3年に一度のバレエのオリンピック、世界バレエフェスに参戦してきました。
18時に開演して終わったら22時過ぎ、結構疲れましたが楽しかった~!
会場のボルテージが普通とは違ってて、まさにお祭りムード満載でした。
第12回世界バレエフェスティバル [プログラムB]
8月10日(月)18:00開演 会場:東京文化会館
■第1部■
序曲「戴冠式行進曲」 (ジャコモ・マイヤベーア作曲)
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス
英国ロイヤル・ラテン組。
ヌニェスが上手くてキュート。ソフトな端正さがあって、好きなタイプです。流麗だし、まとまりも良いです。
ソアレスは最初の着地音がすごくて「だ、大丈夫か?」と思ったけれど、その後は特に気にならず。まぁ堅実なタイプかな。チャイコフスキー・パ・ド・ドゥにはすこーし重い気がしましたが、つかみとしてはOK。
「コッペリア」
振付:アルテュール・サン=レオン/音楽:レオ・ドリーブ
ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ
スワニルダのバリエーションの振り付けが地味だなぁ。もっと溌剌とした雰囲気があった方が好みです。でも、ヤーナ・サレンコはとても上手いダンサーのようで、細かい足さばきなんかをキレイにみせてました。二人とも「コッペリア」にしては落ち着いちゃってるなーという印象。
「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル
アレクサンダー大王と妃ロクサネのパ・ド・ドゥ。
音楽がハンス・ジマー(「ハンニバル」)って、どう突っ込めば良いんでしょうねぇ。。。
衣装はフォーゲルが上半身裸で下は長い巻きスカート状のもの。ポリーナは同じようなスカートにスポーツブラみたいなものをつけてて、ちょっとスポーティに見えました。
フォーゲルは体の線がキレイですねー。意外と(?)細身で、繊細な青年王という感じでした。ポリーナがちょっと野性味のあるエキゾチック美女といった風情で、むしろ王様の方が取って食われそうな雰囲気があったような。。。
二人とも美しいし、色気が無いわけでもないけれど、官能的な愛のパドドゥかというと、やや微妙。
「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ
ホセ・カレーニョのソロが無くて、ちょっと残念。でも、二人とも明るいラテンな感じで、相性は良かったんじゃないでしょうか。
「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
上野水香 デヴィッド・マッカテリ
マッカテリは憂いのある王子様な感じでしたが、ドラマとしては盛り上がらず。黒鳥って、妖艶さとか魔性とか、それによる妖しいまでの吸引力とか、もちろん別にコケティッシュ路線でも良いんですが、やっぱり王子が誘惑されるにはそれなりの説得力が必要だと思うんですよね。
水香ちゃんはお疲れだったんでしょうかね。バリエーションでシェネかピケかで滑ってしまって、ヒヤっとしました。まぁ生は色々起こりますが。。。
「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン
噂のダニール君、すごかったー!!爆発的に上手くて、しかも余裕綽綽で、ピルエットのコントロールの仕方なんかホント嫌らしいくらい。しなやかさ、柔軟性がちょっとバリシニコフに似てるかな。見得の切り方なんかも堂にいってて、いちいちポーズが気持ちよく決まるもんだから、思わず笑ってしまった。20歳をちょっと出たくらいだと思うのですが、この年でこれだけ「魅せる」ということを知っているというのは、うーん、ちょっと気持ち悪い。
コチェトコワもフェッテしながらピョンピョン跳びはねる動きを取り入れてたりして、かわいらしくも大変なテクニシャンでした。
終わった後の会場の盛り上がりがすごかったです。あんな津波のように沸き起こる拍手・歓声って初めてだったかも。
本当に、どわぁぁぁぁぁっっっっと何かのエネルギーが動いていく感じだったんですよ。
<休憩20分>
■第2部■ 19:30~20:35
「ナイト・アンド・エコー」
振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチ
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン
プログラムの解説を読んでも意味がよく分からない演目(というかあれは解説になってないのでは)。使用されているマルケヴィッチのピアノ協奏曲が曲として結構面白くて、楽しく見られましたが。ハンブルクのダンサーは、文字通り、身体が物語りますね。顔の表情とか、演技とかそういうレベルははるかに超えて、身体自体の雄弁さ、紡ぎ出す叙情のようなものがあるのですよね。惚れ惚れしてしまいます。
「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
アニエスの衣装がなんだかSFチックで、ジョゼはえーと、肌色タイツですか???フォーサイスというと「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」を思い起こしてしまったのですが、あそこまでとんがった緊張感がある演目ではなく、ちょっと肩透かし。どうせなら、もうちょっとカッコいいジョゼが見たかった。。。
「白鳥の湖」第3幕より
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン
古典の「白鳥」かと思ったら、マーフィー版でした。予習ゼロで最初なんだかよく分からなかったんですが、「これは王子と愛人と、罪もないフィアンセかなんかの修羅場か?」と思ったらドンピシャでしたねー。新解釈だけど、ものすごーーーく分かり易い演目ってことですね(要するに、ダイアナ妃とチャールズとカミラさんなんだな)。ルシンダ・ダンの存在感も強烈でした。
「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
マノンとデ・グリューの出会いの場面だそうですが、いかにも恋に落ちちゃいました!というキラキラが感じられました。アリーナ、細くて可愛くて、なんかこう、いかにも男が溺れそうなんですよね。ファム・ファタルです。
「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"
振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテット
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ
ニコラの存在感がなんかリアルでした。バレエダンサーらしいかというとちょっと違う佇まいといいましょうか、なんかかなり現実的なんですよね。だからというべきか、こういうちょっと演劇的な道具立ての演目はハマりますね。ギエムの存在感もまた生々しさがあるので、相性が良いみたい。この作品は11のシーンからなるそうですが、他もちょっと見てみたいかも。
「ベラ・フィギュラ」
振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ
去年のエトワールガラでリアブコ&アッツォーニで見ましたが、なんだか違う演目みたいだなー。ルグリ&デュポンで予想していたよりかはインパクトが弱かったです。。。いえ、別に特に文句は無いんですが。
<休憩15分>
なんだか段々レビューを書くのに疲れてきました(記憶も薄れてきた……)。
一端休憩して、その2に続きます。
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