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2008年11月 2日 (日)

レイフ・オヴェ・アンスネス ピアノ・リサイタル

2008年10月27日(月) 19時開演
東京オペラシティコンサートホール

<プログラム>
ヤナーチェク:霧の中で 
シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958

休憩

ドビュッシー:前奏曲集より
         ビーノの門 (第2集より第3曲)
         西風の見たもの (第1集より第7曲)
         ヒースの茂る荒地 (第2集より第5曲)
         とだえたセレナード (第1集より第9曲)
         オンディーヌ (第2集より第8曲)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」

アンコール
ドビュッシー:前奏曲集より アナカプリの丘(第1集5番)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番より 第3楽章・第4楽章
スカルラッティ:ソナタK.492 ニ長調


ちょっと前ですが、アンスネスのリサイタルに行って参りました。
本当はドビュッシーがいっぱいの王子ホールに行きたかったのですが、諸般の事情によりオペラシティになりました。

カメラがいっぱい入ってましたが、いずれNHKで放送があるようですね。
さて、どの曲がカットされるんだろう……。
シューベルトのペダルワークがホントとんでもなかったので、もう一回見たいところなんですが。
細かく回数踏んでるってだけじゃなくて、深さのコントロールが凄まじいです。
あれだけ気を使ってたら、響きもそりゃー精密を極めるだろうと。
生でアンスネスくらい弾ける人がどのくらいいるか分かりませんが(あんまりいないような気がしますが)、あのぺダリングはそうそう見られるものではないような気がいたしまする(あとはもう、某ピアニスト引退のあのヒトにお出まし頂くとか……)。


アンスネスの演奏は誠実、とはよく言われることですし、私もそう思います。
目の前の音楽に対してまっすぐに向かい合っているであろうことがよく分かります。
聴いてて思うのは、まず音楽ありき、ということなんですね。
音楽の姿がまざまざと立ち上がってきて、そりゃもう気持ちよいくらい、ストレートにこちらに届いてきます。
でも、「オレがオレが」というところが無いだけに、ピアニストの主観はちょっと見えにくい。
「こんなに美しい、素晴らしい音楽なんだ、聴いて聴いて」っていうのはよく伝わってくるんですが、演奏家本人の喜怒哀楽はちょっとつかみ難いというか。。。(いや、喜と楽は分かるんですけどね)
シューベルトやベートーヴェンを聴いて、そんなことを思いました。
良い悪いの問題ではないです、念のため。

でもそうして見(聴か)せてくれる世界は本当に蕩けるように美しくて。
陶酔というか、忘我の境地というか、まさに天国的に美しいのですよ。

はー、ドビュッシー、綺麗だったなー……。
情景描写がマジカルに素晴らしくて、相当クリアーな風景を見せてくれてる感じ(明晰過ぎる、と思う方もいるでしょうが)。
ここは一つ、「沈める寺」とか聴いてみたいもんですね。
勝手なイメージですが、モン・サン・ミッシェルとかミナス・ティリスなんかがゴゴゴゴゴっと海から現れるような演奏になるんではないかと。。。


本日のメインはベートーヴェン、だったんでしょうが、私的にはドビュッシーでお腹いっぱいな一夜だったのでした。
あ、アンコールのスカルラッティも良かったので、その辺も色々聴いてみたいところです。

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