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2005年5月15日 (日)

[映画]オペラ座の怪人④

さて、ファントム。おそらく、今回主要キャスト3人の中では最も賛否両論激しいキャスティングだろう。ごつくて足音デカそうで、オペラ座に隠れ住んでるというにはちょっと存在感があり過ぎ。地下で筋トレでもしてるんですか?と思わず質問したくなるようなマッチョぶりである。そもそもPhantomって、亡霊、幽霊って意味だよね?そりゃ、あちらの亡霊は足音しても全然おかしくないけどさ、でもさ・・・。もうちょっと得体の知れなさみたいなものがあっても良いんじゃないのかとか、ちょっと生々し過ぎて普通の男にしか見えねーぞとか、思考がややとぐろを巻く。

でも、それよりもさらに悩ましかったのがお歌。ジェラルド・バトラーの声も歌い方も、ちっとも「音楽の天使」って柄じゃなくて、相当荒っぽい。特に高音のぶら下がりっぷりは、何というか、豪快。映画館では華麗な映像美にまんまと懐柔されつつも、「うーん、これは果たしてアリなのか?」と、終始釈然としなかった。ファントム像としてどうのこうの以前に、彼の歌唱力をロック調(Byパンフ)という言葉で弁護するのはキツイと思うけどな。

と、これだけケチョンケチョンに書いといてなんだけど、慣れというのは恐ろしいもので、よくよく聴いてたら「まぁいいや」という気分になってきた。あの乱暴な歌い方も体育会系ファントムには合ってて、トータルとしては矛盾のないファントム像になってるような気もするし(あまり神秘性のないパワー勝負なファントム、という意味で)。あとは伝家の宝刀「これは映画だしね!」を抜けば、これはこれでとても面白く、心穏やかに聴ける。ミュージカルの生舞台だったら暴れてるけどね。。。

むしろ問題は歌ではなくて、やたらと高い男前度の方。若くてフレッシュというにはあまりにも暑苦しいし(あの容姿にあの衣装はあまりにもヘヴィーでしょ)、ものすごいハンサムでもないんだけど、仮面をしてても流れ出てくるあの色気はちょっと犯罪的というか、ある意味、破壊的というか。ファントムが無闇やたらに色気を振りまけば振りまくほど、話が至極単純な三角関係に堕してしまうと思うのは私だけだろうか。ひたすら「セクシーに!」と注文を出したという監督、その辺どーなんでしょ。
クリスティーヌがファントムに惹きつけられて止まないのは、いろいろ理由はあるけれど、まずは彼が音楽的・芸術的な絶対者、至高の存在だからであって、あまりそこに色恋、特に肉欲を強く思わせる要素が入ってくるのはマズイような気がする。もちろん、世間には芸術性に惹かれる=色恋が成立するという事例は多々存在するけど、クリスティーヌにとってのファントムは「偶像」であって(ファントムにとってのクリスティーヌもそうだけど)、偶像というのはあくまでも崇拝・憧憬の対象。言ってみれば、地上の愛=俗愛ではなくて、天上の愛=聖愛の世界であって、いわゆる色恋とはちょっとニュアンスが違うと思うんだけど。と、また思考がとぐろを巻いてくる。

とはいえ、「The Point of no Return」はそんな私の釈然としない思いを粉砕して余りある名場面だ。思わず私は、ファントムとクリスティーヌの結び付きの深さを見せ付けられて、愕然として目に涙を浮かべるラウル君に同情してしまったよ。このシーンが官能美に満ちたド迫力シーンになったのは、ひとえにジェラルド・バトラーの暑苦しいまでの存在感と色気があったればこそ。

そんなこんなで、結構気に入ってるジェラルド・ファントムだったりする。

すいません。。。まだ続きます。

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