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2005年10月

2005年10月31日 (月)

[映画]ベルベット・ゴールドマイン②

というわけで、少々ネタバレ感想。世間的に賛否両論というか、むしろボロクソにいわれててちょっとかわいそうなので、割と真面目に書いてみた。

ストーリーは、新聞記者アーサーのブライアン関係者へのインタビュー取材によってブライアン・スレイドという人物が語られ、そこにアーサーの記憶がオーバーラップするという重層的、多面的な形で展開する。

基本的に複数人物の回想形式なので、過去のシーンと現在のシーンが入り乱れ、なおかつ、PVシーンとライブシーンではストーリーがちっとも前に進まないということもあり、時間経過の把握がかなり難しい。また、伏線のはり方があまり巧妙ではないし、編集的にもちょっと難アリだったりする。おまけに登場人物の髪型・メイクがコロコロ変わって誰が誰やら分からなくなるので、「ワケ分からん」「意味不明」と評されがちなのも分かるのだが、ストーリー自体は別に複雑ではない。
大雑把にいってしまえば、バイセクシャルであるブライアン・スレイドとカート・ワイルドの愛憎劇に、アーサーの彼らに対する同性愛的な憧憬が絡むという感じ。恋愛映画といえば恋愛映画かな。

まずは、アーサーが取材する元マネージャー・セシル、元妻マンディの証言を通して、ブライアンの生い立ち、マンディとの出会いと結婚、メジャーデビューとスターダム、カートとの恋愛関係と破綻、狂言射殺事件、離婚などが語られる。
第三者であるマンディ視点ということもあるんだろうけど、ブライアンとカートの内面描写はやや表層的な印象である。さらに、ブライアンの容姿が超美麗なせいもあって、カートとの関係の描写も少女漫画じみててかなりファンタジーが入ってるようにも見える。ただ、マンディが散々、ブライアンやカートのことを実態とは異なる「フィクション」「イメージ」「幻想」と形容していたことを思い出せば、敢えて薄っぺらい表現方法をとったのかな、という気もしてくるのだが。
そういう意味では、アーサーのブライアン、カートに対する想いの方がはるかに丁寧でリアリティがある描写になっている。しかも、クリスチャン・ベールは表情の細かな変化が絶妙で、「寡黙の雄弁」とでも呼びたいような上手さがある。彼のこの芸達者ぶりもあり、狂言回したるアーサーは、実は影の主役なのかもしれないという気すらしてくる。全体的にゴチャついた構成も、アーサーの物語として完全アーサー視点で見れば、比較的すっきりと見られるのではなかろうか。

さて、マンディが、離婚後にブライアンを見かけたライブ「グラムロックの死」に言及するに至り、マンディの記憶と、当時現場にいたアーサーの記憶が見事にシンクロし、これを起点として視点を完全にアーサー中心にシフトさせる辺りはなかなか上手い。そして、これ以降、ブライアンの物語は10年前から現在=1984年に収束し、狂言事件以降の彼の末路(言い過ぎか?)が明らかになる。
アーサーにとってブライアンに関する一連の取材は、自らの過去の古傷に塩を塗るようなものであり、彼はそこで得た真相になんら安らぎを見出せなかったはずである。アーサーの救いとなったのはむしろ、思いもかけないカートとの遭遇だったといえるだろう。2人は、最初から最後までいわばフィクションの塊であり、いまや見事なまでに「墜ちた偶像」でもあるブライアンに対する喪失感と哀惜の念を共有することになる。このアーサーとカートの語らいのシーンは、この映画で唯一といっていい、現実感と温かみを伴う内面の交流が仄見えるシーンでもある。カートのアーサーに対するあからさまに刺々しい雰囲気が、すっと柔和なものに変わる様が、何ともいえない。
アーサーが冒頭で「過去の亡霊」と呼んだもの、すなわち自らの奥深くに沈めることになった青春の思い出は、この時点である種の突破口を見出し、清算されたような気がする。最後のアーサーの表情にはなんともホッとさせられるし、清々しさもあって後味の良いラストである。

そんなこんなで、グラムロックってどんなもんかな、という興味も沸いてきたりして。なるべくCDを増殖させないように自重しているけれど、とりあえずサントラはぽち済み。

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2005年10月29日 (土)

[映画]ベルベット・ゴールドマイン①

B0000D8RO7ベルベット・ゴールドマイン
ユアン・マクレガー トッド・ヘインズ ジョナサン・リース・マイヤーズ
アミューズソフトエンタテインメント 2003-12-05

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★★★★☆

<ストーリー>
グラムロックのスーパースター、ブライアン・スレイド(ジョナサン・リーズ・マイヤーズ)の射殺事件から10年。1984年、米ヘラルド紙の記者アーサー(クリスチャン・ベール)は、ブライアンについて記事を書くために調査を開始する。アーサーは、スレイドの初期マネージャー、別れた妻に取材をするが、それは当時グラムロックに入れあげた自らの青春を追体験することでもあった。

とりあえずネタバレ無しレビュー。

ものすごく出来の良い映画だとは思わないけど、かなり好き。
この手の音楽が好きではない人にとってはとてもつまらない映画だろうし、映画にリアリズムを求める人にも向かない。同性愛描写が苦手な人もNGだろうし、そういう意味では一般受けはしない作品である。ただし、主要キャスト(ジョナサン・リーズ・マイヤーズ、ユアン・マクレガー、クリスチャン・ベイル)は皆好演しているので、俳優目当てで見る場合は結構楽しめると思う。

私は音楽(映画もだけど)に関してはかなり雑食で、ロック自体は特に嫌いなジャンルというわけではない。ただ、あまり一生懸命は聴かないし、70年代のグラムロックについては明るくない、というか名前くらいしか知らない。
登場人物のモデルがデヴィッド・ボウイとかイギー・ポップとか、ユアンの見てくれがカート・コベインに似ているとか(確かによく似てる)色々いわれているようだけれど、誰も彼も私の守備範囲外なので、元ネタに思いを巡らしてニヤつくという楽しみは皆無だった。そもそも、歌うユアンが見られれば良い、くらいの軽い気分で見たので、映画自体に期待をしていたわけでは全くなかったし。
にも関わらず、意外なほど面白く見られた。私の場合、音楽がある程度良ければあとは何でも良いという甚だ偏った嗜好があるので、これくらい色々な楽曲を映像と上手く融合させてくれれば、それだけでとりあえず満足、ということはあるのだが。これ、BGMにする映画としては、ものすごく良い(褒めてるんだか貶してるんだか…)。

使われている楽曲は、予想よりもずっとマイルドでとっつきが良かった。そして、歌うシーンが多いのは当然なのだが、ライブシーンだけではなく、プロモーション・ビデオ(PV)のような映像が随所に挿入されているのが面白い趣向。このPVのシーン、本筋とは関係が無い部分も多いためかなり浮き上がって見えるのだが、カラフルでいかにも作り物めいた人工美に満ちており、グラムロックの非日常性を端的に表しているようでもある。一方、歌以外のシーンは、現在のアーサー関係の部分を中心にドスンと暗く沈んだ雰囲気もあり、煌びやかで虚構そのもののようなショービス界とのコントラストの付け方は上手いと思う。

次回はネタバレ感想。

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2005年10月26日 (水)

EP3朗読祭り

0739318330Star Wars Episode III: Revenge of the Sith (Au Star Wars)
Matthew Stover Jonathan Davis
Random House (a) 2005-04-02

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すっかりJonathan Davisの声が気に入り、EP3朗読祭りがエンドレスの様相を呈してきた。ついついUnabridged 版(完全版)をUS密林のマーケットプレイスでぽちし、本日エアメールにて到着~。

全部で11枚。今、HDDプレーヤーにつめつめしているところ。
しかし、マイHDDプレーヤー、5GBもあるのに既にギチギチっていうのはどういうこと?やっぱり朗読CDの類を入れると、あっという間に一杯になっちゃうなぁ。

このUnabridged版、ぱっと聴いた限り、Abridged 版よりも描写が細かいせいなのか、英文の難易度が上がっている印象(Abridged版と全く同じ部分も結構あるけど)。そして、会話と会話の間の地の文の量がぐぐっと増えているので、ラジオドラマっぽさは薄れている。ただ、効果音のグレードは上がってるかな?さっきも「どかっ」っというジェダイキックの音が聞こえたような気がするけど、もしかして幻聴かしらん。

あと、さすがUnabridged 版、最後に大師匠が出てくるのは嬉しいなー(すんません、後ろから聴いてます)。

一言だけ。
「You were the chosen one!」以下の台詞は、オビ@ユアンに勝るもの無し。こればっかりはね。あそこまで「泣き」を入れちゃったら、もはや朗読じゃなくなっちゃうし。この部分は映画版EP3中屈指の名シーンということで、DVDで堪能しましょう。

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2005年10月24日 (月)

「Letters from Father Christmas」の朗読

すなみさんの「るるむく日記」で教えて頂いた、というか誘惑返しして頂いた「Letters from Father Christmas」の朗読音源をaudibleでぽちっとな。ちょうどハロウィンセールで7ドル弱。「ハロウィンにクリスマス?ちょっと気が早すぎだろう」という突っ込みは脇ののけて、とりあえず買っとけ!な値段である。

J.R.R.トールキンが、20年以上に渡ってサンタクロースのふりをして、自分の子供たちにあてて書き続けた手紙の数々を収めた「Letters from Father Christmas」。書籍版はずっと欲しかったけれど、英版と米版、ハードカバーとPBで悩んでいて買いそびれていた。

さて、この朗読、いきなりクリスマスソングで始まっちゃうものだから、「うあぁぁぁ、もう年の瀬か、、、」と微妙に凹まされるのだが、それでもサンタ爺のほのぼのなお手紙群に和むこと、和むこと。

こうなると俄然、本も欲しくなる。表紙のデザインも違うし、ハードカバーかPBかで悩むな~。↓は両方とも米版。

061800937XLetters from Father Christmas
J. R. R. Tolkien Baillie Tolkien
Houghton Mifflin (T) 1999-12

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0618512659Letters From Father Christmas
J. R. R. Tolkien Baillie Tolkien
Houghton Mifflin (P) 2004-11-15

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2005年10月22日 (土)

Long Way Round 新編集版(UK版)

B000B5KEEQEwan McGregor And Charley Boorman - Long Way Round
E w a n M c G r e g o r , 㠀 ? C h a r l e y B o o r m a n
EMI Records (UK) 2005-11-07

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LWRの新編集バージョン、SEE版(?)をぽちっとしちゃったよ。
ディスク3枚、約10時間も英語字幕無しでリスニングかよ、、、と思うといささかげんなりもするし、WOWOWで現行のバージョンを放映するらしいから、いずれ国内版DVD発売も期待できるかも?と思ったりもするのだが、待てないものはしょうがない。こういう時の私は、本当に物欲の歯止めが効かないんだけど、ハナから我慢する気がサラサラ無かったりする。いいんだ、本とDVDは無駄遣いじゃないから…。

なお、このDVDはRegion0だけれど、映像方式はPALなのでご注意を。

現行のバージョン(いずれは旧バージョンと呼ばれるようになるんだろうけど)については、こちらの記事を参照。
Ewan McGregor: Long Way Round (Two Disc Set)


さてさて、こいつが到着する前に、本の方を読了せねば。今、ウクライナ。まだ、ウクライナ…。

0751536806Long Way Round
Ewan McGregor Charley Boorman
Time Warner Paperbacks 2005-05-16

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2005年10月21日 (金)

「キング・コング」Post Production

eiga.comのニュースより。
「キング・コング」メイキングDVDの発売が決定

12月14日全米公開予定のピーター・ジャクソン監督「キング・コング」のメイキングDVDが、公開日前日に発売されるそうな。本家「キング・コング」サイトKong is King.netでマメマメしく更新されている製作日記(動画)のDVD化らしい。私は一瞬、「あ~、PJ奇跡のダイエットDiaryね」などと思ってしまったのだが、最初はまん丸だったPJがどんどん痩せ細っていく過程を再確認するだけでも、一見の価値があるかもしれないな。って、見所は全然そこじゃないだろうけど。

なお、eiga.comの同日の「ニュース&噂」には、「ハワード・ショア「キング・コング」降板」のニュースも載ってて、残念。っていうか、今から作曲家交代で公開に間に合うんか?相変わらず、綱渡りが好きだな、PJ…。

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2005年10月17日 (月)

シャドーイング その2

というわけで、10月6日の記事 にも書いたシャドーイング。その後、口のまわらなさ加減に凹みつつ、ぼちぼちとやっている。

シャドーイングにも色々な方法があるだろうけれど、私がやっているのはリーディングで言えば「精読」に近いもの。一つの英文をとことんやり込むというのがミソで、ちゃんと繰り返せるようになったら即次の教材へ、ではなく、そこからがいわば本番。
大体追いかけられるようになったら、以下の点を意識しながらしつこく繰り返すと良いらしい。

①冠詞
aとかthe、ホントよく落とすので。
②名詞の単数・複数
同じ単語でも単数と複数で意味が違うことがあるし。
③時制
なんで過去形じゃなくて過去完了なのかとか。間接話法の時制の一致もついつい忘れる。
④接続詞
長い文章の場合は、主節と従属節がどうなってるのかとか、文のどこで区切れるのかなど。
⑤前置詞
単純に覚えられないから。

なお、聞き流すだけの多聴とは異なり、シャドーイングの場合、自分がどのくらいちゃんと聞き取れてそれを発音できているのかを確認するために、どうしてもスクリプトが必要になってくる。もちろん、朗読CD+PBでも良いけれど、せっかくなのでネットも活用したいところ(安上がりだし)。
ネットで素材を探す場合は、まずスクリプトが付いてるか否かが重要になってくる。難しいもの、早口なもの、長いものはまず続かないので、どんな教材でシャドーイングをするかは大事なポイントなんだけれど、易し目のものを探そうとするとこれが意外と難しい。

私が使うのはこの辺。

VOA Voice of America
アメリカ英語。語彙限定&ゆっくり発音のコーナー(Special English)もあるので初シャドーイングはここでも良いかも。トピックも豊富。映画コーナーは私もよく行く。

週間ST
Japan Times社による、英語学習者用週間新聞「週間ST」のHP。割と日本語の割合が高いので「英語学習時には日本語は排除!」という人には向かないけれど、時事英語の最初の一歩としてとてもお勧め。音声教材の数はそんなに多くないけれど、語彙説明も豊富なので何かと楽。場合によっては、イギリス英語(その他各国アクセント)の素材も拾える。

BBC World Servis Learning English
BBCって本当に色々なセクションがあって迷ってしまうんだけれど、ここは学習者用のページ。ものによってはスクリプトもちゃんとある。イギリス英語にこだわるならここが良いかな。

あとスクリプト付きの良いサイトがあったら是非教えてください。

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2005年10月16日 (日)

EP3でaudibleデビュー

また、新たな扉を開けてしまった。いや、別に悪いことではないんだけれど。

アメリカは車社会で移動時間に読書ができないから、読むかわりに聴くということになるかどうかは定かではなないけれど、朗読CDの数が非常に多い。ベストセラーの場合などは、かなりの確率で朗読CDが存在するといっていい。そういった朗読CDはアマゾンでも多数取り扱っているので割と簡単に入手できるのだが、Unabridged版(省略無しの完全版)の場合は、どうしても枚数がかさむのが難点だったりする。例えばハリポタ1で7枚、FotRで16枚と結構な枚数になるので、当然かなり高額なものが多い。
Abridged版(抜粋版)なら比較的安価だけど、元の本の英文と一致しないので、耳で聴いた英語を本で確認するということができず、そういう点では非ネイティブには辛い。

さて、audibleというサイトがある。
audibleは、各種朗読音源のダウンロード販売サイトで、概ねCDよりも格安なのが魅力である。個人的にはCDの方が安心な気がして今までダウンロードしたことは無かったけれど、ここはどの音源もサンプルが聴けるので、今までちょろっと試し聞きするのに重宝していた。

で、今日も立ち読みならぬ立ち聞きに行ったところ、ついついSW:EP3のノベライズ版のサンプルを聴いてしまったのが運のつきというかなんというか。
「EP3の朗読ってどんなもんかな」と思いながらサンプル音源を開けると、いきなり「Flyng is for droids.」というオビのボヤキから始まるもんだから、笑ってしまった。EP3冒頭の空中戦のシーンだけど、ドンパチの効果音も結構ちゃんと入ってるし、マイクを通して喋る場面なんかはそういう音声加工をしていてちゃんとマイクごしの音に聞こえるなど、臨場感たっぷりである。朗読というよりかは、ラジオドラマのような印象を受けた。

ちょうど、audibleを初めて利用する人用のディスカウント価格が設定されており、なんと9.95ドルという低価格。ダウンロード後すぐに聴けるというのも非常に魅力的なので、さっさと購入手続きをしてしまった。

残念ながら、audibleにはEP3のUnabridged版(完全版)が無くて、現在のところAbridged版(抜粋版)のみになっている。それでも、5時間2分とかなり長いけど。
これがまた予想外に楽しくて、その後なんだかんだと半日EP3朗読に浸かりっぱなしになってしまった。

これ、ナレーターのJonathan Davisがとても良い。地の文章の朗読がとてもきれいで聴き易いし、映画の俳優に合わせて米国アクセントと英国アクセントを発音し分けているなど、キャラクターの演じ分けもかなりちゃんとやっている。特に、オビがちゃんとオビに聞こえるのには感動してしまった。オビ@ユアンの喋り方にかなり似てて、思わず心拍数が上がるほど。
そして、効果音だけじゃなくて、音楽まで入ってる。冒頭は、ちゃんとSWのテーマで始まるんだからすごい。

まずいなぁ、思ったよりも難しくないし、えらい楽しい。EP3のDVD到着までのつなぎとしては、まさにうってつけなブツである。


↓なお、これはAbridged版のCD。

0739318314Star Wars Episode III: Revenge of the Sith (Au Star Wars)
Matthew Stover Jonathan Davis
Random House (a) 2005-04-02

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↓こちらは、Unabridged版のCD。

0739318330Star Wars Episode III: Revenge of the Sith (Au Star Wars)
Matthew Stover Jonathan Davis
Random House (a) 2005-04-02

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ついでにEP3のノベライズ(書籍)について。

日本語版は既読。

4789725642スター・ウォーズエピソード3シスの復讐
マシュー・ストーヴァー
ソニー・マガジンズ 2005-06

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ノベライズというと、映画のストーリーをただなぞっただけの薄っぺらいものというイメージが強かったけれど、これはすごかった。心理描写がとにかく充実してて、「これでもか」というくらい書き込んである。あくまでノベライズなので映画と矛盾することは無いんだけれど、ここまで詰め込んだら映画とは別モノの、もう一つのEP3という気すらしてくるみっしり度。映画はさっさと心理描写には見切りをつけて映像&音響に特化し、その分ノベライズがキャラクター描写の部分を引き受けて映画のフォローにまわったという感じで、ある意味完全に役割分担しちゃったという印象。

ただ、翻訳のせいという訳でも無いだろうけど、かなり情緒的で思い入れたっぷりというか、仰々しいというか、読んでて「SWのくせに、なんでこんなにウェットなんだよう」と身悶えするような感覚があった。もちろん、「ふーむ、コイツはこの時、こういうことを考えていたのね。なるほどなるほど」なことだらけで非常に面白かったし、オビ=ワンは小説だと能力値が映画の3割増しという感じで、オビ好きとしては「そーだろー、そーだろー」と大喜びもしたんだけれど。
もしかしたら英語で読むともう少しドライな雰囲気かな?とも思ったけど、巨大なハードカバーを見ると腰が引けて、どうしても手が出なかった。なんせ、432ページもあるんだ、これ。

0345428838Star Wars Episode III Revenge of the Sith
Matthew Stover George Lucas
Del Rey 2005-04-02

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下は近日発売のPB。480ページ。

0345428846Star Wars Revenge Of The Sith (Star Wars (Random House Paperback))
Matthew Woodring Stover
Del Rey 2005-10-25

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そんな訳で、ちょっと長い&重いこともあり、EP3のノベライズ原書はパスでいいか、という気分だったんだけど、まさかaudibleで捕まるとはね。映画を見るだけじゃなくて朗読も聴いて、そういう意味では随分ハードルは下がってるし、これを機にEP3ノベライズの原書に挑戦するのも悪くないかもしれない。

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2005年10月15日 (土)

[映画]シン・シティ

★★★☆☆+

ネタバレ無し。

公開2日目に見ていたのだが、レビューを書くのにかなりぐるぐる悩んで持て余した作品。★を付けるのもちょっとどうなんだろう、という気分。これ、好きな人はすごく好きだろうけど、どうも他人には勧めにくいな。

フランク・ミラーの同名グラフィック・ノベルの忠実な映画化なんだそうな。私はアメコミに縁が無いので、どのくらいその世界観を再現し得ているのかは判断できないんだけれど、パンフレットなどを読む限りでは、ストーリーや台詞だけではなくコマ割りに至るまで、原作に非常に忠実に作っているらしい。

かなり過激なバイオレンス描写が含まれ、USでのレートはR指定、日本はR-15になっている。画面が白黒を基調にしていて(一部色付き)、描写がある程度マンガチックにデフォルメされているのでまだ救われている部分が多いとはいえ、かなりドギツイシーンの連続である。もしこれで、フルカラーのリアルな表現だったら、果たして正視に耐えたかどうか。ごく普通のエンターテイメント作品、特にお気楽なアクション映画を期待して行くと、人によっては激しく後悔することになるかもしれない。

個人的には、見てる間はかなり「ぐえーっ」と思っていたけれど、クールでスタイリッシュな映像、アンチハリウッドに徹した、やりたい放題のトンがった雰囲気は魅力的だった。「こうしとけば売れるだろう」「こうしとけば客が喜ぶだろう」的な媚や生温さが無いのは好ましいし、そういう作り手の妥協の無さ、いうなれば志の高さはおおいに買いたいところ。

さて、映画版「シン・シティ」はオムニバス形式で、以下の3つのエピソードが物語られる。

1.ミッキー・ローク演じる前科者マーヴの物語。
2.クライヴ・オーウェン演じる用心棒(?)ドワイトの物語。
3.ブルース・ウィリス演じる老刑事ハーティガンの物語。

どのエピソードの主人公も共通して、「好きな女のために命をはる男」である。下手に「女のために」というと陳腐で自己陶酔的な雰囲気を帯びがちだけれど、そこはバイオレンスに満ちた罪悪の町「Sin City」、安易なセンチメンタリズムに浸ることを決して許さない。実はどれも立派なラヴ・ストーリーで、エピソードによっては純愛・純情路線まっしぐらでもあるのだが、いずれも単純なハッピーエンドにはならない。3人ともひたすらハードボイルド路線を突っ走るのだが、「ハードボイルドと書いてやせ我慢の美学ととく」わけで、それぞれきっちりと辛酸を舐めることになる。「男映画」の主人公というのもシンドイもんだ。

俳優陣は「よく集まったなぁ」と感心するほど贅沢な布陣。映画好きだったら、この豪華キャストだけでも眩暈がしてくるかもしれない。主役3人の中では、クライブ・オーウェンのハードボイルドぶりが予想外に好印象で、個人的には収穫大な気分。ブルース・ウィリスのタフな老刑事役は「彼はやっぱりこういう役が合うね」という感じで、ミッキー・ロークの復活はまずはめでたい。一見してミッキー・ロークとは分からないけど。
ジェシカ・アルバは、一部では「ストリッパーなのに脱がない!」などと文句をいわれているようだけれど、「シン・シティの女神」として、いわば「男が崇める対象としての女」という役割をふられている以上はむしろ脱がなくて正解。この作品のジェシカはとにかくかわいいし、ロープをくるんくるんしながら踊る姿は下品ではないセクシーさ満点で、「天使のようなストリッパー」という、ある意味難しい役柄を見事に体現している。
デヴォン青木は、(おそらくは)西洋人が考える典型的なオリエンタルな容貌で、無表情なのがプラスに働いている。殺陣も見応えがあり、日本刀がなかなかサマになっててカッコ良い。
実はイライジャ・ウッドに大期待していたのだが、期待を裏切らない強烈さだった。素のイライジャの影も形も無い怪演で、こういう役に説得力を持たせてしまうイライジャ、恐るべしである。彼はLotR以降、SWのマーク・ハミルの二の舞を恐れてか、あえてクセのある役を選んでいるようだけれど、彼の場合はあまり心配する必要は無いような気がする。
あと印象的なのはベニチオ・デル・トロで、いわゆる良い役では無いんだけれど、独特の存在感を放っている。クライブ・オーウェン、微妙に押され気味だったな。あのドライブシーンはブラックで可笑しかった。
とまぁ、役者についてだけでも延々と書き連ねることができるけれど、キリが無いのでこの辺にしておくかな。

なお、続編の話も出ている模様。2ができたらまた見に行っちゃうような気がする。あの終わり方だと、次作ではジョシュ・ハートネット活躍だろうか。今回何とか生き残った面々、再登場しないかな。

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2005年10月14日 (金)

[映画]ルパン

★★★☆☆

ネタバレ無し感想。

アルセーヌ・ルパン生誕100周年記念の映画化作品。監督自ら「ルパン・ビギンズ」などとも形容している通り、ルパン、若き日の大冒険である。
「魔女とルパン」をはじめ「奇岩城」「813の謎」をベースにしているそうだ。3作とも大昔(小学生の時だ)に読んだけれど、どれも完全に忘却の彼方。「魔女とルパン」の断片は辛うじて覚えているけれど、えーっと、こういう話だったんだっけかな。

映画はなかなかきらびやかな雰囲気のエンターテイメント作品に仕上がっている。フランスのベルエポック的な雰囲気はとてもよく表現されているし、カルティエのジュエリーはとにかくゴージャスで、衣装も非常に洗練された印象。美術的なセンスの良さはフランス映画ならではだった。
内容的には結構トンデモな部分もあるけれど、割と楽しめた。微妙な盛り上がらなさ加減は2時間ドラマのようでもあったけれど、別に火サス的にチープだといいたいわけではなく、映画としては展開がちょっと散漫かな、というような感じ。

ロマン・デュリスのルパンがビジュアル的にイマイチだったので、そういう意味では不満が残る。一緒に行った友人は気に入っていたので、単に好みの問題かもしれないけれど、口髭+シルクハット+片眼鏡のデュリスはケチな山師かペテン師のようで、せっかくああいう生い立ちにしたのにも関わらず気品が感じられなくて残念。ルパンのダンディスムはいったいどこへ行ってしまったんだ…。デュリスに魅力が無いというわけではないんだけれど、もうちょっとスマートで貴族的な雰囲気があったら良かったなぁ。

対して、女優陣は良かった。カリオストロ伯爵夫人役のクリスティン・スコット・トーマス、年齢不詳の得体の知れない悪女はなかなかのはまり役だった。妖しくて、品があって、立ち姿が美しく、この時代のドレスが本当によく似合う。加えて、とにかく流暢なフランス語にビックリ。
クラリス役のエヴァ・グリーンは、「キングダム・オブ・ヘブン」の時よりもずっと化粧が薄くてナチュラル。気丈かつ可愛らしい感じで好印象だった。

最後に出てきた女の子は、原作ではどこに出てるのかな。全然覚えてない。

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2005年10月13日 (木)

ユアンと白クマ

とある夜、心身ともに疲弊していて、何か癒されるDVDは無いかな~とDVD箱を漁ってみるも、コレといったものが見当たらなかった。そういう時はアクション映画は疲れるし、だからといってシリアスな映画もゴメンこうむりたいところ。

最近だったら「Long way round」が癒し系DVDの定番なんだけれど、メンタルが落ち込むと、一生懸命英語を聴くのが苦痛になってくることもあり。ぼーっと見てても楽しいDVDなんだけど、ついつい「聴かなきゃ」モードに入っちゃうので疲れるというか。

B0006B3UE6Ewan McGregor: Long Way Round (Two Disc Set)
E w a n M c G r e g o r , ? ? C h a r l e y B o o r m a n
Virgin 2004-12-06

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↑これは今出ているバージョンだけれど、UKではLWRの新編集バージョンも出るそう。また英語字幕無し=大量リスニングかなぁ。やでやで。

そんなこんなで、ひたすら癒しを求め、ユアンwith白クマ日本版DVDをゲット。某ネットのDVD屋では注文後に品切れのお知らせメールが来て「うそぉーーーー!」と夜中に絶叫してしまったけれど、その後、無事密林でゲット。もはや、密林には足を向けて寝られない私。

B000091L15IN THE WILD~野生への旅~白クマ
ユアン・マクレガー
ユニバーサルミュージック 2003-05-21

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国内版の写真が無いので、UK版も。カバーデザインはそんなに違わない。ちなみに、この白クマ、ぬいぐるみにあらず。

B00006HCPYIn The Wild - Polar Bears With Ewan McGregor [2002]
Imc Vision Ltd. 2002-09-23

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これは、有名スターをホストにした野生動物のドキュメンタリー・シリーズの中の1本。ユアンが、野生の白クマを見ることのできる唯一の町・チャーチル(カナダ)に滞在し、白クマの生態、保護活動、人間とクマとの共存の実態などを紹介していくという内容。真面目な作りで、結構勉強になる。

ユアンは終始ご機嫌で、にぱぁぁぁっとBig Fish的笑顔全開だし、例の「あっはっはっはっはっは」と いう豪快な笑いも健在。それにしても、ユアンって好奇心の塊のようで、どこからどう見てもでっかい子供。「ねぇねぇ、ボク、ホントはいくつ?」と訊きたくなるようなはしゃぎっぷりと邪気の無さ。白クマに夢中の、ひたすらお目目キラキラなユアン尽くしで、ファンであれば白クマよりも犬たちよりもユアンの方が可愛いぞ!と叫びたくなるような内容だったりする。

ちょっとだけどギターの弾き語りもしてる。やっぱり歌上手だな。

ナレーションも担当してて、こちらは少し落ち着いた喋り方。

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2005年10月 6日 (木)

いつまで続くか、シャドーイング

どうもリスニングがぱっとしないので、ちょっと真面目にシャドーイングをやってみることにした。

シャドーイングというのは、スクリプトなどは見ずに、耳で聞いた英語をほぼ同時に自分でも発音しながら追いかけていくという学習法。通訳養成のための訓練法と紹介されることも多い。

長い英文だと挫折するので、とりあえずネットで拾った2分半、総語数500語強くらいの音声教材でやってみた。まずは英文を一言一句漏らさずに聞き取るというのが一苦労なんだけど、聞き取りに必死になると口が全然回らなくなるし、発音に気を取られると耳がお留守になるので、「聞きながら口に出す」というのは実はかなり大変な作業だったりする。結局、1分の英文をさらうのに30分くらいかかってちょっと凹む。凹むけれど、「覚えるほど同じ英文を聞き込んだぞ」という自己満足も有り。

シャドーイング、実は数年前にちょろっとをやってみたことがある。非常に疲れる勉強法なので、あまり長続きしなかったけれど、使ってた教材はコレ↓。シャドーイングの勉強法、方法論を知るとっかかりとしては良い本。

4757403054究極の英語学習法K/H System (入門編)
国井 信一 橋本 敬子
アルク 2001-06

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2005年10月 2日 (日)

今後のDVD購入計画など

DVDの秋である。新作情報が続々と出てきてて、嬉しい悲鳴状態。

B000AC8OVAキングダム・オブ・ヘブン(初回限定生産)
オーランド・ブルーム リドリー・スコット エヴァ・グリーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-10-07

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通常版。

B0007D3NIQキングダム・オブ・ヘブン 特別編(初回限定生産)
オーランド・ブルーム リドリー・スコット エヴァ・グリーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005-10-07

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特典付。特典映像4時間超は魅力だな。セット・衣装等のデザイン関係の映像特典満載だと嬉しい。

特典内容

【Disc-1】
●史実解説
※通常版と共通

【Disc-2】
●インタラクティブ・プロダクション・グリッド
●歴史 VS ハリウッド
●A&E特番
●インターネット特別映像(4種)
(1)リドリー・スコット : 世界の構築
(2)オーランド・ブルーム : 人生最大の冒険
(3)プロダクション・デザイン : エルサレムの再生
(4)衣装デザイン : キャラクターの創造
●オーランド・ブルーム 来日舞台挨拶
●劇場予告編

ところでSEE版が出るといううわさもあったけど、それは先延ばし?

B000BIX81Oアイランド
ユアン・マクレガー カスピアン・トレッドウェル=オーウェン マイケル・ベイ
ワーナー・ホーム・ビデオ 2005-11-25

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映像特典15分。なんともシンプルですな。アクション映画のメイキングにはさほど興味が無いからまぁいいや。

あとは、SWのEP3の発売日は11月23日で内定という話も出ているのでこちらも楽しみ(某有名SWサイトの情報)。北米他が11月1日だから、思ったよりも早い発売になる模様。でも、欲しいのは単品じゃなくて新SWボックスなので、その発売時期によってはEP3海外版に手を出す可能性も無きにしもあらず。

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