« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

2009年5月28日 (木)

CD散在録

B0020SPOR4Piotr Anderszewski at Carnegie Hall
Johann Sebastian Bach Bela Bartok Ludwig van Beethoven
Virgin Classics 2009-03-30

by G-Tools
1,651円。

男前ですね~。ジャケ買いしても良いくらい。ブックレット裏の写真もアップ過ぎて笑えます。

というのはおいといて、カーネギーホールライブです。2008年12月3日収録。
曲目はバッハのパルティータ第2番、シューマンのウィーンの謝肉祭の道化、ヤナーチェクの霧の中で、ベートーヴェンのソナタ第31番、バルトークのチーク地方の3つのハンガリー民謡。

えーと、断るまでもありませんが、ワタクシメはただ今ツィメルマン祭り真っ只中でして。
ツィメルマンの演奏を誰かの演奏で上書きしたくないとか、逆に、ツィメルマンが弾いた曲を別の人の演奏で聴くとあまりにも生々しくツィメルマンと比較しちゃいそうだとか、いろいろ懊悩することの多い今日この頃、なんです。
それなのに、今、私の目の前には、アンデルシェフスキのバッハのパルティータ第2番(その他)のCDがある……。
私はツィメルマンのことは心の底から愛しておりますが(ドサクサにまぎれて愛の告白)、アンデルシェフスキのことも大好きなのです(ドサクサにまぎれて浮気の告白?)。
なので、この2人の同曲比較はあえてしたくないというのが本音の本音なんですが、だからといってパルティータだけ聴かないってわけにもいかないしなぁ……。

はー、しょーがないなー……(超ヤル気無さ気)と腹をくくり、CDをデッキへ。






すごいですよ、バッハがものすごい。
なんでしょう、この説得力は。
とにかく、各声部の横の流れがすごく良くて、なおかつそれぞれが上方向に立ち上がっているような感じもあったりして、猛烈にカッコいいことになっています。
思わず唸ってしまう上手さです。

あとはシューマンとアンコールのバルトークが楽しいです。
これはじっくり聴きましょう。


B000JVS3OKショパン:ピアノ協奏曲第1番
ショパン リスト ロヴィツキ(ヴィトールド)
コロムビアミュージックエンタテインメント 2006-12-20

by G-Tools

1,050円。
縁あって買ってみました。
ソコロフのショパンP協、今、第一楽章を聴いておりますが、うん、これは良いかも。



2009年合計35,880円。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2009年5月24日 (日)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in サントリーホール その2

先週はずっと金曜はさいたまだな~、とか土曜は長野だな~、行けないな~とか思いつつ日々仕事をしておりましたが、良いんです、私には月曜日の思い出がある。。。

前半の状態だと、こりゃブラームスは(お互い)ほっと息抜きタイムになるのかな、、、と思ったりもしたのですが、そんなこともなかったです。個人的な好み(好みですよ)からすれば、お家でコンサート風に、も少し力を抜いたバージョンも聴いてみたいなって思ったりもするのですが、まぁ贅沢ですね。こういうメリハリのある演奏も大好きです。

シマノフスキ。
この演奏の前には32番すら影が薄くなる、というのもいかがなものかと思うのですが(なんだかもったいない……)。
熱演という言葉では到底足りない、入魂の演奏。
あのですね、私、今まで人に「ポーランド民謡…」ってどんな曲?ってきかれたら、「華やかで、でもちょっと物悲しいところもある、すごくキレイな曲だよ」って答えていたんですよ。よもや、こんな、討ち死にする人が続出しそうな恐ろしい事態になるなんて露も思わず……。正直、最前列で聴いている方々の安否を心配してしまいました。
私、去年、軽井沢、新潟のアンコールで一部(フィナーレは2回)は聴いていまして、まぁそれはそれは大層な熱演で、「アンコールでここまでやるか?!」と思わず突っ込んでしまうほどの素晴らしい演奏だったのですね(何しろアンコールが一番良かった)。でも、今考えるとアレは所詮アンコールだったんだな、、、としみじみさせられる、この夜の恐ろしいまでの本気っぷりでございました。やっぱり、アンコールで弾くのとは、音楽がはらむ熱量が全然違うのですよね。
爆演という言葉で片付けるにはあまりにもあまりな、妙なる調べと神秘の響きがホールを満たす一方で、ここぞというところでの追い込みのかけ方、たたみかけ方が半端無くてですね。ツィメルマンも、結構ギリギリのところを走っていたような気もするのですが、なんというか、どこまでもためらわない人だなー……と、呆れ、いえ感服しておりました。
第4変奏では「あ、キレた……」と笑ってしまったのですが、最後、直滑降か階段落ちかってくらい物凄かった。第5変奏は、petit violaさんもおっしゃってますが、意外と辛口なまとめ方で甘さゼロだったし、しみじみと昔を思い出すような曲調の第6変奏もお尻浮かせてドーン!!と重々しく弾いてるところがあったりして、極力浅くor軽くならない方向で曲作りをしているんだろうなぁ、などとも思いました。そして、第8変奏の葬送行進曲は、本当にヒドかった。。。いえ、もちろん演奏が酷いんではなくて、あまりの情け容赦の無さに人でなし感すら漂うという意味なんですが。私は心の中でずっと、「お、鬼だ…」と呻いておりました……。第9変奏から第10変奏にかけては、ぐいぐいドライブをかけていく感じでひたすら豪華絢爛でしたが、フガートの部分ではグっとギアを落として、音自体もガラっと変えていました。そして、そこからラストに向けて駆け上がっていく圧倒的なスケール感には、何かゴシックの建造物(壮麗なステンドグラスの薔薇窓付)を見上げるような、荘厳な感動を覚えました。音楽が生まれ出ずる一瞬一瞬を味わいながら、このまま時よ止まれ、、、とも思いましたが、よくよく考えたら(よくよく考えるまでもなく)時が止まったら音楽も止まっちゃうなーとか、大いなるジレンマも抱えつつ。

本当に、なんという人なんでしょうね。
毎度毎度同じことを書いている気もしますが、同じ時代に生きて、演奏を聴くことのできる幸運に心から感謝をしたいと思います。


ツアーもそろそろ折り返しですが、何しろこんな折ですから、体調を崩されませんように。
皆様もどうぞお気をつけください。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2009年5月19日 (火)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in サントリーホール その1

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年5月18日(月)19:00開演 サントリーホール

J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
休憩
ブラームス:4つの小品 作品119
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10
※プログラムA


浜松より一週間あいて、私にとっても2発目のサントリーに行ってきました。
ブログに感想を書くという点では、これくらい感覚があいてた方が余裕があって良いですね。連チャンをやると、一個書く前に次のコンサートの記憶が混じってしまいますし。

さて、席は1階センターブロックで、ステージから遠過ぎず近過ぎずの場所。音はまぁ見たまんまでした。

バッハは音楽の起伏が浜松よりも大分大きくて、良かったです。
シンフォニアの冒頭、キメキメに見得を切る感じがツボでした。離鍵までのタメが、ツィメルマン節とでもいいたくなるような粘り腰で。
結構ウェットに聞こえたり、ロマンチックな部分があったり、切れ味鋭かったりと、かっちりとしたフォルムの中でいろいろな表情を見せてくれました。
今回は足元も少し見えましたが、ペダルは結構細かく踏んでましたね。

ベートーヴェンは、一応2回目ということもあって、浜松よりは大分落ち着いて聴けました。とはいえ、ずっと脈拍90、血圧130(推定)くらいはあったような気がしますが。
第一楽章は、狂気と正気、此岸と彼岸、闇と光を行ったりきたり。忙しい人ですね、本当に……(冗談ではなく)。えーとですね、単なる「真っ黒いベートーヴェン」だったら、聴いてる方は割と楽だと思うんですよ。でもツィメルマンの場合は、真っ黒けっけではなくて、真っ黒と真っ白の間をめまぐるしく行ったり来たりしますから。交錯、とはちょっと違うし、グレーゾーンも無くて、あたかもコインの表裏のようにぱっと切り替わる。人格が分裂してるんじゃないかと思うほどで、ついていくのが大変というか、無理についていこうとするとこちらの頭がおかしくなりそうというか。白い部分はいかにもツィメルマンらしい光を感じるのですが、それがあっという間に真っ黒に豹変するサマが、大っ変に恐ろしいです。まじめな話、これは一種のホラーじゃないかと。
あ、あとですね、私にとったらものすごーく珍しいことなんですが、とにかく呼吸が合わないのですよ。まだプレトニョフの32番の方が合うってくらい(えええ?!)、全っ然合わないんです。特に、フレーズの入りがことごとく合わなくて、この梯子の外されっぷりはいっそ見事なほどだなーと、困りつつ妙な感心をしてしまいました。まぁ、この曲の構造上、第一楽章で奈落の底に落とされるくらいでちょうど良いという気もするので、困ったまま第二楽章へ。
第二楽章は、まぁ何しろツィメルマンさんですからね。確実に天国に行けそうです。お葬式には、シマノフスキの「ポーランド民謡…」の葬送行進曲なんかじゃなくて、こっちをかけるべきなんじゃなかろうかと真剣に思ってしまいました。
符点いっぱいのタンタタンタタンタタンタ…の部分は、やっぱり、半端無く楽しい音楽になっていまして、ツィメルマンの顔にはこういうの大好きです!って書いてありました……。そうか、だから秋はガーシュウィンなんですね。。。
というのは置いておいて。
この第二楽章は、音楽としても演奏としても、人間が最後に到達しうるものの最上のもの、一番天上に近いものを聴かせてもらっているのではないかと思わせるものがありました。でも、神の領域に入る、とかそういうことではなくて、非常に人間的というか、あくまでも人間という存在に対する賛歌であるような、そんな印象を受けました。

あああ、さっくり書こうとしたのに長くなっちゃった。
続きます。。。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年5月13日 (水)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in 浜松  その2

後半はブラームスとシマノフスキ。

私、ブラームスのop.119って別に特に好きな曲じゃないんです。が、今回、あまりの美しさに本当に涙が出そうになりました。。。第一曲の間奏曲はクララ・シューマンが「灰色の真珠」と称したそうですが(プログラムより)、あれは"灰色"ではないでしょう。。。じゃぁ、カラフルだったかというとそういうわけではないのですが、強いていえばやっぱり水の雫のイメージかなぁ。クリスタルとかそういう鋭利な感じではなく、真珠みたいな粒粒の感じでもなくて、流動的でちょっとだけ不定形な感じ。
それにしても、いやー、なんという世界なんでしょうね。雑念ゼロで、もうとっくに達観しちゃって遠い昔をしみじみと思い出しているような風情。第2曲の間奏曲の中間部なんかはものすごく優しくて、慈愛のようなものすら感じます。ツィメルマンさんって、本当に優しい人だよなぁ、、、と泣けてきてしまった。。。
端から端まで、流れていく音楽にひたすら身をゆだねて耽溺する至福の時間でございました。

シマノフスキの「ポーランド民謡のテーマによる変奏曲」は、ツィメルマンが去年アンコールでフィナーレ近辺を演奏してくれていますが、このツアーで晴れて全曲公開ということになりましたね。ぱちぱち。
大変良い曲だと思うのですが、音源は少ないし、演奏もあまりされないし、なんでこんなにマイナーなのかって不思議になる曲です。シマノフスキ、20世紀ってだけで敬遠する方もいるような気がするのですが、むしろ後期ロマン派な雰囲気が濃厚で、その辺のピアノ曲がお好きであればすんなり入れるのではないかと。技巧を凝らしてて、いかにもピアノらしい華やかさもあるので、かなり聴き易い曲だと思います。弾く側にとったら相当な難曲ではあるとは思うのですが、同じシマノフスキの「仮面劇」や「メトープ」みたいに複雑怪奇過ぎて音符と音符を解きほぐさないと、、、みたいな感じは無いのではないかと思います。

さて、ツィメルマンの「ポーランド民謡のテーマによる変奏曲」フルバージョン、絶対良いに違いない!!!という期待、じゃなくて確信のもと挑んだのですが、まぁ期待以上というかこちらも超ド級の規格外だったというか。なんかもんのすごかったです。
冒頭のテーマを聴いて、この時ばかりは2階席で良かったなーって思いました。一音一音の響きが空間に広がっていく美しさといったら無かったですもん。
どの変奏曲もそれぞれの特徴をバリっと提示してて素晴らしかったですが、第八変奏の葬送行進曲が圧巻でした。いわゆる葬送行進曲系の曲を弾かせて、この人の右に出る人が果たしているんでしょうかね???左手の打鍵があまりにも強烈で、ピアノのことが心配になるというか、一音一音、ゴーン、ゴーンと鳴るたびにむしろ我が身のことが不安になるというか、「も、もしや殺されるんじゃないだろうか…」と恐れおののいてしまいましたよ。っつーか、これって一体どんな葬式なんだようぅって突っ込んでしまった……(葬式でさらに死人が増えるんじゃなかろうかと……)。
ともあれ、ツィメルマンの演奏って、ショパンの葬送もそうなんですが、まるで葬列が見えるようなんですよね。この辺、本当に見事だと思います。
第二変奏からすでにフォルテの鳴りっぷりが圧倒的でしたが、それは実は序の口だったんです。第八変奏からフィナーレにかけて、どこまで出るんだ一体?と呆れるような音の情景が広がっておりました。いやはや、凄まじかったです。

アンコールは無かったんですが、それで良かったと思います。一体全体、これ以上何を弾けというのか、と。今回は全然無しですかね。Bプロはブラームスがトリらしいので、何かあるかもしれませんが。。。

私、今回のツアーでは(今のところ)連チャンの予定は無いんですが、正解でした。とてもじゃないけれど、こんなのを連日なんて聴けない!って思いましたもん(“こんなの”を4連チャンで演奏するツィメルマンもいい加減化け物じみてますが)。
すでに1日目でかなりお腹いっぱいになってしまいまして、私はあとこれ(32番とシマノフスキ)を4回も聴くのかと思うと、大丈夫か私?と少々不安になってくるくらい。

まぁでも、体力を付けて、予習復習もして、最終日までがんばろうっと。がんばったらがんばっただけ、受け取るものも大きいですから。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2009年5月12日 (火)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in 浜松  その1

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年5月11日(月)19:00開演 アクトシティ浜松中ホール

J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
休憩
ブラームス:4つの小品 作品119
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10
※プログラムA


私にとっての本ツアー一発目、浜松公演に行ってまいりました。
1階2階ともにすっごい空席がありまして、うわー勿体ない…と思ってしまいました。
私チケットを取ったのが遅かったので、1階席の残席を見ないで2階にしてしまったんですが、あれだったら1階席でも結構近くで聴けたかも。。。
まぁ良いや。2階席でも全然遠くはなかったし、2階のせいか残響がかなり多めだった音響もベートーヴェンの頃には耳がすっかり慣れました。バッハで始めの音を聴いた瞬間、あまりの残響にうわ、えらいこっちゃ、どーしよーって思ったんですけどね。。。

さて、バッハのシンフォニアはテンポが大分ゆっくり目で、荘重な感じで、あれこれはちょっと違うかも?(比較対照は去年の新潟のバッハ)と思ったのですけどね。結論からいうと、私は結構淡々と聴いてしまいました。あれ、こんなんだったかな?ってくらいに、割とさらさらっと終わってしまいまして、やや拍子抜けしたというか。いやもちろんデフォルトで音の粒揃いまくりで横の線縦の線とかまぁ文句のつけようもないんですが、もうちょっとゴリっとしたところがあると思ってたんだけどなー…と。まぁ素晴らしくキレイなバッハではありましたが。
なんかツィメルマンってば、演奏中に客席の方(角度的には2階席の方)を何回も見てまして、あれ、こんなにこっちの方を見る人だったかな、どうもおかしいなって思ってたら、どうも照明不具合だった模様です。
ベートーヴェンの前に、I'm sorry, ライトがどうのって謝っていました。
さすがのツィメルマンも、ちょっと集中を欠いていたのかも。
照明って眩しかったり影ができて鍵盤が見難かったりと、いろいろ難儀することがあるようですね(どうでもいいですが、私は照明が目に入って譜めくり事故を起こしたことが…。あう、思い出しちった…)。

バッハを聴きながら、実は内心、このテンションでベートーヴェンいけるんかいな、どーすんだよ一体って思ってたのですが(すいませんね、失礼なファンで)、やっぱりツィメルマンは伊達にツィメルマンじゃない(意味不明)、と思った32番でした。
思い起こせば2007年、軽井沢で32番弾くよというアナウンスに狂喜乱舞して、でも結局はキャンセルされてしまい、去年はその振替のコンサートをやったけど32番は悲愴に化けてて、、、要するに私はずーーーーーっとこの瞬間をアレコレ想像たくましく待っていたのです。
でもその一方で、感動できるかについてはあまり自信がなかったんです、ええ。ツィメルマンだったらこう弾くんじゃないかなぁ、でもそう弾かれたらたぶん私的には違う、になるかも、、、とそれはもう勝手に想像しまくって自己完結していたのです。今考えるとバカ過ぎるというか、この期に及んでまだツィメルマンをなめてましたって話なんですが(懺悔…)。

えーとですね、もう、全っ然想像と違いました。どうしましょうってくらい。
意外と、いや、かなりマニエリスティックで、いびつなところや綻び、暗さもあって。まさか、あんなネ暗い、地獄から鳴り響いているような低音がきけるとはねぇ……。端正にまとめようとすれば200%構築美を極められる人が、こういう演奏をしますか、うーん、勇気あるなー…と、ほとほと感じ入ってしまったのでした。ライヴだと、意外と枠からはみ出る人だとは思っておりましたが、いつもは1.5歩くらいだとすれば、このベートーヴェンは5歩くらいぐぐいっと外に足を踏み出しておりまして。ってそれはもう、はみ出してるとかそういうレベルじゃないんじゃないかと。これはおそらく、ベートーヴェンが描き出した、綺麗事ではない何事かに向き合っているということだと思うのですね。すなわち「人間」というもの(それも醜悪さとかネガティヴな部分)に逃げずに相対している、といっても良いのではないかと思います。ツィメルマンってやっぱり、安全圏にいられても絶対にそこにはいない人なんですよね。私はツィメルマンのそういった勇敢さに、いつも心を打たれてしまうのです。。。
フレーズフレーズで目まぐるしく変化し、嵐のように荒れ狂う一楽章。聴いてる私は終始落ち着かない気分で、ひたすら胸をかき乱されるし、挙句の果てにだんだん息苦しくなってしまって、正直、もうお家に帰りたい……って思ってしまったんですよね。ツィメルマンのコンサートで、こんなことありえんって思うのですが、本当にもう勘弁してくれって5%くらいは思ってしまいました。
一転して二楽章は、まるで暴風雨が過ぎ去った後の崇高な祈りと浄化のようで。ブギウギ(といって良いのか分かりませんが)の部分なんかは、ものすごーく喜々としてて速めのテンポでグイグイ押してたりして、えーとこれはちょっとノリが良すぎやしませんか、、、ベートーヴェンに聴こえん…と笑ってしまったのですが、最後にはちゃんと成仏できました(私が)。
いやでも、本当にグッタリしてしまって、休憩になってもしばらく立ち上がれませんでしたが。

後半に続きます。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年5月 6日 (水)

予習せねば

ツィメルマンさん、アメリカで物議をかもしてましたが、そろそろ来日されましたでしょうかね。
私も来週早々に一発目がありますが、なんだかんだ慌しくて、まだ全然臨戦態勢に入ってません(マズイ)。

いまだBプロが一部出てきませんが、とりあえずAプロの予習はしないといけません。
といっても、そもそも、いまだCD箱を開梱していないという大問題があったりするので、とりあえずの発掘目標として、以下、リストアップしてみました。


バッハのパルティータ2番。

B0002ZF04Yバッハ:ゴールドベルク変奏曲
ペライア(マレイ) バッハ
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 2004-11-17

by G-Tools

B00005FJCKバッハ:トッカータ ハ短調
アルゲリッチ(マルタ) バッハ
ユニバーサル ミュージック クラシック 2000-05-24

by G-Tools

何もここまで(音楽的)キャラの違う2枚を並べなくても……と思わないではありませんが。


ベートーヴェンの32番。

B000CBNZ5Oベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番&第31番&第32番
内田光子 ベートーヴェン
ユニバーサル ミュージック クラシック 2006-01-18

by G-Tools

もはや定番。

B00005HU9Xカーネギー・ホール・ライヴ
プレトニョフ(ミハイル) バッハ ベートーヴェン
ユニバーサル ミュージック クラシック 2001-02-25

by G-Tools
やや腰が引ける一品ですが(予習でそんなに何回も聴きたくない……)。
B0000CE7FKBeethoven: Piano Sonatas No. 29 "Hammerklavier", 30-32; Bagatelles, Op. 126
Ludwig van Beethoven Christoph Eschenbach
EMI Classics 2003-10-02

by G-Tools
一番最初に買った32番ですが、結局のところこれが一番かも。

シマノフスキの「ポーランド民謡の主題による変奏曲」。
B00005F4MGシマノフスキ:ピアノ曲集 - 2
ラスコー
Naxos 1997-03-01

by G-Tools
ポーランド民謡の主題による変奏曲、良い曲だと思うんですがあまり音源が無いのですよね。楽譜でも買おうかしらん。

ブラームスのop.119。
B00006JLKSブラームス:後期ピアノ小品集
グリモー(エレーヌ) ブラームス
ワーナーミュージック・ジャパン 2002-10-23

by G-Tools
B000066ILSブラームス:後期ピアノ曲集
アファナシエフ(ヴァレリー) ブラームス
コロムビアミュージックエンタテインメント 2002-06-21

by G-Tools

| | コメント (2) | トラックバック (0)

初ヌーブルジェ

B001E1TGNQJean-Frederic Neubuger / Live At SUNTORY HALL (2CD) [Import]
Jean-Frederic Neuburger (ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ) J.S. バッハ ショパン
Mirare 2008-10-01

by G-Tools
3,000円

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでジャン=フレデリック・ヌーブルジェを聴いてきました。
1986年生まれの若いピアニストですが、なかなか良かったので、会場でCDを購入。
サントリーホールでのライブ録音(2007年)です。
ラフォルジュルネではバッハ関係ばかりだったのでピアニストとしての全体像は全然分かりませんでしたが、こちらのCDはバラエティに富んでるので色んな面が見られます。
とりあえずざっと聴いてみましたが、音楽の流れの良さとクリアな音色が魅力的です。(会場でも思いましたが)フォルテの鳴り方がとても綺麗です。
水も漏らさぬ、という感じではないですが、爽やかで若々しく、勢いがあって、好感度は高いです。
若いのに結構タメが長かったりして、私の好み的には結構買い。
巷では不人気の(?)ショパンのバラ2が意外なほどに良い感じ。

6月20日にリサイタルがあるようですが、私はその日はお髭さん最終日なのでね……(あああ、どうしてこう日程がかぶるかなー)。

2009年合計33,179円。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ショパン」と新譜

まだ片付けは済んでませんが、まぁそれはひとまず放置ということで。
やっと遊びに出かけられるようになりまして、久々に浦島太郎状態から脱出しつつあります。

「ショパン」はアンデルさんがいっぱい。

CHOPIN (ショパン) 2009年 05月号 [雑誌]
CHOPIN (ショパン) 2009年 05月号 [雑誌]
ショパン 2009-04-18
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

巻頭カラーで、記事とインタビュー。
シューマン、シマノフスキ、ヤナーチェクについてのコメントがなかなか興味深いです。

そういえば、新譜も出るんでした。

B001VEH3GSピョートル・アンデルシェフスキ・ライヴ・アット・カーネギー・ホール
アンデルジェフスキー(ピョートル)
EMIミュージックジャパン 2009-05-27

by G-Tools

さすがEMI、ジャケットがかっこいいです。って、かっこいいのはアンデルさんか。
これは国内盤ですが、輸入版はそろそろ出そうなので、私はそっちを先に買ってしまうかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月 5日 (火)

ザハーロワのすべて【Bプロ】

ザハーロワのすべて【Bプロ】
2009年5月3日(日) 16時開演 東京文化会館 

Bプログラム
Part Ⅰ
≪カルメン組曲≫
(音楽:ビゼー/シチェドリン 原振付:アロンソ 改訂演出:A&A.プリセツキー)
出演 カルメン:ザハーロワ、ホセ:ウヴァーロフ、トレアドール:シュピレフスキー、
    コレヒドール:ヤン・ヴァーニャ、キエフ・バレエ

Part Ⅱ
「パリの炎」第2幕 パ・ド・ドゥ
カプツォーワ&ワシーリエフ
「トリスタンとイゾルデ」デュエット
ザハーロワ&メルクーリエフ
「エスメラルダ」パ・ド・ドゥ
キヒャーク&ヴァーニャ
「ブラック」
ザハーロワ&メルクーリエフ
「ジゼル」第2幕 パ・ド・ドゥ
コバヒーゼ&シュピレフスキー
「クレイジー」
ワシーリエフ
「ヴォイス」
ザハーロワ

スヴェトラーナ・ザハーロワを座長としたガラ公演。
ロシア系もバレエはどちらかというと好みからは外れるんですが、今をときめくザハーロワを見ておくのも良いかと思って行ってきました。
第一部が丸々「カルメン」で、第二部がガラ形式。
この「カルメン」が盛大に微妙でして、、、ってそれはすでに「微妙」ではないだろうって感じなんですが、全体としてはとても楽しんで帰ってきました。

さて、まずは問題の(?)「カルメン」。
正直、「カルメン」としては話が成立してないような気がしたんですよね。
ザハーロワは赤・黒の妖艶な衣装がそれはそれは似合っていて、美しいことこの上ないのですが、その実そんなに色っぽくはない、です。むしろ可愛い。コケティッシュというのでもなく、意外なほどに幼く、少女のように見えます。いやもちろん、カルメンに可愛らしさがあっても良いとは思うのですが、もう少し奔放さや野性味があっても良かろうかと。あまりホセに同情したくなるような感じではないんですよね。
ザハーロワが少女のように見えてしまう原因のひとつはホセ役ウヴァーロフのデカさにもあるんじゃないかと思うのですが、この人のホセも、嫉妬や暗い激情に突き動かされて…、という感じが全然無くて、ちょっとなんだかなー、と。なんか苦悩してるのは分かるんですけど、燃え上がるような、ラテンな感情の発露が無かったです。彼は、根暗くて悩み深い王子様なんかは合うと思うんですが。
そしてシュピレフスキーの闘牛士。えーと、これがまた、今にも牛に殺されそうな闘牛士でして。線が細いとか繊細とかそういうんじゃなくて、なんか反射神経に問題がありそうな闘牛士っぽいというか。まじめに、ラスト、牛(運命)に突かれて死ぬんじゃないかと思った、、、ってそれはもう別の話になっちゃうってば。なので、なんでカルメンがホセからこっちに心変わりするのかがまったくもって理解不能です。
全体的に、キャラクターの感情という意味では淡々としてて、様式美に終始してるような印象でした。確かに、振り付けを美しく見せるという意味では、文句無しなんですけどね。最後、カルメン刺殺にいたるまでもなんか盛り上がらないというか、なんだか緊張感に乏しくて、物語の幕切れが唐突に見えてしまいました。
うーん、元々がこういう演目なのかどうなのか、別のダンサーで見てみたいところです。

以下、二部。印象的だったものについて。

「パリの炎」
ワシーリエフは、これでもかってくらい跳びます&回ります。スピードと高さがものすごい。パリっていうか、、「パリのロシア人」って感じでしたが。
「トリスタンとイゾルデ」
ザハーロワとメルクーリエフ、二人とも動きが本当に流麗。高貴な女性と高潔な騎士の道ならぬ恋を、透明感のある美しい世界で魅せてくれました。ため息。
「ブラック」も同じ組み合わせですが、こちらはガラリと雰囲気が変わって、クールで現代的でした。メルクーリエフってオールラウンドなんだなー。クラシックも見てみたいです。
「クレイジー」のワシーリエフ、今度はソロでやりたい放題。彼は三の線ですね。キャラクテールが似合いそう。

エンディングは、各人それぞれ技を披露して、キラキラの紙ふぶきが降ってきたりと華やかな雰囲気の中、終演となりました。
個人的には二部のコンテンポラリーが楽しかったです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »