ロシア・ナショナル管弦楽団 2007年日本公演 in ザ・シンフォニーホール
<プログラム>
チャイコフスキー :幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
ショパン :ピアノ協奏曲 第1番
チャイコフスキー :交響曲 第5番
アンコール
ショパン:マズルカ第11番ホ短調 Op.17-2
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」より“ムスギンカ”
ソリストはラファウ・ブレハッチ。
ピアノのCDはちょこっと持ってるけれど、今回、初生プレトニョフ&初指揮者プレトニョフだった。
「頼むから真っ当にやって下さい」なショパンだったらどーしましょー、なんて思ってたんだけど、まぁなんだ、予想通りだったというか、いや違うな、予想を超えていたというか。
第1楽章の前奏部分からして、なんだかもう頭を抱えたくなった。
頭の中で、次はこの音、このメロディが来るって予想しているものと全然違うものが繰り出されてくるので、胃のあたりが引っくり返りそううな感じで、気持ちが悪い。
非常に落ち着かないというか、いたたまれない気分だった。
編曲の良し悪しというよりかは、オリジナルの方をちょっと一生懸命聴き過ぎということなんだと思うけれど。
聴き比べ企画とかで半端無い回数聴いてるから…。
プレトニョフのピアノって、時々こちらの神経をザリザリと逆撫でするすることがあるんだけど、今日ショパンを聴いてて「ああ、このいやんな感じはやっぱりプレトニョフだわ」って思ってしまった。
(誤解の無いようにいっておきますけれど、私はプレトニョフって嫌いじゃないんですよ。非常に感心させられることが多いピアニストで、カンに触るところも含めて大変面白いと思ってます)
これがプレトニョフの弾き振りだったりしたら、奇天烈×奇天烈で「おもしろい」と思ったような気もするんだけど(プレトニョフのショパンP協のピアノは未聴なのであくまでも想像ですが)、ブレハッチはやっぱり正統派なので、ちょっと溝を感じてしまったかな。
あ、ブレハッチのピアノは良かったです。
ショパンコンクールの演奏から、少しずつ表現が変わってきてる感じ。
ピアニシモがなんだか幽玄で、2楽章冒頭なんかは、本当にトリップしそうだった(ピアニシモフェチ)。
歌い回しが以前よりもたっぷり&ゆったりしたところが増えたような気がするのは、スイス合宿(?)の成果ということでよろしいでしょうか。
そんなわけで、ショパン終了時には「この拍手は全部ブレハッチ君へ~」などと思いつつ拍手してたわけだけれど、後半のチャイコを聴いたら「すげー、プレトニョフ!」と手の平を返しました、私。
どうでしょう、この節操の無さは。
いやー、チャイコ、良かったです。
特に、弦の中~低音域が素晴らしくて、重くなり過ぎない程度に腰が入ってるし、音に厚みがあってパワフル。
チャイコらしい、うねる波のようなメロディの盛り上がりも素晴らしい。
管も大変元気が良かった(っていうかちょっとうるさいと思ったのは座った席のせいかな)。
これだけ景気よく鳴るオケだとつい「爆演」とか言いたくなるけれど、決して勢い任せの「爆演」ではないのね。
管のソロの細かいミスなんかは置いといて、全体としては大雑把な感じやツメの甘さが無い。
とにかくよく締まってるし、本当に細かい表現までつめてある感じ。
リハ、相当厳しいんじゃないですかね。
プレトニョフって、指示が(ネチネチと)細かそうだよなぁ、って千秋君ですか。
さて、アンコール。
チャイコの眠りは、そうそうこれこれ!な色艶と膨らみでうっとり。
やっぱりチャイコはある程度色気が無いとねぇ、ただ綺麗なだけではあかん、と思いますですよ。
お次の「レスギンカ」は、これがまた怒涛の演奏で、「カッコいい!」を通り越してちょっと笑った…。
パーカッションの美少年がこれでもかってくらいノリノリに小太鼓を叩いてて、もしやこの曲は彼のためにあるのか?という感じに目立ちまくり。
客席も大盛り上がりで、拍手とともに口笛が聞こえました。
今日はツィメルマン関係でいつもお世話になっているpetit violaさんにお会いしました。
とてもお綺麗で、ほんわか柔らかな、素敵な方でした。
いつも脳ミソ半崩れなトークにお付き合いいただいてるので、いざお会いすると照れますね。ははは。。。
初対面の方相手に「(ショパンのオケパートが)気持ち悪い~」と文句をいいまくってしまい、申し訳なかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。
| 固定リンク
「Pianist: Rafał Blechacz」カテゴリの記事
- ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル(2014.01.08)
- ラファウ・ブレハッチ ピアノリサイタル(2009.02.17)
- ベルリン放送交響楽団 2009年日本公演(2009.02.10)
- ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2007年日本公演 in 横浜みなとみらいホール(2007.06.18)
- ロシア・ナショナル管弦楽団 2007年日本公演 in ザ・シンフォニーホール(2007.06.11)
「Mikhail Pletnev」カテゴリの記事
- ミハイル・プレトニョフ 協奏曲の夕べ(2016.07.18)
- CD散財録(2008.01.25)
- ミーシャに振り回される一週間(2008.01.11)
- CD散財録(2007.10.01)
- ロシア・ナショナル管弦楽団 2007年日本公演 in ザ・シンフォニーホール(2007.06.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
先日はお世話になりました♪
脳みそ半崩れだなんて、私も殆ど溶けてますんで、全然気になりませんでした(爆)。
これからも懲りずに宜しくお願いします。
ショパンは置いといて(置いとくな)、チャイコが本当にすごかったですね。「どうよ、これを聴きに来たんでしょ?」て言われてるみたいで・・・。「いえ、本当はブレハッチ君のショパンが。」と内心思いつつ引き込まれて行きました。チャイ5の方がものすごい纏まっててすっかり手の内に入ってる感じで良かったけど、「フランチェスカ・・・」の時から少し揺さぶられてました。心がと言うより、身体が(笑)。小船で嵐の夜に漕ぎ出してしまったように、荒波に翻弄されてる様でした。本当に波がうねってる!と思いました。 ちょっとあの席、シンバルがやかましくて、もうちっと静かに叩いてくんない?とは思いましたが(それは無理なお願い・笑)。
いや~小太鼓の坊や!出待ちしてサインもらっとくべきでしたかね?(どこまでもミーハー)
投稿: petit viola | 2007年6月12日 (火) 06:52
こんばんは♪
これからもツィメルマン鼻血談義(美しくないなー(^_^;))よろしくお願いします。
私も、「フランチェスカ・ダ・リミニ」の時から薄々(笑)、「なんかすごいかも?でも曲知らないからなー」なんて思ってたんですが、チャイ5は本当に素晴らしかったですね。
あの金管、パーカスの鳴りっぷりだったら、2階正面あたりが良かったでしょうね。なんか筋肉質なマッチョって感じもあって(300?)、フォルテ全開の時にはすごい迫力で圧倒されました。
うー、プレトニョフって本当に能力の高い人です…。
ふふふ、小太鼓の彼、ちょうど帰り際にとっつかまえとけば良かったでしょうか(笑)。可愛かったですよね~。
投稿: 青猫 | 2007年6月12日 (火) 20:58