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2006年11月26日 (日)

第6回浜松国際ピアノコンクール #7

ファイナル2日目。

セルゲイ・クズネツォフさんはプロコの3番。
28歳という年長さんなので、さすがの安定感で大人の演奏。曲に「弾かされてる」って感じが無くて、きちんと自分の手の内に入っている感じ。楽しいプロコでした。
順位については年齢がどう影響するのかな。「将来性」が加算されない分だけ、キツイかも。

北村朋幹君はラヴェル。
本選のプログラムが発表になって、なんでラヴェル?って思ったんだよね。
どうも私はラヴェルには、幻惑されるような、マジカルな要素を期待してしまう。他に色々、色彩感とか才気とかエスプリとか遊びとか洒脱さとか、あとはやっぱりうっとりするような部分が欲しい。
北村君、ちゃんと、しかもノリ良く(これ大事)弾けているというだけでも実に大したものだとは思う、のだが…。15歳であまりケレン味たっぷりでも、それはそれで胡散臭い気もするし、うーん、難しいところである。

ニコライ・サラトフスキーさんはラフ3。
3次のぺトリューシュカはイマイチだったけれど、ちゃんと上手いじゃないか(失礼)。
冷たいロシアの大地を思わせるような演奏。音色が割と冷徹に響くからそう思うのか。外見からは冷静な性格を想像するけれど、意外とカッカしてたかも…。でもこの曲は多少カッカしてるくらいの方が絶対に面白いと思う。テンポが速くて時々オケとずれてたり、ヨレっとした瞬間も無いわけではないけれど、私はこのラフ3、かなり好きです。音色は冷やかで、音楽は熱い。イイじゃないの。

さて、順位は難しい。
私が好みだな(良いな、ではありません)、と思った本選の演奏はゴルラッチとサラトフスキーなんだけど、順位的にはどうだろうか。総合的に見るとクズネツォフ、ゴルラッチあたりかなぁ。。。

それにしても、ファイナルは2楽章(緩徐楽章)でグッとくるような人が少なかった。コンクールだし、皆さん若くて技巧派の面々だからある程度はしょうがないけれど、例えばブレハッチさん(御年21歳、ショパコン時20歳)の緩徐楽章の美しさを思い出しちゃうと、勉強不足、じゃないな、センス・感性の違い?とか色々考えてしまう。
10年後、20年後には是非、2楽章で聴き手の涙を絞るような演奏家になっていただきたいものです。

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