マスター・ツィメルマン記者会見
相変わらず、呼び方がグチャグチャなんですが。
敬愛と親しみ(?)の念を込めて「お髭氏」。どっかのマスター・ジェダイに引っ掛けて「マスターZ」。畏まって「ツィメルマン氏」。一般人(って誰のこと?)と話す時は「ツィマーマン」と呼んでみたり。
で、お髭氏ですが、今回の来日に際して記者会見とかやってるのかな?と思ってたら、やっぱりやってた。前回の来日時の記者会見の内容もジャパンアーツのサイトで今でも読めるけれど、今回は動画が出てきた。日進月歩な感じで、何ともありがたい。
classic NEWS
これ、いつまで見られるのかな?とりあえず当分は大丈夫そうだけれど。
ピティナの公開講座はドイツ語だったそうだけれど、こちらは英語である。良い通訳さんですね。
初めて肉声を聞いたけれど、あまり低くなくて柔らかめな感じ。温厚な紳士である。だけど、穏やかな口調ながら初っ端から反イラク戦争の政治的発言もバリバリしている。ピアニストの来日記者会見としては「異色」だと思うけれど、何となく「らしい」気もするかな。薄々分かってはいたけれど、長い物には巻かれない人である(先のアメリカツアーでは「今の政府(ブッシュ政権)に投票しなかった人のためにコンサートをする」なんて言ったそうですが…)。
記者会見全体としては、想像通りの生真面目で誠実な人柄が滲み出ているし、言葉を惜しまないという印象である。極めて真摯に、他者(音楽であれ人間であれ物であれ)とのコミュニケーションを取ろうとするタイプとお見受けしましたよ。
話してる内容は大変真面目だけれど、笑顔も一杯である。この笑顔を見れば、彼に付きまとう「完璧主義」「孤高」などという形容詞から想像される、堅苦しく神経質なイメージは粉砕されるような気がする。
内容はかなり盛りだくさんで多岐に渡る。イラク戦争のこととか、文化行政のこととか、音楽教育のこととか、マスメディアの役割とか。つくづく、ピアニストという枠には収まリ切らない御仁である。
コンサートのプログラムの決定についても喋ってて、「プログラムはこれで決定というわけではなく、このツアーの終わりに向けて、違う曲を組込む可能性がある」と今後のプログラム変更に対して、ちょっと予防線を張ってるような感じもあり。ええもう、ちゃんと出てきて弾いてくれれば文句はありませんよ、私は…。でもショパンのソナタは弾いて欲しいなぁ。。。
そうそう、ブレハッチ君※とそんなに仲が良いとは知らなかった(毎週電話ってそんなに何を話してんのよ…)。お髭氏って基本的に教えるのが好きなタイプだとは思うけれど、根本的に、「懇切丁寧に」(=お母さんのように)優しいような気がする。千尋の谷に突き落とすタイプではなさそう。
ブレハッチ君は、このまま正統派ショパン弾きとして大成するも良し、偉大なる師匠を見習って、大化けして「昔はあんなに可愛かったのにねぇ…」と女性ファンを嘆かせる(?)も良し。この人がショパン以外をバリバリ弾いてる姿というのはちょっと想像し難いのだが、ツィメルマンがショパン・コンクールで華々しく世に出た時もそう思った人は多かっただろうからなぁ。まぁとにかく、お髭氏から吸収できるだけして、頑張れ~。
※2005年ショパンコンクール優勝者。1975年のツィメルマン以来、30年ぶりのポーランド人の覇者となった。お髭氏が優勝した時も、「ポーランドの希望の星」扱いでそれはそれは大変な騒ぎだったらしいのだが、今回も大変な熱狂ぶりだった。
さて、お髭氏、コンサートがお休みの日は音楽雑誌の取材なんかも受けることだろう。今後も色々とメディアに出てくるだろうから、楽しみだなぁ。
それから、これは記者会見とは全然関係無いソースからの情報。
10年くらい前の音楽雑誌で「本を書いている」といってたのだが、やっと去年、ポーランドで著作が出版された模様(今回出版された本が、10年前に言及してたものなのかどうかは不明だけど)。美学関係の物らしいので、ピティナで講演した内容なんかも含まれるのかな?などと思っていて、翻訳されたら買う気満々なんだけどなぁ。ピティナでは「録音」関係の話が多かったそうだから、ベンヤミンの「複製技術時代の芸術」っぽい内容なのかな?などと想像しているんだけど、実際聴講された方、その辺はどうなんでしょ。お髭氏と「アウラ」。なかなか興味深い。
とりあえず、独語版じゃなくて英語版希望。日本語版なら言うこと無し。
→追記:詳細未確認だけど、ちょっとモノが違うらしいです。すみません。
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