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2010年3月 8日 (月)

フィギュア雑感2

近況にちょこっと動画のせるだけのつもりが長文になってしまったので、加筆訂正の上、独立させます。。。

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このところ、昔は良かった的なことばかし言っていて自分でも嫌になるんですが、やっぱり良いものは良い、です。

ヤグディンのソルトレイクオリンピック(2002)のフリー。超高画質が嬉しい。
素直に良いなぁ、素晴らしいなぁって心から感嘆できる、王者のすべりです。フィギュアの神様が降りてきたって感じの演技でしたね。

冒頭の4T-3T-2Loのダイナミックな美しさといったら!
どうせ3連続ジャンプやるんだったら、これくらいやってくれ(男子の3-2-2とか別に見たくないです、私)。
3Aも、さすが、世界で一番美しいとうたわれただけのことはありますね。
スケーティング(エッジング)もものすごくキレイだし、動きも隅から隅まで美しく、本当に絵になりますね。情感豊かでドラマティックだし、演技力も申し分なし。表現力があるっていうのはこういうのをいうんだと思うんだけどなぁ。違うのかなぁ。

あ、ジャッジングもすんごい分かり易いです。超明朗会計。3フリップの着氷でよろけた分マイナス1ってところでしょうね。

さてさてヤグディンといえばプルシェンコ。プルシェンコといえばヤグディンってくらいの宿命のライバルの2人ですが、この時プルシェンコはといえば。
SPでコケてまさかの4位発進、最終的には銀メダルだったんですが、よく追い上げたというべきでしょうかね。

プルシェンコ、この時19歳ですが、もんのすごい負けず嫌いっぷりを発揮しています。冒頭の4T-3T-3Lo、こりゃ死ぬ気で跳んできたな、というか、とにかく意地で最後の3Loを付けたな、という感じ(あれでコケないんだからすごい)。ヤグディンが4T-3T-2Loなら俺は4T-3T-3Loを跳んでやる!みたいな意地も感じさせますね。結果的には、若干自爆したわけですが(3Loの軸がゆがんでステッピングアプト)、4T-3T-3Loという異次元ジャンプをオリンピックの舞台で跳んでくるんですから、まぁすごい度胸というかなんというか。あ、ちなみに、4-3-3を競技で成功させているのはフィギュア史上プルシェンコだけで、それも数えるほどじゃないでしょうかね。※2007年にケヴィン・レイノルズが成功させてるようです。すみません。
ジャンプもすごいですが、全編、執念が服着て滑ってるって感じですね。SP4位で自力優勝が無いシチュエーションですが、なんでしょう、この諦めの悪さは……。あちこち荒い部分もありますが、気迫と闘志で強引に持ってってる感じ。


こういうギリギリの局面でのバチバチした緊張感、今は無いですからね~。どいつもこいつも守りに入りやがって…・・・(と、年寄りの愚痴みたくなる)。

それにしても、ソルトレイクの時は、男子メダリストは全員4回転を複数回跳んで、コンビネーションは4-3以上だったんだなぁ(遠い目)。3位のティモシー・ゲーブルも美しい4回転ジャンパーでございましたよ。
なんとも良い時代というか、恐ろしい時代でありました。

なーんて、昔の映像をいろいろ見ててつくづく思いましたけどさ、やっぱりですね、4回転をショート、フリー通して1回も跳ばず、しかも3Aですら真央ちゃんに負けてる男子金メダリストってどーなのよ?とそこに戻るわけですよ。
真央ちゃんは、3A-2Tのコンボを2回と単独の3Aをキレイに降りてますけどさー、以下自粛。
あ、でもこれだけは言わせてください。3Aが最高難度のジャンプ構成であれば、せめてせめて3A-3くらいはトライして欲しかったな、男子なら。

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コメント

2アクセルでも高得点かですか、なるほど、
ご解説でよくわかりました。
いえいえ、なるほどと言っても、全く納得はできません。

「次元が違う」と言われるジャンプと
表現力?曲の解釈?とで、点差がないなんて
つまんないですっ。
練習時の、怪我のリスクも違うでしょうから
プルシェンコの主張はもっともです。
今後ルールは変わるでしょうか。

投稿: 丸々 | 2010年3月 8日 (月) 21:49

丸々さん

ジャッジングについて、ここが変だよ!っていうのは、言い出すとキリがないほどあります。この何年か、一々言うのも面倒であえてこういう場では口にしませんでしたが、今回、本当に堪忍袋の緒が切れました。。。

丸々さんのおっしゃるケガのリスクというのは本当にその通りです。事実、プルシェンコももうずっと長いことケガとの戦いで、体はボロボロなはずです(それでいて、3年半も休んだ後に、100%の精度で4回転を跳んでくるのですから、本当に謎過ぎる……)。まぁ、そういう意味では、スケーターの選手寿命を長くするように、ということで4回転封じ込めの方向に向かったという面もあるようですが、建前と本音が一致してるかどうかは、私には分かりません。

フィギュアはジャンプだけじゃない、スピンやステップや芸術性も大事だ、という主張はもっともですが、男子についてはここまでジャンプのレベルが落ちてしまうと、なんだか言い訳にしか聞こえないのも事実です(という意味も込めての、8年前の動画掲載なのです)。

ルール改正はどうなんでしょう。やらないとフィギュアの未来は無いと思いますが、大ナタを振るうことができる人がいるかどうか。。。

投稿: 青猫 | 2010年3月 9日 (火) 15:39

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