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2007年2月 5日 (月)

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル in 水戸芸術館 #2

なぜかとんでもなく長くなっちゃったので、2つに分けました。

後半。
・ムソルグスキー:組曲<展覧会の絵>
はっきり言って、この曲については期待してなかった。
こういう大仰でケレン味溢れる曲というのは、アンスネスには合わないと思っていたから。
ところが、である。
素晴らしかった。
ゴージャスだった。

とにかく、それぞれの曲の性格の弾き分けが見事だった。
変幻自在、縦横無尽。
アンスネスの演奏は映像的である、というとワケが分からないけれど、それぞれのテーマとなっている情景がちゃんと目の前に浮かんでくるのである。
「テュイユリー公園」の、まるで珠を転がすかのような軽やかさと柔らかさといったら!本当痺れましたよ。
5つある「プロムナード」は、馴染みのあり過ぎるメロディだから陳腐でつまらなくなりそうなものだけど、どれも表情がガラリと違ってて感心させられた。
「キエフの大門」は、和音の響きがとにかく厚くて、意外なほどにパワフルでスケールが大きかった。
まさに、大クライマックス。
本当にお手本のような盛り上げ方で、組曲として、完璧な設計という印象だった。


全体に共通する印象としては、テクニックを誇示することは全くなくて、非常に自然な音楽作りをしているということ。
まぁでも、本当、バカみたいに上手いし、軽やかなのに安定感抜群でもある。
リズムその他、非常に正確で甘さが無いし、もたついたり足取りが重いということがまず無い。
あと、響きのコントロールが図抜けていると思った。
音色がものすごく多彩だし、ペダリングもすごく細密で、音の減衰の仕方なんかも素晴らしくキレイ。
また、細部の緻密さと、全体のスケール感とのバランスがとても良い。

とまぁ、良いところはいくらでも挙げられるんだけど、何よりも、虚飾が無いのが良い。
あの限りなく誠実な音楽に、、、感動を覚えた。

そんなわけで、本編だけでも、なんか危ないなー、大分ヤバイかも、という気分だったんだけど、まだね、アンコールがあるんですよ。

モンポウの「湖」は、「面白い曲だな」と思って聴いていたのだけれど、とどめはリスト。
「ヴァルス・アンプロンプチュ」が!
すごかった!!

信じられないほど流麗で軽やか、限りなくエレガントで、どこか洒脱。
そして、愛らしく可憐。
夢のような、というか、お花飛んでましたよ。
思わず、心の中で「ありえーん!なんだこれー!」と絶叫した私。

…なんか、アンスネスの魔法にかかってしまったかもしれない。

アンスネスが良い人オーラを振りまきつつカーテンコールに応えて退場した後も、しばらくぼーっとしてしまった。

以下、ミーハーなサイン会メモ。

ぼっとしててちょっと出遅れたけれど、こんなこともあろうかと思って持参したリストのCDを手に列に並んだ。

アンスネス、非常にあっさり再登場。
うわぁ、にこやかですごく気さくな感じ。
見るからに取っ付き易そうで、なんだか近所のお兄さんって感じである(誰ですか、「オッサン」とか言ってるのはー)。
水戸芸術館はキャパが小さいからものすごい長蛇の列ということもなく、そんなに待たずしてアンスネスとご対面とあいなった。

つい「ベートーヴェンに感動しました」というと、「Beethoven!Oooh、thank you」と、ふにゃっと嬉しそうに笑って応えてくれた。ベートーヴェンは「incredible music」だっていってましたよ。

無事サインも貰ったけれど、何となく名残惜しかったので、CD売り場でアンスネスを横目で眺めながらCDを買って帰ろうかグズグズと悩んでいたら、列も大体はけてきて、サイン会も終了間近。
ありゃ、これはなんだかお見送りモードだわ。

そんなわけで、控え室に戻るアンスネスの後姿を、何とはなしに見送ってたんですわ。
そしたら、アンスネスさん、くりっとこちらを振り返って、ニッコリ笑い、、、去っていったのであった。

…魔法のダメ押しですか???

しばらくうっとりモードからぬけだせないかも。。。

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Pianist: Leif Ove Andsnes」カテゴリの記事

コメント

青猫さん、こんにちは〜。うふうふ〜。
アンスネスの魔法にかかりましたね?
感想読みながらこっちまでニヤニヤしてしまいました。
私は明日までおあずけです。リサイタル聴くのは5年ぶりなので、ますます磨きのかかっていそうなアンスネスのピアノに酔いたいと思います。

投稿: かねこ | 2007年2月 5日 (月) 08:43

かねこさん、こんにちは。
ふふふ~。←不気味。

アンスネスってよく来日しているイメージがあったんですが、リサイタルって5年ぶりなんですね。
ええと、私はアンスネスのCDの独奏はリストしか持ってないんですが、CDで聴くよりもずっと良いと思いました。それが、目の前で弾いてるというインパクトのせいか、曲目のせいか(向き不向きとか)、元々ライヴが良いピアニストなのか、日々これ発展で「今」が一番良いということのか、その辺はよく分かりませんが、ライヴでガッカリしないというのは、私にとってとても大事な要素なんです。
ともあれ、アンスネスはこれからどんどん素晴らしくなるでしょうけれど、36歳(37歳?)の演奏をしかと見届けられたのはとても幸せなことだな、と思います(^^)。
かねこさんも、アンスネス週間、楽しまれて下さいね~。

投稿: 青猫 | 2007年2月 5日 (月) 16:02

パッションにあふれた記事楽しかったです~
こういうの読むと俄然聞きたくなります~
でもちょっとライブはムリですから、CDかなあ。
自分で好きで今の場所に住んでいて、およそ満足してますが、こと音楽会や、お芝居や映画、展覧会の事を思うと首都圏近くに住んでたら良かったな~とちょぴっと思わないでもありません(^^)

投稿: すなみ | 2007年2月 6日 (火) 08:42

あれ、あれれれ~~~。
何をぽや~んとしてらっしゃるんですか?
見えてますよ~(笑)。

アンスネスさん、最近音楽雑誌等でよくお見かけしてて聴いてみたいとは思ってたんですが、関西方面はこの連休で私の行きたいコンサートが3つも(含アンスネスさん)あって、そこを1本に絞ってチェロのマリオ・ブルネロさんのチケットを買ってしまいました~。

しかし、青猫さんの記事を読むとお尻がムズムズ・・・どうしよう(汗)。もう終わってれば、諦めもつくものを~~~(煩悩)

投稿: petit viola | 2007年2月 6日 (火) 10:31

すなみさん、こんばんは。

パッションですか(^_^;)。ちょっと浮かれてますかね。
アンスネスさん、今回は関東と大阪だけですからねぇ。。。もう少し偉くなったら(?)、もっと色々なところをまわってくれると思います。
CDはどれが良いのかしら。バルトークのP協は、お髭の君も一緒なので、今ならお得な気分で聴けるかも(笑)。
どなたかお勧めを教えて下され~。

petit violaさん、こんばんは。
あははは。色んな意味で、ちょっと蕩けましたヨ…。安っぽい「癒し系」なんかじゃなくて、聴き手を幸せにする人だと思いました。
アンスネスさん、マリオ・ブルネロさんに負けてしまったんですね(笑)。コンサートって重なる時は重なっちゃうんですよね。。。
でも、コンサートは一期一会ですよ~、次いつ来るんでしょうね~と、そっと背中を押してみる(意外とすぐ来たりして(笑))。

投稿: 青猫 | 2007年2月 6日 (火) 22:02

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ブックマークさせていただいてるブログの アンスネスの来日公演の感想の記事にリンクを貼っておきます。 (↑後で自分が読み返したいから) 青猫さん@英語めぐり レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル in 水戸芸術館 #1 レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル in 水戸芸術館 #2 レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル in 彩の国さいたま芸術劇場 青猫さんにもお話ししまし�... [続きを読む]

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