« PC復活 | トップページ | ちょっとロンドン 2日目 その2 »

2005年12月18日 (日)

[映画]キング・コング

初日にレイトで鑑賞。とにかく盛りだくさんな3時間でお腹いっぱい。とりあえず、キング・コングの公式サイト(本家)でまめまめしく公開されていたメイキング集のDVDは買おうかな。

B000BN9AD4キング・コングができるまで 製作日記
ピーター・ジャクソン ナオミ・ワッツ エイドリアン・ブロディ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005-12-14

by G-Tools
※フィギア付Boxも有り。


<ストーリー>
1933年、大恐慌真っ只中のニューヨーク。映画監督のカール・デナム(ジャック・ブラック)は、投資家たちが製作中の映画から手を引くことを決定したため、撮影中止の危機に瀕していた。それでも撮影断行を決意したカールは、突如降板してしまった女優の後釜として、職にあぶれた喜劇女優アン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を口説き落とし、有史以前の世界がそのまま残るとされる骸骨島(スカル・アイランド)に向けて出航を強行する。成り行き上、デナムの映画の脚本執筆者で、アンの憧れでもあるジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)も、同船することになる。

多分ネタばれ無しの感想。

色々とてんこ盛り過ぎて、一体どこからコメントしていいのか迷うのだけれど、まずは、ピーター・ジャクソン(PJ)およびLotRファンにはすっかりおなじみのWETA工房とWETAデジタル(NZのVFX工房)がまたもや八面六臂の活躍で頑張っていることに敬礼。
ちょっと余談。WetaのHPを見ると「Weta Digital is recruiting for King Kong and future projects」などと、いまだにKing Kongで求人をかけているのは笑うところなのか否かちょっと判然としないのだが、いずれにせよ、恒常的な人手不足を想像させて同情を禁じ得ない。来るべきDVD発売に向けての人員確保ということかもしれないけれど(なお、Wetaの皆さんの涙ちょちょぎれる働きっぷりについては、RotKのSEE版DVDの特典にたんまりと収録されているのでご参照下さい)。

PJはLorRトリロジーを見ても分かる通り、ファンタジーを描いていても常にリアリティを志向する傾向が強いのだが、今回も見事にその路線を突っ走っている(そういうところは、ファンタジーを徹底的にファンタジックに描くティム・バートンなんかとはアプローチが全く異なる)。最先端のCGと、実写をバランスよく組み合わせる手法により、独自の進化を遂げたゆえに異世界的でもあるスカル・アイランドや、1930年代のレトロな雰囲気漂うNYの町並みを魅力的に、そして説得力をもって映像化している。PJならではともいうべき、画面の隙の無さ、「みっしり」な感じが心地良い。

ちょっと変テコな恐竜とかコウモリとか(わざとちょっとハズしてデザインしたらしいけど)、相も変わらずなクリーチャーへの偏愛はさて置いて(あんなに虫を出さんでくれ…)、キング・コングの造形は素晴らしい。この場合の造形というのは、外見だけではなくて、キャラクター(内面)も含めての話なんだけれど、まさかここまでキング・コングに感情移入させられるとは思わなんだ。
PJというとWeta、WetaというとVFXというわけで、PJ作品についてはどうしても特撮に偏ったコメントが多くなりがちなのだが、この「キング・コング」、なかなかどうしてストーリーがしっかりしていて、この手の特撮映画にはあるまじきドラマ性の高さである。そして、このドラマというのは、当然といえば当然かもしれないが、タイトル・ロールたるキング・コングのドラマなのである。
キング・コングはあくまでもケダモノなので、人間的な感情の発露というのとはちょっと違うのだが、表情の豊かさ、多彩さは驚くほどだし、アンに対するケダモノであるがゆえのシンプルでひたむきな想いが哀れでやるせなく、ラストはちょっと目頭にくる。LorRのベタ過ぎな恋愛描写とは比べ物にならない、切なく美しいロマンス風味で、「PJってば、いったいどうしちゃったのさ?」と、訝しく思わずにはいられなかったほど。「オタクにLoveは描けない」などと評されたこともあるPJだけれど、「美女と野獣」的愛ならいけるということか。もちろん、ナオミ・ワッツの押し付けがましさの無い、憂いと寂しさを湛えた美女ぶりが、純愛なプロットに嵌ったということはあると思うのだが。
それにしても、キング・コング、ヒロイックでちょっとかっこ良すぎという気がしなくもない。アンをめぐって、ジャックとコングで完全に三角関係ができ上がってたけれど、典型的な文系君にも関わらず必死こいてアンを助けに来たジャックがなんだか間男のように見えちゃうのは、エイドリアン・ブロディのせいなのか、はたまたキング・コングへの思い入れと愛が溢れまくりな脚本のせいなのかは、ちょっと微妙なところ。

俳優陣が粒ぞろいで、演じるキャラクターがそれぞれ個性的なのも嬉しい。アン・ダロウのナオミ・ワッツは、「俳優って本当大変だよな…」と思わせる体力勝負かつ繊細な演技が見事。泥まみれでも、とにかく綺麗だし。キング・コングの引き立て役に見えなくもないジャック・ドリスコルのエイドリアン・ブロディは、非マッチョな文弱の徒だけど一生懸命頑張る風情がなかなか説得力があって良かった。そして、山師のような、というよりも山師そのものな映画監督カール・デナムのジャック・ブラックは強烈な存在感(こういう監督、本当にいそう)。あと、個人的には、本来、ヒーローであるはずのジャックがああなってしまった為なのか、美味しい所をかっ攫いまくりなイングルホーン船長のトーマス・クレッチマンが一押しである(DWにちょっと似てるなーってファンの方、怒らんで下さい)。国籍見たら、ああなるほどなドイツ人で、クールというかアイスな感じ(どんな感じだ)でカッコいい。なお、キング・コングのモーション・キャプチャーを勤めたアンディ・サーキスも、別の役で登場してます。そうそう、ジミー少年、ジェイミー・ベルに似てると思ってたら本人だった。

とりたてて文句をいうところは無いんだけど、あえて欠点を挙げるとすればやっぱり長いということ。キング・コングが登場するまで、一体どんだけかかったんだろう。。。まぁでも3時間目いっぱい楽しめる娯楽作品なので、是非大画面でご覧下さい。

|

« PC復活 | トップページ | ちょっとロンドン 2日目 その2 »

映画」カテゴリの記事

コメント

あちこちからちらほらと聞こえてくる感想がどれもまずまずいい感触で、やはり嬉しいものですね。

>美味しい所をかっ攫いまくりなイングルホーン船長のトーマス・クレッチマンが一押しである(DWにちょっと似てるなーってファンの方、怒らんで下さい。

まあ、そうなんですか?(^^♪
一応ファンのはしくれですけど、私はむしろ観るのが楽しみになりましたよ。
(余談ですけど、ハリポタ3でも"かの人似"が二人も登場していて、某所でプチ盛り上がりしました)
ちょうど別所でも船長がかっこよかったという感想を読んできたばかりでしたので。
あ、もともと観に行く予定にはしてたんですよ!ホントです(笑)

投稿: 玉兎 | 2005年12月19日 (月) 00:48

うわー、やっぱりおもしろそうですね。
うーん、これも映画館で見たくなってきました(^^;)
がんばって見に行こうかな。(でも行けるとしたら多分年明け・・・)

投稿: すなみ | 2005年12月19日 (月) 02:12

玉兎さん
若干、詰め込み過ぎの感も無いわけではありませんが、色々な要素がバランスよくぎゅうぎゅう詰めになっているという印象です。比較的見る人を選ばない映画だと思いますが、特にオリジナルのファンの評価が高いみたいですね。個人的には「ジュラシック・パーク」とかが好きな方にお勧めしたいかも。

ハリポタ3でかの人似が2人?はて、誰でしょう。。。

すなみさん
さすがに3時間を越えると、時間の捻出が難しいですよね(^^;)。
LotRもそうですが、大画面がはえる作品なので、行かれる場合は良い映画館をチョイスなさって下さいね~♪

投稿: 青猫 | 2005年12月19日 (月) 18:02

自分でも観たので、改めてレビューを読ませていただきに来ました。

「Captain、男前過ぎ!(+別Captainに激似」は先日既に言うだけ言った感があるので取り落としたことを。

ハリポタ3の"かの人似×2"、
一人目はAnother David、リーマス・ルーピン氏。これは結構言われているかもしれませんね。
もう一方は多分コアなファン(と自分で言うのもなんですが^^;)でなければ思い当たらないであろう、ナイトバスの乗務員(車掌でしたっけ?)。意外に思われるかもしれませんが若い日のかのヒトに結構似てます。あんな喋り方をしている役もありますし。

一押しCaptainの雄姿をもう一度拝みたいのですが、やはり「クリーチャー連続猛攻の壁」がスカルアイランドの岩壁のように立ちはだかっています。2時間半くらいで、ディレクターズカットならぬクリーチャーカット版(勿論省略の意で)で観たいです(笑)

投稿: 玉兎 | 2005年12月25日 (日) 20:49

ルーピン先生は辛うじて思い出せるのですが(言われてみれば、デヴィッド・シューリス自体、確かに似てますね)、ナイトバスの乗務員となると、顔がからきし…。今度、確認してみます。

恐竜は別に良いんですが、あの蟲の谷は、手の平大Wetaでもぎえぇぇぇな私には、ちと厳しいものがあります。さすがPJ、B級ホラーで名を馳せただけのことはあるなぁ(と妙なところで感心する)。でもキャプテンは最初からこまごまとチェックしたいし、スカルアイランド再訪に挑むか否か、悩みどころですね。

ディレクターズ・カット(SEE?)といえば、(もし出るとすれば)クリーチャー関係がさらに増えたりして…などと心配になったりします。でも、それよりも、くれぐれもナウシカ実写などという企画がPJの元に持ち込まれることのありませんように、などと無駄に祈りたくなる今日この頃です。王蟲実写(しかも大群)も、Wetaならちょろいでしょうが…(笑)。

投稿: 青猫 | 2005年12月25日 (日) 22:15

はじめまして。佳といいます。
キングコングはとにかく迫力がありました。あのリアルさ(笑)
青い猫さんはスラダンとのだめが好きなのですね。僕も好きです。
映画も漫画も音楽も良い物を観られたら幸せです。

投稿: | 2006年1月 2日 (月) 17:30

佳さん、はじめまして。ようこそいらっしゃいました。TB&コメントありがとうございます(^^)。

キングコング、特に表情がリアルでしたね。やはりきっちり作ってきたなぁと感心しました。
漫画は割と読むのですが、スラダンものだめも、小説(文字)とも映画(映像+音響)とも違う、漫画ならではの表現(絵+文字)の醍醐味のようなものが感じられて、とても好きな作品です。

投稿: 青猫 | 2006年1月 2日 (月) 21:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74079/7684641

この記事へのトラックバック一覧です: [映画]キング・コング:

» キング・コングができるまで制作日記 [M[エム]]
映画公開前にこんな内容のぎっしり詰まったメイキングDVDを作ってしまうピーター・ジャクソン監督さすがです!!もともとこれはキング・コングのファンサイトで定期的に公開されていたものみたいで、それの総集編って感じでした。いや〜それにしても大掛かりな撮影ですね。撮影初日からの製作風景を事細かに解説していて、普段見られない現場の様子や、俳優のオフショットなどが満載でした。これを観るだけでこの映画のすごさがわかったような気になります。映画の裏側を知りたい人にはもってこいのDVDに仕...... [続きを読む]

受信: 2005年12月30日 (金) 16:57

» リアルすぎる?新「キング・コング」 [万歳!映画パラダイス〜京都ほろ酔い日記]
 旧作の「キング・コング」(1933年)は少年時代から大好きで、3回ぐらい観た記憶がある。新作の「キング・コング」を観たが、どうしても思い入れのある旧作と比較してしまう。「旧作を忠実に再現…」と書いているブログ、大絶賛ブログが多いようだが、そうかな、と首....... [続きを読む]

受信: 2005年12月30日 (金) 23:58

» 魔法の言葉 on 元旦 [人圭屋書店]
一月一日は実家の八幡浜に帰っていた。 映画デーなので「キングコング」を観に行った [続きを読む]

受信: 2006年1月 2日 (月) 17:26

« PC復活 | トップページ | ちょっとロンドン 2日目 その2 »