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2006年11月

2006年11月27日 (月)

第6回浜松国際ピアノコンクール #9

浜コンおまけ。ゴルラッチ君のこと。

当ブログによくお越し下さる方はお分かりだと思うけれど、私はツィメルマン至上主義である。ツィメルマンが弾いている曲に関しては、その曲のベスト・パフォーマンスはツィメルマン、という甚だ了見の狭い判断を下してしまいがちである。これは耳が厳しいのではなく、耳が偏屈、というヤツである。

だから、私がゴルラッチ君の3次の葬送ソナタ、本選のベト3を本当に素晴らしいと思った、という事実には、我ながら驚いている(何しろ、ツィメルマンの葬送ソナタ以来、他のピアニストの葬送ソナタを聴きたくなくて封印しちゃったぐらいだし、ベートーヴェンP協全集も名盤だし)。1次と2次を聴いた限りではゴルラッチ君の演奏はものすごく好みというわけでもなかったので、余計びっくり。

ゴルラッチ君のベートーヴェン、改めて聴いてるけれど、ものすごくよく練り上げられている。丹念に磨き上げられている、というべきか。キズが無いという意味ではなくて、技術的なアラはあるのだけれど、上っ面をなでただけの演奏とは全く違ってて、繰り返し聴いて飽きがこない演奏である、ということ。風格もあるし、ドキッとするようなデリカシーもあるし、良いわぁ、コレ。

そして、葬送ソナタの1楽章。泣ける。。。ドラマチックで激情的。どこか焦燥を覚えるような、やるせないまでの疾走感。明と暗、光と影の絶え間無い交錯…。
いかん、日本語が支離滅裂になってきた。

とりあえず、予選・本選の演奏を入れたCD-R、通販しようかどうしようか悩み中。


ゴルラッチ君に限らず、予選から本選の演奏全てが12月31日までストリーミングで視聴可能だそうなので、興味のある方はどうぞ。

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第6回浜松国際ピアノコンクール #8

浜コンの結果が出た。入賞者

第1位 Alexej GORLATCH アレクセイ・ゴルラッチ(ウクライナ) 

第2位 Sergey KUZNETSOV セルゲイ・クズネツォフ(ロシア)

第3位 KIM Tae-Hyung キム・テヒョン(韓国)

第3位 KITAMURA Tomoki 北村 朋幹(日本)

第5位 WANG Chun ワン・チュン(中国)

第6位 Nikolay SARATOVSKIY ニコライ・サラトフスキー(ロシア)

日本人作品最優秀演奏賞 Alexej GORLATCH アレクセイ・ゴルラッチ(ウクライナ)

モーツァルト賞 LIM Hyo-Sun イム・ヒョソン(韓国)

奨励賞 Claire HUANGCI クレア・フアンチ(アメリカ)

奨励賞 Dinara NADZHAFOVA ディナーラ・ナジャーフォヴァ(ウクライナ)


ゴルラッチ君、1位取りましたね。先だって「ゴルラッチ君、1位無しの2位くらいでどうだろう」みたいなことを書いたけれど、この結果は素直に良かった、めでたいと思います。
とりあえず、ラフマに挟まれながらベートーヴェンを弾いて優勝できるってのは、大変結構なことだ(と私は思う)。

あとの入賞者に関しては、まぁ好みとかその他色々あるので、それぞれ本当にお疲れ様、ということで。彼らが10年後どうなってるか、大変楽しみである。

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2006年11月26日 (日)

第6回浜松国際ピアノコンクール #7

ファイナル2日目。

セルゲイ・クズネツォフさんはプロコの3番。
28歳という年長さんなので、さすがの安定感で大人の演奏。曲に「弾かされてる」って感じが無くて、きちんと自分の手の内に入っている感じ。楽しいプロコでした。
順位については年齢がどう影響するのかな。「将来性」が加算されない分だけ、キツイかも。

北村朋幹君はラヴェル。
本選のプログラムが発表になって、なんでラヴェル?って思ったんだよね。
どうも私はラヴェルには、幻惑されるような、マジカルな要素を期待してしまう。他に色々、色彩感とか才気とかエスプリとか遊びとか洒脱さとか、あとはやっぱりうっとりするような部分が欲しい。
北村君、ちゃんと、しかもノリ良く(これ大事)弾けているというだけでも実に大したものだとは思う、のだが…。15歳であまりケレン味たっぷりでも、それはそれで胡散臭い気もするし、うーん、難しいところである。

ニコライ・サラトフスキーさんはラフ3。
3次のぺトリューシュカはイマイチだったけれど、ちゃんと上手いじゃないか(失礼)。
冷たいロシアの大地を思わせるような演奏。音色が割と冷徹に響くからそう思うのか。外見からは冷静な性格を想像するけれど、意外とカッカしてたかも…。でもこの曲は多少カッカしてるくらいの方が絶対に面白いと思う。テンポが速くて時々オケとずれてたり、ヨレっとした瞬間も無いわけではないけれど、私はこのラフ3、かなり好きです。音色は冷やかで、音楽は熱い。イイじゃないの。

さて、順位は難しい。
私が好みだな(良いな、ではありません)、と思った本選の演奏はゴルラッチとサラトフスキーなんだけど、順位的にはどうだろうか。総合的に見るとクズネツォフ、ゴルラッチあたりかなぁ。。。

それにしても、ファイナルは2楽章(緩徐楽章)でグッとくるような人が少なかった。コンクールだし、皆さん若くて技巧派の面々だからある程度はしょうがないけれど、例えばブレハッチさん(御年21歳、ショパコン時20歳)の緩徐楽章の美しさを思い出しちゃうと、勉強不足、じゃないな、センス・感性の違い?とか色々考えてしまう。
10年後、20年後には是非、2楽章で聴き手の涙を絞るような演奏家になっていただきたいものです。

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第6回浜松国際ピアノコンクール #6

審査員によるマスタークラスがあったそうですね。受講者はセミファイナリストの中からタヴェルナさん、ナジャーフォヴァさん、フアンチ嬢。お三方とも聴衆にすごく人気があって、ファイナル出場を望む声がとても高かったコンテスタントである。なので、マスタークラスがこの3人というのは、至極順当って気がしましたさ(中村紘子氏が「評価も様々にわれた」って仰ってたけれど、要するにわれたのってこの辺なんでしょうし、若干敗者復活的な意味合いもあるんじゃないかと。「復活」してないけど)。

さて、本日は本選の第1日目。オケは東京交響楽団、指揮者は沼尻竜典。
今日(じゃなくてもう昨日)は仕事だったけれど、何とか2番手のゴルラッチ君に間に合った。私としては、本選はゴルラッチ君を聴けばまぁいいか、な気分も無いわけではなかったんだけど、なんだかんだいいつつ全部聴いたぜよ。。。

ワン・チュンさんはラフマの2番。
すんません。間の悪いことに、昨日、アンスネスとお髭氏のラフ2を聴いちゃったばかりなので、あまりコメントしない方が良いと思う。あの2人と比べるのは、そりゃちょっとご無体なって話でしょうとも。ラフ2に関しては、ただでさえ私の耳は超ワガママなのにね。。。(←ツィメルマン至上主義につき)
あまりコメントしない方が、とかいいつつちょっとだけ。2楽章とか、もうちっと和三盆的な甘さ(=ベタベタじゃない甘さ)とか、リリシズムとか、哀愁が欲しいです、私は。恐ろしいくらいテクはあるし、メリハリもインパクトも素晴らしいので、叙情的な感性が加われば怖い物無し、という気がするのだが…。

ゴルラッチ君はベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番。
コンクールでベートーヴェンの3番という渋い選曲(と私は思うのだが)に「ほほう」と思ったけれど、これくらい音符が少ない方が、一つ一つの音色のクオリティの高さがよく分かるし、逆に音楽的センスが厳しく問われるのはこういう曲の方かもしれない。そういう意味では、ゴルラッチ君は、間違いなくセンスの良い演奏をする人だし、音楽が痩せてなくて色々な意味で豊かなんだよね。音楽的に不自然だったり、やり過ぎてカンに触るようなところが無いし、小手先のチマチマした感じが無くて、スケールも大きい。決然とした、きっぱりとした潔さが感じられるベートーヴェンだった。
ただ、さすがにゴリゴリのラフマニノフの2番、3番に挟まれるとちょっと(選曲的に)不憫という気がしなくもない。まぁ、この人って多分、弾けて弾けてしょうがない、指が回りまくって困るというタイプでもないだろうから、ラフマとか弾かなくて正解かも、とは思うけれど(聴く方も、1日にラフマ×3はさすがに勘弁して欲しい)。

キム・テヒョンさんはラフマの3番。
難曲の代名詞・ラフマ3番、実によく栄える曲である。ちゃんと栄える曲になっててスゴイ、というべきか。キム・テヒョンさんの演奏はとてもバランスが良い。技巧も大変達者で、カデンツァなんかもスケールが大きくてバッチリだし、3楽章の盛り上がりなんかも良いと思う。ロマンティックな雰囲気もまぁあるし、これだけ弾ければブラボーだとも思う。でも何だろうなぁ。この人のラフマってこんななんだよ!と力説するようなその人なりの色とか、突出した何か(要するに聴き手の心をぐわしっっと鷲掴みにするような何か)に欠けるような。。。ごめんなさい、ラフ3に関しても、私の耳は超ワガママなんです。ものすごく高い要求をしている自覚は、ある。

本選1日目聴いただけで気が早いけれど、今回、1位無しでないかな。コレ!っていうずば抜けた人がいないし…。私の好みからすれば、1位無し2位にゴルラッチ君って感じなんだけど、明日、本選2日目を聴いたらまた気が変わるかも。

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2006年11月24日 (金)

ラフ2 in のだめドラマ

今更ではあるが、のだめカンタービレLesson6「さらばSオケ!!涙の解散式&愛の2台ピアノ」を見た。

ナイス、ポエム佐久間。

じゃなくて。

千秋君、相変わらずドス効き過ぎ。

でもなくて。

本日のお題は「ラフ2 in のだめドラマ」である。
学祭の千秋君のラフ2はやたらのんびりだなー、まぁでもこれぐらいの腕前がむしろリアルかも…なんて思ってたけれど、なるほどこういうことでしたか、の2台ピアノのラフ2の超速っぷり。千秋君の方のテンポを落としとくと、のだめの演奏とのコントラストが分かり易いのね。
私としては、ラフ2を2台ピアノでやるとこうなるのね(多分違う)、と結構新鮮だった。
この演奏、一体どんな人のを使ってるんでしょうね。ちょっと気になります。気になるといえば、以前、のだめちゃんの弾く「悲愴」がそんなに「悲惨」に聴こえなかったのも気になったところ。もっとヘンテコリンなものを想像していたのだけれど。

さて、タ○レコ的のだめ推薦盤になってるお髭氏のラフマニノフですが。

B00013TCA0ラフマニノフ
ツィマーマン(クリスティアン) ボストン交響楽団 小澤征爾
ユニバーサルミュージック 2004-01-21

by G-Tools

ラフ2のテンポに関しては、お髭氏も、冒頭の和音はともかく、それに続くアルペジオ部分はじめ指周りのシンドそうな箇所はかなり速い。とにかく難所という難所でテンポが全く緩まないのがコワイです、私は。でもそれが演奏時間に反映されていないのは(演奏時間自体はむしろ他より長め)、またためるところを思いっきりためてるからだな。。。

ところで、大変どうでもいいことだけど、このラフマのジャケ写でお髭氏がお召しの服と、一番最近出たブラ1のジャケ写のお召し物、同じじゃないですか?気のせいかな~。。。でもなんか、背景も同じ気がしてきた…。もしかしたら、ブラ1は全然「近影」じゃないのかもしれない…(今はブラ1のジャケ写ほど髪の毛が黒くないような気もするしなぁ)。

B000BDJ3UOブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ツィマーマン(クリスティアン) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ラトル(サイモン)
ユニバーサルクラシック 2005-11-02

by G-Tools


さて、速いといえば、アンスネスのラフ2は満遍なく速い。千秋君のセリフじゃないけど、この曲をこのテンポで弾けるのか?って感じ。しかもこれ、ライヴレコーディングなんだよなー。オッソロシイ…。

B000B63IEIRachmaninov: Piano Concertos Nos. 1 & 2
Sergey Rachmaninov Antonio Pappano Berliner Philharmoniker
EMI 2005-10-04

by G-Tools


ところで、のだめついでの余談ですが、私は昔これ↓を聴いてのだめの演奏のモデルはアルゲリッチなのではないか、なんて思ったんだった。ショパコン3楽章の、なんか「誰にも止められません」って感じとかさ。。。

B00005FJM4ショパン:P協奏曲第1番
アルゲリッチ(マルタ) アバド(クラウディオ) ロンドン交響楽団
ユニバーサルクラシック 1999-12-22

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ちなみにアルゲリッチには上の盤よりもさらに奔放な録音もある。3楽章とか、いきなりギアがガッとトップに入る様が何とも面白過ぎ。

B00005N9F1Chopin: Piano Concertos
Fryderyk Chopin Grezegorz Nowak Witold Rowicki
CD Accord 2001-07-09

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相変わらず、話題が拡散し続け、タイトルからかけ離れたまま唐突に終わる。

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2006年11月23日 (木)

ネイティブスピーカーの単語力〈3〉形容詞の感覚

4327451436ネイティブスピーカーの単語力〈3〉形容詞の感覚
ポール・クリス マクベイ 大西 泰斗 Paul Chris McVay
研究社 2003-07

by G-Tools

著者の大西さんは、単語やフレーズの日本語訳を覚えるのではなく、その基本的なイメージを把握しよう、ということを提唱していて各種教材を執筆しているけれど、本書は形容詞に特化した本。シリーズになってて、動詞編なんかもあるらしい。

例えば「難しい」を英語で表現する際に、真っ先に頭に思い浮かぶのは「It's difficult.」だけど、「It's hard.」「It's tough.」その他諸々の言い方がある。果たして、そのニュアンスの違いは?
「複雑だ」という場合の、complexとcomplicatedの違いはどの辺りにあるのか?
「大変聡明な方です」という場合は、intelligentなのかsmartなのか。
「あの人、とっても魅力的!」には、attractiveを使うか、それともgorgeousを使うか。
そういう疑問に答えてくれる本である。

日本語だと似たような訳語になりそうな単語をグループ分けして、それぞれの語について、元々この語にはこういうイメージがあるからこういうニュアンスになります、こういう時に使えます、ということが例文とともに解説されている。例文が豊富なのが良い。ただ、発音記号が入ってないのがちょっと不便ではあるのだが。。。
グループ分けは、必ずしも意味がものすごく近いものばかりでもなく、結構大ざっぱなテーマによる場合も多いので類義語集的な使い方はちょっと難しいかも。

意外と馴染みのない語も含まれているので、ボキャビルに使えるかもしれない。ただ、なんらかの試験勉強には全く向きません。。。
私はとりあえず一読したので、洋書を読んでて思い出したらめくってみる、という使い方をしようかと思っている。本当は、洋書をザクザク読み進む中で自然とその手のニュアンスが身に付けばそれに越したことは無いんだけど。まぁ、たまにはちょっとズルをしてみるのも効率が良いかもしれない、などと思ってみたりするのである。

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第6回浜松国際ピアノコンクール #5

昨夜のうちに浜コンのファイナリストが出揃った。第3次予選審査結果

ファイナリストと本選の曲目一覧。

87 ワン・チュン ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
19 アレクセイ・ゴルラッチ ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番
37 キム・テヒョン ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
43 セルゲイ・クズネツォフ プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番
40 北村 朋幹 ラヴェル ピアノ協奏曲
70 ニコライ・サラトフスキー ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番

私の好みとは大分違う結果なんでございますが。。。

ゴルラッチ君が通過できたのは良かったと思う(ミスがあっただけに)。あの葬送ソナタ第1楽章だけで、ファイナル行ってくれ!って思いましたから。

タヴェルナさんが本選にいないのは、演奏はともかく制限時間オーバーが響いちゃったんだろう、ということにしておこう…(まぁ、彼はコンクール向きではない、とは思ってたけど。でも、あのペトリューシュカは抜群に面白かったです!と、もう1回声を大にして主張しておきます。ちなみにペトリューシュカは、のだめがマラドーナ・コンクールで2楽章を作曲して弾いちゃった曲なので、ご興味のある方は是非ご一聴のほどを。って「のだめ」を知ってる方限定の話題で失礼。でもタヴェルナさんって、のだめタイプなんだよな…)。

フアンチ嬢も残念だったなぁ。プロコ、トッカータを聴く感じでは得意そうな感じだったから、P協聴いてみたかったんだけど。

あ、チェレパノフさんのブラームスのバラードも聴いてみたけれど、丁寧に練られた感じの演奏で良かった。無神経な音が無くて良いです、ホント。彼はラスト1曲を弾かないで下がってしまったそうだけど、何があったんだろう…。

そんなこんなで、3次は本当に力演・名演揃いだった。コンテスタントの皆様、お疲れ様。惜しくも本選にもれた人も、またそのうちどこかのコンクールで名前を見かけるような気がします。頑張ってリベンジしていただきたいものです。
個人的には、バラ2とアンスピを聴く限り、フアンチちゃんに次のショパン・コンクール出場を期待してみたりして。

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2006年11月22日 (水)

第6回浜松国際ピアノコンクール #4

気が付いたら、浜コンが連載になっている。。。おかしいなぁ。連載にするつもりは毛頭無かったんだけど。
今までは、コンクールは本選聴きゃいいでしょ、なんて思ってたけれど、まさか予選がこんなに面白いとは思わなくてね…。

さて、3次はモーツァルトを入れることが必須になっており、それ以外は自由な1時間のリサイタル形式。とりあえず、聴けた分のみ。

26番 クレア・フアンチさん
・J. S. バッハ/F. ブゾーニ シャコンヌ
・ W. A. モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475
・F. ショパン ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
・M. ラヴェル 水の戯れ
・S. プロコフィエフ トッカータ ハ長調 op.11
ドレスが可愛い~。ながーくリボンを引きずる感じの素敵な衣装、似合ってます。
やっぱり、音の表情付けが上手い。簡単に流すところがなくて、一つ一つの音にちゃんと意味を与えている感じ。
シャコンヌが圧巻。モーツァルトは優しい、柔らかいタッチが魅力的で、「3次はモーツァルト必須」がアドヴァンテージになっている感じ。ただ、シャコンヌでエネルギーを使い果たしたのか、ショパンの3番は、、、彼女にしては(?)ちょっと荒かったかな(まぁ何しろ超有名曲なのでこちらの耳が厳しいってことはあるけれど)。水の戯れは、実に流麗に流れていった。トリのプロコは、、、凄まじかった。壮絶なテクの冴えに唖然呆然。っていうか、笑った(笑うところじゃない)。

19番 アレクセイ・ゴルラッチ君
・W. A. モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475
・L. ベートーヴェン ソナタ 第28番 イ長調 op.101
・F. ショパン ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35
実を言うと、2次の演奏はそんなに、、、だった。悪いというわけでは無くて、あくまでも私の琴線にはあまり…という感じ。前評判も高いし、見場も良いもんだから、天邪鬼な私はちょっと意地悪な気持ちで眺めていたということはあるんだけど。
だけど3次は、葬送ソナタ、出だしからやってくれたなって思いましたよ。昨今、私は誰かさんの超絶名演のせいで、滅多なことではソナタの2番を褒めない体質(?)になってしまってるけれど、ゴルラッチ君の演奏には冒頭からぐぐっと引き込まれた。音が、音楽が、、、ものすごく深い。煌びやかで艶やかで、スケールが大きく、しかも陰影に富んでいる。特に第1楽章に関しては、ちょっと文句の付けようが無い感じ。これで18だっていうんだからやんなっちゃうよなぁ。ただ、第2楽章で暗譜が飛んじゃったところがあったのが痛い。すごく、すごく勿体無い。審査に影響しないと良いけど。

87番 ワン・チュン君
・W. A. モーツァルト ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
・F. ショパン 12の練習曲 op.25
・O. メシアン 喜びの精霊の眼差し
うーん、3次までエチュードばりばりで押さなくても、、、って思うのって私だけか。テクニカルが達者なのは2次でもう十分アピールできてるんだしなぁ。しかし、モーツァルトとショパンとメシアンって、、、食い合わせが悪いような。

82番 アレッサンドロ・タヴェルナさん
・W. A. モーツァルト ソナタ 第17番 二長調 K.576
・L. ベートーヴェン エロイカ変奏曲 変ホ長調 op.35
・F. ブゾーニ ソナチネ 第6番「カルメンファンタジー」
・G. リゲティ 練習曲 第8番 金属
・G. リゲティ 練習曲 第13番 悪魔の階段
・I. ストラヴィンスキー  「ペトリューシュカ」からの3つの断章
この人は、ピアニストである前に音楽家であると思う。コンクールで優勝するようなタイプのピアニストではないと思うけれど、好みからすると一番好きかもなぁ。演奏会があったら行ってみたいって思うし、きっと楽しませてくれるハズって思わせるものを持っている。
ニュアンスがとても豊かで生き生きしているし、イタリア人らしい(というと単純に過ぎるけれど)歌心が本当に素敵。モーツァルトなんか、聴いてるとついニコニコしてしまうし、「カルメンファンタジー」のメロディを歌うところなんか、笑っちゃうくらい(だから笑うなって)朗々としてて良い。かと思って油断してたら、リゲティ、バリバリ&キレキレやんか…。そして、トリのペトリューシュカ。うわー、きたきたきたきた!(←大喜び)意外や意外、鬼か悪魔かって感じの、すんごいヴィルトゥオーソでございますよ。コンクールでこの曲をこれだけ楽し気に、縦横無尽に弾けるあなたが大好きです、と思わず告白タイムに突入の私。
ちょっと時間オーバーしてて見てる方がドキドキしてしまったけど、どこ吹く風って風情でやりたい放題なのがいやもう素敵過ぎ(本人気付いてなかったのか、内心ドキドキだったのか、本当に気にしてなかったのかは不明だけど)。

61番 ディナーラ・ナジャーフォヴァさん
・W. A. モーツァルト ソナタ 第10番 ハ長調 K.330
・S. タネーエフ 前奏曲とフーガ 嬰ト短調 op.29
・P. チャイコフスキー ノクターン op.10-1
・F. ショパン 12の練習曲 op.10
実は、こういうウェットに濃厚なタイプはあまり好みではないんだけど(純然たる好みの問題ですが)、ショパンの練習曲は非常に聴き応えがあった。美しく音楽的。こういうのを機械的なテク自慢ではなく、面白く、魅力的に聴かせることができるというのは大したものだと思う。

40番 北村 朋幹君
・J. S. バッハ イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV808
・W. A. モーツァルト ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
・J. シベリウス 5つの小品 (樹木の組曲) op.75
・R. シューマン 花の曲 op.19
・R. シューマン ウィーンの謝肉祭の道化芝居 (幻想的情景) op.26
この人もモーツァルトがアドヴァンテージになっている。クセのない、気品のあるモーツァルト。後半よく知らない曲ばかりなのでコメントしにくいけれど、全体的にデリカシーと繊細なニュアンスに溢れる演奏という印象が強いかな。結構パワーがあるのも分かるんだけど、ちょっと小奇麗にまとまり過ぎているような。。。といっても、ナヨっとした軟弱さはなくて、音が引き締まってて端正な感じ。もう少し個性がばきっとしてくるということ無いけれど、なんといってもまだ15歳。10年後(といってもまだ25歳だ)、彼は一体どんな演奏をするんだろう。

あと数人聴きたい人はいるけれど、とりあえずこの辺で。そろそろ本選出場者も発表になるし。

ここまでくると、私としてはテク的にはもうどうでもいいっていうか、皆さん一定水準は軽々クリアしていると思うので、あとは音楽性が好みにあっているか否かって感じになってくるような。順位つけるのもなんだかなって気がしてくる。

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2006年11月20日 (月)

第6回浜松国際ピアノコンクール #3

既に、3次に進むコンテスタントが発表になっている。第2次予選審査結果
うーん、なんか次の段階に進めるか否かって紙一重って印象。お気に入りのコンテスタントが入ってない!と憤慨している人もいるだろうなぁ。。。

とりあえず、2次雑感。
1次よりも時間が長くてミニリサイタルみたいな感じで、その人の個性や長所がより明確に見えてきて面白い。曲も重量級のものが多くて、弾く方はものすごくハードだろうし、聴く方も大変だけど。

相変わらず、行儀悪くザクザクとつまみ食いをしていて思ったこと。
基本的に皆さん若くて上手だし音楽性も豊かなもんで、緻密な耳を持たない私としては聴き続けていると段々よく分からなくなってくるんだけど、それでもやっぱり、この人のことをもっと知りたい、他の曲はどういう風に弾くんだろうって思わせる人と、そうでない人っていうのは分かれるもんだな、と。もちろん、ほとんど好き嫌いの世界だけど。

私が3次の演奏を楽しみにしているのは、大体以下の皆さん。

10番のエフゲーニ・チェレパノフさん
やっぱりリストのロ短調ソナタに尽きる。丁寧に、真摯に音楽に相対してる感じ。

26番のクレア・フアンチさん
エチュード類のどこまでも達者な指さばき(超絶軽やか!)も素晴らしいと思うけれど、個人的白眉はアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。ポロネーズのリズムも素晴らしいし、本当に緩急自在といった感じ。歌い回しはかなりたっぷりしているところもあるけれど、作為的・イヤらしい感じにはならず、清涼感があって好感度大。打鍵はとてもしっかりしてて響きも綺麗だし、羽が生えているかのような印象がある。ひらりんひらりん。それでいて、ドガガガガがっと勢いよく弾く部分の迫力も申し分無し。
3次のバッハ=ブゾーニのシャコンヌ、ラヴェルの水の戯れあたりがすごく楽しみ。もちろん、ショパンのPソナタ3番も。

40番の北村 朋幹君
透明感のある、綺麗な世界を作れる人だと思う。線が細いと思ってたけれど、2次を聴いたら意外と迫力の演奏。

82番のアレッサンドロ・タヴェルナさん
どことなく、キャンデロロにイメージが被る。←個性的でチャーミング。
三次のプログラムに「ペトリューシュカからの3つの断章」が入ってて、イメージにぴったりで笑った。いーじゃないすか。この人、自分のことをよく分かってそうな気がする。

ところで3次のプログラム、ショパンのエチュード全曲(12曲)とかいう猛者がいますね、しかも2人も。。。

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2006年11月18日 (土)

第6回浜松国際ピアノコンクール #2

今日は、2次予選の2日目を聴いていたけれど、合間とか終わってから昨日の分や1次予選のストリーミングをボチボチと聴いてみた。相変わらず、ランダムにつまみ食いです。
とりあえず、1次の雑感メモのみ。

19番のアレクセイ・ゴルラッチ君。
疾走感のあるベートーヴェンのテンペスト。英雄ポロネーズはダイナミックだし適度にケレンもあって、良いですねぇ、この、ダダダダダっとたたみかける雰囲気。アラはあるけれど、気にならない感じ。

82番のアレッサンドロ・タヴェルナさん。
2次が良かったので1次も聴いてみたら、やっぱり好みかも。モーツァルトのソナタはロマン派的というわけではないのに、味わいのある、ちょっと独特の雰囲気。アルカンのイソップの饗宴は初めて聴く曲だったけれど、面白かった。表現の引き出しの多い人だという印象。

26番のクレア・フアンチさん。
バラード2番、情感が豊かで音のレインジも広くて、なかなか良いんじゃないでしょうか。非常にメリハリの利いた演奏で、フレージングにも説得力がある。

40番の北村朋幹君。
緩みのないキラキラした音色で、粒立ちがキレイ。全体的に大分重心が軽い印象。協奏曲、大丈夫かな?

2次については、また今度。
明日はリアルタイムで聴けないから、夜中にまとめて視聴かも。ひー。

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第6回浜松国際ピアノコンクール #1

ブレハッチ好きには馴染みの深い浜コン(ブレハッチさんは前回の浜コンの1位無しの2位)、今、まさにたけなわって感じである。昨日、今日、明日と、 2次予選中。

ブレハッチに限らず、浜コン入賞者というのは後々出世するケースが多いと思うのだけれど(ブレハッチ、コブリン、上原さんはそれぞれショパコン、クライバーン、チャイコンを制覇。あと誰かいたっけ)、そういう意味ではこのコンクールは本当に良い「踏み台」になってるようで何よりである。

ちなみに私は第4回の覇者・ガヴリリュク君も結構好きだったりします。

現在、コンクールの模様をストリーミングで流してるけれど、既に終わった演奏も聴くことができる(ただ、昼間、ライヴでコンクールの様子を流してる間は、その前の段階の予選の動画は配信しない模様)。去年のショパンコンクールのストリーミング配信も非常に話題になったけれど、最近ではコンクールも本当にハイテクになったもんだなぁ。
コンクールはえてして審査の公平性がどうのといわれることが多いので、こういうオープンな姿勢は良いですね。

満遍なく聴いてるわけではなく、本当につまみ食い状態なのでアレだけど、さしあたり「おっ」と思ったのが、10番のエフゲーニ・チェレパノフさん。すんごい立派なリストのロ短調ソナタであった。

それにしても、皆さん、上手い。
ただ、ショパン・コンクールと違って、色々な作曲家の曲を弾かなくてはいけないから、作曲家による向き不向きとか、こっちは良いけどあっちは駄目とかが結構あって、これは審査する側も大変そう。
私は段々、何が何だか分からなくなってきたよ…。

2次の課題のショパンの練習曲は、10-1が人気かな?
3度のエチュードやろうっていうチャレンジャーな人はさすがにいなそう…って思ってたらいたよ!43番のセルゲイ・クズネツォフさん。メインはショパンのPソナタ3番ですかー。果敢だ。

さて、午後の部も聴こうっと。

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2006年11月16日 (木)

English Journal 2006年12月号

B000JMK7JSENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2006年 12月号 [雑誌]
アルク 2006-11-09

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別にヒュー・グラントが目当てというわけではなく、イギリス英語特集ということで買ってみた。
最近、○○英語というのが流行りなのかしらん。新TOEICのリスニング対策ということで、各種アクセントに関心が高まっているのかもしれない。
付録のCDは、イギリス&アイルランド各地で行ったインタビュー集。

English Journal、別売りのCDもあるけれど(こちらにヒューのインタビューなんかが入っている)、ちょっと高いのが難である。

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2006年11月15日 (水)

ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話

ここのところ、英語を読まずに日本語ばかり読んでてあまり良い傾向ではないのだけれど。

4141892750ハートで感じる英文法―NHK3か月トピック英会話
大西 泰斗 ポール・マクベイ
日本放送出版協会 2005-12

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これ、結構人気のある本らしい。タイトルが微妙にトンデモ系な雰囲気を醸し出しているけれど、内容はまっとうである。
訳文の丸暗記ではなく、その語・フレーズの最も根本的な意味を提示し、英語ネイティブがどんなイメージを抱いているのかを中心に説明がなされている本である。
例えば、未来を表す表現、willとbe going to~とbe ~ingのニュアンスの違いなど、学校ではあまり教えてくれない内容が多い。
また、前置詞の基本イメージの説明と、その意味がどのように派生して色々な意味を生んでいくかという解説も面白く分かり易かった。
網羅的な文法書ではないので、読み物としてざらっと読むのが良いかも。内容は易しめ。

次は同じ筆者の形容詞編を買ってみようかな。ただ、英語は英語で勉強しようと思ってる私としては、この手の本はちょっとズルをしているような気持ちにならないではないのだけれど…。

4327451436ネイティブスピーカーの単語力〈3〉形容詞の感覚
ポール・クリス マクベイ 大西 泰斗 Paul Chris McVay
研究社 2003-07

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2006年11月14日 (火)

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2006年日本公演 in 横浜みなとみらいホール

<プログラム>
バラード 第3番 変イ長調 op.47
24の前奏曲 op.28より 第1番 ハ長調 ~ 第12番 嬰ト短調
ポロネーズ 第7番 変イ長調 op.61「幻想ポロネーズ」
休憩
3つのマズルカ op.50
1.ト長調 
2.変イ長調
3.嬰ハ短調
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58
アンコール
マズルカ op.17-2
小犬のワルツ
マズルカ op.17-4

座席:2階右手バルコニー舞台に近め


CDは大体持ってるけれど、ブレハッチのコンサートは初めて。思わず、双眼鏡でクマの有無を確認してしまった…。

CDとは、というか、ショパン・コンクールの演奏とはイメージが全然違った。

バラ3聴くなり「あれ、こういう音の人だったかな」と少々面食らった私。音色の印象が大分違う。
コンクールの時の、痛々しいくらいにピーンと張り詰めた雰囲気がなくなっているのは当然としても、フォルテがよく鳴っていて「繊細で線が細い」というイメージを持っていた私には、ちょっと意外だった。本人のスタイルが少し変わったのかもしれないけれど、ピアノ(楽器)や調律のせいかもしれないし、ホールの音響の具合でそう聴こえたのかもしれない(みなとみらいは、ちょっと大味に響き過ぎなような気がするし)。

外的な要因はさて置いても、考えてみればブレハッチはまだ21歳である。改めて考えてみるまでもなく、本当に若いピアニストなのだ。日々めまぐるしく変化(進化)中、で当たり前。

音楽的には全く文句が無い。
もちろんこれで完成形ってことでは無いだろうし、これから表現にどんどん深みを増していく余地はおおいにあると思うのだけれど、だからといって、聴いていて、ここが食い足りないとかあそこが物足りないとか「この年齢にしては立派だね」とか、思わないんだよなぁ。ブレハッチの演奏は、音楽があるがまま、こちらの中にスルスルと流れ込んでくるような感じがあるんだけど、それは、彼が常にショパンの「歌」の部分をしっかり捕まえていて、決して核心を外すことが無いからなんだと思う。

端正でノーブルな雰囲気は相変わらずなんだけど、全体にフレージングの振幅が大分大きくなっていたり、軽妙さや洒脱さが加わっていたりして、やっぱり日々めまぐるしく(以下略)。特にアンコールの「小犬のワルツ」なんかは、結構奔放な印象。ブレハッチ、実は私が思ってたほどは、(演奏は)控え目でも優等生でも可愛くもなかったのかもしれない(「可愛い」というのは必ずしも褒め言葉ではありません、念のため)。

終演後は、ロビーでサイン会があった。サインをもらうのにCDを買う必要も無く、写真もOKと随分寛大だったけれど、ものすごい長蛇の列になってしまっていた。「明日名古屋公演なのに、手大丈夫なのか?そもそも、明日の午前中移動で大丈夫なのか?」とか心配になってしまったけれど、私も列に並んでサインをいただいてきました。ごめんなさいね、疲れてるのに…。
ブレハッチさん、プログラムにサインしてこちらに差し出す時に、顔を上げてニッコリしてくれましたよ。

さて、彼はどのように成長していくのだろう。
思わず「髭師匠、なにとぞよろしくお願いします」とスイスの方を向いて拝みたくなるけれど(あれ、今はどこにいるんだっけ…)、髭の君の場合、誰に何を言われなくてもマメに世話を焼いてるんだろうなぁ、きっと。


コンサートにご一緒いただいたKサマ、お世話になりました。なんか調子にのってしょうもないことをいっぱい喋ってしまったような記憶が…。。。懲りずにまた、よろしくお願いします。

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2006年11月 5日 (日)

姑獲鳥に会う

4061824384邪魅の雫
京極 夏彦
講談社 2006-09-27

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読み終わった感想ではなく。
読んでも読んでも何がなんだか分からない、という嘆きでもなく。
ここのところコレを読んでるおかげで英語が読めない、という愚痴でもなく。
実は「邪魅の雫」とはほとんど無関係なネタです。

江戸東京博物館の「ボストン美術館 肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」で、思いもかけず"姑獲鳥"に会いましたぞよ、というお話。チラシの載ってるのでご存知の方も多いかもしれないけれど、鳥山石燕の《百鬼夜行図巻》が出ているのである。私は全然知らないで行って見てビックリだったんだけど、思わず「おお、下半身ちゃんと血まみれだわ」と妙な感心の仕方をしてしまった。

展覧会は2006年12月10日(日)まで。

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2006年11月 4日 (土)

楽器というのは「手段」であって「目的」ではない、とはいえ…

Z氏インタビュー雑感。

私はかつてヴァイオリンをかじっていた(すっかり過去形)ので、自分の楽器を持っている。ただ、現在はそれを人に貸してて平素は思い出しもしないくらいなので、マイ楽器に対する執着は極めて薄い方である。我ながらひどい持ち主だと思う。

だけど、そんな私ですら、楽器ケースが電車の網棚にのせられているのを目撃したりすると「信じられん!」とびっくりするし、楽器をコインロッカーに預けるなんて話をきくと、言語道断だと思ったりする。地べたにケースを置くのすら、ちょっとどうかと思う(友人の知人で、地面に楽器ケースを置いてて、目を離した隙にバックしてきた車に轢かれたという話をきいたので。そうでなくても、不用意に下に置くと見知らぬ人に蹴りを入れられたりするんですよ…)。

なんか話がズレてるけれど、要するに何が言いたいのかというと、演奏家にとって楽器というものが命の次くらいに、もしくは3番目くらいには大切なものであろうことは容易に想像できる、ということ。ヴァイオリンとピアノとでは多少事情や思い入れの度合いが異なるだろうけれど、どちらにせよ自分の楽器というのは大事な物には違いない。

だから、ピアノを壊された、なんて話を読むと本当に胸が痛むし、他人事ながら悲しくなる。不可抗力ならまだしも、わざわざピアノを破壊するなんていうのはほとんど焚書みたいなもので、完全に野蛮人のすることだと思うんだけどなぁ。

今回インタビューを読んでてしみじみと思ったのは、ツィメルマンという人は、精神的に強靭でポジティヴなんだな、ということである。根が明るいというか。これは演奏聴いてても思うことなんだけど。
普通、こういう事があったら「コンサートなんか止めた止めた!!」となったり、下手すれば厭世的な気分になっても無理は無いだろうに、などと思うのは素人考えなんだろうか。もちろん、お髭氏といえど、その時々では(もしかしたら猛烈に)怒ったり悲しんだり落ち込んだりしてるんだろうけれど、結果的にはしっかり仕事をしてるあたり、偉いというか立派というか存外図太いというか。もちろん、プロだから当たり前という意見もあるだろうけれど、「プロここに極まれり」なミケランジェリあたりだったら即ツアーキャンセルじゃなかろうか、などと思ったりもするのである。これ、比較対象がマズイですかね(というよりも、ミケさんは「プロ」ってのとはちょっとニュアンスが違うかも…)。
単純に国籍で物事を判断するのはあまり好ましいことではないとは思うけれど、そういう強さというのはやっぱり腐っても(腐ってません)ポーランド人気質のなせる業なのかな、などという考えもチラとよぎったりしたのである。

ところで、インタビュー中で言及している「最近練習している協奏曲」ってルトスワフスキですかね、やっぱり。

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2006年11月 3日 (金)

Krystian Zimerman speaks #3

引き続き、インタビュー部分。

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Krystian Zimerman speaks #2

続き、インタビュー部分。

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