ちょっとロンドン 3日目 その1
ロンドン3日目に突入。
色々な人から、South Kensington(サウス・ケンジントン)は高級住宅街にも近くてとても良い所だ、という話を聞いていた。せっかくなのでちょっとプラプラしてみたいし、Victoria and Albert Museum(V&A、ヴィクトリア&アルバート博物館)も行きたかったので、少し早めにSouth Kensingtonへ向かう。
South Kensington駅。地下鉄駅も何だか趣があるような。
なるほど、駅周辺は小奇麗で落ち着いた雰囲気である。
Natural History Museum(自然史博物館)、V&Aは駅のすぐ近くである。Natural History Museumの裏にはSience Museum(LotRファンにはお馴染み、LotR展のロンドン会場)もあり、この辺はちょっとした博物館街である。
開館時間よりも大分早いので、散歩がてら、地下鉄の隣の駅Knightsbridge(ナイツブリッジ)までHarrods(ハロッズ)などを見に行くことにする。
てくてく歩くこと約10分。Harrodsは遠くからでも一発で分かる。
重厚。これがデパートなのか、という佇まい。残念ながら開店前なので中は見られなかったのだが、入ったら出てこられなくなりそうなので、むしろ良かったかも。
開館時間の10時きっかりにV&Aへ。
V&Aは、世界初の万国博覧会(1851)の出展作品を展示するために設立された「工業製品博物館」が前身である。VictoriaというのはVictoria女王、Albertはダンナのことで、Albertの死後、その偉業を称えて改名したんだそうな。
V&Aは工芸とデザインの専門博物館である。収蔵品数500万点というのもいい加減どうかしてる数だと思うのだが、開館以来、無秩序に増改築を繰り返した結果、馬鹿みたいに広く、なおかつ魔宮のように入り組んだ現在のV&Aが出来上がったらしい。全て見て回ると歩行距離13キロっていうのは、本当にどうかと思うのだが。。。
もうここはピンポイントで攻めるしかない。あまり明確に目的をもって来なかったのだが、ざっと日本・中国部門とファッション部門を見て、あとはWilliam Morris(ウィリアム・モリス)かなぁ、やっぱり。しめしめ、やっとイギリスっぽくなってきたぞ、とほくそ笑みながらMorrisがデザインしたというMorris Room(緑の部屋)へ向かう。
館内マップとガイドブック片手にざかざかと歩いていたら(何せ遠い)、バシっと目が合ったわけでもないのに、いきなり職員のオジ様(なぜ様付け?いや、なんかジェントルマンな感じだったのだ)に「May I help you?」などと声をかけられてビビった。そんなに鬼気迫る顔をしてましたか、私。「Morris Roomを探してるんだけど」というと、オジ様、「あ~、今クローズしてるんですよ」と申し訳なさそうにする。またかい!まぁ、古くて大きい美術館・博物館というのは、大抵どこかしらガタが来ているものなので、メンテナンスでクローズしているセクションがあるのはごく普通のこと。なので、仕方が無いのはよく分かっているんだけど。やれやれ。
私が残念そうな顔をしたんだろう、オジ様は「Morrisを見たいんだったら、あとはBritish Galleryの4th Levelにちょっと展示してるよ。あっちの方から行ってね」と丁寧に教えてくれた。
そんなこんなで、何とかMorrisまで辿り着き、PCのMacではないMackintosh(チャールズ・レニー・マッキントッシュ=スコットランド・グラスゴーで活躍したデザイナー・建築家)を探し求めて館内をグルグルしまくり(結局Mackintoshは見られず。これはグラスゴーに行けということなのか)、締めはミュージアム・ショップ。さすがにデザイン性の高い商品が多くてなかなか楽しいのだが、散々悩んだ挙句、何も買わずに出てしまった。
次はいよいよBritish Museum(大英博物館)である。ここは私の守備範囲からは微妙にズレルのだが、行かないと後で何か言われそうな気もしたので、義務感にかられてのぞきに行くことにした。←天下の大英捕まえて何たる言い草か。
2000年に新装オープンしたグレート・コート(中庭)。右側には円形の図書閲覧室。
とりあえずパルテノンとエジプトだけ見てあっさり終了。あとはショップだけチェックして次へ行こう、などと思っていたら、またもやいらんものを発見してしまう自分が憎いというか何というか。
見よ、この面妖な物体を!
↓コレ。
![]() | The Lewis Chessmen (Objects in Focus S.) James Robinson British Museum Press 2004-11-30 by G-Tools |
ここから大英のページ(写真有)に飛びます
何かっていうとこれ、チェスの駒なんである。ねぇねぇ、何か困ってるの?それともビックリしてるの?表情のトボケ具合もさることながら、これがクイーンの駒だというのだから、笑いが止まらない。あああ、見事にツボに入ってしまった。
ショップのレプリカもどきに、完全に一目惚れし、俄然実物を確認せずにはいられなくなり再び展示室へ向かう私の足って、いい加減元気だなぁ。ああもう、時間が無いというに。
とりあえず、中世ヨーロッパだろうとあたりをつけて中世セクションを捜索し、案内係2人くらいに訊いて何とかお目当てのブツを発見。グッズ化されるだけあって人気作品なんだろう、「ショップに置いてるmedieval chess」というだけでさくっと分かってくれる(正確にはchessmenです)。実物はすっごくちっこい。12世紀頃のノルウェーの物(スコットランドで発見)ということで、もちろんプリミティヴはプリミティヴなんだけれど、単なるプリミティヴにとどまらないユーモラスな造形には思わず顔がにやける。なんでこんなに間抜け面なのやら。個人的にはwarder(守衛?)のいったいどこを見てるのか謎な表情がお気に入り。ああ、満足。
再びショップへ戻り、改めてお買い物。さほど大きな店舗ではないものの、グッズのクオリティは高い。例えばロゼッタ・ストーン関係は本当に色々あって、「大英土産だ!」と力強く主張しているし、あまりベタなものはちょっと…という向きには、アクセサリーやネクタイ、スカーフ等身につける小物類が結構豊富で、デザイン的にも良いものが多い。実際に「使える」物が並んでいるので、お土産選びにはかなりお勧めのスポットである。私も自分用にスカーフ(多分中世ヨーロッパの装飾模様)、家人用にケルト柄のネクタイ、ギリシャのレリーフ模様のスカーフなどを購入して、ホクホクしながら大英を後にした。今回は時間が無いから買い物はしない、とか言ったクセに…。
3日目その2に続く。
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コメント
行ってしまいましたね、大英帝国の栄華の殿堂British MuseumとV&Aに。
ミレニアム事業の一環で大英博物館は館内が大改修、明るくて開放的なグレート・コートができましたが、それまでは「物の怪が居るぞ、ここ」的な空気が充満している、何処かしら怪しげな雰囲気のある所でした。昔も今も好きですけれどね。
V&Aの歩き方はマランウェ様の方法で正解だと思います。テーマを決めて歩かないと、大概の場合「ここは何処?」になります。私の好みは陶磁器と楽器の展示室です。1階部分は一杯人がいるのですが、陶磁器展示室はあまり人が居ません。あれだけ陶磁器の有名メーカーが多いお国柄ですから、人気がないのではなく、そこまで辿り着けないというのが実際なのではないかとニラんでいます。
楽器の展示室はご覧になりましたか?以前行った時は「どうやって弾くんだ、これ」と突っ込みを入れてしまうほどの巨大コントラバス風弦楽器が展示されていました。全長2メートル超の「バケモノ」だった記憶が・・・。
入場料無料の美術館・博物館(大英博物館とかナショナルギャラリーとか)では、ミュージアムショップでの収益が維持費に回っているので、見に行ったら何かしら買って帰るようにしています。タダで見せてもらっているのでちょっとは貢献しないと、という気持ちです。V&Aは入場が有料だった気がするので、それほど貢献しようという気は起きないのですが、それ以上にミュージアムショップが魅力的すぎで、ついつい買ってしまう(^^;)
投稿: パインツリー | 2005年12月26日 (月) 21:55
大英、もっと暗くて陰気なイメージを持っていたのですが、想像していたよりもずっと明るかったです。ミレニアム改装だったんですね。
V&Aは、目的地に辿り着くのが大変でした。確かに、上の方のセクションは人が少ないですね。多分、1階、2階くらいで皆さん力尽きるんでしょうね(笑)。
楽器コーナーがあるとは知りませんでした。V&Aは本当に何でもあるんですね。
2メートルの弦楽器ですか。コントラバスも相当大きな楽器ですが、それよりも大きいとなるとちょっと想像がつきませんが、古楽器は色々見てみたいです(^^)。
あ、V&Aも常設は無料でしたよ。企画展はどの美術館・博物館も有料のようですが。
V&Aのショップ、大きくて充実の品揃えですよね。素敵なダイアリーがあったのですが、綺麗過ぎて使えそうにないので、買いませんでした。でも、純粋に観賞用として買っとくのも良かったかも。。。
ロンドンでは、美術館に入館する度に少しは寄付をしようかなぁとも思ったんですが(ロビーに寄付箱がありますよね)、買い物するからいいか、とついつい何も入れないで来てしまいました(^^;)。楽しんだ分の対価は払った方が良いと思ってるんですけどね。まぁ、大英では散財したから良しとします(笑)。
投稿: 青猫 | 2005年12月27日 (火) 12:06
青猫さん、こんにちは!
きゃ~、なんてかわいいんでしょう!そのチェスの駒っっっ!
うわ~、私は6月にどこを見ていたんだ?気づきませんでした、こんなにかわいいのに!
可愛いというと少々語弊がありますが、私のツボにもはまりました(笑)
今度行ったら見てやる!私が行った時は、ミイラをMRIに入れて輪切りにしてみよう展(Inside of Mummyとやら)をやっていまして、イアン・マッケランのナレーションと共に3D用の紙メガネでミイラを見ました。技術が進歩するまで大英博物館は一体いくつの貴重なミイラを壊してきたんだ~!と思いつつ、彼のナレーションはなかなか聞き取りやすかったです。
私もスカーフとか買えばよかった・・ エジプト猫のマグネットじゃなくて(^_^;
投稿: alex | 2006年1月 6日 (金) 13:53
ふふふ。The Lewis Chessmen、なかなかに味わいがありますでしょ?
これ、実物はかなりちっこくて(何せチェスの駒なので)、知らないでいると絶対に通り過ぎちゃうと思います(^^;)。次回は是非チェックしてみて下さいね~。中世ヨーロッパ美術のお部屋です。
サー・イアンのナレーションですか!なーんて豪華なんでしょう。サー・イアンの喋り方って舞台俳優らしくて、すごくカッコ良いと思います(^^)。
ミイラ輪切り…。以前、日本でも人体輪切りみたいな展覧会がありましたが、そのミイラ版でしょうか。大英っぽくない(←偏見)、ハイテクな展覧会だったのですね(笑)。
大英も、次はもう少しゆっくり見たいです(^^;)。
投稿: 青猫 | 2006年1月 7日 (土) 17:35