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2010年3月 7日 (日)

フィギュア雑感

近年、仕事以外でこんなに怒り心頭に達したことってあっただろうか???
なんのことかって、フィギュアですよ。
別にここ数週間のことではなくてですね、私は年単位でずーーーーーっと怒ってるんですけどね。
やっと落ち着いて文章が書けるくらいには頭が冷えてきましたが、気持ちがおさまることはないでしょう。

「彼らがフィギュアを殺した夜」とは、カナダのオリンピック銀メダリストのエルヴィス・ストイコ氏のコラム(The night they killed figure skating)のタイトル(和訳は個人のブログ様がアップして下さってますので、興味のある方はお探し下さい)ですが、実際、「彼ら」は完膚なまでに、しかもご丁寧に2回きっちり殺したわけです(あ、ペアとかアイスダンスは見てないので、ことによったらもっと回数が増えるのかも?)。
今回のオリンピックでは、「スポーツとしてのフィギュア」には、文字通り引導が渡されたのではないかと思います。

ただし、基本的には、選手に罪があるとは(さほど)思っていません。どの選手だって、勝つために、順位を上げるために、自分のやれること、やるべきことを精一杯頑張っているんでしょうから。

問題はルール、ジャッジ、採点方法等々、要するにシステム自体にあります。ストイコ氏いうところの、「彼ら」ですね。

現行のルール・採点方法は、大技(男子は4回転、女子は3回転半)潰しの傾向が強いですが、私は「凡人が天才に勝つためのシステム」であると解釈しています。もっとはっきりいえば、「大技を持たない凡人を天才に勝たせるためのシステム」であると。

男子の4回転(クワド)だの、女子の3回転半(トリプルアクセル)だの、いわゆる大技は、色んなリスクが伴います。転倒はもちろんですが、着氷が乱れたり回転不足になり易く、いざ回転不足と判断されたら苛烈な減点が待っています。どのくらい苛烈かって、これはもう、最初からトライしない方がマシってくらいに点数を引かれます。もう皆さんご存知かもしれませんが、例えば3回転半が回転不足判定を受けて減点された時の点数は、たとえ回転不足が肉眼では判断がつかないような微細なものであっても、普通に2回転半(ダブルアクセル)を跳んだ時の得点よりもずっと低いのです。はっきりいって、体力を消耗するだけ損って話です。そして、仮に成功したとしても、リスクに見合うだけの十分な加点(GOE)を得ることは至難の業です(少なくともバンクーバーでは、浅田選手の3アクセルはそれぞれ0.8、0.6、0.2と、1点も加点が付かなかった)。一方で、ジュニアの選手、いや小学生でもできるような2回転半なんかに山モリの加点を与えたりします。
最初から2回転半をかっちり跳べば易しいジャンプだからキズ無く跳べて、かなりのGOEがもらえるかもしれない。でも3回転半に挑戦したら、GOEがつくどころか、些細なキズで通常の2回転半分のスコアすら望めないかもしれない。これでは、大勢の選手がより安全な方に流れるのも無理はないでしょう。

そして、このGOEがクセモノすぎます。もちろん、ジャンプ(スピン、ステップもですが)の質の良し悪しを云々するのは良いでしょう。転倒した、ステップアウトした、着氷でぐらついた等々で減点っていうのも正しい。でも、いくら質が良いからといって、GOEを気前良く2点もふるまっていたら、元の基礎点の意味が崩壊してしまいます。一応、ジャンプの基礎点って難易度に応じて細かく点数が振られてるんですが、GOEでいくらでも点数が上下するので、難易度なんて今やほとんど意味がないのでは?という状況になっています。

基礎点   前半 後半
2アクセル 3.50 3.85
3トウループ 4.00 4.40
3サルコウ 4.50 4.95
3ループ 5.00 5.50
3フリップ 5.50 6.05
3ルッツ 6.00 6.60
3アクセル 8.20 9.02
4トウループ 9.80 10.78
(以下略)

まずは、誰でも跳べる2アクセルで見てみましょう。2アクセルにGOEが2点がついたら、跳んだのが前半であれば3フリップと同等のスコア。後半に飛ぶとご褒美で基礎点が上がるので、GOEが2点つけば5.85、ほとんどの3回転ジャンプを跳ぶよりもお得に点数を稼げます。
3ルッツの場合、例えば、後半に跳んで2点のGOEが付けば8.60で、基礎点8.20の3アクセルを逆転してしまいます。同様に、3アクセルに加点がいっぱい付けば4トウループを逆転し得るわけですね。女子の場合は3回転と3アクセルの間、男子の場合、3アクセルと4回転の間には、難易度的にはほとんど別次元ってくらい差があるといいますが、GOEというマジックによって、スコア的には異次元ワープが可能になってしまっているのです(そもそも高難度ジャンプの基礎点自体が低い、という問題もありますが)。

バンクーバーのショートで浅田選手とキム選手に5点近く点差が開いた時に、最初私は演技構成点(PCS)のせいか?と思ったのですが、実際はこのGOE部分が大きかったのでした。


あれ、長いな。
まだ全然書きたい部分に到達していないような気がするのだけれど……。

気が向いたら続きます。

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