エトワール・ガラ2008 Aプロ その2
続き。
最後までいっちゃいます。
「ラ・バヤデール」第1幕より(振付:M.プティパ 音楽:L.ミンクス)
スヴェトラーナ・ルンキナ、バンジャマン・ペッシュ
ルンキナのバヤデール、白いチュチュが似合いそうって思ってたら第二幕ではなくて第一幕でしたけれど、青い衣装が清楚な雰囲気を際立たせてます。
ルンキナ、とにかくほっそくて、頭が小さくて小さくて、ペッシュと比べてもものすごく小さい。
ペッシュだって普通と比べたら頭小さいだろうと思うんだけど、ペッシュが一般人みたいに見えるのよ。。。(頭に白いものを巻いてるのがいかんのかもしれないけれど)
しかしあのソロルの衣装はスタイルがドン臭く見えますね(ペッシュは黒の方が似合うと思う)。
「ロミオとジュリエット」第1幕より“マドリガル”(振付:R.ヌレエフ 音楽:S.プロコフィエフ)
メラニー・ユレル、マチュー・ガニオ
やっぱりヌレエフ版って足さばきが難しそう。
メラニーはちゃきちゃきっとした踊りで元気良さげ。
マチューはカッコいいんですが、図体がデカイせいなのかどうなのか、いまいち少年ぽさが無いような。
17、8の男の子には見えるんですけどねー。
キスの後、2人の雰囲気が変わったのは良かったです。
「思いがけない結末 Unintended Consequence」 ※世界初演 (振付:J.ブベニチェク、マリ=アニエス・ジロ 音楽:E.クーパー)
マリ=アニエス・ジロ、イリ・ブベニチェク
白い衣装の女=ジロ、黒い衣装の男=ブべニチェク。
ブベニチェクの自作自演なんですね。
ジロが全然たくましく見えず(オイ)、とても美しかったです。
結末は「孤独」でしょうか。
ブベニチェク、表現力が豊かで、本人の個性も立ってて、何か具体的な役を「演じる」よりかはこういうちょっと抽象的な作品の方が向いてるかな?なんて思いました(彼の古典作品は全然見てないのでなんともいえませんが)。
「ベラ・フィギュラ Bella Figura」(振付:J.キリアン 音楽:G.B.ペルゴレージ、A.ヴィヴァルディ)
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
柔軟性があってしかもシャープで、よくよくコントロールされた動き。
何でもない動きそのものに、惚れ惚れしてしまいます。
ジャンプとかピルエットとか、そういう派手な要素に目を奪われるのとは全然別種のクオリティの高さですね。
素晴らしいです。
リアブコといえば、ローザンヌ国際バレエコンクールのファイナリストだそうなので、リアルタイムで見てるハズなんですが全然覚えてません。。。
私の目玉ってばやっぱり節穴です。
ああもう目も耳もダメ過ぎる……。
休憩
「カンツォーニ Canzoni」 ※日本初演 (振付:M.ビゴンゼッティ 音楽:N.ケイヴ)
エレオノラ・アバニャート、バンジャマン・ペッシュ
プロデューサーのペッシュ、大活躍の三演目目。
若々しい印象があって、ペッシュがやった中にはこれが一番好きかな?
「バーンスタイン・ダンス」より“Part1 Wrong Note Rag”(振付:J.ノイマイヤー 音楽:L.バーンスタイン)
アレクサンドル・リアブコ
リアブコのソロ。
曲はThe Wrong Note Rag。
えーと、リズム的にきちんとノって踊るのが難しい曲&振り付けではないかと思うんですが、これが素晴らしいのなんのって。
リアブコの踊りの質って基本的に端正なんだと思いますが、実に生き生きしてて、文句の付けようがありません。
「ハンサムな踊り」っていうのがあるとしたら、こういうのを言うんじゃないですかね。
最後の決めのポーズがビシィっと見事に決まった瞬間、「惚れた!」って思いました(またか……)。
いや、真面目に、音楽に対する繊細さというか、反射神経の良さは桁外れではないかと思いますです。
「ダンス組曲」(振付:J.ロビンス 音楽:J.S.バッハ)
マニュエル・ルグリ/チェロ:宇野陽子
本日の大トリ、ルグリ様。
曲はバッハの無伴奏チェロ組曲1番、5番、6番。
チェロの生演奏つきで、しかもチェリストを舞台にのせて演奏をさせるので、ダンサーとチェリストとのパドドゥのような印象すらある作品。
これは目で見るバッハですね。
それくらい、音楽と一体化するルグリを堪能。
はー、これぞ円熟の極み、至芸です。
やっぱりルグリは別格ですね。
王者の風格が漂います。
あんなスウェットみたいなダボついた衣装なのに(しかも真っ赤)、なんであんなに高貴かなぁ。
正直、チェロについてはルグリの相手役という意味合いがあるのだったら、もちっと上手い人を連れてきて欲しかったところですが、ルグリさん、演奏がどうであれそれをモノともしないというか、何があってもビタ一文崩れない鉄壁っぷりなので、演奏が気になって集中が…ということは全く無かったです。
いやぁ、さすがの大エトワールです。
さて、この日は本公演の最終日ということで、カーテンコールがすさまじくハジけてました。
こんなに楽しい&ゴージャスなカーテンコールは初めてだー。
ラテンの曲にのってダンサーが登場したり(ラテンでノリノリに踊りまくるルグリを見られるとは夢にも思わなんだ……)、いざ勝負!と言わんばかりに、エイマンとルグリが同時にピルエット回りまくりだったり、ジロ姐さんがメリー・ウィドウのド派手衣装に(わざわざ)着替えてフェッテ大サーヴィスだったり、ルンキナが軽やかにピルエットを決めてたり、えーとあと誰が何やったんだったかな……状態で、いやもうすごかったです。
挙句の果てに、ステージから客席部分に階段が取り付けられて、な、何が始まるんだ???って思ってたら、ダンサーたち自ら客席に下りてって、お客さんをステージに引っ張り上げていきなりのシャル・ウィ・ダンスですよー。
憧れのスター・ダンサーとお手手つないでダンス、、、美味しすぎるというかむしろ大汗をかくシチュエーションではないかとも思われますが、青天の霹靂で舞台に上げられた皆様、とにもかくにもお疲れ様でした。。。
見てる方は大変楽しかったです、ハイ。
今回、古典とコンテンポラリーのバランスが良くて、ダンサーの個性や美点がよく伝わってくる構成だったと思います。
今が旬なダンサーの、元気でやる気満々のパフォーマンスを見るのは本当に気持ちが良いものです。
知らない作品、知らないダンサーに出会えるのはガラの良いところですが、今回の公演ではとっても良い出会いが一杯あって幸せ~でした。
特にリアブコ。
ちょっと色々探索してみようかな、、、という気分になっております(また深堀りの予感……)。
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