« 傷心… | トップページ | ツィメルマン ショパン/シューベルトのDVD情報 »

2008年5月19日 (月)

Return of the King

英国のmusic journalist(音楽評論家?)Jessica Duchenさんのブログ記事について。
Return of the Kingという記事がアップされてます。

戻ってきたのはヴィゴ王アラゴルンではなくて、"My king"ツィメルマンさんでございます。

Jessicaさんは、以前ツィメルマンさんのお誕生日におめでとうメッセージを載せてたので、かなりKZ好きなのかな?という印象を持ったのですが、今回の出だしはなかなかゴージャスな感じです。

こんな↓
Krystian Zimerman - to us, King Krystian the Glorious - will be in the UK next month for three recitals…
Krystian Zimerman-私たちのとってはKing Krystian the Gloriousである-は、来月、3回のリサイタルのためにUKに戻ってくる…

「King Krystian the Glorious」、なんだか「King William the Conqueror」(征服王ウィリアム)みたいですね。
「the Glorious」の訳が難しいですが、glorious=輝かしい、壮麗な、荘厳なetc...ということで、「荘厳王クリスティアン」とか「栄光のクリスティアン王」とかそんなニュアンス?

まずは、UK公演のプログラムの記載があるのでそちらから。
Bach: Partita No.4 in D major, BWV 828
Beethoven: Sonata in C minor, Op.111
Brahms: Klavierstucke, Op.119
Szymanowski: Variations on a Polish Theme, Op.10

パルティータの4番って今まで弾いたことあったんでしたっけ?
2番とアナウンスされてる会場もありますが…。
ブラームスのKlavierstuckeは、4つのピアノ小品ですね。
うーむ、これをこのまま日本に持ってくるんだろうか。。。

さて、本文中の赤字の「Here is the feature」から、JessicaさんのKZ取材記事のPDFに飛べます。
記事が掲載されている「PIANIST magazine」は通販もできるようなので、さっき注文メールを出してしまいました。
表紙がすごい好きな、お茶目ハンサム写真なので、つい…。

PDFをざっと眺めたところ、新情報、初めて知ることも結構あったのでこれはという部分を箇条書きしてみます。

■ショパン、リスト、シューマンなどのアニバーサリーイヤーを考慮しつつ、2010年までの予定を組みつつある。
The difficulty is, he says, that he's planning programmes up to the end of 2010, taking account of several anniversaries -among them, Chopin, Liszt and Schumann…

■ピアノ運搬用のバンを設計し(本人曰くよく故障するらしい)、ピアノを持ち上げたり移動するための様々な道具類も自作している。
Zimerman has designed a special van to transport his piano ('it breaks down every half an hour,' he grumbles) and has himself made a number of tools to lift, shift and shunt the three-legged giant.

本当に一から十まで自分でやらないと気がすまないんだなぁ。

■その昔、ピアノの予備部品を作ってお金を稼ぎ、生活の足しにしていた。
As I was already working earlier on making spare parts, and in my free time I was making some money from this to survive, I learned how these parts are being made and how different they can be in various pianos.

ピアノの部品を自作してたってのは知ってましたが、それで小遣い稼ぎ(?)をしてたとは…。

■1991年にはじめたシマノフスキのCDが完成しつつある。数年のうちに3枚のCDを計画中で、長らく待たれているショパンのソナタも実現するかもしれない。
Admirers of his white-hot, visionary interpretations of the Choin sonatas waited with bated breath for the recording. They're still waiting. But Zimerman, who says hi's finishing a disc of Szymanowski's music that he began in 1991, drops a loaded hint that among three more CDs he's planning in the years ahead, the longed-for sonatas may yet materialise. ' I think I finally figured out how to do this,' he remarks - adding wryly, ' though I have been supposed to record them since 1975!'

wait with bated breathってのは、「固唾を呑んで待つ」とか「息を殺して待つ」って意味ですね。言い得て妙っていうか…。
店頭に並ぶまで安心できませんが、これは期待しても良いんでしょうか???

■バーゼルにほど近い村に自宅と仕事場(スタジオと音源・本を置くスペース)があって、ジュラ山脈がよく見える。
In 1981, Zimerman and his wife, Maja, were away on tour when martial law was declared in Poland. They elected not to return and subsequently settled in the Swiss countryside not far from Basel, where they still live today with their two teenage children, Claudia and Ricki. Here Zimerman has built what appears to be an ideal life, home and workplace, with soundproofed studio, space for his plentiful archive of recordings and books, and panoramic views across the Jura Mountains.

バーゼル在住っていうのはよく出てくる話ですが、(「山の中」と書いてる人もいましたが)やっぱり近郊のカントリーサイドなんですねぇ。田舎も都会も好き?


あとは、昔から現在に至るまで夜行性であるとか、故郷のシレジアの炭鉱の公害のせいでlung ploblem(肺疾患)があるとか、年に2ヶ月は日本で過ごしているとか、政治的なこともあって当面(2009年以降)アメリカに行く予定が無いとか、趣味はアイスダイビングだとか(……あえて何も言うまい)、こまごまとした話が盛りだくさんです。既出の話も多いですが、そこに一々プラスαの情報が加わってたりして、何とも美味しい感じ。

あと、先の東京のリサイタルのDVDがどうのという話もしてるんですが、後日(?)本人が否定していたという話も某所で見かけたので、どうなることやら、です(ヘソ曲げちゃったのかな。。。)
出すにしても、モーツァルト、ベートーヴェン、ラヴェル、ガーシュインというラインナップなので、ショパン、バツェヴィチは入ってこないでしょうね。

|

« 傷心… | トップページ | ツィメルマン ショパン/シューベルトのDVD情報 »

Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事

コメント

キング・・・ちょっといたずらな天使みたいな所もあるし・・・ま、好きになると何もかもがよく見えます・・・。
それにしても、アイスダイビング・・・。スルーできない単語。なんでまた、そんな趣味。ううっ。

シマノフスキ・・・。ショパンソナタ・・・。
う~む・・・どうなるんでしょ。それにしても素敵なプログラムですね。

投稿: Melody♪ | 2008年5月20日 (火) 00:42

Melody♪さん

KingでもPrinceでも違和感無いですし、もちろん天使でもOKです(あー、今思いっきり想像してしまった…)!
アイスダイビングねぇ、、、ダイビング好きは昔からみたいですが(本人も奥さんも言及してるし)、アイスってのは初耳でした…。アイス…。スキーとどっちが良いかって感じですが、うーん、どっちもどっちかも…。

プログラム、良いですよねどれも本当に聴いてみたいです。でもシマノフスキはかなりマイナーかも?予習しようと思ってCDを探したんですが、そんなに種類が無かったです。

投稿: 青猫 | 2008年5月20日 (火) 18:13

お久しぶりですヽ(^o^)丿。ツメ様情報いつにも増して中身が濃いですね。アメリカは政治的なことで2009年以降行かないとは・・。なんの影響なんでしょうか。気になりますね。またピアノ関係の部品も作って生活の糧にしていたとは・・全てがこだわりの方ですね。潰してはまた組み立てたりして、ああでもないこうでもないと徹底的に追究されてそうですね。いろんな情報教えていただき嬉しいです。

投稿: バイエル | 2008年5月20日 (火) 20:03

バイエルさん

こんにちは、お久しぶりです。
Jessicaさん、改めてブログを読み返してみたら、ローティーン(!)の頃からKZファンだったそうで、やっぱりそういう方が取材すると濃さが違いますね~。
あ、アメリカに行かない理由、曖昧に濁してしまいましたが、実はアメリカについてはかなりいっぱい喋ってます。「政治的」の一言で片付けてしまったら、ツィメルマンさんに怒られるかも
ええと、要するに「行きたくない」みたいですって身も蓋も無いですが。この7年間(ブッシュ政権下)のアメリカの政治状況には我慢ならん、ということみたいですね。今後、状況は変わるかもしれないけれど(近く大統領選がありますので、大統領が変われば…という意味だと思います)現段階では色々と不安を感じることが多い、と。彼がイラク戦争に批判的なのは今に始まったことではないですが、このインタでもはっきりと"completely unnecessary war that was completely wrong"(全く必要のない、完全に間違った戦争)と表現してますし、「私たちは20年後か30年後かに、現在のことを振り返って、テロリズムとの戦いの時代ではなく、テロリズムを生み出してしまった時代とみなすのではないかと思います。そしてその責任の一端は、ラムズフェルド氏などとともに間違いなくブッシュ大統領にあると思うのです」といってますので(名指し…)、税関でピアノを壊されたとかそういう個人的な出来事はさて置いても(^_^;)、アメリカには色々と思うところがあるのではないかと思います。

投稿: 青猫 | 2008年5月20日 (火) 23:27

27日、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールでのコンサートに行って来ました!コンサートの前にJessica Dとのトークが20分ほどありました。その中で話されていた様に、バッハの演奏の後で担当の人がステージにササッと出て来て、ベートーベン用に鍵盤を取り替えたんですよ。いろいろ楽しいコンサートでした。

投稿: オリビア | 2008年5月28日 (水) 21:11

オリビアさん

初めまして、拙ブログにおいでいただきありがとうございます。

ロンドンのリサイタルにいらしたんですね!良いですね~。一度、ヨーロッパの空気の中で聴いてみたいものです。始まる前にトークなんて、余裕というかなんというか…。Jessicaさんのブログで写真をみましたが、ラフな感じで今からリサイタルという感じには見えませんね。でも、ファンにとっては嬉しい企画ですね。

いよいよ曲ごとに鍵盤とっかえですか。。。だんだんやることがものすごくなってきてますね…(^_^;)。

投稿: 青猫 | 2008年5月29日 (木) 23:40

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Return of the King:

« 傷心… | トップページ | ツィメルマン ショパン/シューベルトのDVD情報 »