ベルリン放送交響楽団 2009年日本公演
ベルリン放送交響楽団 2009年日本公演
2009年2月9日(月) 19時開演 サントリーホール
指揮:マレク・ヤノフスキ
ピアノ:ラファウ・ブレハッチ
ベルリン放送交響楽団
シューベルト:交響曲 第8番「未完成」変ロ短調 D.759
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
ベートーヴェン:交響曲 第5番「運命」 ハ短調 作品67
このコンサート、「ドイツ名曲コンサート」ってタイトルがついてたんですね。
何もここまでベタベタじゃなくても良かろうに。私ってば、ブレハッチのベト4目当てでチケットを取ろうと思ってプログラムをチェックして、思わず「つまんねー!」と叫んだんですよね。。。いえ、未完成も5番も単独では別に嫌いじゃないんですが、わざわざベト4とカップリングで聴きたくはないというか。
平日夜ということもありましょうけれど、席が結構あいててちょっと勿体無いなって思いましたが、売れるプログラムを目指しすぎて逆に外しちゃったかな?という気がしなくもなく。。。
結論からいえば、良いコンサートだったと思います。
全体的にテンポ速め、力のこもった演奏で、しかもアンサンブルは上々で、聴き応えたっぷりでした。
オケの響きが肉厚で、温かみがあって、あの弦の厚みは得難いものがあります。
「未完成」のオーボエソロなんかも柔らかでまろやかで、音楽がふあーっと立ち上がってくる感じでとても良かったです。
これで指揮者と呼吸が合えば大感動コンサートだった可能性も大なんですが、残念ながらタメの感覚が合わず。ちゃんとメロディアスで美しい歌いっぷりではあるんですが、タメて欲しいところでことごとく先に行かれてしまい、おいていかれ感たっぷり。
まぁこの辺は感覚の問題というか、単純に好みなんで、しょうがないですね。
ブレハッチ氏ですが、相変わらず華奢で、髪の毛はちょっと短めで、なんか以前よりも少年っぽくなったような…?終演後に近くで見たら、今までになく(←失礼)ヨーロピアン美青年って感じでちょっとビックラしましたが。っていうのはどうでもいい話ですね。
で、肝心の演奏ですが、テンポ速めのオケに食らいつく、という大げさな風情もなく、徹頭徹尾ナチュラルな感じ。最初は「ああこれぞブレハッチ」な感じはさほど無くて(もちろん音のきれいさとか“らしさ”は色々ありましたが)、ついするするっと聴き流してしまったんですが、3楽章はきりっとしたところと可憐なところ(←私にとっての「ああこれぞブレハッチ」)があって良かったです。
4番って、彼のキャラに合ってると思うんですよね。で、あえて誤解と反発を恐れずにいえば、これからもっともっと良くなるような気がする。今回が悪いっていう意味ではないです。非常にフレッシュで若々しくて、それが大きな美質でもあるけれど、それだけに「弾き込んだ感」はそんなに無いよなって思っただけで。
あと、今回、指揮者のタメのセンスやテンポ感とブレハッチのそれが合ってるかどうか、私的にはちょっと?だったので、数年後、若いうちに別の指揮者でまた聴いてみたいなって思います。
次はリサイタルです。
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コメント
青猫さん、ニアミスでした~
私もブレハッチのベト4目当てで行きました^^
(ショパンのコンチェルトだったらもっとお客さん入ったのだろうか?)
>今回、指揮者のタメのセンスやテンポ感とブレハッチのそれが合ってるかどうか…
同意です。
ピアノは、技術的には非の打ち所がなく、弱音の美しさも際立っていました。
ただテンポについては、指揮者の意向かソリストの意向か両者の合意か?風のように駆け抜けた印象でした。
特に3楽章最後のprestoからの速いこと速いこと~@@
でも、こういう(自分にとって)斬新な演奏もライブだと楽しいですね!
他の指揮者と組んだらどんなかしらと想像してみたり…^^
リサイタルも楽しんでらして下さい!
投稿: ユウカ | 2009年2月12日 (木) 01:31
ユウカさん
こんばんは~。
ユウカさんもサントリーにいらしてたんですね。
私は2階席におりました。
ショパンの協奏曲だったら、お客さん入るんでしょうか、やっぱり。でもブレハッチのショパンP協はもう聴いたよって人も結構いそうですしねぇ。。。(私はまだですが)
テンポは、ヤノフスキさんが速いんだろうなぁって思いました(未完成も運命も速かった!)。ブレハッチは速くても無理のない感じに弾いてて、すごいなって思いましたが、ピアノだけだと少しゆったりした感じに弾いてる部分があったりしたので、「あ、これはちょっと二人の方向性が違うかも」って思ったのでした。
ライヴだと、どんな指揮者とあたるかで随分演奏が変わってくるでしょうね。そういう意味ではリサイタルよりも協奏曲の方が、一回一回の変化の幅が大きいかもしれませんね。
土曜日はオペラシティに行ってきまーす♪
投稿: 青猫 | 2009年2月13日 (金) 00:00
Hi 青猫さん
なんか Rafał が気の毒になってしまうような programmingと思ってしまうのは俺だけかな…。Chopin Competition の入賞者ってよく、ショパンはもちろん ロマン派のピアノ曲メインに programming する人って多いんですが、Rafałって結構古典派のピアノ曲を大事にしていますよね。そういうとこが俺は好きだな~。
Rafałってそんなに変っていました?俺がワルシャワで2005年10月に見てからは実際にこの目では見てないけど、もう 3年半経ったんだもんな~。まぁ EU の青年はいい。ピアニストではないけど、Capuçon兄弟が俺は一番好き。あと、Emmanuel Pahud! ハンサム過ぎです。
Rafał が次に出すCDってどういうのかな…?
投稿: Ken | 2009年2月15日 (日) 19:20
Kenさん
ラファウさんは、なんかドイツの中にぎゅーっと押し込められてたような……。
ショパンコンクールの優勝者はショパンを弾かされがちですよね。日本人がショパン好きっていうのもあるかもしれませんが。
ブレハッチは、すごく元気そうでした。彼はショパンコンクール時の目の下クマクマの印象が強くて、今まで見るたびについクマとかくたびれ具合とかお肌の状態なんかをチェックしてしまっていたんですが(^_^;)、今回はツルツルぺかぺかで、なんだか若返ったな~と。って、まだ23歳くらいなんですよね。
次のCDの話はなんかどこかに出てたような気もするんですが、忘れました(すみません……)。
音楽家は、天は二物を与えたって人も結構いますよね~。Capuçon兄弟、気になってるので何か聴いてみようかな?
投稿: 青猫 | 2009年2月15日 (日) 21:41