アンデルジェフスキ「ショパン・リサイタル」
Chopin: Ballades; Mazurkas; Polonaises Fryderyk Chopin Piotr Anderszewski Virgin 2004-01-13 by G-Tools |
半分ポーリッシュだからショパンを弾いて当然、などという簡単な人ではないようだけれど、それでも出したショパンアルバム。
マズルカ 作品59
第1番
第2番
第3番
マズルカ 作品63
第1番
第2番
第3番
バラード第3番
バラード第4番
ポロネーズ第5番
ポロネーズ第6番「英雄」
マズルカ 作品64-4
選曲がなかなかユニークというかコアというか。
いわゆるショパン名曲集みたいなモノとはちょっと毛色が違う。
なんていうかな、、、媚が無い。
売る気は無いけど、やる気満々ってところだろうか。
第一印象は、ああショパンらしいショパンだなぁと思ったのね。
マズルカはマズルカらしく、ポロネーズはポロネーズらしい。
機械的にならず、リズムが自然。
特にマズルカが良いと思う。
というよりも、このアルバムは、マズルカをこそ聴くべきなんだろうなと思う。
哀愁と憂いを帯びた、繊細な演奏。
味わいや、親密さも感じさせる。
何となく「夜中にお家で弾くショパン」な感じかも。
ポロネーズは、民族的な泥臭さとは別方向で、嫋々といった風情で泣きが入っている。
雄々しい感じではないのが好みの分かれ所かな。
フォルテをそんなに張らないので、若干腰が引けてるような感じが無きにしもあらず。
バッハやベートーヴェンを聴くと、こういうもってまわった感じは全然無いんだけど。。。
ただ、非常にメロディアスで優美さのあるポロネーズではある。
バラードを聴いてて思ったのは、左手の主張が強いということ。
バッハ弾きだから、ということなんだろうかなぁ。
左手がメロディを作ってるようなところもあって、面白い。
バラ4は、非常にポリフォニック、といえば良いのかな。
巷には、主旋律以外は全部伴奏っていう演奏も結構あるんじゃないかと思うけれど、そういうのの対極にある感じ。
大分、色々な旋律が聞こえてくる。
といっても、(某K氏のように)ありもしない(?)旋律を捏造しているわけではなく、主旋律以外の音の、横のラインをものすごく丁寧に捉えて、全てに意味を与えて演奏している感じ。
あの複雑な音の海の中から複数の旋律が鮮やかに立ち現れ、絡み合う様にはちょっとゾクゾクする。
それでいて、無駄に分厚くゴージャスな響きになってるというわけでもないし、主旋律はしっかり立っているのが立派というか。
これは、もんのすごい技術じゃないでしょうかね。
個性的なショパン、とはちょっと違うと思うけれど、よくよく聴くとかなり普通じゃない、ような気がしてくる。
やっぱりこの人、面白い。
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コメント
今日は。
だ、大丈夫なのですか?腱鞘炎になるほどピアノを練習されたのですね。すじこの食べすぎ・・・(ちょっぴり・笑)いや、笑っちゃいけません。胃が痛いのは辛いですから。お首も捻挫もどうぞ、どうぞお大事になさって下さい。くれぐれもご無理なさらないように、そういう時は焦らずじーーーっとしてる方が良いのですよん。
ところで、私もなんだか手の具合が良くないみたいで、気付いたらポチって。無意識のウチに手が勝手にキーボードにタッチしてました。しかも3枚もー!シマノフスキ、ディアべり、ショパンと。
いえね、酒瓶をもって路上で朝まで寝ていそうな、アンデルさんの暗い瞳にやられたかも(どんな妄想や)。ていうか、青猫さん、西方面に変なパワー送ってませんか(笑)。
「善き人のためのソナタ」もうご覧になったかな?子供のように素直な気持ちで見ると感動出来ました~。
投稿: petit viola | 2007年3月 4日 (日) 11:29
petit violaさん、こんばんは。
御心配ありがとうございます~。
ピアノは、あまりコンスタントに練習できないんですが、まとめてン時間とかやるのがマズイのかも。
こういう時は大人しくすべきなんでしょうが、「善き人のためのソナタ」へ行ってしまいました。
あら~、3枚もぽちされたんですねぇ(笑)。素敵なラインナップでございます。楽しんでいただけると嬉しいです♪
>酒瓶をもって路上で朝まで寝ていそうな、アンデルさんの暗い瞳
うぷぷ~。petit violaさんのアンデルさんのイメージは、ちょっと斜に構えたようなあのインタビューが基本ですね。
変なパワーって、、、誘惑波?
時々、暗黒卿(@SW)なんて呼ばれることもあるんですが(笑)、あんなに、外堀埋めて内堀埋めて落としにかかってるのかしら、私…。いえ、そんなつもりは無いんですが…。
投稿: 青猫 | 2007年3月 5日 (月) 01:15