[映画]ベルベット・ゴールドマイン③
まだ語るか。
というより、これを語らずしてベルベット・ゴールドマインの何を語るんだ、という気がするカート@ユアンについて。
ストーリーに関するネタバレは無し。
ユアンはプロだ。薄々感じてたけど、彼が真性の役者バカであるということが今回よくよく分かった。「よーやるわ…」と呆れつつ感心。というか、ライブシーンのキレっぷりにはほとんど笑ってた私。別に、脱げば即演技派ということでは全く無いけれど、あの豪快なまでの思い切りの良さはやっぱりすごい。当時もうかなりのスター俳優だったろうから(どう考えても主役じゃないのにクレジットは一番最初だし)、監督も「おいおい、そこまでやってくれるのか」って思ったんじゃないだろうか。「歌って踊れる」ならぬ「歌って脱げる」俳優ユアンの面目躍如である。それにしても、現場ではテンション上がってるんだろうけれど、後で冷静になって見て頭を抱えたくなったりしないのかな。…しないんだろうな。彼の場合、往々にして好きでやってる節が見受けられるし。
実は、ユアン=ロッカーときいて、歌唱力に関してはともかく、化粧&ロン毛が似合わないんじゃないかとか、ロッカーにしてはキャラクターが陽性過ぎて毒が足りないんじゃないかとか、いろいろ心配していた。実際は目化粧も金髪ロン毛も意外なほど似合っていたし、不健康でクレイジー、飢えた狼のような獰猛な雰囲気もあって、なかなかの化けっぷりであった。彼は元々目力があるけれど、アイラインでそれが強調されたこともあり、視線だけで人を殺せそうな荒み具合は素晴らしかった。
トレスポのユアンもかなりイッちゃってると思ったけれど、これに比べたらレントンなんか可愛いものである。
可愛いといえば、時々ユアンも気を抜いちゃうのか、ふっと素の可愛気が漏れちゃうのがご愛嬌かな。あと、贅沢をいえばもうちっと痩せてた方が…。何となくぷにぷにしているのは、ロッカーの暴飲暴食その他の不摂生ぶりを表すための役作りではないだろう、多分。
とはいえ、ライブシーンは歌唱だけではなく身のこなしもパワフルでとにかく立派。ユアンはこういう歌い方よりかは(声質とかキャラクター的に)「ムーラン・ルージュ」みたいにのびのびと歌う方が向いているとは思うけど、それを差し引いても、俳優で望みうる最高レベルのライブアクトではないかな。
しかしこれ、ユアンファンは必見といいたいところだけど、果たして「オビ=ワンのユアンが好き」「ムーラン・ルージュのユアンは可愛い!」という人に勧めて良いやらちょっと迷うところである。ユアンの場合、どちらかといえばこういうクセのある役が本領なんだろうけど、オビの生真面目天然ぶりやクリスチャン的純情青年なイメージが強い人は、これ見てあまりのギャップに死ぬほど引くか、はたまた「さすが役者だなぁ」と見直すか、反応が両極端に分かれそうな気がする。ある意味、ユアンファンには踏絵的作品かも(まぁ、「枕草子」なんてのもあるけどさ)。
オマケ。
ユアンがニルヴァーナの故カート・コベイン(コバーン)に酷似しているという専らの評判だったけど、確かに似てて驚いた(カート・コベインの方が、顔立ち自体は端正な気がするけど)。
こんな感じ。
↓ユアン@カート
Shooting to Kill: The Making of "Velvet Goldmine" Christine Vachon Bloomsbury Publishing Plc 1998-09-03 by G-Tools |
↓カート・コベイン氏
Maximum Kurt Cobain: The Unauthorised Biography of Kurt Cobain (Maximum Series) Ben Graham Stan Jones Chrome Dreams 2003-09-01 by G-Tools |
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 本日の英語教材「North and South」(BBCドラマ)(2013.05.11)
- [映画]シャネル&ストラヴィンスキー(2010.01.19)
- [映画]きみがぼくを見つけた日(2009.10.26)
- 2009年に見た映画総括(2009.12.28)
「Ewan Mcgregor」カテゴリの記事
- [映画]天使と悪魔(2009.07.04)
- [映画]ミス・ポター(2007.10.01)
- Favourite Beatrix Potter Tales(2007.03.01)
- Favourite Beatrix Potter Tales(2006.12.26)
- [映画]STAY ステイ(2006.07.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ベルベット~のユアンの荒みっぷりには驚きと同時に
惚れ直しましたよー!目が、目がとてもよかったです。
ユアンファンになる前にこの作品は観ていたのですが、
何故かはじめて観たような感動に陥りました。カートー(惚)
確かにオビユアンや、クリスチャンとはがらりと違いますよね。
逆に私はオビワンを観て=ユアンって言う方に妙に違和感を感じて
しまいます。あ、これユアンなんだよな、って毎回確認しているような。
なので私はオビワンとユアンの二人に惚れたんだと思うようにしています。
カート・コベイン氏似ていますね!
そしてユアン@カートのペーパーバック、思わず注文しちゃいましたよ!ポチリと!
投稿: アウラ | 2005年11月 3日 (木) 03:56
カート@ユアン良いですよね~。喋り声がザラザラと荒れているのも、らしくて素敵です(^^)。
カートの目、なんといっても、ブライアンとお別れする時に、下から見上げてるシーンの目が一番好きです。
確かに、オビ=ワンはユアンがやる役としては本当に正統派ですよね。今改めてユアンのフィルモグラフィーを見てみると変な役ばっかり並んでて、オビ=ワンって逆に異彩を放ってます(笑)。
カート・ワイルドの外見は、カート・コベインがモデルなんでしょうか。それくらい似てます。キャラクター的には全然違うみたいですけど。
「Shooting to Kill: The Making of "Velvet Goldmine"」お買い上げですか。これ、映画のメイキングみたいな本みたいで結構面白そうだと思いました。
投稿: 青猫 | 2005年11月 4日 (金) 00:50