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2008年2月15日 (金)

英語のセンスを磨く―実践英語への誘い

4000222635英語のセンスを磨く―実践英語への誘い
行方 昭夫
岩波書店 2003-01

by G-Tools
★★★★★

多読はサボってますが、一応勉強してました。

本書は、英文をコンテクストに照らして、いかに丁寧に読むかという、精読のための本である。
精読の参考書というと、非常に堅苦しくいかにも「勉強!」な物を想像してしまうが、本書は口語調で書かれているために非常に柔らかい雰囲気。しかも語り口がとてもノーブルである。
ただし、内容はなかなか歯応えがある。一語一語、ここまできちんと注意して読まなくてはいけないのか…と目から鱗が落ちる。ほとんど、現代国語の授業を受けているかのような気分。大学の英文科の授業は、こんな感じなんだろうか?(行方氏は、東大教養学部の先生だった人)

一発目の課題文はこんなん。

In the last generation of the 20th century, all revolutions are local. Technology assures that whatever struggle occurs-in the streets, the factories, the schools-it reaches living rooms all over the world. Amoung the first casualties are stereotypes : in the information age, anyone can examine the evidence firsthand, which makes it harder for ignorance to fuel oppression. The effort of women around the world to see that their rights are respected, their voices heeded, their opportunities widened involve a struggle to share information. If knowledge is the currency of power, images of change bring opening, inspiration-and warning.

…いきなり難しい。
「20世紀の終わりの世代においては、ありとあらゆる革命はlocalなものとなった」という文章、この“local”とは一体なんぞや、というところから始まる。ちなみに、このlocal、辞書には載ってない使い方だそうで…。それからcasualtiesも日本語になりにくいし、fuel oppressionもちょっとイメージが沸き難いし、-and warningも実は結構難物。

とりあえず訳。
「20世紀の終わりの世代においては、ありとあらゆる革命はlocalなものとなった。例えば道端で、または工場で、もしくは学校において、どこでいかなる争いが起きようとも、科学技術が発達したおかげで、世界中のどこの茶の間にいてもそれらを知り得る状況となった。革命が他の地域に即座に伝わるようになったことで、被害を蒙ったのは因習的な固定観念である。すなわち、情報時代においては誰もが証拠を自分の目でしっかり検証できるようになったので、大衆の無知を頼りに抑圧を続けることは困難となってきている。世界中の女性たちの、自分たちの権利を尊重させ、声に耳を傾けさせ、機会を拡大させようとする奮闘には、情報を共有しようとする努力も含まれる。知ることとは力を得ることであり、変革の映像は目を開かせ、鼓舞するものとなり、また警告ともなり得るのだ」

これくらいのレベルの英語だと、日本語と英語をつき合わせても、イマイチ釈然としないって方もいらっしゃると思う(私の訳がこなれてないってのもあるけれど)。
この辺の溝を埋める行方氏の解説が文字通り絶品なので、受験英語以上上級者未満の方には是非読んで感動していただきたい一冊。

精読の仕方だけではなく、理解した内容をどのように日本語にしていくかという翻訳的な観点からも言及があって、そちらも素晴らしい。

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コメント

青猫さん、おはようございます。私もこちらに遊びに来ました。

速読と精読、どちらが大事?なんて質問がよくされますが、やはり両方が大事な気がします。”センスを磨く”というところが、なかなか大変。ちょっとレベルが高そうですが、英語学習のモーチベーションを上げるには良さそうな本ですね。実践英語に誘われてみよっかなって気になりましたhappy01

投稿: コニコ | 2008年3月 4日 (火) 09:19

コニコさん

こんばんは!
精読と多読、私も両方やるのが良いのかなと思います。英語を英語のまま理解する感覚を養うには多読が大事だと思いますし、でも綿密に読み込むには精読の力も必要ですし。
たまにはこういう本を読むのも目先が変わって良いですね。飽きたらまた多読に戻ってってやればちょうど良い感じかもしれません。

投稿: 青猫 | 2008年3月 6日 (木) 21:46

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