平成中村座十月大歌舞伎 通し狂言仮名手本忠臣蔵
平成20年10月2日(木)~26日(日)
浅草寺境内内仮説劇場
浅草寺・雷門
観光客がいっぱい。かなり中国語が飛び交ってたような。
平成中村座は中村勘三郎が旗揚げした仮説劇場で、現在、浅草浅草寺の境内の中で公演を打ってます。
演目は古典中の古典、忠臣蔵ですが、プログラムはAプロ、Bプロ、Cプロ、Dプロのあわせて4種類。
演出は古典のままだそうです。
仮説の劇場はまさに「芝居小屋」で、土足禁止。
中は木造調で、赤提灯がずらっとぶら下がってるなど、とてもワクワクする空間です。
※江戸東京博物館には中村座の模型があるそうです。見比べてみるのも一興?
平成中村座正面
私は10月14日のAプロ、15日のBプロを見てきました。
平日だったせいもあると思いますが、両日、当日券でいけました。
連日立見券が発売されますし、場合によっては本席にキャンセルが出るので、意外と入れます(当日、お電話で状況を確認されるとよろしいかと思います)。
当日券売り場
【Aプログラム】
通し狂言仮名手本忠臣蔵 Aプロ
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
三段目 足利館表門進物の場
同 松の間刃傷の場
同 裏門の場
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
同 表門城明渡しの場
塩冶判官 勘三郎
高師直 橋之助
顔世御前 孝太郎
桃井若狭之助/早野勘平 勘太郎
足利直義/おかる 七之助
大星力弥 新 悟
薬師寺次郎左衛門 亀 蔵
石堂右馬之丞 彌十郎
大星由良之助 仁左衛門
【Bプログラム】
五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
同 二つ玉の場
六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
七段目 祗園一力茶屋の場
十一段目 高家表門討入りの場
同 奥庭泉水の場
同 炭部屋本懐の場 引揚げの場
大星由良之助 仁左衛門
斧定九郎/寺岡平右衛門 橋之助
おかる 孝太郎
千崎弥五郎/小林平八郎 勘太郎
竹森喜多八 七之助
大星力弥 新 悟
判人源六 亀 蔵
不破数右衛門 彌十郎
早野勘平/服部逸郎 勘三郎
【Aプロ】
大序、てっきりプロローグ的に軽いものかと思ったらそうでもなく、意外なほどに面白かったです。
幕前のお人形の口上も、いかにもこれから始まりますよという感じで良かった!
橋之助の高師直が重心の低い演技で、しっかり嫌な爺でした。意外、というと失礼でしょうか。
勘太郎は、あらまぁ、大きくなって……みたない親戚のオバサン的感慨はさておいて、桃井若狭之助がいかにも血気盛んで真っ直ぐな若者という感じでとても良かったです。オトコマエです。頭が小さくてすらっとしてて、スタイルが良いですね(歌舞伎役者としては良いか悪いか微妙かもしれませんが)。
松の間刃傷から判官切腹と見せ場が続き、いよいよ仁左衛門の大星由良之助が登場。花道をドカドカドカっと、というか、こけつまろびつ走ってくる様子が真に迫っていて、あっという間に場をさらっていました。「主君の信頼厚い家老」という役にふさわしい風格と誠実さが漂ってて、明渡しの場の名残惜し気な佇まいもとても良かったです。
【Bプロ】
基本的に(洋の東西を問わず)チャンバラ好きなので、おかると勘平よりも討入りです。
七段目の祗園一力茶屋の場も、コミカルなところがあって面白かったですが。
討入り自体は割とあっさりめな気もするんですが(高師直を討ち取るあたりとか)、十一段目の最初に役者が討入りの衣装で舞台に並んでる様子は壮観!でした。
勘太郎は小林平八郎役でも軽やかかつスピード感溢れる立ち回りで魅せてくれました。殺陣の相手は、七之助君で、さすがに息が合ってますね。ヤンヤヤンヤ。
しめは座頭・勘三郎が服部逸郎役で登場で、こちらもヤンヤヤンヤの大喝采。
勘三郎は「仁左衛門の兄貴が、僕が先に帰ったら淋しいって言うから」(プログラム)と冗談めかしていってましたが、二人が同じ舞台に立ってるとそれだけ華やかですね。
幕見があったら、大序と討入りをもう一回くらい見たいところです。
Aプロの帰り、仲見世の舟和で芋羊羹とくず餅をお土産で買って帰りました。
あー満足じゃ。
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