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2008年1月

2008年1月31日 (木)

毎日新聞夕刊(1/30)にツィメルマン

ピアニスト:ツィンマーマンが東京に住居 スイス、ニューヨークと3拠点で活動

コメント欄でエルさんに教えていただきました。ありがとうございました。
紙の方はチェックできないので、とりあえずネット上の記事をリンクしておきます。


以下、狼狽その他の実況中継。

「ツィンマーマン」じゃぁ、検索に引っかかんないじゃんか。
フランク・ペーターの方かと思っちゃうよ。。。

録音?東京で録音?何を?何を?何を?
記者さん、そこんとこ、ちゃんと訊いてくれー!

東京に住居ってどの辺なんだろう。
サントリーの近くとかかなぁ。

やっぱりというべきか、そうだろうなぁとは思ってましたが、文字通りの練習魔だったんすね。
「私は果てしなく、いつまでも練習ができる」って、あははは(乾いた笑い)。基本的に、何事にも「飽きない」人なんだろうなぁと思いますけれどね。
でも、なんか安心しました。ああいうピアニズムで全然練習しませんっていったら、世界の七不思議ですから。
あ、クレーメルが練習量少ないっていうのは、なんか分かる気がする(アルゲリッチなんかも、練習しないっていわれても納得。実際はしてるかもしれないけれど)。
でも、合わせ40分って、要するに全部通して合わせてないんじゃ…。
ゲネプロは別途ってことですかね。

って、それよりも、事故で怪我って、足だけじゃなかったのかー!!
脊椎って、背中なんか痛めたら本当にピアノ弾けないじゃん…。


詳細が分からないのでなんともコメントし難いですが、改めて命に別状が無くて本当に良かったという気持ちと、お願いだから気を付けてください…という思いがぐるぐるしてます。

かえすがえすも、お大事に。
うっうっうっ。なんか泣けてきた。。。

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2008年1月30日 (水)

[映画]スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

公式HP

既に記憶が朧なのと、現在脳味噌省エネ中につき、簡単に。

ティム・バートンとジョニー・デップ、ゴールデンコンビというか強力タッグというか、相変わらず仲良きことは美しきかな、なお二人。美しいというには、ちょっとディープなんだけど。
パイレーツ…でジョニデのファンになったの、というライトな方々がうっかり見に行って、ショックを受けてないことを祈ります。色んな意味で。

さて、予備知識ゼロで行ったらミュージカル映画でちょいとビックリだったんだけど、これ、私はミュージカル映画としては評価しません。
何しろ、楽曲のインパクトがおしなべて弱い。
映画館を出た瞬間に、どんな曲だったか全部忘れてしまうというのは、ミュージカル映画としては致命的にマズイような気がする。

ただ、ミュージカル映画にしたことで生じる非現実感が、ティム・バートン的なアーティフィシャルな世界に上手くマッチしてて、それはなかなか良かった。
あと、あれだけ血みどろ&凄惨な内容なのに、見てて意外とエグくも痛くなかったのは、ミュージカル的な様式美のなせるワザなのかな、と。ミュージカルって、どことなくポジティブな空気に流れがちというか、シリアスとか陰惨とかいう方向とは逆のベクトルに向かうものな気がするので。


ジョニデ演じるスウィーニーという人物の狂気とその代償、すなわち行動するが故に運命に弄ばれるやるせなさ、この辺のアンチヒーロー、アンチハリウッドな造形と話し運びは、個人的には結構好ましい。
まぁ、ジョニデの魅力と演技力に追う部分大だと思うけれど。

★★★+

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2008年1月29日 (火)

のだめカンタービレ in ヨーロッパ

B00137UQ2Qパリだ!プラハだ!!ぎゃぼー!!! のだめカンタービレ in ヨーロッパ
遠藤雄弥 山口沙弥加 小出恵介
アミューズソフトエンタテインメント 2008-05-09

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のだめ新春スペシャル、DVD出るようですね。

のだめスペシャルは、とりあえず某チューブで全部見て、第一夜分については先日同僚から借りて2.5回くらい見ました。第二夜もはよ貸してくれろ…。

コンクールでチャイコンって、やっぱり盛り上がりますね。
良い曲だ~。ほわぁぁぁ…。
演奏もすごく良かった!っつーか、このヴァイオリニスト、誰!?無茶苦茶立派な演奏やんけ!と思ってちょっと調べてみました。
サントラCDのアマゾンの頁にはエレット(パヴェル)と書いてありますが、ドラマで実際に弾いてらっしゃる方ってこの方ですよね?→Pavel Eretさん

B000Y3JGB2のだめカンタービレ スペシャルBEST!
のだめカンタービレ のだめオーケストラ プラハ放送交響楽団
エピックレコードジャパン 2007-12-19

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よく知らないんですが、指揮コンのソリストって、こんなに上手い人が弾くもんなの???
いやでも、あの3楽章、第一夜の最大のクライマックスですから、よくぞここまでちゃんとした人を呼んでくれました。
ブラヴォー&大歓声&スタンディングオベーションに、違和感ありませんもの。
ありがたやありがたや。

特典いかんによっては、DVDを買おうかなーと思ってます。
のだめドラマを見て以来、選曲(BGM)担当者の顔が見たい、と言い続けている私ですが、この機会に是非、インタビューか何かを希望。

のだめスペシャル、観光名所もばっちり押さえてたので、ロケ地マップ見るのも楽しそうだなぁ(っていうか、これを特典ディスクにするつもりは無かったのか…?)。

B00137UQ2G[のだめカンタービレオフィシャルガイド] パリだ!プラハだ!!ぎゃぼー!!! のだめカンタービレ in ヨーロッパ ロケ地マップ(仮)
アミューズソフトエンタテインメント 2008-04-11

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2008年1月27日 (日)

[映画]タロットカード殺人事件

公式HP

<ストーリー>
ジャーナリスト志望の女子大生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、休暇でロンドンに滞在中。ニューヨーカーのマジシャン・シドニー(ウディ・アレン)のマジックショーに参加したところ、そこで急死した有名新聞記者の幽霊に遭遇し、ロンドンを騒がせている「タロットカード殺人事件」の犯人について世紀のスクープを耳打ちされる。サンドラはシドニーの協力を得て、調査のためハンサムな英国貴族ピーター・ライモン卿(ヒュー・ジャックマン)に近付く。


ミステリとしては別に面白くない。っていうか、これ、ミステリじゃないだろ!って思ったら、原題はScoop(スクープ)。「タロットカード殺人事件」というタイトルはいかにも安っぽさ全開なので、「これは“本格”じゃありませんよ」というメッセージが込められた邦題なのかも?

それはさておき、会話劇としてはテンポが良くてまずまず。ウディ・アレンのマシンガン・トークと、それについてってるスカーレットの掛け合いは漫才のようで面白かった(ウディはややくどいけれど)。ウディの年代の方にとったらスカーレット・ヨハンソンと父娘ごっこというのは、一つのファンタジーだよな。楽しそうだなぁ、ウディ(これぞ本当の役得?)。
私はスカーレット・ヨハンソンはあまり得意ではないんだけれど、今回、ゴージャス美女じゃなくて適度に垢抜けないアメリカ娘というのが、英国貴族を演じるヒュー・ジャックマンのスマートさと良い対比になってたのではないかと思う。ヒューは、相変わらずお貴族様が似合う。これだけ完璧なジェントルマンぶりだったら、サンドラじゃなくたって、そりゃーひとたまりも無いだろう。

アメリカ人(ニューヨーカー)から見た英国の貴族社会という視点は、なかなか面白かった。ロンドンの街並みが楽しめるのも◎。

★★★

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2008年1月25日 (金)

CD散財録

B000007OE2Berlin Gala: Salute to Carmen
Claudio Abbado Georges Bizet Johannes Brahms
Deutsche Grammophon 1998-06-09

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すみません、このところミーシャミーシャとうるさくて。
ミーシャに振り回される一週間でご紹介したDVDの、CD版。DVDはART HAUS MUSIKというレーベルだけど、CDはDGから出てます。
うーん、DVDとちょっと印象が違うような?視覚から情報を一杯得られるせいもあるかもしれないけれど、DVDの方が良く聴こえるような気がします。オケとの音量バランスとかが違うのかも。気のせいかな。。。

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2008年1月19日 (土)

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団「コッペリア」

NBSの公式頁

1月14日(月・祝) 17:00開演 ゆうぽうと
スワニルダ:吉田都
フランツ:イアン・マッケイ
コッペリウス博士:デヴィッド・モース

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団は、英国ロイヤル・バレエ団の姉妹バレエ団にあたります。現英国ロイヤル・バレエ団ゲストプリンシパルの吉田都さんが、ロイヤル・バレエ・スクールを出てすぐ入団したバレエ団で、彼女にとったらいわば古巣ということになります(当時はサドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団といいましたが)。今回、都さんがゲスト出演ということで、私が公演に気が付いた時にはチケットなんか影も形もありませんでした。追加公演のチケット発売日にも玉砕してしまいましたが、頑張って残り物の福をゲットして、前から3列目で見てきました。こんなに良い席、初めてかも?!
都さんの「コッペリア」、今回英国のプロダクションということもあってどうしても見たかった演目なので、ものすごく楽しみにしていました。現在、DVDで出てる英国ロイヤルの「コッペリア」はベンジャミンが主演してますが、本当だったら都さんで収録の予定だったんだそうです。直前の腰の怪我で降板してしまったそうで、ファンとしては「あああ、映像が残っていたら…!」と地団駄を踏む思いもあり、ちょっと思い入れの深い作品なのです。彼女が17歳の時に、ローザンヌ国際バレエコンクールで賞を取った時のヴァリエーションがコッペリアでしたしね。

久し振りの生都さんでしたが(6年ぶりくらい?ひえー)、登場時から感動してちょっと涙目になってしまいました。端正さの中に宿るポエジー。まるで都さん自身が音楽そのものであるかのような、素晴らしい音楽性。まさに、“至芸”です。
それにしても、ビックリするほどトウシューズの音がしません。ここ(ゆうぽうと)はそういう床の材質なのか?と思ってたら、他のダンサーは、コトコト、キュッキュッと足音その他のうるさいこと。要するに、基本的な技術の高さが段違いなんですね。ピルエットなど、いわゆる“技”のキレはいうまでもありませんが、ただ歩くだけでも綺麗さが全然違います。動きに無駄が全く無いですし、どのポーズを切り取ってみても絵になります。
都さんは、相変わらず小柄で華奢で、少女らしさたっぷり。いやむしろ、以前よりキュートさ、可憐さが増したような?恋人のフランツがコッペリアに夢中な様子を見て、ブンむくれてるところとか、最高に可愛いです。フランツ、この怒った顔見たさに、わざとやきもちをやかせようとしてるんじゃないか?とか思ったくらい(そんなワケ無いんですが)。心中、「カワイイ~、カワイイ~」と悶絶しておりました…。
2幕のお人形のフリもお見事でした。動きの人形っぽさに加え、全然瞬きをしないってあたり、徹底してたと思います。

他のダンサーについても少々。
イアン・マッケイは、背がすらっと高くて、髪の毛くるりんのなかなかのハンサムさん。明るく爽やかな感じで良かったです。ただ、ジャンプの着地があまり決まらないのと、舞台が狭いせいなのか、なんだか踊りにくそうなのがちょっと気になりました。
シルビア・ヒルメスのジプシーが妖艶でした。白い可憐なお花を思わせる都さんとは良いコントラスト。
総じてソリスト陣はあまり踊りが印象に残ってないんですが、スワニルダの友人役の中にいたアジアンの女の子(ジャオ・レイという中国人のお嬢さん)が、動きが流れるように美しく、ソロで見てみたいな、と思わせるものがありました。他の日はソロもあったようで、羨ましい!

衣装も英国らしい重厚な色遣いと、豪華さがあって素敵でした。3幕の公爵は白髪長髪+髭+ズルズル衣装で、思わず「サ、サルマン?」などと思ってしまい、笑いをこらえるのに必死でしたが。

シェイクスピアの国・英国らしく演劇的な要素も一杯のコミカルなプロダクションで、至福の2時間半でした。

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2008年1月18日 (金)

[映画]俺たちフィギュアスケーター

公式サイト

<あらすじ>
アメリカフィギュアスケート界では、マッチョな“氷上のロックスター”チャズと、優美な“氷の神童”ジミーがしのぎを削っていた。二人はある大会で同点1位となったが、表彰式で大乱闘を演じてしまい、金メダルを剥奪された上、フィギュアスケート界から永久追放されてしまう。
3年半後、チャズは子供向けのアイスショーに出演するも酒浸り、一方、ジミーはスケート洋品店で働いていた。しかし、追放されたのはあくまでも「男子シングル」からであって、もしかしたら男子ペアなら復帰できるかも?と、犬猿の仲だったチャズとマイケルは嫌々ながらもペアを組むことになる。


なんか、この映画、日本ではお蔵入りの予定だったらしいけれど、休みの日に行ったら開始40分前でもほとんど席が選べない状態の満員御礼。頑張って日本公開にこぎつけた担当者は、今頃鼻高々だろうなぁ。

まぁ、“良識的”な日本の配給会社が恐れをなすのも分からないではない、見事なまでのバカっぷりであった。

しょっぱなから、男子シングルの、一昔前の王子様的ヒラヒラ・キラキラを思いっきりコケにしてたりしてて、フィギュアスケートをおちょくりまくっている。マジメな関係者が怒り出したりしないんだろうか、、、と思ったら、ハミルトンだのボイタノだのケリガンだの、アメリカフィギュア界の大物が大挙して本人役で出演してたりして、ワケが分からん。サーシャ・コーエンもいたけれど(台詞もあり)、あなた、競技に出ないでこんなところで一体何しとんねん。。。これで良いのか、トリノ銀メダリスト。

スポ根、友情、恋愛、ライバルの妨害等々、実は展開自体はベタで奇をてらったものではないんだけれど、基本は下ネタ満載のバカ映画なので(スケートの技自体も超荒技&下品度高し)、フィギュアスケートを神聖なものととらえてる方は避けた方が無難かな?プルシェンコの「sex bomb」の悪ノリを見て大喜びできる方は大丈夫な気もするけれど。

「あ~、バカだ、バカだ、本っ当にバカだね~」と呆れつつ、爆笑しっぱなし。
バカバカしい笑いをお求めの方は、是非どうぞ。

続きを読む "[映画]俺たちフィギュアスケーター"

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2008年1月17日 (木)

CD散財録

B00005AVMNDinu Lipatti plays Chopin, Enescu, Ravel, Liszt & Brahms
Johannes Brahms Fryderyk Chopin George Enescu
EMI 2001-04-10

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お目当てはショパンのソナタ3番だったんだけれど、これ、ラヴェルの「道化師の朝の歌」が入ってた。「道化師…」、のだめ効果で、瞬間的に人気曲になってたりするんだろうか。


E.Ysaye Six Sonatas for Violin Solo Gidon Kremer
HMVの商品頁
若い頃のクレーメルの、イザイ無伴奏ソナタ。たまたま見かけて視聴して、3秒で即決。


B000VJ2710Shostakovich: Piano Concerto No. 1; Piano Quintet; Concertino for Two Pianos
Mischa Maisky Dmitry Shostakovich Alexander Vedernikov
EMI Classics 2007-10-23

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アルゲリッチのショスタコーヴィッチのP協1番。今、地上のCD屋では、クラで一番売れてるCDっぽいですね。この曲は多分聴いたことが無いので、今回初挑戦。


B000SSPL2GBeethoven: Piano Concerto No 5
Mikhail Pletnev
Deutsche Grammophon 2008-01-21

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ミーシャのベートーヴェンP協全集の最後を飾る5番「皇帝」。こちらも地上のCD屋では結構扱いがでかくて、本屋でいうところの平積み扱い?CD屋では積むよりも、ジャケの表をこちらに向けて並べることが多いと思うけれど、某タワーではかなりのスペースを占拠してて、ダッと一面ミーシャという、ある意味気味の悪い情景を見かけた。思わず、ちょっと、これ、そんなにプッシュしても良いものなの???などと、聴いてもないのに酷いことを考えてしまいましたよ。。。
演奏はやや前にのめってて、いかにもライヴっぽい感じ。この辺のテンション、(てんぱり具合まで)オケとピアノが完全に同調してるのが面白い。ミーシャとロシアナショナル管は一心同体、毒を食らわば皿まで(用法間違い)、ですか…。
ちなみに、使用楽器はブリュートナーだそうです。


Goldberg Variations Gustav Leonhartd
HMV商品頁
なぜかチェンバロ。グスタフ・レオンハルトのゴルトベルク変奏曲。

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2008年1月11日 (金)

ミーシャに振り回される一週間

ミーシャことミハイル・プレトニョフ、目下、私にとって最大の難人物である。

1957年生まれのピアニスト兼指揮者。1978年のチャイコフスキー国際コンクールの優勝者だけれど、現在はピアニストとしての活動は休止中(引退か?)。

見るからに俊英というか、才気煥発というか、才能があり余ってる感じがプンプンと漂う御仁。ピアノは弾くは、指揮はするは、オケは作るは、作曲・編曲はするわ、その他にも色々特技があるらしく(バトミントンのトレーナーの資格を持ってるとか)、「何でもできてヤな男だな」というのが私の正直な印象(何故かミーシャについてはとことん口が悪くなる私)。

しばしば奇才、鬼才などと称され、個性派に分類される。即興的で自由奔放な(実際には即興などではなく、綿密に練り上げられたと思われる)歌い回しは大変面白く、ある種麻薬的な魅力すら宿るのだけれど、往々にして散々いじり倒してこちらの予想をはるかに超えたフレージングを繰り出してくるので、「ここまでやったら、もう嫌がらせの域だろう」とか「この人、基本Sだよな…」と思うこともしばしば。それがたまらんという人もいるだろうし、耐えられないという人の気持ちもよーく理解できる。

なので、私としては、好きか嫌いかきかれると、返答に困る演奏家である。決して大好きではないし、聴いててカンに触ることが多いくらいなんだけれど、一方でどうしようもなく惹きつけられるところがあるのも否定できない。直球ストレートど真ん中ではないけれど、スライダー外角一杯、絶妙なところに入ってくる感じだろうか。

さて、今回、珍しくど真ん中だったのが、下のDVDのラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。

B00004UEE1New Years Gala: Tribute to Carmen
Berlin Philharmonic, Claudio Abbado
Arthaus Musik 2000-10-03

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HMVの商品頁では、「ジルベスター・コンツェルト」になってるけれど、DVDのジャケにはNew Year's Galaとも書いてある。ジルベスターだったら大晦日コンサートじゃないのかな?

とにかく上手いパガ狂である。アホみたいに上手くて、まるでカミソリの如き切れ味。ここまでくると笑いがこみ上げるレベルで、見ながら20秒おきくらいに「上手い、上手過ぎる…」と唸ってた。元々、ミーシャはテクニシャンの誉れが高い人だし、もちろんCDを聴いてても感心する瞬間は一杯あるんだけれど、今回はライヴということもあって、ちょっとタマげてしまった。

ここまで平然と弾くのもちょっといかがなものかと思わせる見事なポーカーフェイスで、終始、余裕綽々で弾きまくり、しかも汗一つかかないときたもんだ。24変奏(コーダ)なんか、ドカドカドカドカっ、ダダダダダっていう跳躍満載だけど、まるでターミネーターの如く難所を粉砕して突き進み、ラストは落ち着き払ってサラっと締める。あーもうなんだか、ひたすら可愛くない。アラ無し、隙無し、文字通りのパーフェクト。

タッチマニアぶりも健在。この人のタッチの多彩さ、特に弱音の表現の幅の広さというのは、本当に驚くべきものがあるんだけれど、フォルテも音割れや濁りが無くて、実に綺麗な鳴り方をしている。鍵盤の押し込み方とか、離鍵の仕方とか、映像で見ると、なるほど、こうするとこういう響きになるのか…と色々腑に落ちると同時に、ここまでやるか、とも思う。

速いスタッカートのパッセージなんか、一音一音、強弱・ニュアンスを凄まじいレベルで制御してて、一体どういう運動神経をしてるんだって思ったけれど、これは運動能力というよりもむしろ知性の問題という気もする。テクニックがあっても、こういう速いパッセージは、ニュアンスも何もなく無表情(無自覚)にササッと弾き飛ばす人もいるわけだから。

あとはやっぱり、ペダリング。音の響かせ方はもちろん、減衰のさせ方、消し方がものすごく上手。フレーズの最後、キュッとペダルを上げる、音の収束のさせ方が一々カッコいい。そう、実にcoolでカッコいいんですよ。。。

やばいなー、これは恋に落ちそうかも、などと思いつつ、ここしばらくエンドレスリピートしていたんだけれど、今日、ふとショパンのピアノソナタ3番を聴き直してみたら、これがまた別の意味で強烈だった。

B000CBNYYGショパン:幻想曲
プレトニェフ(ミハイル) ショパン
ユニバーサル ミュージック クラシック 2006-01-13

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冷水を浴びせかけられました。文字通り、冷却水。

ええと、ルバートかけまくり、リタルダンドしまくりのテンポズルズルは良いんです、この際。

良い演奏というのは、えてして脳ミソよりも体が反応するものだけど、私はこの演奏、聴いてて脂汗が出てくるような気分だった。普通は体が反応というと「血沸き肉踊る」状態を指すわけだけれど、今回は、嫌な血圧の上がり方をして心臓に負担がかかるような、そういう感じ。いや、それはそれですごい演奏なわけなんだけど。

何なんだろう、この、奏者のエネルギーが微妙に外に発散していかない感じは。どこか一歩引いてるというか、後ろを向いているというか、何となくネガティヴな雰囲気が漂う。特にフィナーレの、緊張と弛緩を繰り返すかのような、そしてどこか病的な影が見え隠れするような表現はかなり特異ではないかと思う。ここには、テンションをグングン上げて豪華絢爛と盛り上がり、最後はドンガラガッシャンと爆発的なカタルシスとともに幕引き、というようなストレートさは無い。確かに、随所に華やかなヴィルトゥオーシティは見られる。だけど、明と暗があまりにも目まぐるしく交錯するものだから、必ずしも技巧の華々しさが、敢然と何かに立ち向かうようなポジティヴな力強さやパッションの表現になってないのである。

プレトニョフという人は、この曲において、一体何を、どんな情景を見ているんだろうか。やっぱり、この人のヴィジョンはちょっと普通じゃない気がする。。。


そんなわけで、頭を抱えていたら、何となく恋に落ち損ねてしまった。とりあえず、ミーシャは私の中でピアノの上手い人二傑のうちの一人に決定なんだけれど、やっぱり無条件に大好きにはなれない運命にあるらしい。まぁ、無条件に大好きな人が二人もいたら身がもたないので、かえって良かったんだけど。

どうでもいいけど、この二傑、「王子」というにはちょっとトウが立っているけれど、白王子と黒王子というとしっくりくるような。それとも天使と悪魔っていった方がいいのかな。いや、天使はブレハッチか?何せ“ラファウ”さんだし。あー、なんだかよくわからなくなってきた…。それにしても、ツィメルマンが好きでなおかつプレトニョフも、、、ということが成り立つのが、自分でも驚き(単に節操無しなだけ)。

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2008年1月 9日 (水)

Play and feed a hungry person!

知人に教えてもらったFreeRiceというサイトの紹介です。

サイトの目的は2つ。
Provide English vocabulary to everyone for free.(全ての人に無料で英語の語彙強化の機会を提供すること。)
Help end world hunger by providing rice to hungry people for free. (世界の飢餓を無くすために無料で米を提供すること。)
そのために、
For each word you get right, we donate 20 grains of rice through the United Nations to end help world hunger.(1単語正解するごとに、飢餓を無くすために、国連を通じて20粒の米を寄付します。)
とのことです。

例えば、
presto means:
overhead
suddenly
usually
gaily
こんな感じで4択で単語が並ぶので、意味の一番近い単語をクリックして正解すると、その都度、20粒の米が寄付されるという仕組みです。

米の寄付については、このサイトの広告主がまかなっているそうです。

ボキャビルと米の寄付、やや突飛な組み合わせですが、「勉強」というある種非常に非生産的な行為によって、この世界のどこかに助かる人がいるのであれば、それは大変嬉しいことです。

英語を勉強している方もそうでない人も、是非トライしてみてください。

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2008年1月 5日 (土)

CD散財録

今年初のCD散財録。
といっても、年末に買ったものは2007年の総括に入れられなかったので、初買いではなくて年末年始のお買物ということになりますが、面倒なので2008年分としてカウントします。

B00000DOJRSchumann/Mozart: Piano Concertos
Wolfgang Amadeus Mozart Robert Schumann Herbert von Karajan
EMI 2001-06-05

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リパッティのシューマン、モーツァルトP協。 ジャケのカラヤンが若過ぎて、最初カラヤンだと分からんかった。。。


B000X8LAXUアルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ・ライヴ・イン東京 1973
アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ - シューマン
TOKYO FM 2007-10-20

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ABMことミケランジェリの、1973年10月29日の東京文化会館のリサイタルの音源2枚組。ABMのライヴ音源は音がイマイチなものも多いみたいだけど、これは音が良い。
プログラムはシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化《幻想的風景》」、ショパンのソナタ2番、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」、「夜のギャスパール」。この音質で聴けるラヴェルって、他にあるのかな?

このシューマン、良いなぁ。シューマン苦手なんだけど、これは大丈夫。
あとはラヴェルが溜息モノ。あまりにも精妙な響きに眩暈を覚えた…。ラヴェル収録の2枚目はずっと、「スゴイ…スゴイ…スゴイ…(エンドレス)」と唸りっぱなしだった。やっぱり、ABMのラヴェルには(P協奏曲なんかもそうだけれど)マジカルな何かが宿っている。


B00004UEE1New Years Gala: Tribute to Carmen
Berlin Philharmonic Claudio Abbado
Arthaus Musik 2000-10-03

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HMVでは廃盤表記だったけれど、アマゾンには在庫がある、のかな?

副題に「A Tribute to Carmen」とあり、アンネ=ゾフィー・フォン・オッター がカルメンを歌ってるけれど、うーん、こりはちょっときれい過ぎる気がしないではない。
お目当てはプレトニョフのラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。これが信じられないほど良くて、ただ今絶賛リピート中。新年早々(買ったのは大晦日だけど)、良いものにぶち当たったなぁ。感想、別記事にします。
シャハムはサラサーテのカルメン幻想曲。シャハムも超絶技巧の曲をあっけらかんと弾き切る。後半、シャハムがノってくると、ところどころオケがついてってません。


B000228WBUシューベルト:さすらい人幻想曲
リヒテル(スビャトスラフ) シューベルト
EMIミュージック・ジャパン 2004-06-23

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今年は聴いたことのない曲も一生懸命聴いてみようかと思って、まずはシュベルトから。

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2008年1月 4日 (金)

[映画]魍魎の匣

ストーリー省略、ネタバレ無し。

前作があまりにもあまりだったので、今回、期待値は限りなくゼロに近かった。むしろ、どれだけトンデモSF映画もしくはB級ホラー映画になるか、逆に楽しみだったっていうか。全く、原作ファンってのは意地が悪いもんです。

そんなわけで、やる気ゼロもしくは手ぐすねを引くような、アンビバレントな気分で鑑賞したんだけど、オープニング、ハコハコハコハコ、画面全部ハコなシーンで、「お、もしやこれはいけるかも」と、思わず座りなおした。ハコがね、どれも綺麗だったんですよ。これはおそらく小道具さんが頑張ったな、と(こういうところが判断基準な私…)。

それにしても、監督が変われば変わるもんだなぁ。原田眞人、ちょっと他の作品も見たくなった。

今回、適当にお茶を濁した感が無くて、それが好印象の一番大きな原因。「火サスに毛が生えただけ」みたいな安っぽさが無くて、細部までよく考えて作りこんである感じ。映像のクオリティは非常に高いと思う。おそらくは、美術さんが良い仕事をしてるし、中国ロケも上手くハマってるし、良い具合に「昭和20年代の日本」という世界を生み出している。「昭和20年代の日本」といっても、いわゆるリアリズムや「再現」とはちょっと違ってて、ある世界観があって、それを目指してかっちり構築し切った場合に生じる「真実味」が存在するとでもいおうか。

脚本も、台詞の量は通常の3時間分と破格に多いわけだけれど、よくもまぁあそこまで詰めたな(短くした&詰め込んだ、両方の意味で)と感心した。あの厚さの本をちょん切るワケだから、何をどうカットしても足りない部分は出てくると思うけれど、よく健闘したのではないかと思う。敢闘賞ってところだろうか。後半、憑き物が落ちたんだか落ちてないんだか、ちょっと釈然としないというか、多少カタルシスに欠ける気はするけれど。

原田監督は、演出が上手いと思う。役者同士の掛け合いのノリや間合いの取り方が良いし、小漫才的なシーンも楽しい。長台詞があるからいろいろ難しいだろうに、全体のテンポも間延びすることなく、軽快。関口、榎木津、京極堂が一度にうわーっと喋って何が何やらよく分からないシーンなんかも、分からないからこそ可笑し味が出てたりして、こういう見せ方があるのかと感心したりして。多かれ少なかれ原作のキャラ造形とは隔たりがあるけれど、「芝居」として見てて楽しいからこれはこれでアリか、という気にさせられる。

堤@京極も、今回の方がグッと印象が良くて、彼はじっとしてるよりも少し動いた方が魅力的なのかもしれない(ってそれは京極堂としてはアレなのだが)。祝詞を唱えながらステップを踏むシーンは所作が一々決まってて、かなり見直した。椎名@関口、宮迫@木場は、基本的に両方ともイメージが違うんだけど、関口が勝手に延々と喋ってるシーンとか、木場の映画館のシーンなんかは、役者の動かし方が上手だなと思ったところ。


今回、原作の、「彼岸」や「闇」を思わせるような雰囲気はほとんど感じられない。役者の演技が比較的コミカルだとか、画面が明るかったり、あとは久保の小説の扱い方とか、色々要因はあると思うけれど、とにかく、画面からあの異様さが漂ってこないのが残念といえば残念。おそらく、それを許し難いと思う原作ファンはいると思う。というのは、原作の何がすごいかって、やっぱり、あの「見てはならないものを見てしまった…」と背筋が寒くなるような、独特の凄みだろうと思うから。

ただ、私としては、これは映画だから、小説とは表現言語も表現するモノも違うわけだし、これはこれでまぁ良いか、という気分もあったりする。映画は映画なりの取り柄が何かあれば良いかな、と。あと、原作付きの場合は、原作に対する愛と敬意を忘れずに、お金と時間をかけてきちんとした仕事をしてくれさえすれば、別個の作品として認めましょう、ってところだろうか。

そんなわけで、自分でも驚くほど文句の少ない映画版「魍魎の匣」だった。
DVD、出たら買うよ。

ちなみに、原作は傑作なので、未読の方は是非。エグイといえばエグイけれど、本当に大傑作です。

4062646676魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)
京極 夏彦
講談社 1999-09

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2008年1月 1日 (火)

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になり、また、色々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
2005年に始めた本ブログも、1月4日で3周年です。
これも、いつもいらしてくださる皆様のおかげです。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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