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2005年6月 9日 (木)

[映画]オペラ座の怪人⑤

前回からどれくらい間が開いたののかあまり考えたくないけど、オペラ座の怪人レビューの続き。

ファントムに比して、歌も外見も端正なラウル。パトリック・ウィルソンは実力派といわれるとおり、とても良い声をしているし、技術的にも危なげ無くて安心して聴いていられる。ちょっと普通過ぎて影が薄いかなぁ、インパクトという点でファントムに負けてるなぁと思ったけれど、この「普通である」、「真っ当である」ということは、「こちら側」と「あちら側」という対比、すなわち、ごくごく常識的な人間であるラウルと、芸術の世界に生きながらも闇の住人でもあるファントムとの対比を明白なものにするという意味で、重要なんだろうと思う。
ところで、オペラ座のCDを何枚か聞いてまわって分かったこと。歌だけに限定しても、巷には素敵なラウルというのはなかなか転がっていないということである。強烈にアホっぽかったり、小賢しそうだったり、のっぺりしてたりで、クリスティーヌがなんで惚れるのかよく分からないラウル君ばかり。そういう意味では、パトリック・ウィルソンはいかにも好青年な感じの爽やかな美声で、好感度という点では断トツである。しかも、ヒラヒラブラウスとか白馬とか剣戟といったベタな王子様系演出もそれなりに見えるのは立派と言うべき。お馬パカランパカランは何故か暴れん坊将軍思い出して笑っちゃったけど、そんなのは多分私だけだろう。

余談だけど、「白馬の王子様」という慣用句、英語だと「knight in shining armor」というフレーズをよく使うようだ。「白馬の王子様」だと個人的には何となく軽装で文弱(というか軟弱)の貴公子のイメージだけど、「knight in shining armor」というと、文字通り完全武装の武闘派男子である。このフレーズを見るたびに、英語的二枚目は単なる優男じゃなくて、馬に乗れるだけでもダメで、ン十キロもあるクソ重い甲冑を着こなしてなんぼってことなのか、とか馬鹿なことを考えたりする。アメリカ人のマッチョ好き、筋肉好きを思い起こすとあながち間違いではないような気もするんだけどなぁ(イギリスはどうなんだろう)。
ジェラルド・ファントムに関していえば、あの濃さは日本人的感性からすると一瞬イロモノ路線に見えなくもないんだけど、その実、マッチョ+キュート+セクシーというわけで、「ファントムにイイ男を!」という製作陣の気合が滲み出ているキャスティングである。その方向性が正しいかどうかは微妙だけど。いや、良いんですよ、映画だからね。。。私もファントム気に入ってるしね。。。

今回、気に入らなかったのが口パク。もちろん口パク(アフレコ)っていうのは当り前なんだけど、あそこまで歌ってないのが丸分かりなのもどうかと思う。ただ口を歌詞に合わせてパクパクされても、こちらはイマイチ盛り上がり切れないんだよなぁ。ああいう舞台的な演出なんだから、もうちょっと実際に歌っている雰囲気があっても良かったと思う。こういうのは役者の問題というよりかは演出サイドの責任だと思うけど、特に気になったのがエミー・ロッサム。なまじ聞こえてくる歌が良いだけに、目から入る情報と耳から入る情報が矛盾しててちょっと気持ちが悪かった。せっかく「主要キャスト吹替え無し」がウリなのに、何も知らないで見ると吹替えだと誤解する人もいるんじゃないかな。勿体無い。

さて、もはや映画の細部を全く覚えていないので、DVDを見直してなんか思うところがあったらまた書くということで、まとめもオチも何も無いまま連載終了。長かった。。。とりとめなくてすみません。

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コメント

またか!の私です。この映画の悪口書くとファンに殺されかねないので内容はともかく、最初CD買ってやはり画面も無いとさびしいな、と結局DVD(ただし通常版)も買ってしまったという・・・完全に満足してるわけじゃないが音楽が癖になりました。ところでアンドリュー・ロイド・ウエーバーさんはヒュー・ジャクマンをファントムに欲しかったけど、ヒューは忙しくてだめだった、と未練がましくおしゃってるのをどこかで読みました。日本で来日中もバトラーさんだけ歌わしてもらえなかったそうですが、やっぱりまだこだわってるのかしら、といらん詮索した私です。ヒューがファントムに扮したのはSaturday Night LiveのHoliday Specialの中ですこしだけMusic of the night歌ってましたがうまかったですよ。Hugh Da Manで見たけどほかにもあるかも。

投稿: misao | 2005年9月13日 (火) 04:01

そうですか、ファントムにヒューという話があったんですね。それは惜しかったです。それはさて置き、ロイド=ウェバーは、ジェラルド・ファントム、不満だったんでしょうか。

Saturday Night Liveのファントム@ヒューは、つい最近見ました。何かこう、押しの強い明るめファントムで(^^;)。ネット上で、「ヒューは欠点らしい欠点が無いけれど、あえて言えば「暗さ」が無い。「暗さ」が無いファントムもちょっとどうかな」などという話をしながら「でも上手い!」と盛り上がっていたのでした。

ヒューの暗い役というのはあまり想像がつかないのですが(ヴァン・ヘルは「暗い」というほどではなかったし)、やってみれば意外といけるのかも?という気もします。

投稿: 青猫 | 2005年9月14日 (水) 00:50

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