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2006年12月 9日 (土)

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2006年日本公演 in 宮城県民会館

<プログラム>
バラード 第3番 変イ長調 op.47
24の前奏曲 op.28より 第1番 ハ長調 ~ 第12番 嬰ト短調
ポロネーズ 第7番 変イ長調 op.61「幻想ポロネーズ」
休憩
3つのマズルカ op.50
1.ト長調 
2.変イ長調
3.嬰ハ短調
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 op.58

以上、オールショパン。


ちょっと時期を外しててすみません(そんなんばっかり…)。
睡眠時間3時間(+移動中仮眠2時間弱)でコンサートに行くのはできるだけ避けた方が良いっていうのは私だってよく分かっている。しかも寝不足だけではなく、喉までイガイガしていたので、はっきりいって、コンサートに行く体調としてはかなり最悪に近かった。でも頑張って行ったきました、ブレハッチ君の日本ツアーファイナル(遠征したんですか?とか突っ込まないで下さい。よろしく)。

当日券を買ったのだけれど、関係者席の直前放出か?という感じのとても良い席だった。結構前方の席で、ピアノの音がよく聴こえる右側のブロック。ちなみに、私のすぐ近くにブレハッチパパ&ママがお座りでしたよ。パウリナちゃん(妹さん)はいなかったけれど。

ざっくり感想。

前半よりも後半の方が良かったと思う。尻上がりに調子が上がったのか、それともピアノが徐々に鳴るようになっていったのか。

とにかく、高音域が綺麗で惚れ惚れする。高音に限らないけれど、ピアノの響きを本当によく聴く人である。ペダルを長く踏んでびぃぃぃーんと鳴らし続けるところとか、こちらも思わず聴き入ってしまう。

・バラード3番
みなとみらいの時も思ったけれど、一発目にバラ3というのはどうなんだろう。余計なお世話なんだけど、もうちょっと準備体操的な曲にした方が良いと私は思ってしまったのだけど。サロン的に優美な演奏で、これといって文句があるというわけではないのだけれど、お客さんが入ったらリハの時と音響が大分変わるだろうし、本人もピアノもあたたまってないだろうから、一曲目というのはどうしたって手探りになるんじゃないかとか、いらん想像をしちゃってどうも素直に聴けないのですよ。。。

・24の前奏曲より1~12番。
全曲ではなくてきっちり前半分っていうのは、聴かせる方としては構成面で難しいかもしれない。曲と曲の間を開けずに、前の曲の最後の音にかぶせるようにして次の曲に入るなど、ブレハッチはかなり連続性を持たせて演奏してたけれど、そういうことであれば12番で終わりではなくて、全曲聴きたいような気がする。
基本的には、軽やかで正統的な印象。この人の演奏って、何をやってもケレンに聴こえないのが不思議。必ずしも模範演奏ってわけでもなくて、スタッカート(ノンレガート?)やノンペダルの表現とか、意外と芸が細かくて色々工夫しているとは思うんだけど。
あと、生真面目で真摯な雰囲気の中、時々ふっと肩の力が抜けるような、緊張がとける瞬間があって、それが心地よい。そういう時のブレハッチにはちょっと飄々とした雰囲気が宿って、「ああ、こういう表情をするのか」(顔はあまり見えないけれど)とちょっと新鮮でもあった。
時々、「誰かがピアノを弾いている」ではなくて、音楽が自ら沸き出でてくるかのような、そういう瞬間がある。例えば、8番なんかは、ぶわぁぁぁっと音が泉のように溢れ出てくるようで感動的だった。

・幻想ポロネーズ。
実は、この曲は私にとってよく分からない曲なので、あまりまともなコメントができない。色々なイメージが入れ替わり立ち替わり現れては消えていくかのようで、何とも掴み所が無いような印象を受ける。単に予習不足ってだけだと思うけれど(予習で聴いた演奏がまたえらくつまらん演奏で、、、っていうのはあまり関係無いか)。
だから一言だけ。
彼の幻想ポロネーズには、泣きたくなるような切なさがある。

休憩

・マズルカ
ブレハッチのマズルカは、「美しい」路線であればこれ以上のものは無いのではないか、と思わせる。民族色と洗練美というのは、なかなか両立しないものだと思うけれど、ブレハッチのマズルカにはその両方があって、非常に理想的に響く。同じ曲を聴いたわけではないから比較するのもどうかと思うけれど、髭師匠のマズルカよりもマズルカを聴いた、という気分になるような気がするかも。

・ピアノソナタ第3番
出だしを聴いて「あ、コレだ、この音がブレハッチの音だ」と思った。ブレハッチらしい、と私が思っている音である。そういう意味では、前半と後半で少し音色の雰囲気が変わったような気がする。ホールとピアノに合わせて調整したのかな?
コンクールの時よりも、ライヴっぽい熱っぽさのあるソナタだった(というか、コンクールの時はかなり安全運転だったのかも)。

・英雄ポロネーズ。
アンコールに一曲マズルカを弾いた後に、何を弾くんだろうと思ってたら英雄ポロネーズだった。体力大丈夫か?!とまたいらん心配をする私をよそに、毅然かつ高貴、汚れなき魂の、高潔な英雄の姿が見えるような演奏でコンサートをしめくくったラファウさん、とにかくお疲れ様でした。


まぁなんというか、大分疲れていたんじゃないかな、とは思う。もちろん、体調管理をきっちりするのはプロである以上当たり前だけど、新潟→仙台の移動で連日コンサートはちょっと可哀相ではないかなぁ。
「ただ今売り出し中」なのは分かるけれど、あまり馬車馬のように働かない(働かせない)ようにしていただきたいものです。

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Pianist: Rafał Blechacz」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
宮城レポート、待ってました。
やっぱり最終日、ブレハッチさん自身にもエネルギーを使い切ってしまっても大丈夫って気持ちがあったと思いますし(アンコール、英雄ポロネーズだったんですね。そこにも現れてると思います)、私も聴きたかったです。

ブレハッチの弾くマズルカって、高貴なところと土着的なところの弾き分けが絶妙ですよね。なんであんな風に、自然に歌うように踊るように弾けるんだろうと思います(で、私が弾くとどうしてこんなにコケる感じなんだろうと凹みます。泣)
ソナタが、コンクールの時は安全運転だったのかも?っていうのは同感です(笑)。実際どうなのかはわかりませんけど、今回のツアーでは熱かったですよね。

馬車馬のように…ああ〜、ほんと働かせないでもらいたいです。今の日本は長期的に物事を見れなくなってますからね。将来もっと稼げるようになるかもしれないんですから(笑)、今は大切に育ててほしいです。

投稿: かねこ | 2006年12月10日 (日) 14:07

すみません、お待たせしてこんなんで(^^;)。

「英雄ポロネーズ」は客席が盛り上がりますね。やっぱり人気があります。

マズルカをいささかの違和感も無く弾きこなすというのは、プロの方にとっても至難のわざではないかと想像します。私は今まであまり良いマズルカの演奏に出会ってなかったせいか、マズルカってちゃんと聴いてこなかったのですが、ブレハッチさんの演奏だったら全部聴いてみたいです。マズルカ集出してくれないかしら~。

2、3回のコンサートでさっくり帰られちゃうのも寂しいものですが、あまり長いツアーでも心配になってしまいます(^^;)。
サバティカルとったり、コンサート活動を減らしたりするのって勇気がいるでしょうけれど、たまには音楽以外のこともやりながら、焦らずじっくり歩んでいってもらたいですね。

投稿: 青猫 | 2006年12月12日 (火) 18:49

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