Chasing Vermeer
Chasing Vermeer Blue Balliett Brett Helquist Scholastic Prof Book Div 2005-05 by G-Tools |
★★★☆☆+
タイトル通り、「フェルメールを探せ!」である。
フェルメールとは、もちろん17世紀オランダで活躍したヨハネス・フェルメールで、日本でも絶大な人気を誇る画家である。コリン・ファースとスカーレット・ヨハンソン主演の「真珠の耳飾の少女」をご覧になった方も多いことだろう。
真珠の耳飾りの少女 通常版 スカーレット・ヨハンソン ピーター・ウェーバー コリン・ファース メディアファクトリー 2005-01-14 by G-Tools |
真珠の耳飾りの少女 豪華プレミアム限定版 スカーレット・ヨハンソン ピーター・ウェーバー コリン・ファース メディアファクトリー 2005-01-14 by G-Tools |
私はこれを見て「こんなハンサムな中年画家がいてたまるか!」と悪態をついたのだが、まさに17世紀オランダ絵画そのもののような作品世界は素晴らしいの一言で、特に映像のクオリティの高さは筆舌に尽くし難いものがある。
話がそれた。「Chasing Vermeer」である。
舞台はシカゴ。ペトラとカルダーは大学付属小学校に通う小学6年生で、2人は美術館への実地研修ツアーの後意気投合する。ある日、フェルメールの作品が輸送中に盗難にあい、2人は作品を見つけようと奔走する。
「子供用ダ・ヴィンチ・コード」という宣伝文句もあるのだが、絵画ミステリというよりは冒険物といった方が良いような。少年探偵団っぽいかも。
じゃぁ、内容が適当かというとそんなこともない。
というのも、謝辞のところに見えるArthur K. Wheelockという名前。この人はワシントン・ナショナル・ギャラリーのキュレーターで、著名なフェルメール研究者。いまや伝説になっている感もある1995~1996年のフェルメール展(ワシントン・ナショナル・ギャラリー、デン・ハーグのマウリッツハイス美術館を巡回)の、ワシントン会場の担当者だった(なんで伝説かというと、フェルメールは現存作品数が極端に少なくなおかつ世界中に散っているため、それまで回顧展の類は不可能と思われていたため)。「Chasing Vermeer」のフェルメールに関する記述はほぼWheelockの著作に拠っていて、なおかつWheelock自身、アドバイザーめいたことも勤めたらしい。
そんな訳で、 さわりとはいえフェルメールってどんなもの?というのが何となく分かるし、読んでる子供に自然とフェルメールへの興味を持たせるような感じの作りになっていて、「アートへの第一歩」としてはなかなかの良書といえる。ついでに、「子供たちよ、自分で調べて自分の頭で考えよう!」というメッセージも感じられ、そういう意味ではかなり教育的な本かもしれない。
もちろん、大人が読んでも普通に楽しい。
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