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2006年4月12日 (水)

ツィメルマン ショパンのピアノ協奏曲第1番聴き比べ #3

③本人弾き振り+ポーランド祝祭管弦楽団版(1999)
スタジオ録音

B00005FJ6Fショパン/ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
ツィマーマン(クリスティアン) ポーランド祝祭管弦楽団 ショパン
ユニバーサルクラシック 2000-01-13

by G-Tools

ショパン没後150年記念プロジェクトとして、ツィメルマン自ら故国ポーランドの若手奏者をオーディションしてオーケストラ(ポーランド祝祭管弦楽団)を設立・運営し、自身は指揮者とピアニストを兼ねている。いわゆる弾き振りである。
これは全部で8ヶ月を要したビッグプロジェクトで、数ヶ月がっつり練習した後にレコーディングをし、3ヶ月に渡る世界ツアーに出て40公演をこなしたそうだ。ちなみに、資金的には、銀行などのスポンサーが付いたとはいえツィメルマンが9割出資しており、数年前のインタビューでは、いまだに出資分を回収していないといっていた。

ツィメルマンにとって、「理想のオーケストラを作って、自分の思うようなショパンを演奏する」ということは、デビュー以来、20年来の夢だったそうだ。自腹を切ってでもやりたい企画だった、ということである。

通常は、協奏曲の演奏というのは打ち合わせとゲネプロでもう本番というのが普通だそうで、実にあっさりしたものらしい。「1曲に10年かける」とか言ってる人間にとったら、そういうビジネスライクなやり方が耐え難いものであろうことは、容易に想像がつこうというもの。

このプロジェクトの時には、20年来の欲求不満を晴らすべく(?)、一音一音、ワンフレーズワンフレーズ、とにかくみっちり練習をしたそうだ。なんと朝から朝まで、1日20時間リハした日もあったらしい。プロオケっていうよりも、完全に部活かアマオケの合宿ノリだな。。。
あのツィメルマンの完璧主義に付き合うのはそれはそれは大変だろうなぁと、オケの皆さんには同情を禁じ得ないのだが(どうも嬉々として付き合ってた節はあるけれど)、本人も過重労働で疲労困憊状態だったらしい。そりゃそうだ。協奏曲のソリストってだけでも大仕事なのに、指揮者として総譜(スコア)を勉強して、全体の音楽を組み立てて各パート・奏者に指示を出し、加えてプロジェクトの事務的なことにも責任があるわけで。もちろん事務スタッフはいたようだけれど、どうもツィメルマン自身が、オケの使用楽器の借用や運搬、団員の舞台衣装のデザイン、ツアー中の食事のメニューの内容に至るまで事細かに気を配って自ら動き、挙句の果てには若い演奏家を教育すべく「ホテルではお行儀良く」「きちんとお礼を言うように」「メイドさんに迷惑をかけないように」などとまるでお母さんのようにマナー講習までやったというのだから、果たしてピアノを弾く時間なんてあったのか?と突っ込みたくなってくる(それにしても、やっぱりこの人、ド真面目である。ピアノ界のマスター・ケノービ…)。
映画でいえば、プロデューサー兼監督兼撮影監督兼キャスティングディレクター兼主演といったところだろうか。なんとも働き者だなぁ。そのエネルギーをもう少しCD録音に向けて欲しいよ、私は。。。

とりあえず前置きだけ書いて、#4に続く(え?)。

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