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2008年11月24日 (月)

クリスチャン・ツィメルマン ルトスワフスキのピアノ協奏曲

2008年 11月23日(日) 18時開演 サントリーホール
<出演>
クリスチャン・ツィメルマン (ピアノ)
チョン・ミョンフン (指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団

<プログラム>
メシアン:ほほえみ
ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲
ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」


ルトスワフスキだけ感想書きます(ほぼピアノについてのみ)。

昨日からずっと頭の中でこの曲がエンドレスリピートしてるんですが(特に4楽章……)、この曲のCDを買った時にはまさかそんな日が訪れるとは夢にも思いませなんだー。


「最初から最後までずっと緊張感を保って」という作曲家の指示のままに、楽章楽章のポーズがほぼ無くて、ほっと息をつく暇がビタ一文ありませんでした。
演奏している方はもちろんでしょうが、聴き手の集中力もかなり要求されるわけで、聴き終った時にはもうグッタリお腹いっぱい。
もちろん不愉快な感じの消耗ではなくて、ピアニストとハードな旅を一緒にしたぞ、という、ある種の達成感のある疲労感なんですが。

BBC+ルトスワフスキ本人の演奏とは全体的な印象が違ってまして、あちらが割と几帳面な印象があるのに対し(テンポをかっちりきっちり取ってる感じ)、今回の演奏からは音楽の横の流れみたいなものを強く感じました。
横方向にすごい勢いで流れていく感じで、2楽章、4楽章なんかは川の速くて激しい流れみたいなものをイメージしました。
先日の講演会で音楽における時間の流れという話をしていましたが、それもあって時間=川みたいに連想したのかも。
基本的には怒涛の熱演という感じで、ツィメルマンもまぁ本当にダンダカダンダカ弾きまくってて(微テンパリ風味)、見てて大変に面白かったんですが、一方では1楽章の冒頭や3楽章なんかでは、この人ってば音符の数が少なければ少ないほど良いんじゃないか、、、とすら思わせる妙なる響き(ショパンの3番の3楽章を聴いた時もちょっと思いましたが…)。
一音一音に込められているものの大きさに心打たれます。

何しろツィメルマンのピアノがああいう音なので、オケももうちょっと繊細というか神秘的な響きが欲しいなぁなんて思わないではなかったんですが、4楽章はドッカンバリバリと盛り上がりつつ、しっかりツィメルマンに食らいついている感じでなかなか見事なフィナーレでした。

アンコールが無くて残念でしたが(っていうか無いと、もしや本人的に演奏が不満なのか、、、とか思ってしまう…単に疲れたからイヤってだけかもしれないけれど)、まぁこればっかりは何とも推し量りがたい部分なんで何とも。


今回は初めてのツィメルマンの協奏曲ということで、相当緊張してお腹痛くなりながら(←なぜ…?)聴いてたので、次はもう少し落ち着いて聴きたいものです。

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Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事

コメント

青猫さん、こんばんは。私も23日の演奏会に行ってきましたよ・・・。演奏会良かったですね~!!
ライヴ演奏は、CDとは違い、何か新しい発見が常にあるので、今回も120%ぐらい本当に楽しめました!!
そして、青猫さんが上の記事で仰っている、『・・・音符の数が少なければ少ないほど良いんじゃないか、、、とすら思わせる妙なる響き・・・』云々、確かにそうですね。同感です。
♪ぜひ最終日はリラックスして楽しんできてくださいね・・・。

投稿: ジゼル | 2008年11月25日 (火) 19:40

本当にすごい緊張感でしたね。ルトスワフスキ。
曲を座って聴いているだけなのに、なぜこんなに体力を使うんだろう・・・という感じです。
演奏の場にいられたことのシアワセを今しみじみ噛みしめてます。
明日も楽しんでらしてくださいね

投稿: すなみ | 2008年11月25日 (火) 22:09

私も23日に行ってきました。
はるばる地方から新幹線に乗って(^^)
いやあ、行った甲斐がありました。
ツィメルマン、素晴らしいです。
ピアノに集中して、オケ、あまり聞けませんでした。
私も、もう一度行けたら、全体をリラックスして聞きたいですが、残念ながら、そう何度も行けないんです。。。トホホ。。。
もっと近くに住んでいれば。。。
また、感想を聞かせてくださいね。
楽しみに待っています。

投稿: yukinko | 2008年11月26日 (水) 01:59

ジゼルさん

ジゼルさんもサントリーにいらしてたんですね♪

本当にライヴらしいライヴで楽しかったです。
視覚的にも色々よく見えて、「音楽演奏のフィジカルな喜び」も充分に堪能しました!
CDと違ってて意外に思うところもあるし、新たに見えてくる部分もあって、すごく良かったです。
CDの完成度も素晴らしいですが、やっぱり生で聴きたい人ですね。

音符の数がいくら多くても全然問題の無い人ですが、少ない場合は一つ一つの美しさや深さが際立ちますね(^_^)。

投稿: 青猫 | 2008年11月26日 (水) 23:16

すなみさん

ノンストップ急行に乗ってるような感じで、本当に緩むところが無かったですね。
2楽章の入りなんか本当に切れ目が無くて、ちょっとビックリしました。
終った時には本当にヘトヘトでしたが、ああ満足……という感じでした。

あ、結局アンコールはオペラシティだけだったみたいです。
すなみさん、ラッキーでしたね~

投稿: 青猫 | 2008年11月26日 (水) 23:21

yukinkoさん

23日、お疲れ様でした。
ツィメルマンのコンサートは遠征の価値がありますよね~♪

私もあまりオケを聴いてないです。
席的に、ピアノとオケのバランスは良かったんですが、ついついピアノに集中してしまって。。。

1回目ってなかなか落ち着いて聴けませんよね。
私ももう少し心頭滅却して聴いてれば、もう少し色々ちゃんと聴こえてきたかも(^_^;)。

投稿: 青猫 | 2008年11月26日 (水) 23:30

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