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2009年8月20日 (木)

第12回世界バレエフェスティバル 特別プログラム<オマージュ・ア・ベジャール>

7月末に始まった世界バレエフェスティバルも、この<オマージュ・ア・ベジャール>にて終了。
これ、基本は東京バレエ団の公演なんですが、私はゲスト(ジルとルグリ)目当てで行ってまいりました。

2009年8月17日(月)18:30開演 東京文化会館

<第一部>
ルーミー
 東京バレエ団の皆さん

「ザ・カブキ」より由良之助のソロ
 後藤晴雄

ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
 エリザベット・ロス


 高岸直樹

アダージェット
 ジル・ロマン

(休憩)

<第二部>
バクチⅢ
 吉岡美佳、木村和夫

さすらう若者の歌
 ローラン・イレール、マニュエル・ルグリ

ボレロ
 上野水香

シャンソンとベジャールさんを映したモニターの登場によって公演開始。

ルーミーは一昨年BBLで見ましたが、東バは細身ですっきり爽やかって感じでしょうか。ま、日本人的体型のせいもありましょう。いえ、皆さんよく鍛えていると思いますけどが、やっぱりBBLダンサーの方が平均的にマッチョですわな。どうも皆さん、華奢というか線が細い。
最初、ジルが舞台の真ん中にいてちょっと意表をつかれましたが、第一部はでずっぱりでした。マイクを片手に司会をし、パフォーマンス中は舞台下手の前方に座ってダンサーたちを見つめていました。ジルは眼光鋭くダンサーたちを凝視しつつ、ときおり小さくうなずいていたりもしましたが、その辺はいかにも指導者という感じ。相変わらず漆黒なイメージでしたが、あの衣装は「バレエ・フォー・ライフ」のものでしょうかね。エリザベット・ロスの「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」に合わせたのか、もっと象徴的に、ベジャールさん亡き後も「Show must go on」なんだよ、、、というメッセージなのか。

エリザベットの「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」はダイナミックで生き生きしてて、曲に負けない力強さがありました。それにしても、エリザベットとジル、BBLの屋台骨ともいえるベテランの二人ですが、「バレエ・フォー・ライフ」で同じ舞台にいるだけで、なんだかジーンとしてきてしまいますね。

ジルの「アダージェット」は、思うところが多くてなかなか言葉にならないのですが、「表現」というものの極北にある、といえば良いのかなぁ。技とか演技とかそういうものを超えたところにありますね。何か「を」表現するというよりかは、もういかんともしがたく、表れてくるのはジル本人、なのですよね。
少年のような純粋さと繊細さ、孤独と苦悩があって、でも最後には希望も見える。やっぱりベジャールはポジティブな人であったろうと思ったのでした。

ルグリに関しては、バレエフェスBプロの「ベラ・フィギュラ」よりもこっちの方がちゃんと踊りを堪能できた感じ。しかし、今更ながら、この人ってばフランス的(パリ的)洗練の極致だなーと感心。何がカッコいいって、手の使い方。華やかでしかもきりっと端正で、あれはルグリしかできないと思います。

水香ちゃんのボレロは、予想していたよりかは(あるいはBプロの黒鳥よりは大分)良かったです。メロディよりリズムの方がセクシーなので、ついつい男性陣の方に目が行きがちでしたが(平野さんが素敵でした)。
正直、水香ちゃんが何を表現したいのか、もしくは何が(おのずと)表現されているのかがよく分からないのですよね。。。(まぁこの演目はドンのインパクトが強すぎて、誰がどう踊っても押し出しが弱く見えるんですが)
まぁ、ちゃんと盛り上がったし、大トリとしての役目は果たしたのではないでしょうか。

カテコはスタンディングオベーションで、幕が下りた後も舞台の上では何回も拍手が起こってました。
本当にこれで終わりなのね~という感じでちょっと寂しくはありましたが、でも充実した公演で楽しかったです。

とりあえず、バレエ祭りはこれにて終了。
これがジルとルグリの見納めになりませんように。。。

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