« 300もろもろ | トップページ | 2008年も来日? »

2007年6月18日 (月)

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2007年日本公演 in 横浜みなとみらいホール

<プログラム>
J.S.バッハ:イタリア風協奏曲 ヘ長調 BWV.971
リスト :3つの演奏会用練習曲より 「軽やかさ」 ヘ短調
     :2つの演奏会用練習曲より 「森のざわめき」「小人の踊り」
ドビュッシー:版画
        1.塔
        2.グラナダの夕べ
        3.雨の庭

休憩

ショパン:舟歌 嬰ヘ長調
     :2つの夜想曲 Op.62
      第17番 ロ長調 H major
      第18番 ホ長調 E major
     :24の前奏曲 Op.28 より 第13番~24番

アンコール
ショパン:マズルカ op.17-2 ホ短調
モシュコフスキ:花火
ショパン:小犬のワルツ op.64-1

生ブレハッチさん、なんだかんだいいつつ4回目になるけれど、今回が一番良かったように思う。
有体にいって、非常に元気そうだった。

一曲目のバッハのイタリア協奏曲の最初の和音が鳴った瞬間から、「あ、なんか違う」。
鮮やか。
煌びやかなところもある。
溌剌としてて、華やかで、バッハにしては、結構ゴージャスな印象だった。
トリルのせいかな?
もっと楚々とした控え目なバッハを想像してた私は多少面くらわないではなかったけれど、なんだかワクワクしてしまった。
ついでに白状すると、今までブレハッチさんのことについてはもちろん上手いとは思ってたけれど、「げー、馬鹿ウマ!」と心底感心したのは今回が初めて。
そもそもバッハ聴いて感心することってあまり無いんだけど(バッハ自体をあまり聴かないということもあるけれど)、いや、抜群に上手かった。
崩さずにかっちり弾いてるのに、本当に生き生きしているのも良かったな。

リストもドビュッシーも軽やかさが際立つ演奏で、とにかく洗練されている印象。
どんなに速いパッセージでも、いや、速いパッセージこそ、素晴らしく綺麗に響かせていた。

後半はショパン。
舟歌はゆったりした歌い回しで、舟特有の浮遊感みたいな雰囲気もあって、ヴェネツィアのゴンドラの幻影が見えるような演奏(気持ち良くなって寝そうな演奏でもある…)。
この曲をさらさら軽く弾くとただ綺麗なだけで非常に浅薄な印象になってしまうと思うけれど、ブレハッチは決して軽く流すことなく、じっくり深い息遣いで歌ってた。
これを聴いて、「あれ、そういえば、彼ってまだ21歳か…」なんて思ってしまって(ついつい忘れてた)、そういう意味では年齢を感じさせない演奏なんだな、と思った。

前奏曲集は、長調→短調→長調→短調って調が変わるわけだけれど、一曲ごとに雰囲気がガラっと変わって、明⇔暗、剛⇔柔の移り変わりがなかなかドラマチックだった。
意外なほどに「剛」がしっかりしてて、大分力強さや芯みたいなものが加わったような印象を持った。
それでいて、23番なんかは聴いてて顔が緩々になるほど可憐。
ブレハッチさんも楽しそうだったな。
12曲の中に色んな表情が見えて、魅力的だった。

アンコールのモシュコフスキの花火では、最後の一音を弾き終わるなりバッと立ち上がり、あまつさえ、くるりん!と一回転。
本編の時から、随分のって弾いてるな、という印象ではあったけれど、ありゃー、ラファウさんってこういう人でしたか、とちょっと新鮮。
巷のイメージほど神経が細いタイプではない、ということなんだよな、きっと…。
去年よりも調子が良かったのか、自信が付いたのか、まぁ両方かもしれない。

これくらいの年齢だと、日々メキメキというかバキバキ成長するんだろうけれど、次に来る頃にはどんなことになっているんだろう。
楽しみなような怖いような今日この頃だけど、スイスのツィメルマンさん、どうか色々よろしくお願いします(って前にも書いたような気がするけれど、なんだかいよいよ現実味を帯びそうな気がするので)。
いざ本当に師事なんてことになったら、私的にはむしろ「過保護に教え過ぎ」を心配しないではないんだけど。。。だってあの方って、絶対、崖から突き落とすタイプではなさそうだから。

今回は、開演前にかねこさんとお喋りさせて頂きました。
お題はブレハッチ、アンスネス、ツィメルマン、あと某ピアニスト引退のマエストロをぐーるぐーるといった感じで、大変楽しゅうございました。
またよろしくお願いします。

|

« 300もろもろ | トップページ | 2008年も来日? »

Pianist: Rafał Blechacz」カテゴリの記事

コメント

こんばんは♪♪。ブレハッチさんだんだん場慣れしてきたんでしょうね。余裕も出来てきて見るからに真面目が服着てる感じなんですけど、お茶目なとこもあるんですね。そして師弟関係となると、ピアノの構造やら科学的なことも教えてもらえて、ブレハッチさんにとっては大きな成長が期待できるでしょうね。以前何かで読んだことがあるのですけど(本当のお話なのかどうかはわかりませんが)、ユンディリーがお髭氏に教えてほしいと懇願したそうですが、お髭氏は「今の君に教えることは何もない」と言って大変丁重に断ったそうなのです。でもブレハッチさんは同じポーランドだし、とても期待度が違うのかなと思ってみたり。お髭氏って人を隔ててみるような方ではないと思うし、その当時はお髭氏も時間が取れなかったかも知れませんね。でもスイスまで通うのって同じ陸続きだから私たちが思うと遠くて大変なように思うけど案外ヨーロッパの人達は簡単に思っているのかも知れませんね。ブレハッチさんの感想が、師弟を希望する話題ばかりでスミマセン。でも師弟期待してるんですうううう・・・。

投稿: バイエル | 2007年6月19日 (火) 22:06

バイエルさん、こんばんは♪

ラファウさんは、大分逞しくなったんじゃ?という印象を受けました。
生真面目で控え目って印象が強いんですけどね。くるりん!は堂に入ってたし、なんか可愛かったです。「今日は上手くいったー、やった!」って感じだったのかしら(笑)。

ユンディの話は私も読んだことがあります。どこだったっかな?ツィメルマンさんの当時は音楽学校で教えてたから、それこそ時間が無かったかもしれませんね。今でも「多忙」だそうですが。。。

ナクオ⇔バーゼルはちょっと遠いですよねぇ。飛行機の便が良かったりするのかしら。それこそツィメルマンだったら欧州内はどこでも車で行ってしまいそうなイメージがありますが、ラファウさんはその辺はごく真っ当でしょうから(少なくともトラックを運転したりはしないでしょう)、どうするんでしょうね。私としては、ツィメルマンさんのパリのお宅という線もあるのではないかと妄想しております。←もう勝手に師事するものと決めてかかってるような書きぶりですが、ラファウさんがそうしたいと言っていた、というだけです(^_^;)。

投稿: 青猫 | 2007年6月19日 (火) 23:08

こんにちは。こちらのサイトでショパンコンクールのときの臨場感を味わうことができ、当時はお世話になりました。想像力がかきたてられ、当時はどんな演奏する人なんだろーと思って演奏をずっと楽しみにしていました。情報にうとく、ようやく今月ブレハッチさんのコンサートに行くことができた通りすがりです。

横浜公演と東京公演両方行きましたが、「くるりん」は東京でもやってましたヨ。東京ではより満席で、本人も最後だからか東京だからか、とにかく最初からノリノリで、バッハは首ブンブン振って演奏してて、みなとみらいより張り切ってる感じがしました。
両方の公演やコンクールのときのDVD等を比較しても、今の彼の表情や振る舞いからは、確かにほのかな自信に支えられている感じがしましたね~。でも花火の演奏もくるりんも、「やっぱり君は本当はお茶目さんでしょっ!」て感じがしてかわいかったです(笑)。

ちなみに東京ではアンコールは4曲でした。お花もたくさんもらっていましたよ。どんな人が来てくれてるのかな~って会場をアンコールのたびに見渡す姿はどちらの公演でも同じで、その姿がなんとも嬉しそうで見ているこちらも嬉しい、という気持ちになりました。
後ろから3列目で見ていた感想としては、最後のアンコールなどかなりのお客さんがスタンディング・オベーション(帰ろうと思って立ったのかもしれないけど)だったし、最後の東京ではとにかく暖かい空気に包まれて終了した感じがして、「ラファウ、これでまた日本好きになっちゃった?また日本公演組んじゃう?」と思える終わり方でしたよ。本人の感想とか聞きたいものです。

投稿: 通りすがり | 2007年6月20日 (水) 20:23

青猫さん こんにちわ 
ブレハッチの件ではないのですがお髭氏関連です
http://www.japanarts.co.jp/ 
もう既にご存知かとは思いますが・・
楽しみですね~

投稿: クレオ | 2007年6月21日 (木) 18:20

通りすがりさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

ショパンコンクールはうちではないと思いますが(^_^;)、ブレハッチ東京公演のレポありがとうございます。
東京ではさらにノリノリでしたか。ラファウさんだったら、いくら元気でもアグレッシブな感じにはならないでしょうから、いかにもイタリアっぽい(?)明るく快活なバッハだったことでしょうね。
ブレハッチさんに限らず、オペラシティって弾き易いのかしら?ピアノが良いのかしら?なんて思うことがあります。何となくそんな気がするだけなんですが。。。
くるりん!は東京でもやってましたか~。モシュコフスキ、お気に入りの曲なんでしょうね(^^)。
ふふふ、温かなコンサート、良いですね。演奏者とお客さんとで素敵な関係を築くことができると良いですよね(^^)。
ところで、オペラシティは天然木使用で雰囲気が柔らかいですし、天井が高くてちょっと荘厳な感じもあって、ラファウさんにぴったりだったかも?良いなぁ、私もオペラシティに行きたかったです(スケジュールの都合により横浜だったんですが)。

投稿: 青猫 | 2007年6月22日 (金) 12:28

クレオさん、こんにちは。

全然ご存じじゃなかったんですが(^_^;)、ルトスワフスキですよね。情報ありがとうございます。
うわー、ホントにやるのかよー、と泡食っておりますが、去年の記者会見でそんなことをチラッと言ってましたね、そういえば。
しかし何故東フィル…。

投稿: 青猫 | 2007年6月22日 (金) 12:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74079/15483276

この記事へのトラックバック一覧です: ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2007年日本公演 in 横浜みなとみらいホール:

« 300もろもろ | トップページ | 2008年も来日? »