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2005年12月 6日 (火)

ちょっとロンドン 2日目 その1

イギリスは食い物が不味い、と皆口をそろえて言う。その真偽のほどは定かではないが(今回、それを判断できるほど滞在していないので)、イギリスが誇れる数少ない料理の一つが、イングリッシュ・ブレックファーストなんだそうだ。
一体どんなもんかな、という興味もあり、今回、宿はイングリッシュ・ブレックファーストを出してくれるところを選んだ。
内容は、ポットの紅茶、卵料理、ベーコン、ソーセージ、ポーリッジ、キノコの炒め物、パン。オプションとして、ビュッフェでシリアル、ヨーグルト、果物が選べる。確かに量は多いけれど、私の場合、旅行中は朝御飯の次にいつ食事を取れるか分からないという危機感もあって、朝御飯を普段の2倍は食べるため、このボリュームたっぷりの朝食は大変ありがたかった。
ただ驚いたたのは、スクランブルで頼んだ卵に全く味が付いてなかったこと。ふと見るとテーブルの上には塩と胡椒が、端っこなどではなくど真ん中でその存在を主張をしている。ははぁ、これが噂に聞く、イギリス流セルフ味付けってヤツね、と妙に納得するけど、塩味くらい付けてくれたって良いじゃんね、と私は思うのだが。
ちなみに、イングリッシュ・ブレックファーストが美味しいか?という質問には即答し難いものがあるけれど、コンティネンタル・ブレックファーストよりは好みです。ハイ。

本日の一番手は、Narional Gallery(ナショナル・ギャラリー)である。しかし、イギリスの美術館というのは月曜日も開いてて休館日が少なくて、そういう意味では勤勉で良い。閉館時間ギリギリまでいられるし。これがフランスだと、閉館20~15分前には「お終いでーす」とか職員が言いながら、客を追い出して扉閉めて回るから。

NationalGallery
威風堂々。

Narional Galleryのコレクションは、基本的には13世紀後半から20世紀初頭のイギリス以外の西洋絵画によって構成されていて、イギリス美術は主にTate Britain(テイト・ブリテン)の管轄になるらしい。
しかし、さすがに広い。建物の構造的にはさほど分かりにくくはないので、マップを見ればまず行きたいセクションに行けるけれど、部屋の数はやたら多くて大小合わせて66部屋もある。駆け足で見て半日、ゆっくり見て一日以上って感じだろうか。
さすがはかつての大英帝国というべきなのか、綺羅星の如くとはこのことかという感じで目がチカチカする。ここまで名画がゴロゴロしていると有り難味が無いなぁ、いやいややっぱりすごいわ、というわけで、わー、レオナルドだー、ラファエロだー、ヤン・ファン・エイクだー、フェルメールだー、ベラスケスだー、とひとしきり大喜びする。とりあえずヤン・ファン・エイクの《アルノルフィーニ夫妻の肖像》が見られて感無量。密度が濃いというか凝縮されてるというか、とにかく圧倒的な描写。
そして、ほぼ全ての作品に解説が付いているきめ細かさにも感心した。内容はかなり初歩的で、なおかつ極めて平易な英文で書かれていて、子供にも外国人にも優しい感じで、教育的な意識の高さがうかがわれる。そういえば、おそらくは学校行事の一環だと思うけれど、制服を着た小学生がいっぱい見学に来ていて大変可愛らしかった。
そんなこんなで小一時間ほど経過し、フェルメールのところで沈没しながら、この調子だと20世紀まで全然辿り着かないゾ、とやや焦り出し、スピードアップを試みるもあえなく失敗する。というのも、運が良いのか悪いのか、ちょうど美術館職員によるガイドツアーに遭遇してしまったのである。チラチラと横目で眺めるうちに、「なんだなんだ、面白そうだぞ?」とついついお尻にくっついていくことにしてしまう。いや、とにかくハイクオリティなガイドで惚れ惚れしてしまいました。
私がきちんとはじめから聴いたのはカラヴァッジオの《エマオの晩餐》。

caravaggio

ガイド氏、「この作品を見るためだけに、ここNational Galleryに来る人も多いんですよ」などと言いながら(こういうのを聞くと、つくづくカラヴァッジオというのは西洋美術史の大スターなのだなぁと実感する)、現代の我々の眼には少々分かり難い、当時この作品が持っていた強烈な革新性、斬新さを、主題・技法の両面から端的に読み解き、見所を分かりやすく提示してくれる。そして、アカデミックな内容をきちんと押さえつつ、例えばカラヴァッジオの素行の悪さに触れて「今でいえば、ロンドンのパンクな現代アーティストみたいなものなんです」と「なるほど~」な比喩を入れてみたり、「こういう光と影のドラマティックな効果は、現代のハリウッドもすごく影響を受けてて、例えばマーティン・スコセッシの映画を見るとよく分かりますよ」などという柔らかい話題も随所に入れて、聞き手を飽きさせない工夫も十分。何より、楽しそうで生き生きとした語り口が好ましい。そして、そのままリスニングテキストに登場しそうな、絵に描いたようなBBC英語で非常に聞き取り易いのも、大変助かった。
「午後2時半にも別の作品でガイドをやるよ、よろしくね」ということだったのだが、次が押しているので断念。うーん、近現代の作品も聞いてみたかったなぁ。
※カラヴァッジオについては映画の記事もご参照ください。って、あまり参考にはならんか。。。

National Galleryの次は、歩いて10分くらいのところにあるSomerset House(サマセット・ハウス)に向かう。
Somerset Houseには、ロンドン大学の研究機関であるCourtauld Institute of Art(コートールド美術研究所)とその美術館(Courtauld Institute of Art Gallery)その他が入っている。

Courtauld

このCourtauld Institute of Art Galleryは、印象派とポスト印象派のコレクションで有名で、ちょっと前に日本にもコレクション展が来たのでご存知の方も結構いるかもしれない。マネの《フォリー・ベルジェールのバー》とかルノワールの《桟敷席》とか、思わず「ぎょえっ」と奇声を上げてしまうような有名作品が結構無造作に展示されている(Somerset Houseは18世紀の建物なので、当然っちゃ当然だけど展示のために作られたスペースではないので、マントルピースの上の方のかなり高い場所なんかに平気で作品がかかってたりする)。
あと、やや小規模の企画展「Derain The London Paintings」をやっていて、こちらはフォーヴィスムの画家アンドレ・ドランがロンドンをテーマにして描いた連作の展示。
しかし、なんで私はロンドンまで来てわざわざ印象派とかフランス系の画家の作品を一生懸命見てんのかね、、、と思わないではない(今回、ターナーとかエヴァレット・ミレイとかイギリス系の画家の作品をほとんど見られなかったな…)。

余談だけれど、このSomerset House、中庭にスケートリンクがあり、ちょっとコンセプトが謎な施設である。

SomersetHouse1
中庭。クリスマスツリーが飾られている向こうにスケートリンクがある。

2日目後半に続く。

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コメント

青猫さん、こんにちは!
イングリッシュ・ブレックファースト!!! B&Bではトーストに紅茶の朝食だったので最後の日にカフェ(?)で挑戦しました。
おいしかったです~~~(*^p^*)私が入ったお店では、卵とソーセージと焼きトマトかマッシュルームがプレートに乗ってきて、それとトースト2枚に紅茶ポットだったと思います。
お腹いっぱいになってすんごい満足しました。
今度はちゃんとイングリッシュブレックファーストが出る宿を取ろうと心に決めました(笑)スコットランドのB&Bはヨーグルトとかもあって、本格的でした。

ガイド付のNational Galleryですか?うらやまし~~。芸術に疎すぎる私は、名画といわれる、美術の教科書で見たことがある作品がいっぱいあると、ありがたみがないなぁなんて贅沢なことを思いながらさらりと通り過ぎてしまって・・・・(^^;

今度はガイドツアーを狙ってみます!

投稿: alex | 2005年12月13日 (火) 17:28

はじめまして。Somerset Houseの隣にある大学で学んでいるものです。いろいろ回られたようですね。ロンドンに住んでいる割には美術館は殆ど行っていません・・・ちなみに、ここのスケートリンクは期間限定でやっていて、普段は噴水になっています。

投稿: snb | 2005年12月14日 (水) 08:17

alexさん、こんにちは。
そういえば、焼きトマトもついてました(^^)。
スコティッシュ・ブレックファーストはイングリッシュ・ブレックファーストとまたちょっとメニューが違うんでしょうね(しかし、スコティッシュ・ブレックファーストというと、某映画の某シーンを思い出してしまいます…。思い出すべきではないシーンなんですが(^^;)。といえば分かってくださいますでしょうか)。

National Galleryは、ガイドツアーはじめ、本当に日々様々なイベントが開催されているようなので、是非チェックしてみてくださいね。個人的には、今回行った美術館の中では、National Galleryがいろいろな意味でNo.1だと思いました。

snbさん、はじめまして。ようこそいらっしゃいませ。
ロンドン留学中でいらっしゃいますか。大変でしょうけど、羨ましい(^^)。
ロンドンの美術館は、企画展以外は比較的お金がかからないのでありがたいです。カフェやレストラン併設というところが多いのも旅行者には便利でした。

snbさんのブログ、じっくり拝読させていただきますね(^^)。

投稿: 青猫 | 2005年12月16日 (金) 23:45

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