Father's Arcane Daughter
![]() | Father's Arcane Daughter E. L. Konigsburg Aladdin Paperbacks 1999-06-01 by G-Tools |
総語数23000、YL6くらい?
<ストーリー>
ウィンストン・カーマイケルは裕福で恵まれた生活を送っているが、障害を持つ妹ハイジの面倒を見ることに疲れ、牢獄の中にいるような息苦しさを感じていた。
ある日、17年前に誘拐されて長い間行方不明になっていたウィンストンの異母姉キャロラインが現れる。
彼女は果たして本物のキャロラインなのか?ウィンストンは、戸惑いながらも、彼女に対して親しみを持つようになる。
邦訳「なぞの娘キャロライン」。この邦題はちょっとアレですが。
Konigsburgって、理屈っぽくて構築的な作家だな。かっちりしてるんだけど、話がどこに向かうのはよく分からないようなところがあって、全然不快じゃないけどちと読み難い。
でも、ミステリーっぽいテイストの中、カーマイケル家という閉じた世界にいる兄妹が、キャロラインという外的因子(一種の異物みたいなもんですか)と遭遇することで変化し、成長していく様子をリアルに描いてて、とても良いお話であった。
登場人物の心情が綺麗事過ぎないところも良い。そういうところ、Konigsburgって割と冷徹だと思うけれど、むしろ大人向きの作家かもしれない。
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コメント
こんにちは。これは回想シーンと現在が交互に来る上に、現在のシーンで語っているのが誰なのか途中までぼやけているので読みにくいですね。(と邦訳を読んだ時思いました)親子関係、殻を作る人、やぶる人いろいろ書かれていて、すごいなあと思います。「彼女」がハイジの母親を辛辣に評価するあたりなど、青猫さんがおっしゃるようにKonigsburgのこの本は、子どもというより思春期以降~オトナが読んだ方がうわーっと来るかも知れないですね。
投稿: すなみ | 2006年4月 9日 (日) 17:43
後から考えれば「なるほど~」な構成なんですが、読んでる間はちょっと分かり難いですよね。最初の方は、全くついてってませんでした、私(^^;)。
登場人物が辛辣であったりとか、恨みが残ってたりとか、マイナスの感情(この場合、「致し方の無い」マイナスの感情ですね)をきちんとマイナスのまま残してて、読者(子供)を適当に丸め込もうという感じが無くて、それが逆にとても清々しい読後感になっているように思いました。まぁ、実際に対象年齢(9-12歳)の子供が読んだら、どういう印象を受けるのかよく分かりませんが(^^;)。
投稿: 青猫 | 2006年4月 9日 (日) 21:08