第6回浜松国際ピアノコンクール #3
既に、3次に進むコンテスタントが発表になっている。第2次予選審査結果。
うーん、なんか次の段階に進めるか否かって紙一重って印象。お気に入りのコンテスタントが入ってない!と憤慨している人もいるだろうなぁ。。。
とりあえず、2次雑感。
1次よりも時間が長くてミニリサイタルみたいな感じで、その人の個性や長所がより明確に見えてきて面白い。曲も重量級のものが多くて、弾く方はものすごくハードだろうし、聴く方も大変だけど。
相変わらず、行儀悪くザクザクとつまみ食いをしていて思ったこと。
基本的に皆さん若くて上手だし音楽性も豊かなもんで、緻密な耳を持たない私としては聴き続けていると段々よく分からなくなってくるんだけど、それでもやっぱり、この人のことをもっと知りたい、他の曲はどういう風に弾くんだろうって思わせる人と、そうでない人っていうのは分かれるもんだな、と。もちろん、ほとんど好き嫌いの世界だけど。
私が3次の演奏を楽しみにしているのは、大体以下の皆さん。
10番のエフゲーニ・チェレパノフさん
やっぱりリストのロ短調ソナタに尽きる。丁寧に、真摯に音楽に相対してる感じ。
26番のクレア・フアンチさん
エチュード類のどこまでも達者な指さばき(超絶軽やか!)も素晴らしいと思うけれど、個人的白眉はアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。ポロネーズのリズムも素晴らしいし、本当に緩急自在といった感じ。歌い回しはかなりたっぷりしているところもあるけれど、作為的・イヤらしい感じにはならず、清涼感があって好感度大。打鍵はとてもしっかりしてて響きも綺麗だし、羽が生えているかのような印象がある。ひらりんひらりん。それでいて、ドガガガガがっと勢いよく弾く部分の迫力も申し分無し。
3次のバッハ=ブゾーニのシャコンヌ、ラヴェルの水の戯れあたりがすごく楽しみ。もちろん、ショパンのPソナタ3番も。
40番の北村 朋幹君
透明感のある、綺麗な世界を作れる人だと思う。線が細いと思ってたけれど、2次を聴いたら意外と迫力の演奏。
82番のアレッサンドロ・タヴェルナさん
どことなく、キャンデロロにイメージが被る。←個性的でチャーミング。
三次のプログラムに「ペトリューシュカからの3つの断章」が入ってて、イメージにぴったりで笑った。いーじゃないすか。この人、自分のことをよく分かってそうな気がする。
ところで3次のプログラム、ショパンのエチュード全曲(12曲)とかいう猛者がいますね、しかも2人も。。。
| 固定リンク
「Piano」カテゴリの記事
- ルイサダのショパン(2017.07.06)
- How to Meet Musicians(2014.05.12)
- András Schiff Piano Recital(2014.03.20)
- 内田光子 ピアノ・リサイタル(2013.12.14)
- 内田光子ピアノ・リサイタル(2013.12.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
青猫さん、こんにちは。
つまらないことをお聞きして申し訳ありませんが、日本語がちょっとわからないです。
「浜コン中だから、というわけでもありませんが、若若師匠のショパンコンクールの演奏を聴き直してます。」
この「若若師匠」は、誰の事ですか?
加来永茂
11/21/2006
02:22 EST
投稿: 加来永茂 | 2006年11月21日 (火) 16:21
加来永茂さん、こんばんは。
「若若師匠」とは18歳のツィメルマンのことです。ネット上だと、特にブレハッチファンの方を中心に、ツィメルマンのことを「師匠」って呼ぶ方が結構いらっしゃるんですよ。ツィメルマン=ブレハッチの師匠って位置付けなんですね。正式な師弟関係というのとは違うんでしょうけれど、ツィメルマンはブレハッチがショパンコンクールに出場する際には大分指導をしたようですし、今でも頻繁に電話をしていると仰ってましたから。
投稿: 青猫 | 2006年11月21日 (火) 20:44
青猫さん、こんにちは。
ごていねいな説明をありがとうございます。もう少しお聞きしてもいいですか?「若若」と若が2つあるのはなんでですか?
それと、「お髭の君のエッセンのコンサート(11月28日)は、ショパンのPソナタの1番、2番、3番ですか…」、エッセン氏もやはりポーランド人のお髭ピアニストなんですか? コンサートで一度に1~3番全楽章弾くなんて すごいですね。観客のほうも聞き疲れする人がでるでしょうね。
11/23(木)、アメリカは Thanksgiving の休日でした。SUNY Stony Brook からこの秋学期だけ教えにきている哲学の教授がミシガン大学哲学部の大学院学生を招待してくれたので、家族ともどもちょっと顔をだしてターキーをご馳走になってきました。心の科学と計算機哲学をやっている人です。家族とは1時間ほどいて4時ごろに帰りましたが、その後夜10時ごろに私だけもう一度顔をだしてみたらなんとまだ議論していました。五反田のソニーコンピュータサイエンス研究所で脳の事をやっている茂木君という知り合いがいるんですが、彼がいっしょにいたらずいぶん楽しい議論になったのに、ちょっと残念でした。
日本も11月下旬となってだいぶ寒くなってきたことと想像します。お体を大切に。
それではまた。
加来永茂
03:48 EST
11/25/2006
投稿: 加来永茂 | 2006年11月25日 (土) 17:48
加来永茂さん、こんばんは。
いわれてみれば、なんで「若若」なんだでしょうね(笑)。強調なんだと思います。若い若いツィメルマン→若若ツィメルマンといったところでしょうか。
「お髭の君のエッセンのコンサート」っていうのは、ツィメルマンのドイツ・エッセンのコンサートのことです。当ブログで「髭」とついたら、大体ツィメルマンのことだと思ってください(笑)。
彼は、この秋はベートーヴェンのワルトシュタインとバツェヴィチのピアノソナタを入れたプログラムが多いようですが、エッセンではショパンのソナタ全曲弾くみたいですね。一晩にツィメルマンのショパンのソナタを3曲も聴けるなんて、なんて贅沢な!という感じです(私は葬送ソナタ1曲だけであまりにも感動し過ぎて、当分ピアノは聴きたくないって思いましたから)。
「茂木さん」とは茂木健一郎さんでしょうか?私は読んだことありませんが、著作はいたるところでお見かけしますし、テレビを見ない私が存じ上げているぐらいなので、今、話題の方なのではないでしょうか。
投稿: 青猫 | 2006年11月25日 (土) 21:14