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2009年6月

2009年6月22日 (月)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル in 所沢

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年6月20日(土)17:00開演 所沢市民文化センター ミューズ アークホール

J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
休憩
ブラームス:4つの小品 作品119
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10
※プログラムA

2009年のツィメルマンのジャパンツアーが終了いたしました。
この日は、蒸し暑かったですがお天気はまずまずで、ホッ(ツィメルマンさん、今ツアーで雨男の汚名返上?)。


所沢ミューズ、個人的には、大変良いホールだと思います。ピアノにはちょっと残響が長いかもしれませんが、飽和して何を弾いてるか分からなくなる感じではなくて、響き方自体はきれいではないかと。
この日は、ツィメルマンの音の響きの余韻(音の減衰)をバッチリ聴き取れて、満足満足。

今回、2階席、3階席はちょっと空席がありました。
所沢は安いから完売というイメージがあったのですが、うーん、世界同時不況とか新型インフルとかプログラムにショパンが入ってないとかツィメルマンが毎年2回(も)来るようになったとか、チケットがはけにくい要素が重なった感じでしょうかね。。。


さて、バッハのパルティータ2番。
ここしばらく、結構あれこれ聴いて、浮気心を出したりもしていたんですが、やっぱり私はツィメルマンが好き、という結論に達しました(今更…?)。
所沢のバッハは、とても自然で、あるべきところにあるべき音符がある、といった感じに聴こえました。しかるべきメリハリはついてましたし、声部の強調なんかも「ふーん、この音を前に出すのね」っていうところはあるんですが(変という意味ではなく)、全体的に気持ちの良い収まり方をしており、(短調だというのに)なにやら幸福感が漂っておりました。
綿密に設計してはいるんでしょうが、懲り過ぎ感はなく、それでいて奏者の人間性・キャラクターがしっかり反映されているという意味において、非常に個性的。
端正ではあるけれど、人間味や人肌の温もりといったものが感じられるバッハだと思いました。
ロンドーは冒頭の音の置き方が実に丁寧ですが、そこからカプリッチョへの持って行き方、うねるような盛り上がり方が大変ナチュラルで、本当にゾクゾクさせられました。また、カプリッチョの、背筋のびっと伸びたような、毅然としたカッコ良さは、ツィメルマンならではではないでしょうか。
あ、この日もカプリッチョの後にシンフォニアに戻ってました。シメの和音は長調。
確かに、カプリッチョって、カプリッチョ単品の終わらせ方と、組曲全体としての収束の付け方との兼ね合いがちょっと難しいかな?と思うことはあったのですよね。
シンフォニアに戻ることで、より一層スケールアップして、なおかつ最後にバッと光がさしたような印象でした。

ベートーヴェンは、ディナーミクの振は大きく、雄雄しさと透明感の対比は十分にありましたが、アコーギクはやや控えめだったかなぁ。別にそのせいだけとも思いませんが、どこに連れてかれるか分からない乗り物に同乗しているような、もしくは遠心力で前後左右にブンブンと振り回されるような感覚や、ドス黒さみたいなものは希薄で、今までに無く聴き易い印象を持ちました。まぁ最終日だし少しまとめに入ったのかな、、、という気がした、んですけどね。
この日はお嬢さんがおみえだったので(それにしてもキレイになったな~)、もしや家族モード入ってやや丸くなったか?とも思ったりもしたんですが……。

聴きながら、今ツアーで聴いた32番を色々思い出していました。
なぜに彼が、あんな、突如として何かが噴出するような、そして、ある意味いびつともいえる、全体の構築を危うくするような表現をとっていたのか、興味があるところです。
一過性のものなのか、それとも新境地なのか、結論は来年のショパン待ちでしょうかね。。。


ブラームスは、どんなんだったかな、、、いや普通にどの曲も素晴らしかったんだと思いますが、なんかすでに脳内にツィメルマンのop.119のイメージがかなりはっきりでき上がってしまってまして、ただ、それが果たして所沢の記憶なのか、大分アヤシイという……。
次のシマノフスキのせいで、記憶が吹っ飛んだようなところもなきにしもあらず。
えーと(記憶を一生懸命たぐりよせてみる)、ブラームスの孤独、焦燥、苦悩といった、ネガティヴな要素はあまり感じなかったような気がするんですが(ただこれは所沢に限りませんが)、ロマンチックに流れ過ぎない透明度の高い美しさ、軽妙さ、品の良さ、ダイナミックな華麗さ等々、一曲一曲の弾き分けは見事でした。
私はやっぱり最終曲のラプソディの大伽藍な感じが好きです。

で、ブラームスを吹っ飛ばしたシマノフスキですが、本当に最後の最後ということもあったのでしょう、文字通り、渾身の、ド迫力の演奏でした。今回、バツェヴィチは1回しか聴いてないので比較してよいのか分かりませんが、同じお国物ではあっても、シマノフスキの方がより、安全運転を放棄しているようなところがあったように思います。なんとも壮絶、でありましたことよ。
最後の和音を弾き終わったツィメルマンが、大きくふーっと息を吐き出しすのが見えました。
もう、本当にお疲れ様でした、としか言い様がありません。

カーテンコールはものすごい拍手で、最終日にふさわしい盛り上がりでした。
ツィメルマンさんは、恒例のピアノに拍手をの仕草に、投げキスも。サントリーより1回増えて2回でした(わーい)。


は~~、とうとう終わっちゃった……。
秋のガーシュウィンのことも考えなきゃって思うんですが、今はまだそんな気持ちになれません。
っていうか、しばらく何も聴かなくても良いくらいの気分なんすけど。。。

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2009年6月16日 (火)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル in 福島

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年6月13日(月)18:30開演 福島市音楽堂

J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
休憩
ブラームス:4つの小品 作品119
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10
※プログラムA


ホールのほぼど真ん中で鑑賞。
ちょうどピアノの蓋から音が直接飛んでくるあたりで、席のチョイスとしてはまぁ正解だったかな?
勾配がかなりついてて見易いホールでした。

ええと、残響が長ければ良いホール、という考え方もあるにはあると思うのですが、ピアノはあまり長くない方が良いよなぁ、、、とは常に思っていることです。
福島市音楽堂、とても良いホールなんだろうと思いますが、はっきりいって、極上の(?)風呂場サウンドといった体(てい)でした。。。
サントリー=風呂場っていう人もいますが、あの、サントリーなんてカワイイもんですよ。
バッハは演奏が素晴らしかっただけに、ちょっとあの音響は惜しかったような気もします。
ただ、あの音響を受けて、ツィメルマン側で調整した結果の締まった演奏だったのかもしれず、何がどう作用しているのかよく分からない部分もあるので何ともいえませんが。

今回、少しではありますが手が見える席だったんですが、演奏が良い場合って、手の動きが見えると逆に違和感がありますね。
ご本人、「奏者不在、ピアノ不在の演奏が良い演奏だ」みたいなことを言ってたような記憶があるんですが、まぁかなりそんな感じだったのですよね。
音楽がすごく自然にそこにあって滔々と流れ出ている、という感じで、そこに「ピアノを弾いているツィメルマン」という人為的な要素は必要無いというか……(うわー、なんと罰当たりなことをいうファンだ)。
いえ、単に良かったってことがいいたいだけです、ハイ。

さて、何回か聴いた自分の印象や、人様のお話を総合すると、今ツアーのバッハは日替わり演奏らしい、、、という印象を抱いているのですが、この日のバッハは日替わりにも程があり過ぎました。
「日替わりランチいきなりデザート付」とでもいいましょうか……。

最終曲、カプリッチョの最後、ジャーンと終わったと思ったら、いきなりシンフォニア(頭)に戻りやがりましたよ。
ここで絶対に拍手をさせないぞ!とばかりの、間髪入れない見事な切り返しで、もう唖然。
しかも、微妙に違う曲になっとるし!!(作曲してる……)
もしやこのままもう一回全部やるんですか、、、と思いましたが、いえ別にやってくれて全然構わないんですが、なんだか適当にまとまってあっとう間に終了。

は~~~、なんつーことをするんだ、このヒトは……。
バッハの即興性、みたいなことなんでしょうか?
機会があったらご本人に聞いてみたいところです。

32番はいい加減慣れてきたせいもあり、あまり振り回されずに聴けました。
今月に入って、音楽性が少し明るい方向にシフトしてるような……?(単に音響とか座る場所の問題かもしれませんが)
ただ、大分(ツィメルマンの)気が急いてるなーという印象はありました。
せっかちっていうのはシマノフスキでもちょっと思うことなんですけどね。
2楽章は多分すごく綺麗だったと思うんですが、すみません、疲れてたこともあって、大分ボケーっと聴いてしまいました……(実はこの日、かなり低空飛行で、ちょっとトリップしそうになった……)。

ブラームスがこの日、会場の音響に一番合ってたようです。
ただ、ラプソディは、「これはもはや"小品"じゃないだろう……」と思ってしまいましたが。
たとえていえば、元々はちょっとした貴族の洋館くらいの曲ではないかと思うのですが、それが壮麗なお城というか、いやむしろ豪壮華麗な城塞のようになっておりまして。
いえ、別にけなしてるわけじゃなくて、単に(単に?)圧倒的だったってことをいいたいだけです。。。

シマノフスキは、結構色々踏み外してまして、(私が)それに気をとられてか、もしくは細部が混濁してよく分からなかったせいか、全体的に少し印象が薄かったような。。。
十分熱演ではありましたけれど、前回のサントリーではものすごい場所でものすごいものを聴いちゃったからなー、ということもあり。

この日は、私的にはバッハとブラームスのラプソディの日でした。

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2009年6月15日 (月)

英語5分間トレーニング

なんでここのブログ名、「英語めぐり」なんだ?って思ってる方がいっぱいいらっしゃるんじゃないかってくらい、英語の話をしてない今日この頃です。すみません。
そろそろダンボールも減ってきた(やっと洋書箱も開梱……)ので、何とかしないといけませんねー。

先だって、すなみさんと英語話をしていた時に、いろいろ教えていただきました(その節はありがとうございました~)。
そのうちのひとつ。

英語5分間トレーニング
NHKの語学講座で、ネットで番組を聴けます。
5分だったら、それこそ隙間時間でできるかな、と。
岩村圭南先生、好きだし、ちょうど良いです(ご本持ってます。が、完走してません……)。

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2009年6月12日 (金)

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル  2009年日本公演 in サントリーホール

クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル
2009年6月10日(水)19:00開演 サントリーホール

J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
休憩
バツェヴィチ:ピアノ・ソナタ 第2番
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 作品10
※プログラムB


芳醇のバッハ。
疾走するベートーヴェン。
バツェヴィチはこれが大トリ?というノリで。
シマノフスキでは、何かが盛大にハジけ飛んでました。


バッハは、弾き振りのショパンを思い出してしまいました。
薫り高い、オトナのバッハ。
円熟とか熟成とかそういう言葉が似合います。
音がどーのとあまりいうとご本人に怒られましょうけれど、スタインウェイの音の旨み成分凝縮!という感じ。
なんかあそこまでの美音を浴びてしまうと、もう思考能力停止です。
身動きできずに聴き入ってしまいました。
あ、なんか、トリルが増殖してたような気がします。

ベートーヴェンは、全体的にテンポが速かったです。
ドス黒さよりも、焦燥感、切迫感ってところでしょうか。
でもやっぱり音がキラキラしすぎて、ちょっと目(耳)が眩んでしまったような。。。
2楽章はかなり現実味が強くて、なんかますます人間の世界の出来事を見ているかのようでした。
ベートーヴェンの後、ちょっと咳をしていましたね(大丈夫かな……)。

バツェヴィチは、この日のピークはここにあったな、という出色の出来。
やっぱり十八番ですね。

シマノフスキは強烈な壊れっぷりで、テンポもかなりギリギリめ。
感情が手を凌駕しているような感じで、かなりスリリングでした。
いやー、なんか回をおうごとに段々ものすごくなってるような。。。
弾きき終わった時のツィメルマンさんも、あきらかに別世界に行ってしまっていたような、心ここにあらずな感じで、ちょっと心配になったくらい。


後半にバツェヴィチとシマノフスキ、いわばポーランドプログラムで、ツィメルマンさんにとっても意義深いんでしょうけれど、、、こんな無茶はもうやらんだろうなぁ。
っていうか、やらなくて良いです(聴く方も大変だから)。


土曜日はAプロに変更の福島に行ってきます。
も、全部AプロでOKですから。。。

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2009年6月11日 (木)

ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル

2009年6月6日 (土) 19:00 開演
サントリーホール

プログラム
シューマン 暁の歌 op.133
バッハ パルティータ第6番 ホ短調 BWV830
ヤナーチェク 霧の中で
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第31番 変イ短調 op.110


カーネギーCD→協奏曲(すみだ)→DVDと来て、最後にリサイタルでしっかりトドメを刺された気が……(あ、間にサイン会も挟まってます)。
これはもはや単なる浮気ではすまない、かも。
まぁ、愛と恋は違いますからねー(なんかホント浮気者の言い訳みたいですが……)。

音楽は人なり、演奏には人間性が現れるというのは、概ねというかほとんど真実だと思っていますので、その人の演奏を聴けば結構色々分かるつもりでいるのですが、アンデルさんに関してはちょっと一筋縄ではいかない。
というのも、演奏を聴いても、「アンデルさんはこんな人」という像がきれいに結ばれないんです。
伝わってくるものが乏しくてなんだかよく分からない、ということでは決してなくて、逆にいろんな要素が色んな風に現れていて、総体としては捉えきれないというか。
ただ、実はそれ(総体としての像がうまく結ばれないこと)こそが、アンデルシェフスキという人そのものを象徴しているのではないか、という気もするのですが。
うーん、ちょっと分かりにくいですかね。
要は、いろんな面を持ってて、複雑で多層的な人であるというのが、そのまま音楽になって現れている、ということではないかってことなんですけどね。

とりあえず、オネストな人だとは思います。
基本的な音楽性としてはまず内省的であると思うのですが、曲にとことん向き合って、同時に自身の非常に深いところに降りていって、そこにあるもの、そこで感じたことを、飾ることなく表に出せる人なのではないかと。
そういう意味でオネスト。
でもそれは、自分の内面を顕示する、という押し付けがましいものではなく。
ベクトルは内に向かっていても、聴き手不在というわけでもなく。
結構トリップする瞬間がないわけではないんですが、でもまぁ、基本的に、アンデルさんはちゃんとそこにいて。
それでまぁ、時々ふっとこちらを向いてくれるような、そんな温度でしょうか。


すみません、前置きが長いですね。
私も実際のところ、よく分からないんですよね。


一曲目、シューマンの「暁の歌」で始まりました。
シューマンが精神を病む直前に作曲された曲、だそうです。
組曲としては、あまりまとまりがないような気がするし、一曲一曲とってみてもそれぞれ心象風景的というか、いやちょっと待て、これはもう「風景」というような具体的なものではなくて、感情の「軌跡」でしかないのではないか、、、と思わせる部分もあったりして。
で、アンデルさんは、そういうある種のまとまらなさを無理にまとめに入ることなしに、一瞬一瞬の心の動き、襞みたいなものを、誰ともなくボソボソと独り言をつぶやくかの如く弾いたのだと思います。
すごくこじんまりとした個人の内面世界の発露であると同時に、「暁の歌」というタイトルが想像させる、人生の最後の局面で眺める神々しいような情景のようでもありました。

アンデルさん、シューマン好きなんですよね。
「シューマンは自分にとても近い。詩的で不完全、こわれもののように純粋ではかなく、危険な音楽で、心に触れる」 ショパン 2009年5月号

私にとってはシューマンってシンパシーを感じられない作曲家の一人なんですが、アンデルさんがシューマンに惹かれる気持ちは、演奏を聴いてると、なんか分かるような気がしてきます。


で、このヒトは、この「暁の歌」の後にバッハなんか弾いちゃうわけなんですけどね。
音の広がり、いや世界観の規模というのかな、一気に拡大しまして、小部屋から小宇宙へ、みたいな豹変ぶり。よくもまぁ、ここまで切り替えられるものだと感心してしまいました。

シューマンの(ヤナーチェクもそうかな)とりとめのなさや唐突さ、不完全性を愛してて、しかもバッハ的な構築性とフォルムに対する志向みたいなものもすごく強くて、そういう意味では相当なカメレオン。
レパートリーは狭いのであまりオールマイティとはいいたくないけど。

ヤナーチェク、最近ピアノリサイタルを聴きにいくとなぜかプログラミングされていることが多くて、でも私はあまり得意ではないのでついつい「なにもみんな揃ってやらんでも……」などと思ってしまうんですが。でも、アンデルさんにはこういう不安定さのある曲想は合ってると思います。

ベートーヴェンの31番。
以前の録音を聴いて、爽やかで線の細いベートーヴェンっていう印象があり、ちょっとナメてかかっていたんですが。これがもう、とんでもなく良かったです。
はー、美しかったー。。。
ピアノが鳴っているというよりも、音楽が空間に広がっていく様が目に見えるような錯覚を覚えました。
アンデルさん、結構この曲を弾きこんでるのではないかと思うのですが、さすがにすっぽり手の内に入っていて余裕がある感じ。だからといって軽く弾いてるというわけではなくて、大変真摯で、何よりも愛情と親密さが感じられる演奏でした。
彼は音楽に相対する際に、おそらくはかなり身を削るタイプではないかと思うのですが、31番に関しては、真摯ゆえに生じる悲壮感みたいなものは完全に超越しちゃっていて、なんかすごい高いところに到達しちゃってるな、と思わせる名演でした。

アンコールはバルトークの「チーク地方の4つのハンガリー民謡」より第1曲、バッハのパルティータ2番のサラバンドの2曲。
お客さんの反応も良くて、サービスしてくれたかな?

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2009年6月 8日 (月)

今、アンデルさんはロンドン(のはず)

ついでにも1つ。

本日BBCにアンデルさん出演の模様。
明日ロンドンでコンサートなんですよね。

I Fagiolini and Piotr Anderszewski
Mon 8 Jun 2009 17:00 BBC Radio 3
http://www.bbc.co.uk/programmes/b00kstbv
~Ahead of a performance at London's Southbank Centre, pianist Piotr Anderszewski talks to Sean about this concert and his latest CD, as well as giving listeners a performance preview.~

ロンドン・サウスバンクセンターの演奏に先立ち、トークと実演付き出演ってことで良いのかな?2時間枠のどっか、だと思います。


ええと、今、サマータイムなんでしたっけ。。。

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アンデル祭りはいまだ終わらず……

今、アンデルシェフスキinサントリーの感想を書き書きしてますが、その前に雑談。
アンデル@サントリーのレビュー、早く書き終わらないと10日になっちゃうんですが。。。

YouTubeに開設されている、EMI CLASSICSのオフィシャルチャンネルにアンデルさんの映像があるらしいということは知っていたのですが、どーせ大したことない内容なんじゃ?とか、何となく、弾き振りのベートーヴェンだけでしょ?と思ってスルーしていたのですよね。

実は結構大したことあった。

Piotr Anderszewski - Beethoven Piano Concerto No.1, Bagatelles op.126
Piotr Anderszewski - Mozart Piano Concertos 21 & 24
Piotr Anderszewski - Mozart Piano Concertos 17 & 20
Piotr Anderszewski - Chopin Ballades, Mazurkas, Polonaises
Piotr Anderszewski - Bach Partitas

コンサートではない演奏風景(リハ?録音風景?お家で練習?)やインタビューが結構入ってて、なかなか面白いですよ。


そういえば、これ見て思い出したんですが、過去に、ベートーヴェンのP協1番の聴き比べなんてのを書きかけて放置していたんでした。
アンデルさんとプレトニョフとツィメルマンというラインナップだったんですが、一部手に負えなくなりましてね……(どの辺が手に負えなかったかはご想像にお任せします)。
まぁ、せっかくアンデル祭りなので、アンデルさんの部分だけ手を加えて載せておきます。


音源はこちら。本人弾き振り版です。

B00164POVYベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
ベートーヴェン アンデルジェフスキー(ピョートル) ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団
EMIミュージック・ジャパン 2008-05-21

by G-Tools

Piotr Anderszewski - Beethoven Piano Concerto No.1, Bagatelles op.126←Youtubeの映像と合わせてやっつけてしまおう。

ベートーヴェンのP協1番って、こういう曲なのか???ってくらいにシャープに攻め攻めですね。
先のすみだは、指揮がアルミンクな分だけ大分丸くなって聴き易かったんだな……と思います。

オケは響きがストレートで清々しく(弦はビブラートかけてないですね)、でも押せ押せな感じです。
印象的なのはティンパニ。印象的というよりも、ここまでドンドコ叩かれると破壊的に感じないではないのですが。まぁ、音楽全体に漲るエネルギーと歯切れの良さなんかが、ティンパニの在り方に象徴されているような感じでしょうかね。文字通り、イケイケドンドンというか。ここまで叩きまくるティンパニもちょっといかがなものかと思いますが、アンデルさんのピアノがそれに負けてないってのも、すごいですねー。
アンデルさんのピアノ、一個一個の音に全部モーターかエンジンでもくっ付いてるんじゃないか……と思わせる威勢の良さで、ある部分、破竹の勢いです。音自体の持つ鮮度も並外れてるし。正直、アンデルさんよりも"弾ける"人って結構いると思いますけど、ここまで一個一個の音がビチビチに生きてる人ってそうそういないんじゃないかな?
あと、随所でかなりアクセントが効いていて(特に左手)、このアクセントをアクと取るか否かは微妙なところではありますが、まぁ、そういうところもアンデルさんらしいですね。
アンデルさん、そろそろ落ち着きとか風格みたいなものが出てもおかしくはない年回りだと思うのですが、この調子だと永遠の新進気鋭、かも。

若々しくて跳ねっかえりの、ウキウキと心が沸き立つような明るいベートーヴェン、私はかなり好きです。

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2009年6月 4日 (木)

新日本フィルハーモニー交響楽団 第446回定期演奏会

#446 『指環の魔力』
2009年5月30日(土)15:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
ピアノ:ピョートル・アンデルシェフスキ

・ワーグナー作曲 歌劇『さまよえるオランダ人』序曲
・ベートーヴェン作曲 ピアノ協奏曲第1番ハ長調
・ワーグナー作曲 楽劇『ラインの黄金』より
 「ワルハラへの神々の入城」
・楽劇『ワルキューレ』より「ワルキューレの騎行」
・楽劇『ジークフリート』より「森のささやき」
・楽劇『神々の黄昏』より「自己犠牲と救済の場」

指揮者アルミンクのプレトーク付。
私服のアルミンク、スタイルがむちゃくちゃ良い~。
2階席だったので、お顔は遠めでよく分かりませんでしたが、御髪がぴっかぴっかだったのが印象的でした。

さて、この日のお目当てはアンデルシェフスキのベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。
本人弾き振りのCDも出てますが、今回はソリストに専念です。

えーとその、アンデルシェフスキって、変な人とまではいいませんが(いや、変な人な可能性も十二分にあるけど)、大変面白い人ですよね、うん。一見スタイリッシュに見えますが、随所でかなりやりたいようにやってるような。色々凝ってて細部まで練り上げているのがよく分かるんですが、時々ヤンチャな方向にふれるんですね。あと、深堀り(下方向)と前方向への推進力が相反せず、上手くバランスが取れてる感じがとても面白い。
運動神経の良さと頭の良さが両立しているようなピアニズムで、文系でも理系でも体育会系でもない感じ。あえていえば、ものすごく知性派のアスリートのような趣で、非常にイキが良いです。ピチピチというか、ビチビチ、いやむしろバチバチかな。
この、音楽のイキの良さというのは、アンデルさんの大きな魅力ではないかと思います。

アンコールは、バルトークの「チーク地方の3つのハンガリー民謡」。
ベートーヴェンとは全く違う情景。表現の幅がぐんと広がったように感じました(ベートーヴェンがマズイという意味ではなくて)。


アルミンクのワーグナーは、見たまんまアルミンクな感じのワーグナーだったような、、、。影が無いというか毒が無いというか生臭さが無いというか。「神々の黄昏」、これって、はたしてたそがれてるんだろうか、、、と思ってしまったんですが、救済だからめでたしめでたしで良いのかな、、、えーと、よく分かんないや……。

と、一部釈然としない部分もありましたが、基本的には大変気持ちよく聴けた演奏会でございました。満足。


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2009年6月 2日 (火)

6月6日の予定(は未定)

6日のアンデルさんのチケットを押さえてしまった。。。

6日はそもそも、壬生でツィメルマンの公演がある日なので、行けるものならそっちに行くつもりだったんですけどね。
諸般の事情で壬生は色々と厳しいので(今、壬生までドライブしたら次の日使い物にならなくなる恐れがあり、それは大変に困る)、それよりはまだ無理をしなくても良いサントリーに行くことにしてしまいました。サントリーなら、最悪、移動中に仕事できるしね。。。

まぁ、行けるかまだ分かりませんけどね。
せいぜい、明日と明後日、シャカシャカ仕事します。

行けたら大体いつもの場所に座ってますので、よければお声がけください~。

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アンデルシェフスキ関連映像

NHK(ハイビジョン)で放映があるそうです。
DVDとタイトル違うけど、えーと、何をどう確認すりゃいいんだコレ。。。


2009年 7月18日(土) 22:00 ~ 翌 02:00
ドキュメンタリー Bモード・ステレオ
ピョートル・アンデルジェフスキ
「イズ・ゼア・ピアノ・オン・ボード」
内 容:
ポーランドとハンガリー人の両親をもつピアニスト、ピョートル・アンデルジェフスキの ワルシャワからブダペストまでの列車によるロードムービ仕立ての映像。 ブルーノ・モンサンジョン演出によるこの新作映像は、 CD収録、マスタークラス、ワルシャワ、ブダペスト、パリ、東京におけるリサイタルの抜粋など、 ピョートル・アンデルジェフスキの現在の最も大切なイベントをとらえている。 そしてアンデルシェフスキが自身に課す主要な課題や、 彼にとって音楽家の役割とは何か―さらなる探求の旅が続く。
本テーマが作品をとおして、ところどころに中心テーマとして回想されていく。
[ 制作: イデアレ・オーディエンス / アルテ・フランス (2008年) ]

ピョートル・アンデルジェフスキ Bモード・ステレオ
リサイタル・イン・ワルシャワ
1. パルティータ 第1番 変ロ長調, パルティータ 第2番 ハ短調 ( J.S.バッハ作曲 )
2. ユーモレスク 作品20 ( シューマン作曲 )
3. 仮面劇 作品34 ( カロル・シマノフスキ作曲 )
ピアノ:ピョートル・アンデルジェフスキ
演出:ブルーノ・モンサンジョン
[ 制作: イデアレ・オーディエンス / アルテ・フランス (2008年) ]
NHK BS Classic Navigationより

リサイタルの曲目が良いですね。
うわーい、「仮面劇」だ。


さてさて、本日の本題、DVDの感想。
HMV商品頁:ドキュメンタリー『アンデルシェフスキ/アンクワイエット・トラベラー』 モンサンジョン監督

個人的にヤバイです、これ。ヤバイくらい良い、というニュアンスではなくて、文字通りヤバイしろもの。えーと、このままだと浮気が浮気でなくなるような予感がヒシヒシとしております、という意味で、大変危険なブツです。
うわーん、ツィメルマンさん、早く戻ってきてーーー(ところで今いずこに?)。
……というあまりにもアホなたわ言は置いといて。

まじめな話、モンサンジョン様ありがとう!という逸品でございますよ。

ブダペストからポーランドへの列車での旅が、本ドキュメンタリーの核になりましょうか。アンデルシェフスキはポーランドとハンガリーの血を引いてますから、どちらもそのルーツに深く関わる土地ですね。生い立ちの話なんかも結構出てきます。
季節柄か、やや影のあるヨーロッパ風味というか、落ち着いたテイストのドキュメンタリーになっています。まぁ要するに、舞台が冬のヨーロッパなんで、基本的にお天気がいまいちというか、どんよりな感じなんですよね。ああ、寒そうだ。。。

コンサートのシーンもふんだんに盛り込まれていますが、旅の途上、列車の中であれこれ喋りながらポロポロと弾いてるシーンが、とても素敵。

あとは、自宅で弾いているんでしょうかね、ショパンのP協2番がすっごくすっごくすっごく(しつこい)良いです。ううう、泣きそう……。
年齢的にまだ遅くないから、是非やって~~~!!(絶叫)

デモっぽい感じで弾いてると、力みが無いせいなのかどうなのか、その曲の「歌」の部分がものすごく伝わってきますね。うっとりするほどメロディアスです。

文字通り「魔笛」を弾き語り(?)しているシーンなんかもあって、なんだかとっても嬉しくなってしまいました。だって、こういうシチュエーションにはあり得ないくらい、ピアノが麗しくてゴージャスなんですもの。

もちろん、コンサートのシーンも良いです。
シューマンのフモレスケなんか、私ってばシューマン苦手のくせにドキドキしてしまったー(いやだから、この辺がすごくヤバイんだってば……)。

ベートーヴェンのP協1番(弾き振り)のリハ風景がたっぷり。

あと、リハといえば、ドゥダメルとブラームスのP協1番をやってます。そういえば、この2人のツーショットは以前どっかで見かけたような記憶が……。これだったのかーと納得。ブラームスのP協ってアンデルさんのレパートリーにあったんだ!とビックリしましたが、これも是非全曲聴きたいものです。
ブラームス、絶対に合うと思うんですけど、なかなか弾いてくれませんね……。


しかし、それにしてもですよ。
なんとまぁ、絵になる人なんでしょうね。
何をやっても、何を着ても、サマになるというか。
とにかくお洒落なんですが、服に着られてる感が全然無いです。どれもしっくり似合ってて、とてもアンデルシェフスキらしい。

そして、可愛気が服を着て歩いているようなところもありまして、なんでこの人はこんなに愛らしいんだ、、、と、かなりの頻度で思ってしまいましたよ。特に、列車の中で無防備な寝顔さらして寝てるのを見た時には、一体コレハ何事?!と、思わず暴れたくなってしまいました。いやもうカワイイのなんのって。
……しかし、はたしてここまでサービスしちゃって良いんですかね。
アンスネスの川遊びを見た時とはまた別種の衝撃でしたよ。


まぁそんなわけで、文句無しにお勧めです。

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2009年6月 1日 (月)

DVD散在録

ドキュメンタリー『アンデルシェフスキ/アンクワイエット・トラベラー』 モンサンジョン監督
HMV商品頁

HMVでは6月10日発売になってますが、コンサート会場では先行販売してます。
HMVよりも若干高い価格設定ではありますが、まぁご祝儀ってことでよろしいかと。
ところで、国内盤は出るんですかねぇ?
ちょっと字幕が欲しいな~という感じなんですよね。。。(すいません、最近根性が無くて)

確か3,300円。

2009年合計39,180円。


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