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2008年6月22日 (日)

<モーリス・ベジャール追悼 特別公演>モールス・ベジャール・バレエ団 2008年日本公演 6月15日(日)

10日(火)のボレロプロを見たら見事に火がついてしまい、6月15日(日)の「バレエ・フォー・ライフ」も見ることに。
「バレエ・フォー・ライフ」は断片的にしか知らなかったので、ちゃんと全部見てみたかったし。
10日の「イーゴリと私たち」「アダージェット」でジル・ロマンに完璧にノックアウトされて(昔っから「上手いなー、すごいダンサーだなー」とは思ってたんだけど、まさか生オーラがあそこまで強烈だとは……。もうなんだか今まで生で見なかったは「不覚!!」としか言い様が無い)、「バレエ・フォー・ライフ」でジルを見たい!という気持ちも抑えがたくなってしまったということもある。
その時点でジルが出るかどうかは未定だったけど。
※キャストは当日の朝発表


結果的には、ジルはお休みだった。
東京最終日、休むかね……。
ジル以外も大分顔ぶれが違ってて、いわゆるセカンド・キャスト(といっていいのかな)の日だった。
まぁ、ジルは13日(金)、14日(土)と出ずっぱりだったようなので、3日連続ってあるのかなぁ?とは思ったし、一応「出ないかも」という覚悟はしていたけれど、それでも当日の朝、キャスト表を見て軽ーく傷心…。

ただ、「怪我して代役」よりかはなんぼかマシなので、気を取り直して劇場へ向かった。
10日は舞台向かって左側の2階席だったけれど、舞台が1/3くらい見切れる席でストレスがたまったので(つーか見切れる席で10000円超はいかがなものかと…)、今度は逆サイドの見切れない席をチョイス。


45歳でHIVで亡くなったジョルジュ・ドンとクイーンのフレディ・マーキュリーへのオマージュであるところのこの作品、音楽はクイーンの楽曲が中心でモーツァルトも数曲用いられている。

初演は1997年で、ベジャールは70歳だった。
そもそも70歳でクイーンっていう時点で感性が相当柔軟ではないかと思うのだけれど、、ロックとバレエが違和感なく調和してる様が見事で、その瑞々しく溌剌としたセンスに脱帽。
ベジャール・バレエのダンサーは、総じて技術的に端正で上手い(つまり、純クラシックを躍らせても一流ではないかと思わせる)人が多いと思うけれど、それでいてあそこまでロックに合ってるというのがすごい。
そして、クイーンの中に、モーツァルトの曲が数曲混じってるのがツボだった。
モーツァルトが、「生と死」というこのバレエのテーマをすごく引き立ててる気がする。

端から端まで本当に楽しくて仕方がなかった。
バレエでこんな高揚感は本当に久しぶり。
しまったな、こんなに面白いんだったら、もっと早く見ておけば良かったよ。

さて、この日のメインはバティスト・ガオンだった。
文字通り出ずっぱりの大活躍。
小柄で細身で、少年じみた雰囲気があって(いくつだ?)、すっきりしたラインが繊細さをかもし出しつつも薄味にならない甘さもあって、魅力的なダンサーだと思った。
ジルが他の日に踊ったパートをほぼそのまま踊ってたのではないかな。

実はバティストを見ながら、ジルがこんだけ踊ればそれはそれは美味しくて眩暈がしそうな話なんだろうけれど、「明」と「暗」でいえば「暗」の方向のインパクトが強すぎるのではないかという思いがよぎらないではなかった。
バティストは終始黒い衣装を着ていて、その他のダンサーたちは白が多いから、このバレエ自体「黒」と「白」の対比という見方ができると思うのだけれど(黒=死、白=生という図式は単純に過ぎますかね)、ジルがやったら「黒」が本当に底無しに真っ黒!!になりゃしないか。。。

とか何とかつらつら考えてたんだけど、じゃぁそれ以外の皆さんはどうだったかというと、実はこの日は首の調子が悪くてイマイチ集中力を欠いていたり、何よりも全体的に情報量が多すぎて上手く処理し切れず(無念)。
えーと、ダヴィット・クピンスキーのRadio Ga Gaが良かったなーとか、大雑把な感想はあるんだけど、どうもダンスの洪水に飲み込まれた感が……。
そう、ベジャール・バレエは情報量がものすごく多い!
クラシック・バレエの場合は基本的にヒエラルキーがはっきりしてるので、極端な話、主役がソロを踊っている場合は主役「だけ」見てれば事足りるという面がある。
舞台の中央で踊る人と、その他大勢(群舞)の人たちの役割の差が大きいので、どこを見れば良いかのポイントがはっきりしている。
ところがベジャール・バレエはですねー、パ・ド・ドゥやってる周りで、平気でソリスト級の人々がそれぞれ違う振り付けで踊りまくってたりするわけですよ。
これは困る。
本当に困る。
わたしゃどこ(誰)を見れば良いの???あー、そっちにオクタヴィオがー…とかなんとか、目がウロウロと泳いだ挙句に、非常に散漫な見方をしてしまったりするもんだから、目玉が8つくらい欲しいって本気で思ったですよ…。


最後の「The show must go on」ではジルも舞台に登場したけれど、いやー、ド貫禄というか。。。
なんであの人は立ってるだけであんなに存在感があるんだろう。

「The show must go on」は「ムーラン・ルージュ」以来大好きな曲だけど、ジルと「The show must go on」の組み合わせはちょっとツライ。
「The show must go on」(ショウは続けなければならない)ってのは、舞台人のある種哀しい業ではないかと思うのだけれど、ベジャールがいなくても「ベジャール」の名前を冠したカンパニーは続いていくわけで。
ベジャールの後を引き継いだジルのことを思うと、本当に泣けてくる。。。


で、そのジルは、17日(火)と20日(金)の大阪公演には出演という話が割と早い段階で出ていた。
一応、一瞬だけ「ううう、大阪なんか行けるかー!」とやさぐれたんだけど、次の瞬間、割とあっさり「とりあえず行く努力だけはしてみるか…」と思考の転回。
こう、一旦前向きになっちゃうと、もうダメで。
はー、先月くらいは「あ、来月はベジャールだ。上手くスケジュールが合ったら行けるかも」くらいの、ごくごくゆるーいノリだったのに、一体何事なんだろう、この怒涛の展開は。


そんなわけで大阪編に続く(本当は今日、大阪編まで書いちゃうつもりだったのに、全然到達できなかった…)。

<キャスト表>
イッツ・ア・ビューティフル・デイ:カンパニー全員
フレディ:マーティン・ヴェデル
タイム/レット・ミー・リヴ:カンパニー全員
ブライトン・ロック:ダリア・イワノワ、エリザベット・ロス、ティエリー・デバル、バティスト・ガオン、カテリーナ・シャルキナ、オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ、エミリー・デルベ
ヘヴン・フォー・エヴリワン:エティエンヌ・ベシャール、バティスト・ガオン
天使:エクトール・ナヴァロ
ボーン・トゥ・ラヴ・ユー:カトリーヌ・ズアナバール、ダフニ・モイアッシ
モーツァルト「コシ・ファン・トゥッテ」:バティスト・ガオン、カテリーナ・シャルキナ、オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ、エミリー・デルベ
モーツァルト「エジプト王タモス」への前奏曲:バティスト・ガオン
ゲット・ダウン・メイク・ラブ:カテリーナ・シャルキナ、バティスト・ガオン、カルリーヌ・マリオン、ティエリー・デバル、マーティン・ヴェデル
モーツァルト「協奏曲第21番」:カルリーヌ・マリオン、ティエリー・デバル、エティエンヌ・ベシャール、ヴィルジニー・ノペ
シーサイド・ランデヴー:ダリア・イワノワ
テイク・マイ・ブレス・アウェイ:カテリーナ・シャルキナ、バティスト・ガオン
モーツァルト「フリーメーソンのための葬送音楽」:バティスト・ガオン
Radio Ga Ga:ダヴィッド・クピンスキー
ウインターズ・テイル:オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ、エティエンヌ・ベシャール、ヴィルジニー・ノペ
ミリオネア・ワルツ:アルトゥール・ルーアルティ、ジュリアーノ・カルドーネ、ヨハン・クラプソン、シャルル・フェルー、ヴァランタン・ルヴァラン
ラヴ・オブ・マイ・ライフ―ブライトン・ロック:バティスト・ガオン、カテリーナ・シャルキナ、オクタヴィオ・デ・ラ・ローサ、エミリー・デルベ
ブレイク・フリー(フィルム):ジョルジュ・ドン
ショー・マスト・ゴー・オン:カンパニー全員

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