2009年7月9日(水)19:00~ 東京オペラシティ コンサートホール
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」
ショパン:軍隊ポロネーズ
:即興曲 第1番
:夜想曲 第8番
リスト:メフィスト・ワルツ 第1番 「村の居酒屋での踊り」
ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
ラフマニノフ:10の前奏曲 作品23より 第1,2,5,6,7番
ビゼー/ホロヴィッツ: カルメン変奏曲
アンコール
*モーツァルト:ロンド 二長調 K485
*モーツァルト(ヴォロドス編):トルコ行進曲
*ラフマニノフ:楽興の時 第3番
*メンデルスゾーン(ホロヴィッツ編):結婚行進曲
平日オペラシティなのに、9割以上お客さんが入ってたのはビックリ。
ガヴリリュク、ただいまブレイク中なんでしょうか。
当日券にて鑑賞。
事前に問い合わせた時にはSとAは余裕ありってきいたのですが、1階席はあまり無かったようです。
まぁ私はハナから2階席狙いなんで別に良かったんですが。。。
リストあたりから、超絶!フォルテ!超絶!跳躍!フォルテ!みたいな押せ押せムード満載でしたが、個人的には、モーツァルトのロンドが一番良かったです。前回、フィリアホールで聴いた時も思ったことなんですが、この人は超絶技巧が売りに見えて、実はこじんまりとした可憐な曲というのが大っ変に素晴らしいのですよね。明るくて優しくてロマンティックなモーツァルト、絶品でした。
まぁなんにせよ、この若さ(1984年生まれ)で、これだけテクニックと音楽性のバランスが良いってのはなかなか稀有ではないでしょうかね~。
音も綺麗だし、それでいてパワーもものすごくあるし。
「悲愴」は、音の響き方のせいか、結構ウェットだなーと思って聴いてたんですが、あの豊か過ぎるお顔の表情(内田光子的顔芸)のせいでそう聞こえたのかも?
あれは「悲愴」じゃなくて、「苦悶」「煩悶」ではないかと、と思ってしまったのですが、目をつぶって聴いてたら印象が違ったかもしれません。
軍隊ポロネーズあたりは、うーん、これはショパンじゃないよなって思いましたが、リストから後ろは、ザ・ガヴリリュク・アワーという感じで、いやはや、ものすごかったです。
リスト、(休憩が入るにせよ)ストラヴィンスキー、ラフマニノフ、ホロヴィッツ編って、どこまでたたみかければ気が済むんだ、この子は。。。
アンコールのヴォロドス編も笑っちゃいました。
ここまでやるかって。
それでいて、音楽性はいやに老成している部分があるんですよね。
24歳であれだけの腕があったら、普通はひたすらイケイケドンドンか、サイボーグチックで心無い演奏になるんじゃないかと思うのですが、実際は意外とテンポ設定が遅かったり、間(ま)のとり方がやたら長かったり、タメが独特だったりとか、実は40歳なんです、っていわれても信じそうな感じが無きにしも非ず(いやでもあの体力はやっぱり20代ならではか……)。
もう少し年をとったらさらに濃ゆくなるのか、はたまた解脱してすっきりになるか、色々楽しみです。
次は左側の席に座ってみようかな。
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