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2005年7月 1日 (金)

[映画]カラヴァッジオ

B0006TPJN8カラヴァッジオ
ナイジェル・テリー デレク・ジャーマン ショーン・ビーン デクスター・フレッチャー
ビデオメーカー 2005-01-24

by G-Tools

★★★☆☆+

画家カラヴァッジオは、逃亡生活の末、死の床にあった。彼の脳裏にはそれまでの波乱に満ちた人生が駆け巡る。

廉価版が出たので購入。日本語吹替えも英語字幕も付いてないのがちょっと残念。
一応、カラヴァッジオ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ:1571~1610)の生涯を描いているんだけど、基本的に監督独自の解釈の世界なので、伝記映画という言い方は適切ではないような気がする。要は、「カラヴァッジオだったら、こんなことがあってもおかしくないかもね」というフィクションの世界。

カラヴァッジオの作品を知ってるとかなり楽しめる。当然だけどカラヴァッジオの作品がそこかしこに登場するし、制作風景も丁寧に描写されている。
とにかく映像のクオリティが高く、強い明暗のコントラストと赤が支配する画面は、まさにカラヴァッジオの絵画そのものの世界。と思えば、いきなりバイクやタイプライターなど、現代的な小道具が登場するなど、結構アヴァンギャルドな雰囲気もある。斬新な演出のオペラや演劇なんかのイメージに近い。

ちなみに、カラヴァッジオは日本ではいまいちマイナーな気もするけど、バロック絵画の先駆的存在として、イタリア美術史上では巨匠の一人に数えられる画家。同時代、後の時代の画家に非常に大きな影響を与え、ヨーロッパ各地にカラヴァジェスキと呼ばれる多くの追随者を生んでいる。ルーベンスやレンブラント、フェルメールの明暗表現も、大元はカラヴァッジオにあるといえる。
なお、映画で描かれているカラヴァッジオの破天荒ぶりは概ね本当のことで、喧嘩、暴行、逮捕、訴訟は日常茶飯事というトラブルメーカーだったらしい。
余談だけど、イタリアの紙幣(リラ)は、50万リラがラファエロ、10万リラがカラヴァッジオ、5万リラがベルリーニ(彫刻家)だったそうだ(あれ、レオナルドやミケランジェロよりラファエロが偉いの?)。

という固い(?)話は置いといて。とにかく若く秀麗なショーンBを見よ。ちょっと線が細い感じ(今より痩せてるだけ?)だけど、決して飼いならされない動物のような野性味を備えたごろつき美青年ぶりは、本作が映画デビュー作とは思えないほどハマっている。作品自体は好き嫌いが分かれると思うけど、ショーン・ビーン好きだったら見て損は無し。

なお、ヒロインのティルダ・スウィントンは「コンスタンティン」の天使ガブリエル役の女優で、これが映画デビュー作だそうだ。あまり顔が変わってないなぁ。

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