とあまりにも違うので馴染めないのと、ちょっとドスが効き過ぎのような気がしてしょうがない。まぁでも黒門前あたりは迫力があって良かったけど。サルマン(家弓家正)は、クリストファー・リーが超美声なだけに比べるとちょっと辛いものがある。

吹替え版台本(追加映像分)で、ちょっと「むむっ」と思ったのはとりあえず下の部分かな。まぁ他にも細々あるんだけど。

1枚目チャプター22
デネソール:
It should have been brought back to the Citadel to be kept safe. Hidden. Dark and deep in the vaults...not to be used. Unless at the uttermost end of need.
なぜ指輪を持ち帰らなかった。愚か者め。あれはここの地下深くの金庫に隠しておき、いよいよ絶体絶命の時使うはずだった。     

金庫?むー、中つ国に金庫ねぇ。
えーっと、vaultっていうのは、建築用語的にはアーチを組み合わせて作る天井のこと。西洋教会建築には頻出なんだけど、アーチを天井にズラーっと並べたり交差させたりするのをvaultと呼ぶ。それから、アーチ構造の地下室(何かをおさめるための部屋。遺体とかワインとかね)もvault。現代では銀行の金庫室のことも指すらしい。
ここでは地下の隠し部屋って感じかなぁ。vaultにsが付いてるから、アーチが複数ある地下空間を漠然と指すような気もするけど。詳しい方、教えてください。

それから、「愚か者め」って、そんなこといってませんってば。ますますデネソールのひどいパパぶりに拍車がかかっている。

ファラミア:
Boromir would not have brought the Ring. He would have stretched out his hand to this thing and taken it. He would've fallen.
それは決してありえません。指輪を手に入れた途端、堕落したはずです。

デネソール:
You know nothing of this matter!
お前に何が分かる!

ファラミア:
He would have kept it for his own. And when he returned, you would not have known your son.
指輪を自分のものとし、戻った時には化物に変わっていたはず。

化物って。。。PJお得意のホラー映画ですかい。弟に化物呼ばわりされては、ボロミアがちょっと哀れだ(ただでさえ、このシーンのファラミアは兄に対して少々辛辣なんだから)。まぁ、訳すの難しい箇所ではあるんだけど。

1枚目チャプター31
アラゴルン:
It is but a shadow and a thought that you love. I cannnot give you what you seek. I have wished you joy since first I saw you.
姫よ、あなたは幻を愛しておいでだ。あなたに願いにはこたえられない。ご自分にふさわしい幸せをつかんでほしい。

これ、「ふさわしい」ってのがなんだなかー。前の部分と併せると、まるで「高望みをしてはいけない」っていってフったみたいなニュアンスが強くなる。アラゴルン、ひどい男度3割増だ。普通に「初めて出会った時からずっとあなたの幸せを願っていた」で良いんじゃないでしょうかね。


ディスク2枚目については、気が付いてないだけかもしれないけど(っていうか、集中力が切れるんだよね…)、そんなに「うっ」っていうところは無かったかな。気が向いたら今度書きます。
しかし吹替え版、全体的に英語ではそこまで言ってないぞ、みたいなところは結構あるかも。意味は合ってるけど、行間読みすぎというか補い過ぎというか。分かり易いから良いと思うけど。

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Real Love: The Drawings for Sean

Real Love: The Drawings for Sean
John Lennon Al Naclerio
Random House Childrens Books 1999-05-01


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★★★★★

はるばるアメリカから到着した。お待ちしておりました。
ジョン・レノンが愛息ショーンのために描いたイラストをまとめた本である。思ったよりもずっと小ぶりで、なんとも可愛らしい印象。英文は、全体の90%がオノ・ヨーコによる序文で、イラストについてるタイトルはジョンによるもの(ショーンとの共作?)だけど、いわゆる本文らしい本文は無し。なので、英語を読むという観点からは、あまり有益ではない。だがしかし。

これは良い。
「ジョンが描いた絵」という前提を無しにしても、十分魅力的な絵本である。ジョン・レノンは仮にミュージシャンにならなかったとしても、イラストレーターとしても成功したんじゃないかな、と思わせるほど。
彼の音楽とかなり共通する部分があると思うけど、いわゆるプロフェッショナル、職人芸というのとは違って、あくまでセンスで勝負という感じの、自由で縦横無尽、イマジネーションに溢れたイラストである。全体的にとてもカラフルで、レインポーカラーなイラストなんだけど、目がチカチカするようなことは無い。かなり落書きっぽい雰囲気もあるけど、それがまた魅力的な味になってたりもする。
動物の絵がほとんどで、例えば「犬と鳥が合唱しているところ」「ベッドにいるピンクの象が眠ろうして羊を数えている図」「歌うアザラシたち」など。どれもすごくユーモラスでキュートだし、ついてるタイトルも魅力的だ。

父親にこういう絵を描いてもらえたショーンが羨ましいと思う。
たった5歳で父親を亡くすのはもちろん大きな悲劇なのだが、それまでの5年間は限りなく幸福なものだったんじゃないかな。幸せな時間は間違いなくあったんだなぁ、そんなしみじみとした思いにかられずにはいられない絵本。

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2005年2月 2日 (水)

今日は「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション」発売日

家に帰ったら、郵便物が色々届いていた。ただ、数日前に注文した(やる気無さ過ぎ)「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション」は、当然といえば当然だが届いていない。
とはいえ、12月にUK版のギフトセットを入手しているため、非常に心穏やかである。TTTの時はCE版の発売日を待ちきれずにレンタル屋に走った(あほ)ことを思えば、なんて平和な発売日なんだろう。UK版を買って、ミナス・ティリスとかコンサートDVDとか安いとか色々良いことはあったが、今日、イライラして宅配便を待たなくて良いというだけでも、わざわざ早期輸入して英語字幕と格闘した甲斐があったというものだ。

なお、特典映像は(とりあえず)完走したので、国内版は日本語字幕のチェックと吹替え版とコメンタリー4種がメイン。それでも結局、最低6回は見ることになるのね。。。嬉しいやれやれだ。

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2005年2月 1日 (火)

Gilgamesh the King (Epic of Gilgamesh (Paperback))

Gilgamesh the King (Epic of Gilgamesh (Paperback))
Ludmila Zeman
Tundra Books 1998-05-01


by G-Tools
総語数1,200、YL3.6
★★★★☆+

現存する最古の文学作品といわれる「ギルガメシュ叙事詩」を再話した子供用の絵本。ギルガメシュというのは紀元前2600年頃、古代メソポタミア(シュメール)の都市国家ウルクに実在した王といわれている。「ギルガメシュ叙事詩」のエピソードの多くは紀元前30世紀末に成立、紀元前2000年頃には物語としてまとまりを見せ始めていたらしい。

このシリーズは三部作になってて、これは第一作目。

半神半人のギルガメシュ王は城壁の造営で民を苦しめていた。民の嘆きを聞いた太陽神はギルガメシュに対抗するものとしてエンキドゥを創造する。森で動物たちと住むエンキドゥのことを耳にした王は、罠にかけようと美しい歌手シャムハトを送りこむ。

まぁ、愛とか友情とか、ちょっと教訓的なんだけど、いかにも叙事詩らしくて面白かった。暖色系でまとめられたイラストはまるで壁画みたいだし、イラストを縁取っているレリーフみたいな模様も凝っててとても素敵。あと2冊、「The Revenge of Ishtar」「The Last Quest of Gilgamesh」も読むぞ~。

しかし、この本もなんかデカイなぁ。。。

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