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2006年10月29日 (日)

[映画]太陽 The Sun

ロシアの映画監督ソクーロフが終戦間際の天皇ヒロヒトを描く。

これはロシア映画、というべきなんだろうか。
いまだ自国でこういうテーマの映画を撮ることには差しさわりがあるだろうことに対し、少々のなげがわしさを感じつつ、第三者(外国人)が撮る利点というのも確かにあるよなぁ、と思ったりもする。

描かれているのは一貫して、「人間」としての天皇ヒロヒトである。現人神であることに戸惑いを感じる天皇の、哀しく、滑稽でもある姿。 天皇が何をどう感じていたかということを、天皇視点、天皇側から描くというのは画期的なんだろうと思う。

いわゆる映画らしい劇的な盛り上げのある映画ではない。かといって、冷徹なドキュメンタリータッチで淡々と事実を追う、というわけでもない。
時間軸が明確ではなく、どこかフィルターのかかったような映像もあってか、象徴的、幻想的な雰囲気が漂う。茫洋として掴み所が無い印象もあり、この手のことを描こうとすると必ず問題になるであろう、天皇の戦争責任的なことについては突っ込み過ぎず、上手く煙に巻いたかな、という気がする。もっとも、監督の意図が天皇を政治的に糾弾することに無いのは明らかで、そういう意味では、このどこか私的で、天皇に親密さを感じさせるような作りは正解なんだと思う。

基本的にはかなりかったるい映画だとは思うのだが、色々と興味深い映画であった。外国人が日本を題材にして映画を撮った時に往々にして感じる違和感も無く、丁寧に作られているな、と好印象でもある。

DVDで見るのはちと辛いような気もするけれど。

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コメント

さっそく拝見致しました、感想、自分が気に入らなかった部分を好意的に見られてますね、さすが心が広い、確かにトンデモ日本的な作りじゃなった点は大いに評価出来ますね、意識化で過度に期待して見ていたんでしょうか?結構評判良かった分。

投稿: ビヨ | 2006年10月29日 (日) 22:21

ビヨさん、こんばんは。

私は見た人から「よく分からなかった」という感想をきいてたので、あまり期待せずに行ったのが良かったのかも(^^;)。

確かにヤマが無い映画ではあります。ただ、変に悲劇的に盛り上げて「歴史に翻弄された天皇の悲劇!」みたいなノリになったとしたら、それはそれで物議をかもすような気もするんですよね。その辺のことを監督が意識したのかどうなのか分かりませんけど。

イッセー尾形他、役者陣はとても良かったですね。

投稿: 青猫 | 2006年10月29日 (日) 23:57

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