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2006年11月22日 (水)

第6回浜松国際ピアノコンクール #4

気が付いたら、浜コンが連載になっている。。。おかしいなぁ。連載にするつもりは毛頭無かったんだけど。
今までは、コンクールは本選聴きゃいいでしょ、なんて思ってたけれど、まさか予選がこんなに面白いとは思わなくてね…。

さて、3次はモーツァルトを入れることが必須になっており、それ以外は自由な1時間のリサイタル形式。とりあえず、聴けた分のみ。

26番 クレア・フアンチさん
・J. S. バッハ/F. ブゾーニ シャコンヌ
・ W. A. モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475
・F. ショパン ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
・M. ラヴェル 水の戯れ
・S. プロコフィエフ トッカータ ハ長調 op.11
ドレスが可愛い~。ながーくリボンを引きずる感じの素敵な衣装、似合ってます。
やっぱり、音の表情付けが上手い。簡単に流すところがなくて、一つ一つの音にちゃんと意味を与えている感じ。
シャコンヌが圧巻。モーツァルトは優しい、柔らかいタッチが魅力的で、「3次はモーツァルト必須」がアドヴァンテージになっている感じ。ただ、シャコンヌでエネルギーを使い果たしたのか、ショパンの3番は、、、彼女にしては(?)ちょっと荒かったかな(まぁ何しろ超有名曲なのでこちらの耳が厳しいってことはあるけれど)。水の戯れは、実に流麗に流れていった。トリのプロコは、、、凄まじかった。壮絶なテクの冴えに唖然呆然。っていうか、笑った(笑うところじゃない)。

19番 アレクセイ・ゴルラッチ君
・W. A. モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475
・L. ベートーヴェン ソナタ 第28番 イ長調 op.101
・F. ショパン ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35
実を言うと、2次の演奏はそんなに、、、だった。悪いというわけでは無くて、あくまでも私の琴線にはあまり…という感じ。前評判も高いし、見場も良いもんだから、天邪鬼な私はちょっと意地悪な気持ちで眺めていたということはあるんだけど。
だけど3次は、葬送ソナタ、出だしからやってくれたなって思いましたよ。昨今、私は誰かさんの超絶名演のせいで、滅多なことではソナタの2番を褒めない体質(?)になってしまってるけれど、ゴルラッチ君の演奏には冒頭からぐぐっと引き込まれた。音が、音楽が、、、ものすごく深い。煌びやかで艶やかで、スケールが大きく、しかも陰影に富んでいる。特に第1楽章に関しては、ちょっと文句の付けようが無い感じ。これで18だっていうんだからやんなっちゃうよなぁ。ただ、第2楽章で暗譜が飛んじゃったところがあったのが痛い。すごく、すごく勿体無い。審査に影響しないと良いけど。

87番 ワン・チュン君
・W. A. モーツァルト ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
・F. ショパン 12の練習曲 op.25
・O. メシアン 喜びの精霊の眼差し
うーん、3次までエチュードばりばりで押さなくても、、、って思うのって私だけか。テクニカルが達者なのは2次でもう十分アピールできてるんだしなぁ。しかし、モーツァルトとショパンとメシアンって、、、食い合わせが悪いような。

82番 アレッサンドロ・タヴェルナさん
・W. A. モーツァルト ソナタ 第17番 二長調 K.576
・L. ベートーヴェン エロイカ変奏曲 変ホ長調 op.35
・F. ブゾーニ ソナチネ 第6番「カルメンファンタジー」
・G. リゲティ 練習曲 第8番 金属
・G. リゲティ 練習曲 第13番 悪魔の階段
・I. ストラヴィンスキー  「ペトリューシュカ」からの3つの断章
この人は、ピアニストである前に音楽家であると思う。コンクールで優勝するようなタイプのピアニストではないと思うけれど、好みからすると一番好きかもなぁ。演奏会があったら行ってみたいって思うし、きっと楽しませてくれるハズって思わせるものを持っている。
ニュアンスがとても豊かで生き生きしているし、イタリア人らしい(というと単純に過ぎるけれど)歌心が本当に素敵。モーツァルトなんか、聴いてるとついニコニコしてしまうし、「カルメンファンタジー」のメロディを歌うところなんか、笑っちゃうくらい(だから笑うなって)朗々としてて良い。かと思って油断してたら、リゲティ、バリバリ&キレキレやんか…。そして、トリのペトリューシュカ。うわー、きたきたきたきた!(←大喜び)意外や意外、鬼か悪魔かって感じの、すんごいヴィルトゥオーソでございますよ。コンクールでこの曲をこれだけ楽し気に、縦横無尽に弾けるあなたが大好きです、と思わず告白タイムに突入の私。
ちょっと時間オーバーしてて見てる方がドキドキしてしまったけど、どこ吹く風って風情でやりたい放題なのがいやもう素敵過ぎ(本人気付いてなかったのか、内心ドキドキだったのか、本当に気にしてなかったのかは不明だけど)。

61番 ディナーラ・ナジャーフォヴァさん
・W. A. モーツァルト ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
・S. タネーエフ 前奏曲とフーガ 嬰ト短調 op.29
・P. チャイコフスキー ノクターン op.10-1
・F. ショパン 12の練習曲 op.10
実は、こういうウェットに濃厚なタイプはあまり好みではないんだけど(純然たる好みの問題ですが)、ショパンの練習曲は非常に聴き応えがあった。美しく音楽的。こういうのを機械的なテク自慢ではなく、面白く、魅力的に聴かせることができるというのは大したものだと思う。

40番 北村 朋幹君
・J. S. バッハ イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808
・W. A. モーツァルト ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
・J. シベリウス 5つの小品 (樹木の組曲) op.75
・R. シューマン 花の曲 op.19
・R. シューマン ウィーンの謝肉祭の道化芝居 (幻想的情景) op.26
この人もモーツァルトがアドヴァンテージになっている。クセのない、気品のあるモーツァルト。後半よく知らない曲ばかりなのでコメントしにくいけれど、全体的にデリカシーと繊細なニュアンスに溢れる演奏という印象が強いかな。結構パワーがあるのも分かるんだけど、ちょっと小奇麗にまとまり過ぎているような。。。といっても、ナヨっとした軟弱さはなくて、音が引き締まってて端正な感じ。もう少し個性がばきっとしてくるということ無いけれど、なんといってもまだ15歳。10年後(といってもまだ25歳だ)、彼は一体どんな演奏をするんだろう。

あと数人聴きたい人はいるけれど、とりあえずこの辺で。そろそろ本選出場者も発表になるし。

ここまでくると、私としてはテク的にはもうどうでもいいっていうか、皆さん一定水準は軽々クリアしていると思うので、あとは音楽性が好みにあっているか否かって感じになってくるような。順位つけるのもなんだかなって気がしてくる。

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