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2005年9月

2005年9月29日 (木)

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐 番外

先日、Tジョイ大泉(デジタル上映)でEP3を見納めてきた。
実は、私の初EP3&初デジタルもここだった。確かに文句無しにキレイで、ルーカスフィルム渾身の映像美はしっかり堪能できた。ただ、なにしろその時点ではフィルムのEP3を見てなかったので、デジタルだからキレイなのかそれとも元々こういうモンなのか、いまいち判断がつかなかったというのが正直なところ。

その後、EP3は基本的にスペックの良い映画館で見ているので、フィルム上映だからといって映像のクオリティが気になるということは全く無かった。実は「わざわざデジタルで見る必要ってあるんかいな?」と思ってたくらい。

ところが、そろそろ見納めにしようかって時に映画館のチョイスを間違えた。
某大劇場(非シネコン)で見たEP3がとにかくダメダメだったのである。既に予告編の段階で「I have a bad feeling about this」と呟きそうになったんだけど、いざ本編が始まると、「あれ、この映画館ってこんなに音悪かったっけ?しまったなぁ」と、すっかり後悔モードに突入。大劇場にありがちな音響の甘さがモロに出ている感じで、台詞が妙に響いてなおかつ篭ってしまってて、単語一つ一つが全然聞き取れない。さほど後方に座ったわけでもないのに、前方からの音が遠い。しかも画面が暗くてメリハリが無く、当然見えるはずのものが見えなかったりするので、見ている間中イライラしっぱなしだった。
やっぱりそれなりに見合った映画館で見ないと作品が可哀想だなぁなどと思いつつ、急遽Tジョイ大泉でリヴェンジ決定。

というわけで、見納めデジタルの感想。
なるほど、デジタルはどこまでもデジタル。とにかくチリもゴミもシミもなーんにも無い、台風一過の青空を思わせるツルピカ映像。あまりにもクリア過ぎて、情緒が無いというか味わいが無いという気がしなくもない。これは、レコードとCDを比べると、CDが「無機質」で「雰囲気が無い」ように聴こえるのと同じような感覚なんだと思う。まぁ、別にSWの映像に情緒なんか必要無いし、無機質であっても全然問題無いので、デジタルの限りないクリアネスというのも、それはそれで眼福だった。
音響は、大音量かつ低音が効きすぎてなくてバランスが良く、サラウンドも非常に上手く鳴っていた。

公開後三ヵ月ともなると、シネコンの場合は良い部屋からはどんどん追い出されてしまうけれど、この時期にこのクオリティで見納めができて大満足。あとはDVDを待つばかりである。国内版は11月かな?Prequelのボックスも同時期に発売だと嬉しい。

※大泉のデジタル上映は9月30日(金)まで。

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2005年9月28日 (水)

The Giving Tree

0060586753The Giving Tree: 40th Anniversary
Shel Silverstein
Harper Audio 2004-04

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総語数622、YL2.4
★★★☆☆

<ストーリー>
リンゴの木は、1人の少年の遊び場だった。木は、少年が成長するにつれ、「お金が欲しい」と言えば売るためのリンゴの実を与え、「家を建てたい」と言えば材木を与えるなど、様々にその願いを叶えてやるのだが…。

「無償の愛」「自己犠牲」について考えさせる良い本だとは思う。さほど説教臭くなく、淡々とした語り口でこういうことを物語るのはなかなか上手いと思う。こういうのはやっぱりキリスト教的美徳の世界なのかな?とも思うけれど、ごく普遍的な物語として読むことも十分可能。

ただ、私は修行が足りないせいなのか、いまいちピンとこなかった。木が親のような愛情で少年に「尽くしてしまう」というのはよく分かるんだけれど、少年の方が木の愛情を当然のように享受するばかりで、「それで本当に良いの?」という感じなのが気になる。自分とこの少年の利己性に共通点を見出して、腹立たしいだけなのかもしれないけれど。
ただ、子供がいる人は、まるで母親のような木の心情が身に沁みるだろうし、子供がいなくても親のありがたみをしみじみと感じる良い機会にはなるような気がする。

前半は文字がスカスカだけれど、後半はいきなりぎゅっと詰まってくるのでちょっと驚いたけれど、非常に読み易い。シェル・シルヴァスタインの線描のみによるシンプルなイラストもとても良い。

CDは未聴。

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2005年9月23日 (金)

Book Baton

すなみさん、んごろさんからBook Batonなるものを頂いたので、旅の道中の宿題にして考えてみた。

1. Book(s) reading right now.(いま読んでいる本)
2. The last book(s) I bought.(最近買った本)
3. Five novelists (or writer) I read a lot, or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5人の作家または小説家)
4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)
5. Five people to whom I'm passing a baton.(バトンを渡したい5人)


1. Book(s) reading right now.(いま読んでいる本)

0751536806Long Way Round
Ewan McGregor Charley Boorman
Time Warner Paperbacks 2005-05-16

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Ewan Mcgregor&Charley Boormanの、バイクによるユーラシア大陸横断旅行記。バイクに関する記述はよく分からないけれど、その他の部分はいたって読み易い。


0590519220The Rising Force (Star Wars Jedi Apprentice)
Dave Wolverton
Scholastic Paperbacks

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SWスピンオフ小説、Jedi Apprenticeシリーズの1。チビオビ(12歳)@パダオビ未満。この人に常に忍び寄るのは、ダークサイドの影などではなく、苦労性の影だったりする。


0521006570English Pronunciation in Use (BOOK & CD)
Mark Hancock
Cambridge Univ Pr (Txp) 2003-07-15

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読んでるというか、やってるというか。またしても、イギリス英語の発音教材。


4103534184東京奇譚集
村上 春樹
新潮社 2005-09-15

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まだ二編読んだだけだけど、ちょっとすっきり、こざっぱりし過ぎか。良くも悪くも、以前の作品みたいな混沌とした感じが失せてしまった。全編読み終わったら、また印象が変わるかもしれないけど。


2. The last book(s) I bought.(最近買った本)

433407619X魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11)
田中 芳樹
光文社 2005-09-25

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これを読み始めた時は、王太子殿下(当時)と同じくらいの年回りだったんだけど、とちょっと溜息をつきたくなったりして。
個人的には「銀英伝」よりもこちらの方が好みかな。


3. Five novelists (or writer) I read a lot, or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5人の作家または小説家)

京極夏彦
妖怪小説の中でも、「魍魎の匣」が一押し。

司馬遼太郎
「竜馬がゆく」が幕末小説の東の正横綱なら、「燃えよ剣」は西の正横綱。幕末じゃないけど「坂の上の雲」も捨て難し。

村上春樹
意味不明一歩手前な比喩表現が好き。

J.R.R.トールキン
設定マニアには抗い難い世界。

番外
藤森照信
本業は学者だけど、「東大教授だなんて嘘でしょ」(←失礼千万)ってくらい、難しいことを楽しい文体で書くお方。


4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)

プロフィールに載せてるものは割愛。
よく読むというか、思い入れがあるというか、読んでインパクトのあった本たち。

4101001340世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉
村上 春樹
新潮社 1988-10

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4101001359世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉
村上 春樹
新潮社 1988-10

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村上春樹だったら、これが一番好き。


4167309904心臓を貫かれて〈上〉
マイケル ギルモア Mikal Gilmore 村上 春樹
文芸春秋 1999-10

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4167309912心臓を貫かれて〈下〉
マイケル ギルモア Mikal Gilmore 村上 春樹
文芸春秋 1999-10

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「家族」というものの負の部分を描いたノンフィクションなので、読んでて楽しい話では全く無い。でも読んだ方が良いような気がする本。


4087603512存在の耐えられない軽さ
ミラン クンデラ Milan Kundera 千野 栄一
集英社 1998-11

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軽々しい恋愛小説ではない。情念に満ちた重苦しい恋愛小説とも違う。どうカテゴライズすれば良いのか悩むけれど、出版社側は「哲学的恋愛小説」と呼んでいる。
映画は映画で良かったけれど、映画とは全くの別物。映画よりもこっちの方がずっと密度が濃いし。
そういえば「イギリス人の患者」も映画(「イングリッシュ・ペイシェント」)は全く雰囲気が違ったなぁ。


4101244014隠された十字架―法隆寺論
梅原 猛
新潮社 1986-02

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中学生の時にレポートのネタにした記憶が。大昔だな。
学説としての妥当性の判断は私にはできないけれど、一つの読み物としてショッキングなまでに面白い本。ヘタなミステリよりもずっと、謎解きの醍醐味に満ちている。


4061488988はじめての構造主義
橋爪 大三郎
講談社 1988-05

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構造主義の入門書。目からウロコが何枚も剥がれ落ちた。剥がれ落ちたけれど、それでも民族学のテストは散々な出来だった。これを読んで以来、レヴィ・ストロースをちゃんと読もうと思ってはいるものの、そのまま何年も経過している。


5. Five people to whom I’m passing a baton.(バトンを渡したい5人)

辺境につき、バトンを受け取ってくれる方が5キロ四方に見当たらず。
とりあえず、本棚を見たい人の名前を挙げてみる。

Viggo Mortensen、上川隆也、二ノ宮知子、川原泉、篠田真由美


書いてて、最近本を読んでないなぁと反省することしきり。とにもかくにも、積読を減らそう…。

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2005年9月12日 (月)

そういえば

カウンターが15000を超えました(自分で踏みましたが…)。当初は重複カウントしていたとはいえ(10000を超えた辺りで止めました)、こんな辺境まで意外とたくさんの方に来て頂けるものだなぁ、としみじみありがたく思っています。いつも来て下さる方、通りすがりの方、こんなに硬くて潤いの無い長文にお付き合い頂き、ありがとうございます。

私にとって文章を書くということは、脳内デフラグをしながら、漠然とした印象、イメージに何らかの形を与えること、混沌とした思念の海から「何か」をすくい出し、言葉によって定義付けすることです。と書くと何か大袈裟ですが、要するに脳内の引き出しの中身を整理整頓する作業です。上手く整理整頓されてれば良いんですが。。。

なるべく思考の「迷宮」に落ち込んだ文章をさらすことのないように、そして、書いた文章は私の「鏡」だということを肝にめいじつつ、今後もボチボチ、チマチマ続けていけたらと思います。

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Star Wars: The Last of the Jedi #2, Dark Warning (Star Wars: the Last of the Jedi)

0439681359Star Wars: The Last of the Jedi #2, Dark Warning (Star Wars: the Last of the Jedi)
Jude Watson John Van Fleet
Scholastic Paperbacks 2005-09

by G-Tools

9月12日現在、まだ予約受付中になってるけれど、在庫が少ないのかな。

総語数30,000(推定)、YL6くらい
★★★★★

SW・EP3とEP4を繋ぐブリッジノベル「The Last of the Jedi」 の2巻。
ネタバレ有り。というか、粗筋書くだけでも微妙に前巻のネタバレになってしまうんだよね。





<ストーリー>
オビ=ワン・ケノービは、元ジェダイ見習いのFerus Olinと共に、帝国からレイアとルークの存在を隠し通そうと奔走していた。ある時、彼らは、オビ=ワンとヨーダ以外にもジェダイの生き残りがいることを知る。

前巻に引き続き、マスター・不憫なオビ。ちょっとは浮上したかと思いきや、ことあるごとに元弟子のことを思い出して、自分で傷口に塩をすり込んでいる。わざわざ思い出すなっつーの。
そして、ドンパチの嵐をかいくぐりながら、"I hate flying."なんてこぼしているのも相変わらず。まぁこの部分はちょっと笑うところなんだろうけど、ついつい「比類無いパイロットだけれど飛ぶのは嫌い。戦わせればとんでもなく強いけれど、できることなら戦いたくない」というオビの複雑さを思い出す。加えて、"Odd how much he hated war, yet how much of his life had been spent around it."なんて書いてあるのを読むと、したくもない戦いに明け暮れるオビの生き様にちょっと涙。

ところで、オビって、クワイ=ガンと話していると、常になく感情的になるというか、何かこう、パダオビじみてくるのは気のせいかな。そろそろこの人も40近いハズなんだけどね。
クワイ=ガンは懐が深くて鷹揚な感じで、EP1しか知らない私にとってはこのシリーズの彼は結構新鮮。なかなか良い師匠じゃないか。オビとクワイの会話はいかにも師弟って感じが微笑ましくて、ちょっと和むんだけれど、状況を考えると哀しくもある。"After his death, Obi-Wan had missed his Master every day of his life."(THe last of the Jedi #1)というのもなんか分かるなぁ。

それでも、ラストはオビ的には心身共にちょっと一段落。少しは心の平安を取り戻せたかな。
これでオビはタトゥイーンに落ち着くとして(多分)、3巻はFerusとレジスタンス組織中心の展開になるんだろうか。EP4では、反乱軍が組織としてちゃんとあったけど、このお話がその辺に繋がっていくと嬉しい。

あと、小ネタっぽいんだけど。
Ferusはオビのことを「Stubborn」で「Stiff」だと形容しているんだけど(これはこの時点のオビというよりかは、Ferusがよく知ってる昔のオビのイメージなんだろうけど、「頑固で融通が利かずお堅い」という感じかな)、ちょっと笑ったのが、Ferusがオビの旧友のジェダイに会った時のやり取り。

"I'm Ferus Olin."
"I know...that name. Siri's apprentice."
"Yes. We met once...long ago. I'm a friend of Obi-Wan Kenobi's."
"Obi-Wan. He is alive?"
"Yes, very much so. He's too stubborn not to be."
"Yes, now I know it's really you, Ferus."

オビ=StubbornというのはFerus個人の印象じゃなくて、ジェダイの間では確固とした共通認識になっていたらしい。少なくとも、得体の知れない人間の身元確認に使えるほどに。要するに「オビがStubbornだということを知ってるんなら、あんたホントに元Jedi関係者だね」ということなんだろうけど、そこまでいわれるオビのStubbornって一体どんななんだ…。

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2005年9月11日 (日)

[映画]チャーリーとチョコレート工場

★★★★☆(ティム・バートン好きは万難を排して映画館へ行くべし)

ネタバレ無し。

<ストーリー>
貧しいチャーリー少年の家の近くには、世界一有名なウィリー・ウォンカのチョコレート工場があった。15年前の従業員の総解雇以来、誰もその門をくぐったことの無い謎のチョコレート工場である。そんなある日、ウォンカ氏は、「チョコレートに入った金のチケットを手に入れた5人の子供たちと保護者をチョコレート工場に招待する」という異例の声明を出す。

ティム・バートンといえばジョニー・デップ。ジョニー・デップといえばティム・バートン。「シザー・ハンズ」「エド・ウッド」「スリーピー・ホロウ」(他に何かあったかな)に続く黄金コンビの復活である。この組合せってだけで期待値が5割増しである。

さて、チョコファク。原作は半年ほど前に読んだんだけれど、実をいえばさほど感心しなかった。児童文学を楽しむには私の想像力が貧弱になってきているのが一番の原因だと思うけれど、ブラックな説教臭さと勧善懲悪なノリが合わなかったのと、後半のトンデモな展開に乗り切れなかったのである。

原作はコレ↓。

0141301155Charlie and the Chocolate Factory (Puffin Novels)
Roald Dahl Quentin Blake
Puffin 1998-06

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総語数29,743、YL4.5

だけど、このティム・バートン版は楽しかった。幻想美とキッチュなヘンテコさが渾然一体となった、怒涛のバートン・ワールドで、この人の頭の中を一度覗いてみたい、という気にさせられる。一体、どういうヴィジョンで世界を眺めているのやら。
美術・デザインはいかにも作り物然としていて、それがリアリズムとは全く別方向の、独特のファンタジックな異世界を形成している。そして、こういう奇天烈な世界には、原作が持つブラックなノリもストンと嵌る。(個人的に)原作で気に入らなかった部分が、ティム・バートン世界に吸収されることで、上手く落ち着いたような印象。

そしてもちろん、本作の目玉はウォンカ@ジョニデ。あの仮装行列のような扮装と芝居がかった大仰さが似合う四十路の美形俳優っていうのも、なかなかいないぞ。貴重種といってもいい(いや、珍種か?)。ジャック・スパロウに輪をかけたような三枚目っぷりも絶好調で、こういうのを見ると、やはりジョニデはコメディアンの才能に恵まれているのがよく分かる。ただし、綺麗なジョニデが好きな人は近付かない方が無難かも。一瞬、「これってPG13じゃないよねぇ」なんて考えてしまうくらいのインパクトはあったりして。エキセントリックというか、ちょっと不気味かも。

主役のチャーリー少年(フレディー・ハイモア)がいかにも良い子で可愛かった。優等生的な良い子じゃなくて、普通の素直な家族思いの少年で、目がチカチカするようなドギツサが漲る中、その健気さは一種の清涼剤のようだった。

ウンパ・ルンパの歌は、「ふーむ、こうくるか」とかなり目が点。いや、面白かったけど。

全編かなりイカれ気味ではあるけれど、予想よりもずっと「良いお話」になっていて、オチもストレートで綺麗。ただ、個人的には、家族テーマだったら「ビッグ・フィッシュ」の方が好みかな。

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2005年9月 8日 (木)

Rodgers and Hammerstein's Oklahoma! (London Stage Revival)

B0000C23HYRodgers and Hammerstein's Oklahoma! (London Stage Revival)
Image Entertainment 2003-11-18

by G-Tools

すなみさんのるるむく日記 で教えて頂いたヒュー・ジャックマン主演の「Oklahoma!」DVD(リージョン1)である。字幕無しの全編南部訛り。字幕無しで3時間のミュージカルは正直、きっつい。話が分からん。でもイイ。ちゃんとBGMとして機能するから。

ヒュー・ジャックマン。「ヴァン・ヘルシング」も「ニューヨークの恋人」もまずまず好印象だった。だからといって別に追いかける気も無かったんだけれど、以前より気になっていたのが「実は歌がメチャクチャ上手い」という噂。「ユアンも歌が上手いけど、ヒューの方がもっと上手い」などという話を聞くにつけ、「ほほぉぉぉ、そりゃ一体どんなもんじゃい」と興味深々だったので、渡りに船とばかりに(用法間違い)、米密林でぽちっとな。それにしても、英米密林、ヘタな国内通販よりも早いし、ポストにぽいっで受け取りが楽だし、これで送料がもうちょっと安ければ言うこと無いんだけどなぁ。

早速見たけど、いやもう、しょっぱなから笑っちゃうほど上手い。「うははは、何だコレ~。なんでこんなに歌えるんだよぉぉぉ」ってなもんである。ヒュー、職業欄には、ハリウッド俳優じゃなくてミュージカル俳優って書くべきなんじゃないの?
ババーンと前に出る、金管楽器を思わせるぴかぴか・艶々の美声。朗々と響いて、伸びやかで、強靭。いかにもミュージカルぅ~な正統派な歌い方で破綻が無いし、聴いてて非常に気持ちが良い。

「ユアンよりもヒューのが上手い」っていうのは納得。ヒューの歌の上手さは「(歌が本業じゃない)俳優としては歌が上手い」という域を完全に超えている。まぁ、一つ言えるのは、「ヒューより下手」と言われたところで別に恥でも何でもないということかな。

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2005年9月 6日 (火)

[映画]トレインスポッティング DTSスペシャル・エディション①

B0002U8NQ6トレインスポッティング DTSスペシャル・エディション 〈初回限定生産〉
ユアン・マクレガー アーヴィン・ウエルシュ ダニー・ボイル
角川エンタテインメント 2005-03-11

by G-Tools

★★★★★

<ストーリー>
舞台はスコットランド・エディンバラ。
ヘロイン中毒のマーク・レントン(ユアン・マクレガー)は、失業手当を貰いながら仲間とドラッグ浸りの毎日を過ごしている。時には禁ヤクを決意しても、結局はまた再開の繰り返し。彼らの悲惨な日常は、押しつぶされそうな閉塞感の中、悪化の一途を辿っていく。それでもレントンは、何とか荒んだ状況から抜け出ようと試みるのだが・・・。

ネタバレ無し感想。

久々に★5つ。極めて主観的に。まぁ、★なんていつでも主観的なものではあるけれど。

今まで、レンタルビデオ屋で何度も手に取りながら、何度も棚に戻し続けること数年。スコットランドのドラッグ中毒の若者達を描いた衝撃作なんて聞いて、ドラッグ問題だけでもへヴィーなのに、よりによってスコットランドかよ…と、それはもうジメついた、地を這うような重苦しい映画を想像した私は、「よほど元気な時じゃないとダメだな」と借りるタイミングを逃し続けてきた。食わず嫌いは、ホントいかんね。

決して万人向けの作品ではないし、生理的に受け付けないという人も結構な割合でいるような気がする。私も家族にこのDVDを貸そうという気にはならないし、ごく真っ当な感性の持ち主、いわゆる良識的な人にはちょっと薦めにくい。
私自身、これを公開時(1996年)に見ても果たして「イイ!」と思ったかどうか。当時は今より人間が練れていなかった、というかスレてなかったので、仮に見たとしても彼らの無軌道ぶりに眉を顰めるだけだったかもしれない。だけど、9年の間に(?)着々とスレてしまった今の私には、まさにドンピシャな作品だった。
別にドラッグに溺れる彼らに共感するわけではないけれど、「理解できない」と完全に斬って捨ててしまえるほど、私はできた人間でもおキレイな人間でもないし、昔よりも、自分のダメっぷりも含め、ある程度人間の弱さを直視できるようになったということかもしれない。もちろん、こういうものを「理解できない」「許しがたい」という人がいるということは理解できるし、そう思えるのは実に健康的で幸せなことだと思う。決して嫌味などではなく。

しかし、まさかこういうテイストだったとは思わなかった。イギリス映画というと、派手さとは無縁、淡々としてて、内容も映像も暗めというイメージが強かったけれど、「トレスポ」は「地を這う重苦しさ」どころか、爽快感すら感じさせるテンポの良さと色彩豊かで明るい映像、時代を映すキャッチーなブリティッシュ・ロック等々の見事な融合によって、まごうことなきエンターテイメント作品に仕上がっている。「オシャレ系映画」などとも呼ばれ、レビューなどにひたすら「カッコいい」「クール」という形容詞が踊るのを見ると、「決してそれだけじゃないでしょ」といいたくなるけれど、確かに編集や選曲の驚くほどの上手さは、そういった要素だけが取り沙汰されるのも分からないではないほど、群を抜いたセンスの良さを感じさせる。

実際には、(映像のおかげで随分小綺麗には見せているとはいえ)ご飯時には見たくないようなエグくて下品な描写は随所にあるし、登場人物たちはカッコいいどころか、ほぼもれなく「コイツら本当に救い難いな・・・」という自堕落なダメ人間たち。「人間さしたる理由も無くここまで墜ちてはいかん」という見本みたいな連中だったりする。そして、漂うのは倦怠感と無気力、閉塞感、絶望感、飢餓感、孤独感。これを単にカッコいいとかオシャレだという言葉で片付けてしまうことが可能なのは、所詮はドラッグやエイズは他人事という日本人の平和ボケした感性の為せる業だと思うのだが(実際に他人事かどうかは怪しい気もするけど)。
しかし、かくいう私も、「トレスポは90年代最高の青春映画」という評を見て、「青春映画」の部分に違和感を覚えるのだから、五十歩百歩ではある。「青春映画」っていうのはもうちょっとこう、デリカシーがあって、瑞々しく切ないものなんじゃないだろうかね、と思わずにいられないのは、とりもなおさず、私の青春がそれなりにまともで、「トレスポ」のような「青春」とは縁が無かったということなのだろうから。

さて、相変わらず長くなってるけれど、次回は(多分)ネタバレでレントン@ユアンについて。

<オマケ>
英語について。これ、ゴリゴリのスコティッシュ・アクセントである。スコティッシュ・アクセントってどんなの?って訊かれたらこれを見せれば良いってくらい、ゴリゴリである。何しろ、アメリカ公開時には英語字幕が付いたっていうんだから、すごい。むかーし、エディンバラの英語を初めて聞いた時は本っ当に何一つ分からなくてそりゃショックだったけれど、この映画のロバート・カーライルもとんでもなく強烈である(共演者も全部は分からなかった、という話があるくらい)。リスニングに自信のある方は是非挑戦されたし。
まぁ、ロバート・カーライルはともかく、スコティッシュのイントネーションというかリズムはなかなか独特で面白い。なお、ここまでバリバリのスコティッシュ・アクセントのユアンも最近では珍しいような気がするので、結構貴重かも。

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2005年9月 3日 (土)

Ship or Sheep an Intermediate Pronunciation: An Intermediate Pronunciation Course (Introducing English Pronunciation)

052128354XShip or Sheep an Intermediate Pronunciation: An Intermediate Pronunciation Course (Introducing English Pronunciation)
Ann Baker A. Baker
Cambridge Univ Pr (Txp) 1981-07-09

by G-Tools
0521263581Ship or Sheep? (3 Cassette Set)
Ann Baker
Cambridge Univ Pr (Sd) 1984-01-01

by G-Tools

以前にも軽く紹介したイギリス英語の発音教材。

最近、私の身辺ではイギリス英語率が異様に高くなっている(イギリス英語じゃなくてスコティッシュだろう、とか突っ込まないように)。
今まで、日本では米語が圧倒的多数派だし、英米が変に混ざるのも嫌だし、と一時期BBCも避けていたくらいなんだけど、ここにきて俄然、イギリス英語な気分。自分でも本当に現金だと思うけれど、掌を返したが如く、これを機にイギリス英語の発音をきっちりやるのも良かろう、と腹をくくった。

というわけで、定番のイギリス英語発音教材「Ship or Sheep?」を引っ張り出してきた。しばらく寝かし気味(積読)だったんだけど、まずは、使い勝手と耐久性がイマイチなカセットの音源を全てHDDプレーヤーに落とすことに。せっかくなので、落としながら一通りやってみることにする。カセット3本分、トータル約3時間半。
普段滅多にやらない筋肉の使い方をしたので、口の周りがえらく疲れた。。。

全部で49Unit。Unit1~23が母音パート、Unit24~49が子音パート。
それぞれの音のUnitに、似ている音との比較や聴きわけ、Dialogue、Stressなどの練習が含まれる。例えば、sheepとship、capとcup、hatとhot、wardとword等の母音の比較、seaとshe、bestとvest、sinkとthink、closeとclothe等の子音の比較など。

↓これはthのUnitのDialogue。

Edith Smith is only thirty.
Is she? I thought she was thirty-three.
Edith's birthday was last Thursday.
Was it? I thought it was last month.

という具合に、これでもか、とthを使った単語による会話が続く。ひたすらお口を動かしましょうって感じ。気分はちょっと「マイ・フェア・レディ」。「The rain in Spain stays mainly in the plain」っていう発音矯正の例文を思い出したりして。

なお、このテキスト、口の形、舌の形の説明はあっさりしていて、ちょっと分かり難いような気がする。他でフォローした方が良いかも。

それにしても、やっぱり母音をきちんと区別して発音しないとね…。普段、いかに適当に発音しているかがよくよく分かってちょっとへこむ。

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