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2010年1月19日 (火)

[映画]シャネル&ストラヴィンスキー

公式サイト
<ストーリー>
1913年、パリのシャンゼリゼ劇場では、ストラヴィンスキー作「春の祭典」のバレエ・リュスの初演が行われていた。そのあまりの革新性に、劇場中が騒然とし野次や怒号が飛び交うが、客席にいたココ・シャネルはその斬新さに恍惚とする。
1920年、愛人のアーサー・ボーイ・カペルを亡くし悲しみに暮れるシャネルは、ロシア革命の後、パリで亡命生活を送るストラヴィンスキーを紹介される。シャネルはストラヴィンスキーに経済援助と別荘の提供を申し出る。ストラヴィンスキーは妻と子供たちとともに、シャネルの別荘に移り住み作曲に打ち込むが、二人の間に恋が芽生えるのは時間の問題でしかなかった。


シャネルとストラヴィンスキーの知られざる恋と、香水のNo.5誕生秘話を描く、ということのようですが、恋模様としてはありがち、なような気がしなくもありません。まぁ、傑出した才能同士がどうしようもなく惹かれあう(そしてエゴをぶつけ合う)というのは、さもありなん、という感じではあります。あれは性格に、というよりも、才能そのものに惚れるという面が多分にあるんだろうなぁ(だから芸術家同士というのは壊れやすい、と凡人は想像)。
自立した女シャネルと、糟糠の妻カトリーヌに、どっちつかずのストラヴィンスキーという構図ですが、カトリーヌが病弱ではあるけれど夫の音楽を理解し、楽譜の清書・校正までするなど内助の功有りということで、その辺は必ずしもシャネルに肩入れした描き方にはなってません。この手の話で不倫の善悪を問うのは野暮でしかないと思いますが、奥さんの方にもちゃんと感情移入できるようにもなっていると思うのですよね。
「シャネルとストラヴィンスキーの恋」なんてときくと、ついつい伝説的なロマンスを想像してしまいますが、シャネルがどこまでも毅然としているのに対して、ストラヴィンスキーは煮え切らないところがあったりで、ロマンスというよりはリアルな愛憎劇になっていると思います。

私としては、三人の人間模様よりも、冒頭の、バレエ・リュスの「春の祭典」パリ初演の再現の方が滅法面白かったです。「春の祭典」初演は、そのあまりの革新性故に観客がブーイングや野次を飛ばし、騒動に発展したというのはクラシック史上の事件としてあまりにも有名ですが、今回、客席の騒乱とあわせて舞台上のダンスの部分もたんまり見せてくれるし、ニジンスキーも出てくるのですが、ちょっと神経質でどこか危うさがあるような風貌が、説得力満点でとても良かったです。客席が騒然となって音楽が聞こえなくなる中、舞台袖からカウントしたり、ダンサーたちへの指示を絶叫するニジンスキーがツボでした。あ、あと、上演後にストラヴィンスキーと、初演失敗の責任のなすり合いをするところとかも。

ストラヴィンスキー役のマッツ・ミケルセン、「カジノ・ロワイヤル」のル・シッフル役の俳優さんでしたが、見てる間は全っ然気が付きませんでした。髭+眼鏡効果もありますが、本当、カメレオンですね。今回、ル・シッフルの爬虫類的な雰囲気は全然ありませんので、これからご覧になる方はどうぞご安心を。

シャネル役のアナ・ムグラリスは、予告を見た時から意思の強さを感じさせる美人だなーと思っておりましたが、本当に全身隙なく美しいです。特に背中が壮絶に美しい。シャネルの広告モデルを務めるだけあって、シャネルの衣装が栄えますね。黒がよく似合うのも、さすが大人の女性という感じ。

シャネル映画なので、シャネルがまとうお洋服の数々が素晴らしいのはいうまでもありませんが、ヴィラの内装なんかも本当にうっとり~でした。

あ、ハルサイの音源は、ラトル&ベルリンフィルの「ベルリン・フィルと子供たち」のサントラを使用とのことです。ストラヴィンスキーがハルサイをピアノでゴンゴン弾くシーンなんかもあって、音楽的にもなかなか面白かったです。

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