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2006年4月24日 (月)

ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女

★★★★☆

ナルニア、私の中ではさほど盛り上がっておらず、DVD鑑賞か?という気分も5%くらいあったのだが、なんとか映画館で鑑賞できた。結論としては、行って良かったです。しっかり作った王道ファンタジーという感じで、大変楽しく見られた。原作未読なので、原作の映画化としてどうなのか?という判断はできないけれど、ストーリーの流れとしてそんなに不自然なところは無かったような気がする。いずれ原書も読んでみよう。

四人姉妹の造形が良い。それぞれの子役の容姿が必要以上に美形だったり可愛すぎないところとか、それぞれの立場(長兄、長女、末っ子等)によるキャラクターの違いなんかが、いかにもありそうな感じでリアル。
中でも、ルーシーは物語の鍵になるだけに、良い子役を探してきたなと思う。こましゃっくれててちょっと可愛くない感じが、可愛い(どっちだ)。

ティルダ・スウィントンの白い魔女は大ブラボー。コンスタンティンのガブリエルなんかもそうだったけれど、ちょっと独特の雰囲気があって、こういうファンタジーにはとてもよく合ってる。二刀流の身のこなしも素晴らしくカッコ良かった。

以下ネタバレ有り。

アスランと白い魔女の善と悪の分かりやすい対立構造は、完全な勧善懲悪といえばそうなんだけど、それが鼻に付くという感じは無かった。むしろアスランの、他人(エドマンド)の罪を肩代わりすることで処刑されて(=「自己犠牲による受難」)その後に復活を果たすという役割は、あからさまに救世主キリストそのもののようで(キリストは「ユダヤの獅子」なんて呼ばれるし)、そのあまりの捻りの無さが気になったというか。そもそも最初から「アダムの息子とイブの娘云々」なんて予言が出てくるし、完全にキリスト教的世界観に基いているんだよなぁ…。別にそれはそれで良いんだけど、ファンタジーというとどうも(キリスト教から見た)異教的な世界観というイメージが強いものだから、なんか違和感を感じないではない。

あ、アスラン自体には別に文句無いです。何となくもっと若いイメージがあったのだけれど(「アスラン」という名前の響きからか?)、大師匠の声は落ち着いた品があってあれはあれで良いかと。

風景はやっぱりNZだったな。リチャード・テイラーが丹精こめて作ったであろうクリーチャーたちと共に、なんかデジャヴであった。

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コメント

青猫さん、こんばんは。
私もナルニア、観ました!私は以前に原作も(日本語で)読んでいたので、映画化は楽しみでした。「指輪物語」に較べて、描写があっさりしているので、想像力では補いきれない部分があり、今回の映画ですべてをビジュアルで体験できた気分です。ルーシーは原作のイメージとはちょっと違っていますが、でも魅力的な子役で、あの子で大成功だったんじゃないかと思います。表情が良かったですね。私は、フォーンのタムナスさんとルーシーのお茶の場面が好きです。タムナスさんやビーバーが作り物っぽくなくて、よかった。アスランはもう少し偉大な感じがほしかったのですが・・・
 それにしても、ダ・ヴィンチ・コードにしても、ナルニアにしても、キリストの存在感の強さは、一般の日本人には(というか、私にとって ですが)想像を超えたものがあるなあ、と思いました。
 私たちは、いったい何を拠りどころに生きているんだろう?絶対的な何かって、ある?・・・などなど、いろいろ考えさせられてしまいました。どちらが幸せか・・・・とか。
 でも、そういったことを抜きにしてファンタジー系の物語は結構好きです。

投稿: プーとパディントン | 2006年4月24日 (月) 23:54

プーとパディントンさんは原作既読でいらっしゃるのですね。映画版ナルニア、原作ファンの方にも結構評判が良いような気がします。

タムナスさんとルーシーのお茶のシーン、良かったですね(^^)。タムナスさんの俳優さんも泣き笑いみたいな表情なんかが絶妙でした(余談ですが、タムナスさんはなんで「さん」付けなのかな?と思ったのですが、原作がMr.Tumnusなんですねー)。
アスランは映像化するには難しいキャラクターですよね。多分、普通の動物をオールCGで作るのも相当大変なことだと思いますが、それに+α(神性?)が必要ですから。

キリスト教については、よく分からないことが多くて色々難儀します(^^;)。八百万の神に慣れているので、唯一絶対神の存在というのが感覚的に捉えきれないんですよね。長年、聖書をちゃんと読まねば、、、と思いつつ全然読めてません。

投稿: 青猫 | 2006年4月25日 (火) 23:33

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