最近、ファントムにとり憑かれたせいなのか英語の話題に乏しく、段々ブログ名に偽り有りになりつつある。
何とかしないとなぁと思っていたところ、Japan Timesに字幕がらみでこんな記事が載ってたので、反省と共に「英文和訳」にチャレンジ(って、これもファントム絡みだけど)。さほど突っ込んだことは書いてなかったんだけど、せっかくえっちらおっちら和訳したのでアップしときます。
かなり荒っぽい素人訳であることはあらかじめご了承下さい。なお、記事内に登場する週刊新潮の該当記事は未読です。
あ、「ここ変だよ~」というのはじゃんじゃん教えて頂けると嬉しいです。
元記事
The Japan Times: May 15, 2005
A phantom loss in translation
By Geoff Botting
「オペラ座の怪人」は、オペラ座を恐怖に陥れ、出演者達を苦しめる-それらは皆愛する女性のためになされる-1人の醜怪な容貌の音楽の天才の物語である。
物語は1870年代のパリに初登場し(註1)、古典的なエンターテイメント作品になっている。ミュージカルとして上演される一方、何度も映画化がなされている。現在広く知れ渡っているアンドリュー・ロイド・ウェバーによるミュージカル作品は1986年に始まり、ブロードウェイと世界中の劇場を満員にして上演が続いている。
そして、ジョエル・シュマッカーによるエミー・ロッサム主演の「オペラ座の怪人」が昨年末に公開された際に大きな興奮を巻き起こしたのは、少しも不思議なことではない。
「オペラ座」ファンは、総じて落胆しなかった。映画版は、壮麗な演出によってのみならず、ウェバーの人気の高い、批評家にも称賛された舞台版の忠実な解釈に基く作品として、賞賛を勝ち取ってきた。
しかし、日本の一部のファンにとっては、興奮に落胆が入り混じることになった。付随する「翻訳」(註2)が忠実とは程遠いからだ、と週刊新潮は述べる。問題は字幕にあり、多くの場合において元々の英語の台詞の真の意味を伝えていないということらしい。
例えば、元々の台詞「You are not alone(あなたは1人ではない)」が、「I am attracted to you(私はあなたに惹かれている)」という意味に該当する日本語になっている。同様に、「angel in hell(地獄の天使)」が「angel of music(音楽の天使)」になっている。これだけではない。
あるウェブサイト(註3)からは多くの批判が上がっており、そこでは映画中の翻訳上の欠陥とされるものの詳細を示すリンクを提供している。このサイトは「オペラ座の怪人字幕改善委員会」と称するグループによって主催されている。
「(「オペラ座の怪人」の)字幕は、登場人物たちの性格を歪めており、物語の魅力を深刻に損なうほどである」と「委員会」はウェブサイト上で不満を漏らす。
いったいだれが責任を問われるのかについては、はっきりしている。戸田奈津子、映画の字幕作成において名高い翻訳家である。
戸田は68歳、日本ではとびぬけて著名な字幕翻訳家である。その長いキャリアにおいて、彼女は1000以上の映画を手がけたとされ、日本で公開された主要なハリウッド映画のほとんどがそうであると信じられている。
しかし一方では、彼女はその仕事の質に関しては厳しい批判の対象となってきた。「オペラ座」の騒動は、一番最近のケースに過ぎない。
同様の論争は2~3年前にも噴出しており、映画「ロード・オブ・ザ・リング」一作目において、台詞に誤訳があるとされた。
Todaは「オペラ座」に関する非難に対して、映画の翻訳は常に骨の折れる職人芸であると抗弁する。
「映画(字幕)を翻訳する際には、様々な制約があります」と彼女は週刊新潮に語る。「直訳しても文章になりませんし、意味が伝わりません」「ある程度自由な翻訳が必要になります」と彼女は説明する。
しかしながら、映画評論家の北川れい子は、芸術的に考慮するべき問題は別としても、不正確な翻訳は深刻な問題であるとする。
「もし、字幕が本当に悪い訳であるなら、その映画は欠陥商品ということになるでしょう。若い世代は、ますます、英語を学びに映画を見に行くようになっていますから、字幕は厳しくチェックされる必要があります」と彼女は言う。
一方、不満たっぷりの「オペラ座」ファンは、監督のジョエル・シュマッカーに誤訳疑惑について知らせたが、日本人の映画記者某によれば、監督は次(註4)は違う翻訳家を雇うという返事をしたという。
その上、別の翻訳家が元々の字幕の間違いを直すために呼ばれたという。その仕事には多少時間がかかるかもしれない(註5)。
註1 原文は、The story, which debuted in Paris in the 1870s, has become a classic piece of entertainment.物語の舞台の1870年代と原作の出版年(1910)とを混同?
註2 "version"という言葉をわざわざ使ってる。version=「訳文」という意味だけど、脚色、翻案されたもの、作りかえられたものというニュアンスも込められてるのかな?映画が「舞台版の忠実な解釈」に基いているのに、字幕は「作りかえられている」という皮肉かも。
註3 元記事にはリンク有り。
註4 次って何のコト?なんか微妙に話がズレてる気が。。。
註5 DVDのこと?
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