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2009年5月24日 (日)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in サントリーホール その2

先週はずっと金曜はさいたまだな~、とか土曜は長野だな~、行けないな~とか思いつつ日々仕事をしておりましたが、良いんです、私には月曜日の思い出がある。。。

前半の状態だと、こりゃブラームスは(お互い)ほっと息抜きタイムになるのかな、、、と思ったりもしたのですが、そんなこともなかったです。個人的な好み(好みですよ)からすれば、お家でコンサート風に、も少し力を抜いたバージョンも聴いてみたいなって思ったりもするのですが、まぁ贅沢ですね。こういうメリハリのある演奏も大好きです。

シマノフスキ。
この演奏の前には32番すら影が薄くなる、というのもいかがなものかと思うのですが(なんだかもったいない……)。
熱演という言葉では到底足りない、入魂の演奏。
あのですね、私、今まで人に「ポーランド民謡…」ってどんな曲?ってきかれたら、「華やかで、でもちょっと物悲しいところもある、すごくキレイな曲だよ」って答えていたんですよ。よもや、こんな、討ち死にする人が続出しそうな恐ろしい事態になるなんて露も思わず……。正直、最前列で聴いている方々の安否を心配してしまいました。
私、去年、軽井沢、新潟のアンコールで一部(フィナーレは2回)は聴いていまして、まぁそれはそれは大層な熱演で、「アンコールでここまでやるか?!」と思わず突っ込んでしまうほどの素晴らしい演奏だったのですね(何しろアンコールが一番良かった)。でも、今考えるとアレは所詮アンコールだったんだな、、、としみじみさせられる、この夜の恐ろしいまでの本気っぷりでございました。やっぱり、アンコールで弾くのとは、音楽がはらむ熱量が全然違うのですよね。
爆演という言葉で片付けるにはあまりにもあまりな、妙なる調べと神秘の響きがホールを満たす一方で、ここぞというところでの追い込みのかけ方、たたみかけ方が半端無くてですね。ツィメルマンも、結構ギリギリのところを走っていたような気もするのですが、なんというか、どこまでもためらわない人だなー……と、呆れ、いえ感服しておりました。
第4変奏では「あ、キレた……」と笑ってしまったのですが、最後、直滑降か階段落ちかってくらい物凄かった。第5変奏は、petit violaさんもおっしゃってますが、意外と辛口なまとめ方で甘さゼロだったし、しみじみと昔を思い出すような曲調の第6変奏もお尻浮かせてドーン!!と重々しく弾いてるところがあったりして、極力浅くor軽くならない方向で曲作りをしているんだろうなぁ、などとも思いました。そして、第8変奏の葬送行進曲は、本当にヒドかった。。。いえ、もちろん演奏が酷いんではなくて、あまりの情け容赦の無さに人でなし感すら漂うという意味なんですが。私は心の中でずっと、「お、鬼だ…」と呻いておりました……。第9変奏から第10変奏にかけては、ぐいぐいドライブをかけていく感じでひたすら豪華絢爛でしたが、フガートの部分ではグっとギアを落として、音自体もガラっと変えていました。そして、そこからラストに向けて駆け上がっていく圧倒的なスケール感には、何かゴシックの建造物(壮麗なステンドグラスの薔薇窓付)を見上げるような、荘厳な感動を覚えました。音楽が生まれ出ずる一瞬一瞬を味わいながら、このまま時よ止まれ、、、とも思いましたが、よくよく考えたら(よくよく考えるまでもなく)時が止まったら音楽も止まっちゃうなーとか、大いなるジレンマも抱えつつ。

本当に、なんという人なんでしょうね。
毎度毎度同じことを書いている気もしますが、同じ時代に生きて、演奏を聴くことのできる幸運に心から感謝をしたいと思います。


ツアーもそろそろ折り返しですが、何しろこんな折ですから、体調を崩されませんように。
皆様もどうぞお気をつけください。

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Pianist: Krystian Zimerman」カテゴリの記事

コメント

今晩は♪

サントリーでも第4変奏でキレましたか?
岐阜でも、あそこで階段落ちでした。。。
演奏後、ツィメルマンさん、はぁはぁしていて、こちらもガチガチの金縛り状態で、なんでクラシックの演奏会でお互いこんなに疲れるんだろう、と思いましたbearing
今頃どこにいらっしゃるのでしょうね~?

投稿: petit viola | 2009年5月27日 (水) 00:04

演奏する背中から、彼の中からわき出てくる「何か」が、立ち上ってくるように見えました。
こんなにも、背中というか身体を動かして弾く人だったかしら…?

それにしても、今回ジャパンアーツのピアニストブログにも、
いまだに登場しないし、Bプロは本当に当日のお楽しみなんですね。
スリルとサスペンス。(笑)

投稿: Melody | 2009年5月27日 (水) 01:28

petit violaさん

第4変奏の階段落ちは聴きモノですよね~。あそこの落ち具合でその日の調子がはかれる?!

私は今回、まだ2回なのにもう5回くらいは聴いたような気分です。しかもボディブローのように後を引きますし、1回1回の重みが半端無いですbearing

本当、今頃、どこで何をしているんでしょうねぇ。お篭りしてBプロの練習してたりして。。。

投稿: 青猫 | 2009年5月27日 (水) 22:01

Melodyさん

背中からメラメラと白い炎が……。

そういえばある瞬間から、ジャパン・アーツのサイトのツィメルマン関係は更新されませんね。。。謎です。

Bプロは本当に何になるんでしょう~。プログラムではBになってて、HP上はAプロをアナウンスしている会場もあり、うーん、どうやることやら、ですね。。。もうこの際、何でも良いですけどね。
でも、会場でいきなりバッハとブラームスを発表だと、ブラームスはともかく、バッハはよく知らない曲になる可能性が高く、それがちょっと不安です。最低限、パルティータ全曲聴いておこうかな…なんて思いますが、大外れの可能性もありますしね(^_^;)。

投稿: 青猫 | 2009年5月27日 (水) 22:16

青猫さま

こんばんは。いつも楽しく拝読しております。
Bプログラム発表になりましたね!
ブラームスの代わりにバツェビチですね。
後半はポーランド祭りでしょうか
個人的に、バッハ=ブゾーニのシャコンヌを聴いてみたかったです・・
私はサントリーの他に、福島、所沢に足を運ぶつもりです。


投稿: クレオ | 2009年5月29日 (金) 22:22

クレオさん

Bプロの情報ありがとうございます~。
バツェヴィチ、、、意外なところをついてきましたね。。。(いや、意外でもないか……)
いえ、もう一回聴けるのは嬉しいんですが。
結局、バツェヴィチとブラームスのみ差し替えってことになりますかね。

前半はドイツ祭り、後半がポーランド祭り、、、ううむ、なんか食い合わせが悪そう。。。(食い合わせって……)

シャコンヌ、良さそうですね~。キャラにあってそうです。レパートリーにはあったんでしたっけ?

サントリー、福島、所沢、私も同じ予定です(仕事がクリアできてれば……)。どこかでお会いできるかもしれませんね(^_^)。

投稿: 青猫 | 2009年5月31日 (日) 01:00

青猫さま、こんばんは。

私は今回まださいたまでしか聴いていないので他の日の演奏と比べることは出来ないのですが、会場の雰囲気のせいか(たいへんお行儀がよかったです。)丁寧に演奏されていたように思います。
一緒に行ったツィメルマン初体験の母は「雑味のない香り豊かな音が、曲ごとに同じ楽器とは思えないほど変化するので驚いた。」と言っておりました。サントリーホールではどんな演奏をしてくれるのか楽しみです。

私がツィメルマンの演奏が好きになったのは「楽譜どおりの演奏を目的とする人ではなく、そのときに応じた血の通ったライヴを大事にする人なのだ。」と2007年ブラームスのヴァイオリン・ソナタ演奏のときに感じたからです。それまで録音しか知らなかったときの印象ががらりと変わりました。

ところで、ここのサイトを拾い読みさせていただきました。面白くて、思わず顔が緩んでしまうこともたびたびです。これからも楽しみに読ませていただきます。

投稿: pomodoro | 2009年6月 7日 (日) 00:05

青猫さん

こんばんは
当該内容と関係ないのですが、kz関連でお知らせです
既にご存知でしたら重複になってしまいますが・・(ごめんなさい)
youtubeにて昨年bbcで放送されたインタビューを聞けるんですよぉ!

http://www.youtube.com/watch?v=j6PpDQ6miBg&feature=related

パート1からパート5までありますね
kzはこんなに甘い声でしたっけ??

他にも20代の頃のインタビューも他のurlで見れますね
しかし、美しいお顔立ちで・・・・

今週はサントリーでbプロですね♪
楽しみです

では!

投稿: クレオ | 2009年6月 7日 (日) 22:13

pomodoroさん

さいたまのご感想ありがとうございました!
行けなかったのですごく嬉しいです。
お母様もご堪能されたようですねshine

その日その日で印象が違ったりもしますし、本人が意識的に変えてくることもあるようで、本当にライヴの醍醐味を味わわせてくれる音楽家です。
何よりも、ツィメルマンの場合、プログラムされる曲目は基本的にCDになってないものばかりなので、「あ、この曲聴きたいな」って思ったら、もうライヴに行くしか方法がないという……(笑)。

基本的に、お客さんのことは好きなんだろうと思います。
スタジオ(録音)は嫌いみたいだし、協奏曲の録音はオケの団員が聴いててくれるからまだ良い、、、みたいなことを言ってましたから。。。

CDで聴くよりも、ライヴの方が色々人間味が感じられて、私もついつい何度も足を運んでしまいます。
というか、最近、ツィメルマンさんのCDってほとんど聴いてないです……(ファン失格)。

またお立ち寄りくださいね~。

投稿: 青猫 | 2009年6月 8日 (月) 13:13

クレオさん

いつも情報ありがとうございます♪♪♪
(至らぬブログ主のフォロー、大感謝でございます)

bbcのインタビューはMP3にちてMP3プレーヤーに突っ込んでありますが、時々Youtubeのものも聴きながらPCで作業したりしてます。
いつでもどこでもKZ♪←バカ…
このインタ、ご機嫌でテンション高めで、結構素に近いのではないかと思います。

20台の頃のインタビュー(「ワルシャワの覇者」のものですよね)も、眼福ですよね。
若くてキレイで賢くてしっかりしてて、もう何も言うことございません。。。
ぜひ、皆さんごらんくださいませ!(とここで宣伝)。
http://www.youtube.com/watch?v=RGEcgPCghGQ


サントリーBプロ楽しみですね。
というか、あまりに重量級のプログラムにやや腰が引けております。。。

投稿: 青猫 | 2009年6月 8日 (月) 13:35

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