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2007年6月

2007年6月27日 (水)

甘味大王

Kashi

あらかた食いつくされてほとんど残ってない状態の写真だけれど、俵屋吉富さんの「志ば味糖」。
しそ味(豆みたいな方)とにっき味の落雁。
梅好きにはたまりません。
止まりません。

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2007年6月26日 (火)

2007年上半期に見た映画

今月はもう映画を見に行かないと思われるので上半期総括。

ダーウィンの悪夢
マリー・アントワネット
善き人のためのソナタ
不都合な真実
クィーン
ハッピー・フィート
スパイダーマン3
あるスキャンダルの覚え書き
300(2回)
プレステージ
パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド


1~4月が半死人状態だった割には行ってるかな(何しろ今までで最大の仕事量だった…)。
私をリアルで知ってる人で私の嗜好をよく知らない人は「ヨーロッパ系の恋愛映画とか好きそう」「え、アクション映画とか見るの?」とかコメントを下さいますが、実態はこんな。

これから公開の映画で見たいのは「リトル・チルドレン」「魔笛」「ミス・ポッター」「ファウンテン 永遠に続く愛」「ハリー・ポッター 不死鳥の騎士団」ってところでしょうか。
とりあえず。

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2007年6月25日 (月)

CD散財録

B000BM6BBOPlays Bach & Mozart
Leif Ove Andsnes
2005-11-08

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私が買ったのはオールリージョンのNTSC。アマゾンさんのはリージョン1かな。
アンスネスの弾き振りでモーツァルト、バッハ。
もしかして家からその格好で来たんじゃないの?という、赤と紫の縞々シャツがなんともカジュアルな雰囲気を醸し出しております。
ちなみにライティングも(一部)紫だったりして。

ところで、何ゆえ全楽章入れないのだよ。
3楽章だけ、とか1楽章と2楽章だけ、とか中途半端も甚だしい。
惜しい。
EMIは何考えてるんだ、全く。。。

B00000E2HKChopin Piano Competition, Volume 3
Chopin Pollini Argerich
1993-10-08

by G-Tools

ショパン・コンクール「The Golden Twelve」シリーズの3、ポリーニとアルゲリッチの巻。
この頃のポリーニはイマイチという人がいますが、まぁそれは分からないではない(何しろ若い)。
10代に葬送ソナタとか弾かれてもな。。。

アルゲリッチのショパンコンクールについては、これ以外に本選の協奏曲の音源を持ってますが、まぁやっぱり見るからに只者ではないような。
世に天に二物を与えられたピアニストは結構いるけれど、「美人だけど演奏は…」などという陰口を“一切”叩かれないのはこの方くらいではないですかね。
好き嫌いは別として。ハイ。
ゴドーン!!!と爆弾を落としたかの如く始まる「舟歌」はちょっといかがなものか。。。

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2007年6月24日 (日)

DVD右往左往

以前、「ホントに出るのか?お髭氏(いや、お髭王子か)とバーンスタインのDVD」「ベートーヴェンP協全集DVD再発売(再)延期?」等でおしらせしたベートーヴェンのP協全集のDVDですが、HMVのカタログにはありますが、実は結構前からDGのツィメルマンディスコグラフィからは削除されてます。
イヤな予感(悪寒)。

その代わりというわけなのかどうなのか、今現在、DGKZ頁のWhat's comingのところに、新譜(DVD)としてバーンスタインの「BRAHMS CYCLE」というのが上がってきてて、こちらのソリスト名にKrystian Zimermanの名があります。
ブラームスP協全集にさしかわったのかな?
ううむ。
<追記>新譜っていうか、髭無しのあの映像ですね。

一応、2007年8月発売らしいけれど、HMVにはまだのってません。
しばらく要観察。

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2007年6月23日 (土)

[映画]パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

久し振りに愛の無い感想になってしまったので、「近況」でお茶を濁そうかと思ったけれど、それ(書き逃げ)も卑怯かもしれないなどと思い、改めて記事に。

ストーリー省略。

この手の映画を見てて、ここまでアドレナリンが出なくて良いものなのか。
2の時は「ジョニーがいなかったら寝たかも」なんて書いたけれど、今回、本当に寝ましたからね。
そして2回も意識を失ったのは、私的には前代未聞。
正確には指輪3部作イッキミオールナイト以来なんだけれど、あれは徹夜企画だったから比較の対象にはなるまい、ということでやっぱり前代未聞。

自分でも「どーして私はこんなにのれないんだろう?」って不思議に思うくらい白けてた。
ジョニーもオーリも素敵だし、全体としても取り得が無いというわけでもないのに。
映像なんかはちゃんとお金かけて一生懸命作っているだろうということはよく分かる。

ただ、とにかく散漫で薄い。
ストーリーにもキャラにも、求心力が無い。
雑なのは脚本か、編集か。

あ~あ、なんで私、海賊映画でここまでネガティブな文章を書いてるんだろう。
なんだかんだ文句いいつつも、「まぁディズニーだしね」の一言ですんじゃうと思ったんだけどな。
あとは、ジョニデの魅力で懐柔されちゃうような気がしてたんだけど、そう上手くはいかなんだ。

少し前に見た「プレステージ」も「ちょっと勘弁してくれ…」って感じだったし、どうもここのところメンタルが疲れてるのか、「何か一つ取り得があればOK」と大らかな心境でいるのが困難なのかも。。。

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2007年6月22日 (金)

[映画]300

<ストーリー>
ギリシャの軍事都市国家スパルタの男たちは、幼少時より鍛え上げられ、厳しい掟の元最強のスパルタ戦士となる。
紀元前480年、スパルタ王レオニダスは服従を求めるペルシャの要求を退け、ペルシャ連合軍100万を迎え撃つべく、300人の精鋭たちを引き連れ、テルモピュライへ向かう。文字通り多勢に無勢だが、スパルタ兵に服従、退却、降伏はあり無い―。


血沸き肉踊りまくり。
すいませんね、根が野蛮なもので。
でも、音楽もすんごいカッコいいし、久々に複数回見たい!と思わせる映画だった(私の場合、音楽が良ければそれだけで満足という悪癖(?)があるのも事実なんだけど)。

それにしても、あんなに美味しい役があって良いのか。
驚愕。
「トロイ」の豆兄どころの話ではない。
今回は弟君の圧倒的大勝利ですわな。
全国のDファンの皆様方、大丈夫ですか、倒れませんでしたか。

一方で、ロドリゴ・サントロは、これかい!!!とかなりショックだった。
いや、サントロだと思わなければ「まぁ、原作に忠実ね」ということで面白く見たんだと思うけど。

ジェリーさんは、予想外に大人っぽい感じで苦悩する王様っぷりも良かったし、戦士の中の戦士って感じに先頭切って戦いまくるってあたりにもちょっと痺れますですよ。
ああいう役って「この人のためなら死ねる」という、ある種のカリスマみたいなものが無いとあかんと思うけれど、彼はスター性のある俳優だから、その辺にきちんと説得力があってよろしいですなぁ。

しっかし、皆さん、よく鍛えたこと。
立派っつーか、役者というのはやはりプロですな。。。
屈強なスパルタンの皆さんは、ただ立ってるだけでも壮観なわけだけれど、戦闘シーンはさらなるド迫力。
一騎当千という言葉があるけれど、まさにそんな感じ(「騎」じゃなくて「歩」だけど)。
スローモーションを多用した映像も相まって、非常に見応えがあった。

さて、戦争モノなだけに、それなりに痛いシーンが多いわけだけど、エグさは「シン・シティ」よりかなりマシ。
R15といえば確かにR15なんだけど、首を斬り飛ばしたらもうPG13はNGだったんだっけ?というくらいのレベルで、戦争モノだったらこんなものでしょう、という感じ。
血のりなんかも様式美でまとめた印象であまり生臭い感じが無いし、「キル・ビル」のようにお笑いに傾くこともなくて一安心。
ただ、寡兵で大軍に立ち向かうことを無闇やたらに賛美したり美化するのはいかがなものかと思わないではない。
この手のヒロイズムが、どうしようもなくドラマチックで魅惑的であるというのは、紛れも無い事実ではあるんだけど…。
さらに、「自由のために」とかなんとか声高に叫ばれてしまうと、某脳ミソ筋肉なお国のことを思って引っかかるものを感じてしまう。
ペルシャ軍の描写も、「どうせアジアは未開の蛮族ですよー」と言いたくなるようなシロモノだしなぁ。
まぁこの辺も含めてのR15というのは妥当かもしれない(そういうつもりのR15ではないだろうけれど)。

もちろん、その辺のことをあまり深く考えずに、ひたすら筋肉と映像に酔いしれるのが正しい見方だろうと思う。
まぁ、「物語ること」「語り継ぐこと」のパワーを描いた映画、ということも可能なので、大本のテーマはそんなにマッチョでもないのかも?(いやそんなこともないか…)

私的には、役者と映像と音楽で120%楽しみました。
★5つは甘いかな?

以下ネタバレ。

続きを読む "[映画]300"

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2008年も来日?

3年連続で来日なんて、そんなことがあって良いんだろうか。

2008年11月、クリスチャン・ツィメルマンwithチョン・ミョンフン&東京フィルハーモニー交響楽団で公演だそうな。
詳細

まぁ、ルトスワフスキのP協に関しては2006年の来日時に記者会見でやるって言ってましたからね。
チケット売れるんかしらね。
私はお髭の君であれば、ルトスワフスキだろうがシマノフスキだろうがシェーンベルクだろうが何でも来い!!なんだけど(でもケージの「4分33秒」は嫌←しつこい)。

それにしても、精神の安寧を保つのが困難な今日この頃です。
もしかして何かの試練ですか。

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2007年6月18日 (月)

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル 2007年日本公演 in 横浜みなとみらいホール

<プログラム>
J.S.バッハ:イタリア風協奏曲 ヘ長調 BWV.971
リスト :3つの演奏会用練習曲より 「軽やかさ」 ヘ短調
     :2つの演奏会用練習曲より 「森のざわめき」「小人の踊り」
ドビュッシー:版画
        1.塔
        2.グラナダの夕べ
        3.雨の庭

休憩

ショパン:舟歌 嬰ヘ長調
     :2つの夜想曲 Op.62
      第17番 ロ長調 H major
      第18番 ホ長調 E major
     :24の前奏曲 Op.28 より 第13番~24番

アンコール
ショパン:マズルカ op.17-2 ホ短調
モシュコフスキ:花火
ショパン:小犬のワルツ op.64-1

生ブレハッチさん、なんだかんだいいつつ4回目になるけれど、今回が一番良かったように思う。
有体にいって、非常に元気そうだった。

一曲目のバッハのイタリア協奏曲の最初の和音が鳴った瞬間から、「あ、なんか違う」。
鮮やか。
煌びやかなところもある。
溌剌としてて、華やかで、バッハにしては、結構ゴージャスな印象だった。
トリルのせいかな?
もっと楚々とした控え目なバッハを想像してた私は多少面くらわないではなかったけれど、なんだかワクワクしてしまった。
ついでに白状すると、今までブレハッチさんのことについてはもちろん上手いとは思ってたけれど、「げー、馬鹿ウマ!」と心底感心したのは今回が初めて。
そもそもバッハ聴いて感心することってあまり無いんだけど(バッハ自体をあまり聴かないということもあるけれど)、いや、抜群に上手かった。
崩さずにかっちり弾いてるのに、本当に生き生きしているのも良かったな。

リストもドビュッシーも軽やかさが際立つ演奏で、とにかく洗練されている印象。
どんなに速いパッセージでも、いや、速いパッセージこそ、素晴らしく綺麗に響かせていた。

後半はショパン。
舟歌はゆったりした歌い回しで、舟特有の浮遊感みたいな雰囲気もあって、ヴェネツィアのゴンドラの幻影が見えるような演奏(気持ち良くなって寝そうな演奏でもある…)。
この曲をさらさら軽く弾くとただ綺麗なだけで非常に浅薄な印象になってしまうと思うけれど、ブレハッチは決して軽く流すことなく、じっくり深い息遣いで歌ってた。
これを聴いて、「あれ、そういえば、彼ってまだ21歳か…」なんて思ってしまって(ついつい忘れてた)、そういう意味では年齢を感じさせない演奏なんだな、と思った。

前奏曲集は、長調→短調→長調→短調って調が変わるわけだけれど、一曲ごとに雰囲気がガラっと変わって、明⇔暗、剛⇔柔の移り変わりがなかなかドラマチックだった。
意外なほどに「剛」がしっかりしてて、大分力強さや芯みたいなものが加わったような印象を持った。
それでいて、23番なんかは聴いてて顔が緩々になるほど可憐。
ブレハッチさんも楽しそうだったな。
12曲の中に色んな表情が見えて、魅力的だった。

アンコールのモシュコフスキの花火では、最後の一音を弾き終わるなりバッと立ち上がり、あまつさえ、くるりん!と一回転。
本編の時から、随分のって弾いてるな、という印象ではあったけれど、ありゃー、ラファウさんってこういう人でしたか、とちょっと新鮮。
巷のイメージほど神経が細いタイプではない、ということなんだよな、きっと…。
去年よりも調子が良かったのか、自信が付いたのか、まぁ両方かもしれない。

これくらいの年齢だと、日々メキメキというかバキバキ成長するんだろうけれど、次に来る頃にはどんなことになっているんだろう。
楽しみなような怖いような今日この頃だけど、スイスのツィメルマンさん、どうか色々よろしくお願いします(って前にも書いたような気がするけれど、なんだかいよいよ現実味を帯びそうな気がするので)。
いざ本当に師事なんてことになったら、私的にはむしろ「過保護に教え過ぎ」を心配しないではないんだけど。。。だってあの方って、絶対、崖から突き落とすタイプではなさそうだから。

今回は、開演前にかねこさんとお喋りさせて頂きました。
お題はブレハッチ、アンスネス、ツィメルマン、あと某ピアニスト引退のマエストロをぐーるぐーるといった感じで、大変楽しゅうございました。
またよろしくお願いします。

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300もろもろ

1569714029300
Frank Miller Lynn Varley
Dark Horse Comics 1999-12-15

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300の原作、フランク・ミラーのコミックっす。
薄いんだけど横にでかくて、少々扱いに困るな、これ。。。
あと文字が全部大文字なのがちょっとイヤ。
あちらのコミックは割とそうなんだけど、日本人にはちょっと読み辛いよな…。
映画よりはシンプルな内容で(というか映画が映画的にアレコレ肉付けされてるんだけど)、誰かさんが皆に物語ってきかせるという物語構造からいえば、本来的にはこうなんだろうな、という印象。
簡素で力強い物語。

映画のセピアっぽい映像は、原作の色調を忠実に再現した模様。
それにしても、レオニダスもディリオスも王妃も実写でえらく麗しくなったもんだなぁ。
美形アップ度からいえば、ディリオスが一番か?
クセルクセスは笑えるほど「そのまんま」なのに。。。
あ、スパルタンの皆さんの腹筋、コミックではどんなすごいことになってるのかと思ったら、実写の方がより漫画チックに割れてました。

アートブックも欲しいなぁ。日本語にしとこうかな。。。←最近色々とひより気味。

4796870377300アートブック
フランク・ミラー/ザック・スナイダー/タラ・ディルーロ 平林祥
小学館プロダクション 2007-05-18

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一応英語版も。

1593077017300: The Art of the Film
Victor Davis, Dr. Hanson Tara Dilullo Zack Snyder
Dark Horse Comics 2006-12-13

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映画の感想はまた後ほど。

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AERA English 2007年7月号

B000QCQDVMAERA English (アエラ・イングリッシュ) 2007年 07月号 [雑誌]
朝日新聞社出版局 2007-05-23

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久し振りの英語の話題だー。

表紙はキルスティン・ダンスト。

吉田都姫、パックンと対談でご登場(ただし対談自体は日本語で英訳が付く形)。

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2007年6月17日 (日)

CD散財録

ブレハッチさんのコンサート帰りにタワーに寄って、気分が良かったので危うくすごい枚数を買いそうになったけれど、なんとか以下の2枚だけで踏み止まりました。

B00000DFNYBrahms: Piano Concerto No. 1, 3 Intermezzi / Andsnes, Rattle, Birmingham SO
Johannes Brahms Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra
EMI 1998-11-17

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またラトルかよー、と思いつつ。


チェリビダッケ&ミュンヘンフィル「ブラームス交響曲第4番、ロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲、R.シュトラウス「死と変容」他」
HMV商品頁
視聴して3秒で購入即決。
チェリビダッケ、この人も録音嫌いだったんだよねぇ。。。
まぁ録音が嫌だっていう心情は分かる気がするんですけどさ。
でもさ、でもさ(ぶつぶつ)。

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2007年6月14日 (木)

[映画]あるスキャンダルの覚え書き

<ストーリー>
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老の教師バーバラ(ジュディ・デンチ)は、新任の若く美しい美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。やがてバーバラとシーバは親しくなるが、シーバが教え子と関係を持っていることをバーバラが知ることで、2人の友情の在り方は大きく変化する。

「彼女の恋の相手は15歳だった」
チラシに麗しのケイト・ブランシェットがいて、キャッチコピーがコレで。
女性教師と教え子、エロチックな内容を想像する人もいるような気がするんだけど、チラシにはケイトさんを後ろからじっと見つめるジュディ・デンチがいる…。

これはバーバラの物語である。
というか、ジュディ・デンチの映画である、というべきか。

厳格でシニカルな、いわゆるオールドミスの老教師バーバラの孤独が彼女の一人称によって克明に語られる。
また、彼女がシーバの秘密を知り、弱みを握ることでシーバに抱く優越感と歪んだ執着心といった心の闇を、ジュディ・デンチが圧倒的な演技で抉り出している。

バーバラが「妖精」と形容したシーバは、バーバラが持ってないものを全て持っている。
美貌、夫、子供たち、そして今では少年との情事という快楽まで。
シーバにはシーバの孤独や、満たされない思いがあるが(それゆえに教え子と関係を持ってしまうわけだが)、いるだけで誰もが憧れるような女性には、バーバラの孤独は永遠に理解できないだろう。
その辺の大きな溝が、「友情」というものに対する2人の温度差として現れてくるのは当然のことだけれど、バーバラがその温度差を認められないのが悲劇であったと思う。
相手に憧れながら、望む関係性を得られないバーバラの、文字通り「可愛さ余って憎さ100倍」な心情が非常にリアルである。

ストーリーにエンタメ性があるわけではないし、2人の女性の行動も必ずしも共感できるものではないけれど、それでも最後まで一気に見せてしまうのは、やはり2人の女優の演技の質が高いから。
シーバの弱さや愚かしさも、バーバラがどんどん常軌を逸していく様も、思わずこういうこともあるかもねと思わせてしまうものがある。

見てて楽しいかどうかはともかく、よくできてる映画だと思う。

上でジュディ・デンチの映画だって書いたけれど、ケイトさんお好きな方も是非。
まさに「女性が憧れる女性」である。
素晴らしく魅力的です。

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CD散財録

B00004LCAVGrieg: Concerto for piano in Am; Sonata for piano in Em
Edvard Grieg Dmitri Kitajenko Bergen Philharmonic Orchestra
Angel 2000-06-27

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若い頃のアンスネス(今も若いか…)。

B00005GJZ8アルゲリッチ“幻のショパン・レコーディング 1965”
アルゲリッチ(マルタ) ショパン
東芝EMI 1999-04-09

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23、4歳の頃の録音だそうで。
ほほう、ショパンのソナタ3番のフィナーレは一発録りですか。

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2007年6月12日 (火)

気が付いたら80000

最近、カウンターをあまり気にしてなかったんですが、ふと見て、え、ウソ、80000?とびっくりしました。

こうしてみると、本当にたくさんの方がいらして下さってるんですねぇ。
いつもお付き合いいただき、ありがとうございます。

「なぜ書くのか」ときかれれば、「山があるから」としか答えられないような気がしますが、何を書くにせよ、正直に、愛情を持って書いていきたいと思います。
まぁ、正直については、これ以上無いってくらい正直に書いてるつもりですが、愛情の方は時々忘れてしまいます。

気をつけます。

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2007年6月11日 (月)

ロシア・ナショナル管弦楽団 2007年日本公演 in ザ・シンフォニーホール

<プログラム>
チャイコフスキー :幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
ショパン :ピアノ協奏曲 第1番
チャイコフスキー :交響曲 第5番
アンコール
ショパン:マズルカ第11番ホ短調 Op.17-2
チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」より
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」より“ムスギンカ”

ソリストはラファウ・ブレハッチ。

ピアノのCDはちょこっと持ってるけれど、今回、初生プレトニョフ&初指揮者プレトニョフだった。

「頼むから真っ当にやって下さい」なショパンだったらどーしましょー、なんて思ってたんだけど、まぁなんだ、予想通りだったというか、いや違うな、予想を超えていたというか。

第1楽章の前奏部分からして、なんだかもう頭を抱えたくなった。
頭の中で、次はこの音、このメロディが来るって予想しているものと全然違うものが繰り出されてくるので、胃のあたりが引っくり返りそううな感じで、気持ちが悪い。
非常に落ち着かないというか、いたたまれない気分だった。
編曲の良し悪しというよりかは、オリジナルの方をちょっと一生懸命聴き過ぎということなんだと思うけれど。
聴き比べ企画とかで半端無い回数聴いてるから…。

プレトニョフのピアノって、時々こちらの神経をザリザリと逆撫でするすることがあるんだけど、今日ショパンを聴いてて「ああ、このいやんな感じはやっぱりプレトニョフだわ」って思ってしまった。
(誤解の無いようにいっておきますけれど、私はプレトニョフって嫌いじゃないんですよ。非常に感心させられることが多いピアニストで、カンに触るところも含めて大変面白いと思ってます)
これがプレトニョフの弾き振りだったりしたら、奇天烈×奇天烈で「おもしろい」と思ったような気もするんだけど(プレトニョフのショパンP協のピアノは未聴なのであくまでも想像ですが)、ブレハッチはやっぱり正統派なので、ちょっと溝を感じてしまったかな。

あ、ブレハッチのピアノは良かったです。
ショパンコンクールの演奏から、少しずつ表現が変わってきてる感じ。
ピアニシモがなんだか幽玄で、2楽章冒頭なんかは、本当にトリップしそうだった(ピアニシモフェチ)。
歌い回しが以前よりもたっぷり&ゆったりしたところが増えたような気がするのは、スイス合宿(?)の成果ということでよろしいでしょうか。

そんなわけで、ショパン終了時には「この拍手は全部ブレハッチ君へ~」などと思いつつ拍手してたわけだけれど、後半のチャイコを聴いたら「すげー、プレトニョフ!」と手の平を返しました、私。
どうでしょう、この節操の無さは。

いやー、チャイコ、良かったです。
特に、弦の中~低音域が素晴らしくて、重くなり過ぎない程度に腰が入ってるし、音に厚みがあってパワフル。
チャイコらしい、うねる波のようなメロディの盛り上がりも素晴らしい。
管も大変元気が良かった(っていうかちょっとうるさいと思ったのは座った席のせいかな)。

これだけ景気よく鳴るオケだとつい「爆演」とか言いたくなるけれど、決して勢い任せの「爆演」ではないのね。
管のソロの細かいミスなんかは置いといて、全体としては大雑把な感じやツメの甘さが無い。
とにかくよく締まってるし、本当に細かい表現までつめてある感じ。
リハ、相当厳しいんじゃないですかね。
プレトニョフって、指示が(ネチネチと)細かそうだよなぁ、って千秋君ですか。

さて、アンコール。
チャイコの眠りは、そうそうこれこれ!な色艶と膨らみでうっとり。
やっぱりチャイコはある程度色気が無いとねぇ、ただ綺麗なだけではあかん、と思いますですよ。
お次の「レスギンカ」は、これがまた怒涛の演奏で、「カッコいい!」を通り越してちょっと笑った…。
パーカッションの美少年がこれでもかってくらいノリノリに小太鼓を叩いてて、もしやこの曲は彼のためにあるのか?という感じに目立ちまくり。
客席も大盛り上がりで、拍手とともに口笛が聞こえました。

今日はツィメルマン関係でいつもお世話になっているpetit violaさんにお会いしました。
とてもお綺麗で、ほんわか柔らかな、素敵な方でした。
いつも脳ミソ半崩れなトークにお付き合いいただいてるので、いざお会いすると照れますね。ははは。。。
初対面の方相手に「(ショパンのオケパートが)気持ち悪い~」と文句をいいまくってしまい、申し訳なかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。

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2007年6月 8日 (金)

神出鬼没の不意打ち

何しに日本にきたんでしょうか。

なんだか気分がざわざわと落ち着かない。。。
こういう時って大ポカをやらかしそうなので、心頭滅却、心頭滅却…と呪文を唱えています。修行が足りないので、なかなか「火もまた涼し」というわけにはいきませんが。

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2007年6月 3日 (日)

とりあえず所沢

スーパーデュオ、関東では一番早く発売の所沢ミューズの発売日が今日だった。

そんなわけで、久し振りにチケット争奪戦もどきに参戦。
いやー、久し振りすぎて「あれー、こんなに電話って繋がらないんだっけ?こんなにネット(ぴあ)って繋がらないんだっけ?」とやや焦る。
おまけに自宅の固定電話のリダイヤルの仕方が分からなくて、慌ててマニュアルを引っ張り出すヤツ。
すんません、少しナメてました。

結果的には、そこそこ満足のいく席を確保。
音的にはもしかしたら好みにドンピシャかもしれない、でもその辺で聴いたことないからよく分からないや、というお席。
本当は音度外視ですっごい前の席が良かったんだけど(オイ)、まぁそれはよほど早く電話が繋がらないと無理でしょうね。。。

実際のところ、行けるかどうかなんてかなり直前まで分からないけれど、とりあえず安心。

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2007年6月 2日 (土)

何を着ていくべきか

近頃洋服を買いに行くと、「秋のコンサートの服を買わなきゃ」(無理です、夏物しか売ってません)な気分にとらわれて困る。

困るといえば、クラシックのコンサートに何を着ていけば良いかお困りの方が結構いらっしゃるようで、たまにリアルでも「どんな格好をしていけば良いの?」と訊かれる。
大体、「ちょっとお洒落して行けば良いんじゃないですか」と答えるのだけれど、どうもこの「ちょっとお洒落」が難物らしい。
特に男性は、スーツかGパンかの二択しかない方もいるので、「ちょっとお洒落ってどのくらいのことなんだ~!」とさらに悩んでしまうことも。
そういう時には、「プライヴェートで、少し目上の方のお宅にお呼ばれされた時なんかをイメージしたらどうですか」なんていってみたりもするけれど、余計混乱させているような気がしなくもない。
要するに「“ちょっとお出かけ”くらいでどうでしょう」ってことをいいたいだけなのだが…。

こういう時、私はあえて「TシャツとGパンでも良いんじゃないですか」とはいわない。
「クラシックだからといって堅苦しく考えるのは良くない。GパンでもOKでしょう」という考え方もありだとは思うけれど、自分はまずそうしないから。
そうしない理由はいくつかある。
まずは、コンサートくらいお洒落しないでどこでお洒落すんのよ、箪笥の肥やしを活用する貴重な機会を逃してなるものか、という非常に単純かつ実用的な(?)理由。
それに、ハレ(非日常)とケ(日常)ということで考えれば、コンサートってやっぱりハレだと思うので、家にいるのと同じ格好のまま出かけて日常をズルズル引きずるのではなく、少し気張って洋服を選んで出かけるくらいの方が、テンションも上がって楽しめるのではないかと思うのである。

あと一つ、これは別にコンサートに限った話ではないけれど、「服装というのは相手に対する敬意の表現である」という考え方がある。
色々なレベルがあるかとは思うけれど、「ちゃんとした格好をする」のは相手に対して、もしくはその「場」に対して敬意を表すことであるということ。

演奏家は多くの場合、フォーマルで出てくる。
大体タキシードの人が多いと思うけれど、燕尾服であれば夜の正礼装である(燕尾服は、かつて音楽家が王侯貴族に仕えていた時代、主人の前で正装して演奏していた名残だそうだけど)。
慣習だからという面はあるにせよ、演奏家の側は聴衆に対して礼を尽くし、目一杯気合の入った格好をするのであるから、こちらもそこそこの服装で迎えるのが礼儀ではないか、などと思ったりするのである。
素晴らしい演奏家に対するリスペクトの念があれば、なおのこと。


さて、当然だけど、これは別に「~でなければならぬ」ということではなくて、私はこうしたいです、というだけの話。
堅苦しいことを書いてるけれど、根本にあるのは、要するに「大好きな人や尊敬する人に(直接でなくても)会いに行くのであれば、やっぱりちょっとはお洒落したいわ」ってことです。…放っといてください。
お洒落をするといっても、実際には普段着に毛が生えた程度で、いつも「あ~、なんだか中途半端…」と思いながら出かけてますけどね。

ちなみに服だけじゃなくて、コンサート用のバッグも欲しいけれど、こうなると単なる物欲大魔神ですな。。。

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