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2005年8月

2005年8月30日 (火)

[映画]恋は邪魔者 特別編

B0002ZEW2K恋は邪魔者 特別編
レニー・ゼルウィガー ペイトン・リード ユアン・マクレガー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2004-10-22

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★★★☆☆+(レニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガーファンは★★★★☆)

<ストーリー>
1962年、バーバラ・ノヴァク(レニー・ゼルウィガー)は自著『恋は邪魔者』を手にニューヨークにやってきた。「女に愛や恋はいらない。セックスは遊びで楽しむべき」という内容の『恋は邪魔者』はやがて大ヒットし、バーバラは一躍時の人になる。
バーバラがニューヨークにやってきた当初、彼女をコケにした名うてのプレイボーイ、キャッチャー・ブロック(ユアン・マクレガー)は、TVでバーバラに「最悪の男」呼ばわりされてしまう。おかげでプレイボーイ廃業の危機に陥ったキャッチャーは、バーバラを社会的に葬り去ろうと、罠をしかけることにする。

ネタバレ無し感想。

古き良き時代が舞台の、小洒落たラブコメ。
全体的な雰囲気はかなり軽めながら、60年代風のファッションやインテリア、音楽には非常に力が入っていて、相当凝った作りになっている。また、レニーがとても可愛らしく、全編着せ替え人形状態なのも良い。
気軽に楽しめて、私は結構好きな作品。

とはいえ、内容らしい内容は無いので、最初はユアンが何故これに出演したのか、かなり真剣に悩んでしまった。そして、「脱げて歌えれば何でも良いのか、ユアン?」と甚だ失礼な結論に達してしまったんだけど、ユアン自身、「ユアンったらまた脱いで、、、と僕のヌード志向をからかう人もいるけれど、これは昔のロマンチック・コメディに対するオマージュなんだよ」みたいなことを言っているので、私と同じことを考える人が結構いると見える(あ、別に大して脱いでないので、未見の方はあまり期待しないように)。

さて、そのユアン扮するキャッチャー・ブロック。ユアンがラブコメで女たらし、プレイボーイをやるというから、一体どんなだ?とちょっと楽しみにしていたのだが、登場するたびに「なんじゃこりゃ」と笑いがこみ上げてくる、まさかのお笑い系キャラだった。特典でジェームス・ボンドばりのプレイボーイ、ショーン・コネリー風のモテモテ男とか言ってるけど、それって本気じゃないよね?ウケ狙いだよね?と思わず突っ込みたいほどの胡散臭さ。コミカルな作品だし、ラブコメで真面目に二枚目をやられても困るけれど、これじゃプレイボーイじゃなくて結婚詐欺師だよ!なんて思ってしまうのは私だけだろうか。
なお、コレが「ジェームズ・ボンドばり」か否かについては、是非ともショーン・コネリー御大の意見を聞いてみたいところ。同じスコティッシュ俳優として、後輩に何か言いたいこともあるだろうし。そういえば、次期ジェームズ・ボンドにユアンの名前も挙がったことがあったらしいけど、「絶対に」やめた方が良いと思う。やめて下さい。お願い。どう頑張っても、ギャグにしかならないだろうから。

まぁ、いわゆるプレイボーイ役をこれだけ面白おかしく演じられるというのも、芸達者の成せる技なんだろうけど。そういう意味では、レニーもユアンも笑いを取る演技が非常に上手く、二人ともやはり、単なる美形俳優とは一味違う。
そして、またしてもユアンは惜しげもなくマヌケ面を披露しており、その締まりの無い顔を見ていると、「良い俳優は三の線も上手いよねぇ。うんうん」と感心しつつも、「この人、元々の顔の作りは決して悪くないんだけどなぁ…」と少々複雑な気分になったりする私。

あれ、なんだか褒めてるんだか貶しているんだかよく分からない文章だな。かなり笑いが止まらないくらい楽しんだので、貶すつもりは全然無いんだけどなぁ。どうもユアンに関しては言いたい放題な傾向があるような。なんでかな。。。

なお、エンドクレジットでは、ユアンとレニーが楽しそうにデュエットしている。どうせなら全編、ミュージカル仕立てにしてくれても良かったな、と思ってみたりして。

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2005年8月29日 (月)

[映画]オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション

B0007D3NK4オペラ座の怪人 コレクターズ・エディション (初回限定生産)
ジェラルド・バトラー ジョエル・シュマッカー エミー・ロッサム
メディアファクトリー 2005-08-26

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「オペラ座の怪人」DVDが到着。映画館でも「ちょっと長いな」と思ったけど、家で見るとますます長い。見てると途中から超豪華なBGMと化していくような。

今回は、内容のレビューではなくて、劇場版から修正された字幕について。一応、ネタバレ注意。







今回の字幕修正の最大の焦点、「情熱のプレイ」。とりあえず「プレイ」は無くなって、「情熱の受難劇」になった。どうしても「情熱」を残したかったと見える。
なお、辞書を引くと「passion play」=「受難劇」なんだけど、必ずしも「受難劇」という意味だけではなくて、passionを「男女の情欲」の意味に取って、文脈によっては男女の性的な行為を指すという話もある。なので、ここの訳語として、「受難劇」が100%の妥当性を持っているのかどうかは議論が分かれるのかもしれない。
それにしても、「情熱の受難劇」って一体どんなだ?

「You are not alone」のところは「あなたに惹かれたことを!」から「あなたが孤独ではないことを!」に変更。

Pitiful creature of darkness.
What kind of life have you known?
God give me courage to show you
you are not alone.

暗闇に息づく何と哀れな生物。
あなたは一体どんな人生を知っているの?
神様が与えて下さった勇気であなたに示そう。
あなたが孤独でないことを!

というわけで、前後の矛盾も無く、ここでクリスティーヌを満たした感情がファントムに対するPity(哀れみ、慈愛)であることが良く分かる訳になった。クリスティーヌ、これで尻軽女とか二股女とか言われなくなるよ。良かったね。

さしあたり、破壊力満点な2点が改善されたことは喜ばしい。恐ろしいことに、「You are not alone」が変わっただけで急に切ないお話に見えてきた。

とはいうものの。

「ファントム・オブ・オペラ」「エンジェル・オブ・ミュージック」「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」「マスカレード」等々、「日本語になってません」「字幕は字数制限があるって散々言ってるけど、これだと字数増えてますけど?」なカタカナ多用はそのまま。なんでそんなにカタカナ使いたいかなぁ。音声に合わせようってことなのかもしれないけれど、冠詞が抜けてるところは音と字幕が一致しなくて気持ち悪いし。もちろん、カタカナの方が概念が正確に伝わるというのならその方が良いけれど、そういう訳でもなく、カタカナを使って逆にニュアンスがおかしくなっているところもある。「地を揺るがすその足音 あのドラムの響き!」(太鼓で良いかと。戦鼓のことでしょ?)とか「あなたは舞台のファーストレディー」(ファーストレディーというと大統領夫人をイメージするんですけどね)とか。

最後の三重唱は、3段にしても良いから3人分載せて欲しかった。DVDなんだから、仮に追っかけ切れなくても後で確認できるんだし、大事なシーンの場合、多少文字数が増えたって良いと思うんだけど。

今回の字幕修正は、なるべく元の字幕を生かしながら、目立ってクレームの多い箇所は直しました、という感じかな。誤訳も残ってるし、日本語の語法的におかしいところもあるし、全体的に「修正」の限界を強く感じさせる。「修正」である以上、事実誤認や明らかな誤訳、要するに致命的な箇所以外はいじり難いということだろう。確かに、人の原稿に手を入れるというのは非常にデリケートなことだし、ましてや、相手があんな大御所になってくるとやり難いことだろうことは容易に想像ができるのだが。

「キングダム・オブ・ヘブン」の字幕もDVD化に際して修正されるらしいけど、ちょっと心配になってきた。

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2005年8月25日 (木)

Star Wars: The Last of the Jedi #2, Dark Warning

0439681359Star Wars: The Last of the Jedi #2, Dark Warning (Star Wars: the Last of the Jedi)
Jude Watson John Van Fleet
Scholastic Paperbacks 2005-09

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発売日は9月1日のはずだったんだけど、先週末に見たら24時間以内発送になってたので早速ぽちっとな。無事、今週頭に届いて読書中。でもその後見たら、また「近日発売」になってたから、ハリポタみたく誤発送?とちょっとドキドキしてしまった(天下のハリポタじゃないので、例え誤発送でも「返せ」とは言われないだろうけど)。今、US密林を見たら24時間内発送だし、日本密林も同じ状態なので、ちょっと早いけどもう解禁ということなんだろう。

今回は139ページとやや薄め。表紙はオビ@ユアンに元弟子と元Jedi Apprentice。

(8月26日追記)刻々と在庫状況が変動している模様。

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2005年8月24日 (水)

ER 緊急救命室 III ― サード・シーズン ユアン・マクレガーゲスト出演の回

B0009Q0JHOER 緊急救命室 III ― サード・シーズン DVD セット vol.2
アンソニー・エドワーズ ジョージ・クルーニー ノア・ワイリー
ワーナー・ホーム・ビデオ 2005-07-29

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↑これはお得パック。ERサードシーズン、第11話から第22話までを収録。

とりあえず、ユアンがERにゲスト出演の回を鑑賞。第15話「険しい回り道」(原題は「The Long Way Around」)。ERは割と好きなドラマで、以前は気が向くとたまに見ていたんだけど、これは未見だった。

<ストーリー>
ERの看護士キャロル・ハサウェイは仕事中のミスが原因で停職中。金曜日の朝、近所の雑貨店に買物に出かけたところ、2人組の強盗に遭遇する。店の中で撃ち合いになり、店主と強盗の1人が大怪我を負う。キャロルは、医薬品が不足する中、必死に応急処置を施すのだが…。

ユアンの役はダンカンという名のイギリス人(スコティッシュ)強盗。1997年ということで、すんごく若い。トレスポでブレイクした直後かな?前髪を下ろしたユアンは「普通じゃない」の雰囲気に近く、初々しい感じもあって、とてもキュート。出ずっぱりだし、微妙な表情の変化はなかなか見もの。

ちなみに、ERは一話の中でいくつものエピソードが同時並行で展開し、ストーリーがあっちこっちに飛びまくるのが普通だけど、これは強盗事件一本に絞った作りになっていてちょっと珍しい感じ。

以下ネタバレ感想。






ダンカンは(多分)国で失業し、夢を持ってアメリカにやってきたのに、アメリカ人の従兄弟に誘われて強盗犯になってしまった青年。思わず店主を撃ってしまい、愕然としたりうろたえたりするあたり、心底悪人じゃなくて、根はイイ奴っていうのが丸分かりである。素朴というかnaiveというか、何となく、田舎の青年が大都会に出てきて、騙されて悪いことに手を染めちゃった、そんな雰囲気に満ち満ちている。何しろこのダンカン、キャロルを人質にして外を逃走中に警官に撃たれるんだけど、ERで治療中、一瞬意識が戻った時に「君は無事か?」なんてキャロルに訊いちゃうんだから、どう考えても強盗という柄じゃない。
このごく普通の青年、浅はかだけれどおそらくは心優しい、そして哀れなダンカンは、ユアンにとても合っていた。ユアンって、正統派な役も良いけど、こういうちょっと悪いくらいの役の方が魅力的な気がするなぁ。

余談だけど、このDVD、英語字幕は出るには出るんだけど、結構端折ってる箇所がある。ちょっとストレスフル。

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2005年8月23日 (火)

[映画]姑獲鳥の夏

お盆に鑑賞。
私は京極ファンなので、どうしても辛口になるけれど、久々に一生懸命考えないととりえが見当たらない映画を見たような気がする。私と同行者(原作既読)、映画館から出るなり「ダメだったね!」と同時に言い放ってしまった。というわけで、珍しく酷評レビュー。本来、私は映画に対しては結構点が甘いと思っているし、「人を呪わば穴二つ」という言葉もあることだし、こういうことは滅多に無いんだけど。すみません、罵詈雑言吐いてます。

ネタバレ無し。ストーリー省略。

あらかじめ「どうもいまいち」という噂は見聞きしていたので、さほど落胆もないし、金返せ!とも思わないんだけど、あまりに予想通りのダメさ加減に脱力。救いがたいほどダメ、というわけではないけれど、脚本も演出も俳優もみんな中途半端。中でも脚本がまずい。
ただし、脚本の出来についてはある程度、仕方無いとは思う。あの分厚い京極ワールドを2時間という映画の枠に押し込めようというのはどだい無理というもの。つくづく、京極本というのは、薀蓄・へ理屈・詭弁等、構築に構築を重ねた上で成り立っている世界なんだということを再認識させられた。あの分厚さを見て「冗長。もっと短くできるだろう」という人もいるけれど、決してそうじゃない。小説「姑獲鳥」の、トリックと呼ぶことすらはばかられるようなトリックを成立させるためには、確かにあれだけの言葉の集積が必要になってくるのである。あれだけの積み上げがあってこそ、例の反則技が許容されるのであって、そうじゃなければ「ふざけんな!」と石を投げたくなるというものだ。ジグソーパズルのピースが一片でも無かったら途端に馬鹿馬鹿しさ120%になってしまう極めてアクロバティックな構成、そういう一種の危うさの上に成り立つ世界観こそが小説「姑獲鳥の夏」の魅力ともいえるだろう。

というわけで、脚本化に際してオリジナルの薀蓄をカットしまくらなければならないという時点で馬鹿馬鹿しさへまっしぐら、既に勝敗は九割がた決していたといえる。もちろん、思いもよらない逆転ホームランの方法がどこかにあるのかもしれないけど、少なくともこの映画にそんなものは無かった。ちらっとは期待してたんだけどね。

せめて役者が良ければ救われたんだけど、「健闘している」の域を出ていない。冒頭に述べたように私は原作ファンなので、誰が何の役をやっても完全に満足はしないとは思うけれど、どの役者も原作のキャラクターのイメージを上手く表現しているとは言い難いし、「原作とは違うけれど、これはこれで良いか」と思わせてくれるような映画なりの人物造形の良さも感じられない。誰をとってみても、原作の登場人物の方が魅力的なのだ。
京極堂@堤の滑舌はどうしようもなく、あれでは憑き物が全く落ちない。よほど、京極夏彦の方が台詞の歯切れが良い。京極は過去にアニメの声の出演などもしていて、びっくりするほど滑舌の良い人ではあるんだけど。木場修はあまりにもチンピラ過ぎて涙が出てくるし、敦子もあんなにキャンキャンしなくても良いだろうに、と文句を言い出すと止まらなくなるので、他にもいろいろあるけれどこの辺でやめておく。

見終わって、同行者に「なんか良いところあった?」と訊いてみたところ、しばし考えた後に「眩暈坂かな」といっていた。私はよくよく考えた挙句、「古本屋の内装」を挙げてみた。要するに、セットはじめ作品の雰囲気自体はさほど悪くはない。でも「最低限、あれくらいはやってもらわんとね」という気持ちもあり、とりわけ褒め称えるようなものでもない、というと厳し過ぎるだろうか。

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2005年8月22日 (月)

[映画]ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディションNIGHT

8月19日(金)、六本木ヴァージンシネマの「ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディションNIGHT」、いわゆるイッキミスペシャルに行ってきた。なんと、スクリーン2(369席)が満席だった。これならスクリーン7(644席)でも良かったんじゃないかと思ったけど、スクリーン7では夜っぴいてSW・EP3を上映中。さすがは金曜日、午前3時台スタートなんて回もあり、SEEでオールナイトしている自分のことを思い切り棚に上げて「酔狂な人がいっぱいいるなぁ」と感心してみたり。ちなみにLotRのSEEイッキミは、19:10にFotRスタート、1作ごとに30分ずつ休憩を挟み(RotKは前編後編に分けてインターミッション20分)、翌朝8:00終了。はい、どう考えてもSEEイッキミの方が酔狂です。

最前列までビッシリ、指輪の幽鬼たち(?)で埋まっているのはなかなか壮観だった。だけど、最前列の人は本当に大変だったと思う。SEE×3を最前列で見る、これ以上の目と首の酷使があるだろうか、いや無い。もちろん、正味11時間、休憩入れて13時間の長丁場なので、前方後方問わず、終了時の疲弊度はかなりのものがあったろう。RotKのエンドクレジットが終わって拍手が沸き起こったけど、あの拍手は作品に対する敬意などではなくて、絶対に「よく頑張ったね、自分ら」な拍手だったと思う。あの瞬間の妙な連帯感といったら。

個人的に不本意だったのは、ここのところの寝不足がモロに響いて、終始、睡魔との戦いになってしまったこと。ちょっと自分の耐久力を過信し過ぎて体調管理を怠ってしまい、かなり反省。集中力がかなり低下していたし、完全に寝に入ることは無かったけど、かなり記憶がブツブツ途切れている。じゅうに飛び乗るレゴラスとギムリの「まとめて一人分だぞ」は覚えてるけど、滑り台レゴラスは見た記憶が無いぞ、みたいな感じ。そのくせ、パランティア放り投げ事件を筆頭に、記憶から抹消したいシーンなんかはしっかり見ちゃってるし、なんだかなぁ、である。かくなるうえは、もうちょっと元気な時にリベンジしたい。って、本気か、自分。

今回はFotRが一番好印象だった。TTT、RotKと映画が進むにつれてアラゴルンも自分も着々とヘタれてくるから、というわけでも無いだろうけど、FotR、こんなに良い作品だったかな、というくらい感動した。心情描写、いわゆるドラマの部分の描写が丁寧だし、全体的に見てもとっても誠実に、大事に大事に作っている様子がよく分かる。別にTTTとRotKが不誠実というつもりもないけれど、TTTとRotKのSEEは劇場版と比べるとどうしてもテンポが悪いし、テンションが下がるので、あえてSEEでなくてもいいかなという気持ちが若干あったりする。もちろん、増えて良かった追加シーンも一杯あるのだけれど。

それにしてもこのトリロジー、つくづく、良い俳優が良い仕事をしている。ここまで粒揃いだと、本当に惚れ惚れしてしまうし、舞台系の役者の底力のようなものを感じずにはいられない。インディペンデント系ならいざ知らず(LotRは一種のインディペンデント作品ではあるものの)、いわゆるブロックバスターとしては本当にあり得ないクオリティの高さである。特に、他の映画(主に大作映画)で大雑把、大味、意味不明な演技(演出含め)を見た後だと、LotR役者の有り難味が身に沁みる。

さて、イッキミから帰還してやや冷静になって考えてみると、今年に入って結構な回数、映画館でSEEを見ている。3作合わせると計7回。ちょっと落ち着けっていう気もするけど、もう既に何年も落ち着けてないのでもはや諦念の域に達しつつある今日この頃。というわけで、来年も頼みます、TOHOさん。できればスクリーン7で。

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2005年8月18日 (木)

[映画]スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐③

幕張シネプレックス9番にてEP3鑑賞(3回目)。何故こんなに足繁く幕張に行ってるんだろうか。シネプレのメンバーズカードを作った甲斐があるというものだ。

今回は、EP3鑑賞in幕張もさることながら、同行者Jさんとのお喋りがメインというか何というか。EP3の見所=オビ@ユアンという共通認識が(多分)成立しているので、語り倒しにも力が入るというもの。結局、移動時間も含めて、映画+語りで朝から夜中までという、なんだかすごいことになった。それでも、喋り尽くしてもう喋ることが無いという訳でもなく、やや腹八分目気味というあたりが恐ろしい限り。

とか何とかいってるうちに、その後一週間を開けずして4回目(某TOHO)に行ってしまったので、今回は3回目と4回目に思ったことなどをメモしてみる。ルーカス曰く、SWはダース・ベイダーの物語、アナキンの贖罪の物語だそうだけど、私にとってはSWはほとんどオビ=ワンの物語になっているので、やはりオビ中心のネタバレ感想。

何度見ても冒頭のシーンはワクワクする。飛んでるオビの血も逆流してそうだけど、見ているこちらも総毛立つような高揚感と浮遊感を感じずにはいられない。いまだかつて、あんなに美しい空中戦は見たことが無いってくらい、無敵の映像美を誇るシーンである。映像がブ厚いというとちょっと変な表現だけど、圧倒的な密度と、吸い込まれるような奥行き感はクセになりそう(もうなってるって…)。
3回目の時は、直前に「スター・ウォーズ悪の迷宮 (上巻)」「スター・ウォーズ悪の迷宮 (下巻)」なんぞ読了して映画館に行ったもんだから、この冒頭のシーンに妙に思い入れが強くなってしまった。「悪の迷宮」はEP3の直前を描くブリッジ・ノベルと紹介されるけれど、ラストは本当に文字通り、EP3の冒頭に繋がる。何しろ、「悪の迷宮」の下巻の最後は、(ネタバレ伏字)パルパティーンが誘拐され、まだまだ仲良しのアナキンとオビ=ワンのスターファイターがいざ発進!というところで幕、なのだから。

さて、一部で(?)話題沸騰のオビの決めポーズ、つくづく変。なぜチョキなのか、あのチョキが果たして何か役に立っているのか。もしかしてソレスの型にああいうのがあるんだろうか。誰か知っている人がいたら是非教えてほしい。
決めポーズで思い出したけど、対グリーヴァスのオビはなんであんなに余裕があって楽しそうかな。何も好き好んで、敵がうじゃうじゃいる中に単身、飛び降りることはなかろうに。あのオビは空を飛んでいる時に声をひっくり返らせていた人と同一人物とはとても思えない。っていうか、そもそも、いくら飛ぶのがhateだからと言って、声を裏返らせるGeneralは如何なものかと思うのだが。士気に関わる。あ、でもクローンに士気は関係無いのか。

グリーヴァス繋がりでもう一点。既にいろいろなところで指摘されているけれど、何度見ても気に入らないのが、オビがグリーヴァスを片付けた後に「so uncivilized」と呟くところの訳。字幕は「掃除が大変だ」になっていて、誤訳というにはちょっと違うのだけれど、超訳には違いない。これはEP4のオビの台詞「ライトセイバーは無粋なブラスターとは違って、優雅で文明的な武器だ」(This is the weapon of a Jedi knight. Not as clumsy or random as a blaster. An elegant weapon...for a more civilized age.)に対応させたもので、一種のファンサービス的な台詞でもあるのだから、その辺の意図をきちんと汲んで欲しかった。汲まなくても「なんとも野蛮な方法だな」って直訳すれば良かったのに。おそらく、なんでblasterがuncivilizedなのか、分からなかったんだろうけど。SWファン以外には、ライトセイバー(剣)よりも銃の方がcivilizedに見えるのかもしれない。まぁ、ライトセイバーで一刀両断(腕とか足とか首とか…)するのと、ブラスターでバラバラに吹っ飛ばすのとどちらが野蛮かというのも、微妙に意見が分かれるような気がしなくもないのだが。

あと、ムスタファーでのオビ・アナキンバトルを見てて思ったこと。アナキンの戦い方はスピーディで苛烈、猛々しい。オビは受身で守勢に回りがちで、決して強そうに見えない(ただし、負けない)。こうした印象は、この時の二人の心情、心理状態を反映しているともいえるけど、要するに常の二人のスタイルそのままで、オビとアナキンの戦い方は、師弟とはいえかなり異なっているといえる。
だけど、今回、意外な共通点を発見してしまった。すなわち、この二人、白熱するとつい足が出るのだ。優雅で洗練されたジェダイの武器・ライトセーバーを振り回しつつ、随所で「蹴り」を繰り出すのである。あらまぁ、二人ともお行儀が悪い、育ちが知れるぞ(ジェダイ・テンプルだ)、、、誰に習ったの?と思わず突っ込んでしまうのだが、EP1のクワイ=ガンはどうだったかな?と記憶をたぐり寄せてみると、どうも違うような気がする。とすると、あの蹴りはオビ=ワンの自己流なんだろうか、とまた悩ましい思いで一杯になる。そして、オビの台詞「少年の頃から鍛え上げ、私が持てる全てを教えた」を思い起こすと、「全て」にはこの「蹴り」も当然含まれてるんだろうなぁ、、、とそこでちょっと切なくも哀しい気分になったりするのである(なるな)。

さて、あと何回行くかな。さすがにRotKの回数は抜かないとは思うけど。

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2005年8月 8日 (月)

The Desperate Mission (Star Wars: the Last of the Jedi)

0439681340The Desperate Mission (Star Wars: the Last of the Jedi)
Jude Watson
Scholastic Paperbacks 2005-05-01

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総語数38,000(推定)、YL5~6くらい?
★★★★★

SW・EP3未見の人はネタバレ注意。

EP3とEP4の間をつなぐブリッジ・ノベル、いわゆるスピンオフ小説。EP3の数ヵ月後のお話で、三部作になるらしい。対象年齢9-12歳のジュニア小説だけど、この手のものを読んでるのって(本国でも)ほとんど大人のSWファンじゃないだろうか。
主人公は、「最も狡猾にして洞察力のある、最もねばり強い」(ByEP3ノベライズ)ジェダイ・マスターにして、その実、Mr.貧乏クジとでも呼んだ方がいいようなオビ=ワン・ケノービ氏。

字が大きくて、地の文章もさすがに読み易いけど、単語はやはり特殊。1回辞書無しで読了したけど、今(珍しく)辞書引きながら再読中。いまだに宇宙船はじめ乗物の種類はよく分からないし、軍隊関係の言葉もまだまだ慣れないものが多い。

<裏表紙案内文より>
タトゥイーンに隠棲したオビ=ワン・ケノービは、、ルークを見守るという最後の使命とともに、仲間の死やアナキンの裏切りによる傷が癒えぬまま、失意の日々を送っていた。
だが、かつての弟子が生きていることを知ったオビ=ワンは、タトゥイーンに残るべきか、帝国の中心に潜入するべきか、辛い選択を迫られる。

以下、微妙にネタバレ感想。




辛い選択とかいってる割に、オビ=ワンは比較的あっさりと旅立つ。背中を押してくれた人がいたからなんだけど。まぁ、何はともあれ、さっさと旅立ってくれて良かった。何しろ、最初の方のオビは聞くも涙、語るも涙という感じで、このまま延々と不憫の海に漂流していたらどうしようかと思ったくらい。夜、孤独のただ中、天上を見つめながら失ったものや死者たちに思いをめぐらせるオビとか、まんじりともせずに夜明けを迎え、アナキンの裏切りと自らの至らなさに苦しむオビとか、まぁ暗いこと暗いこと。ある程度予想していたけれど、実際に文字で読むと結構痛い。

とはいえ、途中からはSWらしい冒険活劇の世界になっていく。オビがライトセイバーを振るうシーンもちゃんとあるし、最後は結構前向きに浮上する。そらそうだ、髭のせいであまり若く見えないけれどオビは実はまだ30代、老け込むにはあまりにも早すぎるというもの。本来だったらバリバリ最前線のお人なわけだし。
何はともあれ、EP3からEP4までの約20年の間、オビがタトゥイーンでただ過去を引きずりながら悔恨の念にまみれていた訳ではない、ということが分かって安心した。

なお、今シリーズにメインキャラとして登場するFerus Olinなる人物、本作著者Jude Watsonの手によるスピン・オフ小説Jedi Questシリーズ(いわば「若きオビ=ワンとアナキン少年の銀河大冒険」シリーズですな)に既出とのことで、オビともアナキンとも縁が深いらしい。

第2巻は2005年9月1日発売予定。なんだ、すぐじゃん。

0439681359Star Wars: The Last of the Jedi #2 (Star Wars: the Last of the Jedi)
Jude Watson John Van Fleet
Scholastic Paperbacks 2005-09-01

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ついでに第3巻も。

0439681367Star Wars: The Last of the Jedi #3 (Star Wars: the Last of the Jedi)
Jude Watson
Scholastic Paperbacks 2005-12-01

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SW・EP3の登場人物の年齢設定について

EP3の登場人物の年齢を検索してこちらに飛んでくる方が結構いるので、私もちょっと確認してみた。

EP1の時にはアナキン9歳、オビ=ワン25歳、パドメ14歳。EP1の10年後がEP2、EP2の3年後がEP3ということになるので、EP3はEP1の13年後。というわけで、EP3では、

アナキン・スカイウォーカー 22歳
オビ=ワン・ケノービ 38歳
パドメ 27歳

ということになる。大雑把だけど。
余談だけど、ヘイデンとナタリーは同じ1981年生まれだったりする。どうりでパドメがあまり姉さん女房に見えないわけだ。ちなみにユアンは1971年生まれで、2人とは10歳しか違わない。どうりでアナキンとオビが兄弟にしか(以下略)。

もっと詳しく知りたい方は、ネットの海には精巧なSW年表が多数存在するので、そちらをどうぞ。最近知ったけど、SW年表って、EP4をゼロ(基点)にして計算するのね。つまり、EP4から数えて何年前、何年後という表記の仕方をする。なかなか面白い。

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2005年8月 6日 (土)

Ewan McGregor: Long Way Round (Two Disc Set)

B0006B3UE6Ewan McGregor: Long Way Round (Two Disc Set)
Ewan McGregor,  Charley Boorman
Virgin 2004-12-06

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やってしまったというべきか。とうとう英語字幕無しの海外版DVDに手を出してしまった。リスニングばかりは「愛」ではカバーできない領域なんだけどなぁ。きっとフォースも役に立たんぞ。

というわけで、UK版DVD「Long Way Round」。2005年8月6日現在、日本版は無し。
まだ冒頭をちょろっと見ただけだけど、内容は、Ewan McGregorとCharley Boormanが挑戦した20000マイルのバイクの旅のドキュメンタリー(テレビ番組)。2004年4月14日にロンドンを出発、ヨーロッパ、ロシア、ウクライナ、カザフスタン、モンゴル、シベリア、アラスカ、カナダ、3ヶ月後にアメリカに到着、らしい。テレビで放映したEpisode1~Episode7と、未公開映像にフォトギャラリー、旅後のインタビュー等も収録。見るからにもりだくさんで、美味しそうな内容である。

ちなみにコレ、せっかくAll Regionなんだけど、映像方式はPALだから結局日本人はパソコンで見る人が大部分なんだろうな。US版にAll Region/NTSCを期待する気持ちもあったんだけど(ついでに英語字幕も)、US版は発売されるかどうかもよく分からないし。「思い立ったが吉日」というわけで飛び降りてみた(「堕ちてみた」の間違いか…)。

本と併せて見た方が分かり易いかな、とは思うものの、洋書読書の方はいろいろ手一杯なのでとりあえず保留。なんかでも、表紙の笑顔が眩しいよ。。。

0751536806Long Way Round
Ewan McGregor Charley Boorman
Time Warner Paperbacks 2005-05-16

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2005年8月 2日 (火)

「ムーラン・ルージュ」サントラ二種

今、無性に「ムーラン・ルージュ」を見たいのだが、DVDがどこかに行ってしまった。誰かに貸したままかな。。。

仕方が無いのでサントラを発掘。「ムーラン・ルージュ」は2001年のmy favorite映画だったので、どちらも一時期、超ヘヴィーローテーションだったCDである。

B00005LPACムーラン・ルージュ
サントラ デヴィッド・ボウイ エデン・アーベ クリスティーナ・アギレラ
ユニバーサルインターナショナル 2001-07-18

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B000060N95ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2
サントラ ニコール・キッドマン ジム・ブロードベント キャロライン・オコナー
ユニバーサルインターナショナル 2002-03-21

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上が第一弾で、下が第二段。基本的には1に主要な曲が入ってる。2は後発CDなので1と曲がダブってたりして、若干濃度が薄まっている印象。ただ、2にはThe show must go onとかエンドクレジットのClosing credits: Bolero等、1に収録されていない曲が入ってたりするので、これはこれで価値がある。Closing credits: Boleroは、本当にカッコ良くていつ聴いても痺れる。名曲。

ちなみに、当時の私は、某所に(映画についてだけど)こんなことを書いている。

[一部引用]
この映画の醍醐味は音楽の選曲の上手さにあり、「(ここで)こうきたか!」という驚きを常に与えてくれる。既存の音楽、それも有名な曲ばかりを使用していながら、どれもそれぞれの場面にあつらえたように、違和感無くハマッている。また、主役二人の歌唱力は特筆もので、ニコール・キッドマンの声はやや線が細い気もするが、歌手が本業じゃないことを考えれば文句無く素晴らしいし、ユアン・マクレガーも堂々たるもの。ユアンは、情けない表情をさせると天下一品だけど、歌の上手さには正直びっくりした。突き抜けるような、素直で伸びのある声は舞台向き。
[引用終わり:一部修正]

ふーん、なるほど。この時は、ユアン・マクレガーに対しては「良い役者だなぁ」くらいの印象しかなかったので、贔屓目無しの感想ね。
当時、ユアンの歌唱力については色んな評価があったようだけど、今聴いたらやっぱり声質が伸びやかで相当上手だと思う。なかなかここまで歌える俳優はいない。これを上手くないとかいっちゃったら、それこそ「論外」な輩が結構いるような気がする。誰とはいわんけど。

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