北上旅行記3
翌日は雨。
ツアー初日から雨ではお髭氏になんとなく申し訳ないし(私が申し訳なく思う必要は無いのだが)、ピアノは大丈夫だろうか、、、などとあれこれ気をもみつつも、とりあえず午前中は岩手県立美術館でコクトー展を見ることになっている。
無事盛岡駅でSさん、Pさんと落ち合い、美術館へ。
美術館に着く頃には、雨脚は随分弱くなっている。もしかしたら傘はいらないかも?
あれこれお喋りしつつ、コクトー展を鑑賞。ボリュームもかなりあって、盛りだくさんな内容であった。その幅広い人脈を眺めているだけでも面白い。芸術家関係は言うに及ばず、ピアフとかシャネルとか。
コクトーという人は詩人であり画家であり映画監督でありその他色々な仕事をしていて、守備範囲が極めて広い人であったのだけれど、何をやっても結局はコクトー印がバッチリ付いてる感じ。強烈な個性というのとはちょっとニュアンスが違うのだけれど、どんな仕事にもコクトーの揺ぎ無い美意識が反映されていたということである。ついでにいえば、相当ナルシスティックなタイプである。
館内はすっきり。コクトー展のバナーがなかなかお洒落な雰囲気。
お昼は美術館内のレストランで、4人揃って「コクトーランチ」に挑戦。でも実はお喋りに夢中で、内容はよく覚えていない。美味しかったことは確かなんだけど。
外に出るとなんだか青空が広がってきている。いいぞいいぞ。晴れ幽鬼の誉れ高い(?)Pさんのおかげかもしれない。
その後、コンサート会場と同じ建物内の喫茶コーナーで、あちこち話題を飛ばしつつ夕方までお喋り。幽鬼にとっての2、3時間というのは本当にあっという間で、喋り尽くしたという感覚も無いままに、開場時間になってしまった。
この頃になると、私のメンタルも相当上ずってきていて、非常に落ち着かない気分で会場に入った。各自座る場所は見事にバラバラなので「それではまた後で~」と言いつつ席についたのであった。
コンサートの模様はこちら。
終演後は、思わずSさんを捕まえて「すごかったですね~!」と叫んだような記憶がある。とにかく舞い上がっていた。Jさんも、ショパンのバラード4番をいたくお気に召されたようで、私も非常に嬉しいというか、ホッとした(誘惑した手前もあり…)。
その後、新幹線の時間までお茶をしながら喋り倒し、帰りの新幹線でも喋り続けて、東京駅にてやっと北オフは終了したのであった。なんか前日の平泉が一週間前くらいに感じるほど、密度の濃い1日であった。幸せにお腹一杯。うっとりしすぎて、翌日は使い物にならんかったですよ。
| 固定リンク
「Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事
- Happy Birthday Mr. Zimerman !!(2016.12.05)
- Happy Birthday Mr. Zimerman !!(2015.12.06)
- WEEKEND PIANO SERIES 休日に燦めくピアノの響き クリスチャン・ツィメルマン(2015.11.30)
- クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル (2015.11.30)
- クリスチャン・ツィメルマン ピアノ(2014.03.02)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
その節は大変お世話になりました。
えーと、アレは「ダメもと誘惑」だったのですかー?確かにさりげなく何気なく、しかしまことに絶妙なタイミングかつ説得力のあるお言葉だったと記憶しているのですが(笑)
4月後半は仕事忙しかったりでGWのお遊びの計画を立てようという気持ちの余裕もなかったのですけど、いい加減「こんなの、スペシャル楽しい予定のひとつもないとやってらんない」とややキレかかっていた頃合だったのでした。そりゃもう暗黒卿の囁きひとつでコロリと堕ちますとも。
本当に楽しくて充実していて、おまけに行程にちゃんと余裕のある(笑)よき旅でした。
ところで、旅行記2の桜写真の下から二番目(みっしりの上)はなんとなく青猫さまのイメージがあります。色とか雰囲気とかで、ふとそんな連想が。
投稿: 玉兎 | 2006年5月17日 (水) 22:35
駄目元といいますか、今回一人で勝手に盛り上がってるつもりだったので、当初はまさかお付き合い頂ける方が現れるとは全く思わなかったのですよ(しかも2人も…(笑))。
日頃、舞台をご覧になられる方は、生(ナマ)の価値というのを身を持ってご存知だからでしょうか、遠征に対して比較的ハードルが低いですよね(笑)。今回、ちょっとしみじみとそんなことを思いました。私も人のことはいえませんが。。。
桜のイメージだなんて、生まれて初めて言われましたわー。そういう楚々?としたイメージでは無いような…(笑)。でも、ありがとうございます(*^^*)。
投稿: 青猫 | 2006年5月18日 (木) 22:37