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2006年11月26日 (日)

第6回浜松国際ピアノコンクール #6

審査員によるマスタークラスがあったそうですね。受講者はセミファイナリストの中からタヴェルナさん、ナジャーフォヴァさん、フアンチ嬢。お三方とも聴衆にすごく人気があって、ファイナル出場を望む声がとても高かったコンテスタントである。なので、マスタークラスがこの3人というのは、至極順当って気がしましたさ(中村紘子氏が「評価も様々にわれた」って仰ってたけれど、要するにわれたのってこの辺なんでしょうし、若干敗者復活的な意味合いもあるんじゃないかと。「復活」してないけど)。

さて、本日は本選の第1日目。オケは東京交響楽団、指揮者は沼尻竜典。
今日(じゃなくてもう昨日)は仕事だったけれど、何とか2番手のゴルラッチ君に間に合った。私としては、本選はゴルラッチ君を聴けばまぁいいか、な気分も無いわけではなかったんだけど、なんだかんだいいつつ全部聴いたぜよ。。。

ワン・チュンさんはラフマの2番。
すんません。間の悪いことに、昨日、アンスネスとお髭氏のラフ2を聴いちゃったばかりなので、あまりコメントしない方が良いと思う。あの2人と比べるのは、そりゃちょっとご無体なって話でしょうとも。ラフ2に関しては、ただでさえ私の耳は超ワガママなのにね。。。(←ツィメルマン至上主義につき)
あまりコメントしない方が、とかいいつつちょっとだけ。2楽章とか、もうちっと和三盆的な甘さ(=ベタベタじゃない甘さ)とか、リリシズムとか、哀愁が欲しいです、私は。恐ろしいくらいテクはあるし、メリハリもインパクトも素晴らしいので、叙情的な感性が加われば怖い物無し、という気がするのだが…。

ゴルラッチ君はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番。
コンクールでベートーヴェンの3番という渋い選曲(と私は思うのだが)に「ほほう」と思ったけれど、これくらい音符が少ない方が、一つ一つの音色のクオリティの高さがよく分かるし、逆に音楽的センスが厳しく問われるのはこういう曲の方かもしれない。そういう意味では、ゴルラッチ君は、間違いなくセンスの良い演奏をする人だし、音楽が痩せてなくて色々な意味で豊かなんだよね。音楽的に不自然だったり、やり過ぎてカンに触るようなところが無いし、小手先のチマチマした感じが無くて、スケールも大きい。決然とした、きっぱりとした潔さが感じられるベートーヴェンだった。
ただ、さすがにゴリゴリのラフマニノフの2番、3番に挟まれるとちょっと(選曲的に)不憫という気がしなくもない。まぁ、この人って多分、弾けて弾けてしょうがない、指が回りまくって困るというタイプでもないだろうから、ラフマとか弾かなくて正解かも、とは思うけれど(聴く方も、1日にラフマ×3はさすがに勘弁して欲しい)。

キム・テヒョンさんはラフマの3番。
難曲の代名詞・ラフマ3番、実によく栄える曲である。ちゃんと栄える曲になっててスゴイ、というべきか。キム・テヒョンさんの演奏はとてもバランスが良い。技巧も大変達者で、カデンツァなんかもスケールが大きくてバッチリだし、3楽章の盛り上がりなんかも良いと思う。ロマンティックな雰囲気もまぁあるし、これだけ弾ければブラボーだとも思う。でも何だろうなぁ。この人のラフマってこんななんだよ!と力説するようなその人なりの色とか、突出した何か(要するに聴き手の心をぐわしっっと鷲掴みにするような何か)に欠けるような。。。ごめんなさい、ラフ3に関しても、私の耳は超ワガママなんです。ものすごく高い要求をしている自覚は、ある。

本選1日目聴いただけで気が早いけれど、今回、1位無しでないかな。コレ!っていうずば抜けた人がいないし…。私の好みからすれば、1位無し2位にゴルラッチ君って感じなんだけど、明日、本選2日目を聴いたらまた気が変わるかも。

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