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2007年6月14日 (木)

[映画]あるスキャンダルの覚え書き

<ストーリー>
ロンドン郊外の中学校で歴史を教える初老の教師バーバラ(ジュディ・デンチ)は、新任の若く美しい美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に興味を抱く。やがてバーバラとシーバは親しくなるが、シーバが教え子と関係を持っていることをバーバラが知ることで、2人の友情の在り方は大きく変化する。

「彼女の恋の相手は15歳だった」
チラシに麗しのケイト・ブランシェットがいて、キャッチコピーがコレで。
女性教師と教え子、エロチックな内容を想像する人もいるような気がするんだけど、チラシにはケイトさんを後ろからじっと見つめるジュディ・デンチがいる…。

これはバーバラの物語である。
というか、ジュディ・デンチの映画である、というべきか。

厳格でシニカルな、いわゆるオールドミスの老教師バーバラの孤独が彼女の一人称によって克明に語られる。
また、彼女がシーバの秘密を知り、弱みを握ることでシーバに抱く優越感と歪んだ執着心といった心の闇を、ジュディ・デンチが圧倒的な演技で抉り出している。

バーバラが「妖精」と形容したシーバは、バーバラが持ってないものを全て持っている。
美貌、夫、子供たち、そして今では少年との情事という快楽まで。
シーバにはシーバの孤独や、満たされない思いがあるが(それゆえに教え子と関係を持ってしまうわけだが)、いるだけで誰もが憧れるような女性には、バーバラの孤独は永遠に理解できないだろう。
その辺の大きな溝が、「友情」というものに対する2人の温度差として現れてくるのは当然のことだけれど、バーバラがその温度差を認められないのが悲劇であったと思う。
相手に憧れながら、望む関係性を得られないバーバラの、文字通り「可愛さ余って憎さ100倍」な心情が非常にリアルである。

ストーリーにエンタメ性があるわけではないし、2人の女性の行動も必ずしも共感できるものではないけれど、それでも最後まで一気に見せてしまうのは、やはり2人の女優の演技の質が高いから。
シーバの弱さや愚かしさも、バーバラがどんどん常軌を逸していく様も、思わずこういうこともあるかもねと思わせてしまうものがある。

見てて楽しいかどうかはともかく、よくできてる映画だと思う。

上でジュディ・デンチの映画だって書いたけれど、ケイトさんお好きな方も是非。
まさに「女性が憧れる女性」である。
素晴らしく魅力的です。

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コメント

これ、観たいんですよねー。
Mとガラドリエルさまの対決なんて、凄そうですよね。
でも、またまた わたくしの住む県内には入ってこないんです(泣)
田舎なんか嫌いだあ。

投稿: 丸々 | 2007年6月15日 (金) 08:17

丸々さん、こんばんは。

大ヒットしたら、拡大公開ってなわけにはいかないでしょうか?
MさんがMよりもずっと恐いですよー(笑)。
ガラ様はお綺麗です(^^)。
設定が40代ということを後で知って、ちょっとビックリ。

投稿: 青猫 | 2007年6月15日 (金) 23:28

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